二人のビーストテイマー   作:ほにゃー

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第11話 予選通過

その後、二回戦、三回戦、四回戦と勝ち進み、予選の決勝戦となる五回戦にまで来た。

 

相手はダインとか言う、少し前にアヤメさんとシノンさんと協力関係にあったスコードロン、いわゆるギルドのリーダーらしい。

 

持っている銃もレアものらしいが、かなり臆病者で、安全第一主義の人らしい。

 

アヤメさんたちの話の通り、建物の陰からこそこそと銃で狙い撃ってくると言った戦闘スタイルで、まったく前衛に出てこない人だ。

 

なので、ツェリスカで威嚇しつつ、あるポイントに誘導させ、そのポイントにきたらコロッセオさんから貰った、ボタン式携行地雷を起動させ、吹き飛ばして勝った。

 

かなり早く終わった。

 

よくダインさんは決勝戦までこれたなと思う。

 

決勝戦を終わらせ、待機エリアに戻ると、アヤメさんも戻ってきたところだった。

 

「よぉ、レイン。決勝進出、おめでとう」

 

「アヤメさんも決勝進出ですか?」

 

「ああ。ところで聞きたいんだが、何のためにお前たちがこのゲームに着たんだ?」

 

…………やっぱりアヤメさんには隠せないか。

 

俺は素直に、GGOに来た理由を話した。

 

《死銃》、《死剣》、死んだ三人のプレイヤー、菊岡さんからの調査の依頼。

 

「なるほどな。噂程度に聞いてたが、まさか本当にあの三人は死んでたのか」

 

「それと、キリトさんが接触した限り、《死銃》は《ラフィン・コフィン》の上級幹部だったプレイヤーの可能性が」

 

「《ラフィン・コフィン》……………思い出したくない奴等だな」

 

アヤメさんにとってもあの出来事は思い出したくはないものだろう。

 

「よし、俺も協力しよう」

 

「え?いいんですか?」

 

「ああ、ラフコフが関わってるかもしれないなら、元攻略組で、あの討伐作戦に関与していた俺も協力するべきだ。頼む」

 

アヤメさんは真剣な瞳で俺を見てくる。

 

「わかりました。じゃあ、お願いします」

 

「ああ」

 

アヤメさんはにっこりと微笑み、拳を自分の胸に叩き付けた。

 

とても心強い。

 

「それより、シノンとキリトの試合が始まるぞ」

 

「じゃあ、観戦しましょうか」

 

モニタに映ってるシノンさんとキリトさんの試合を見つけるのは簡単だった。

 

もう決勝戦だから人数も少ない。

 

だが、そのモニタを見て俺は驚いた。

 

キリトさんは遮蔽物に隠れて移動するわけもなく、ゆっくりと歩いてシノンさんに向かっていた。

 

負けるつもりみたいだ。

 

その時、シノンさんが持つライフルが火を噴いた。

 

だが、放たれた弾丸はキリトさんに当たらずキリトさんの横を50㎝以上ずれて通過した。

 

二発目、三発目、四発目も外し、そして、六発目も外し、シノンさんの残弾は残り一発になった。

 

「シノンの奴、キリトに威嚇してるな。普段のアイツならあの距離で外したりはしない」

 

「それに、キリトさん、まるで戦う意思がない感じでしたね」

 

「本線に出場できるから、予選の決勝戦はどうでもいいってか?随分勝手だな」

 

確かに勝手だ。

 

でも、キリトさんらしくない。

 

キリトさんなら、いくら菊岡さんの依頼だからと言ってゲームでの試合にあんな投げやりになるはずがない。

 

もしかして、《死銃》と接触して、討伐作戦のことを思い出したのかもしれない。

 

おそらくキリトさんはあの出来事を無かったことにしようとしてる。

 

「レイン、お前は《剣聖》いや、《死剣》を殺したことを今でも覚えてるか?」

 

「………忘れるはずがありません」

 

「そうだ。俺はあの世界で自分が殺した奴らの顔をはっきり覚えてる。今でも夢に出てうなされてる。でも、これは俺自身の罪だ。だから、俺はそれを受け入れる。それが俺たちがするべき償いだ」

 

やっぱり、アヤメさんは強い。

 

俺は再びそう思った。

 

その時、試合に動きがあった。

 

キリトさんの顔がいつものやる気に満ち溢れている。

 

そして、シノンさんと言葉を交わした後、持っていた銃から弾を一つ取り出し、また何か話している。

 

「どうやら、キリトの奴、気づいたみたいだな」

 

「ですね」

 

「てか、まさかアイツ等決闘スタイルで勝負決めるつもりか?」

 

「みたいですね」

 

「いくらキリトでも無謀過ぎる。あの距離ならシノンの熟練度とステータス補正、それとへカートⅡのスペックが重なるから、システム的に必中だ」

 

確かにその通りかもしれない。

 

でも、それでもキリトさんなら何とかしてしまう気がする。

 

キリトさんが左手で弾を弾く。

 

弾は回転しながら地面に向かった落ちる。

 

そして、弾が地面に落ちた瞬間、シノンさんのライフルが火を噴いた。

 

そして、弾はキリトさんには当たらず、キリトさんの後方を二つに分かれて、光となって消えた。

 

…………………え?二つ?

 

ま、まさか、キリトさん…………

 

「彼奴、弾丸を斬りやがった」

 

……………規格外過ぎるだろ。

 

ライフルの反動で後ろに倒れ気味だったシノンんは腰の銃に手を伸ばすが、それより早くキリトさんが左手でシノンさんの背中を支え、右手の光剣を喉元に突きつけていた。

 

そして、シノンさんと少し言葉を交わすと、シノンさんはリザインと叫び、キリトさんの勝利で幕を閉じた。

 




次回、とうとうBoBの本選に入ります。

その前に少し、ほのぼのした話を入れます。

原作で言うキリトとリーファの話です。

早い話、レインとシリカの話を入れ、アヤメとシノン、ついでに新川のは話を入れるつもりです。

では、次回もお楽しみに。
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