アニメを見てたら、久々に書きたくなりました。
それでは、どうぞ。
BoBが始まって三十分がたった。
今の所俺は一度も敵と遭遇していない。
まぁ、積極的に動こうとしてないだけなんだが。
それよりも気になることがある。
「どうして、ステルベンがいないんだ?」
最初のサテライトスキャンと二回目のサテライトスキャン。
そのどちらでも、ステルベンの姿を認識できなかった。
存在する全ての光点をタップし、名前を捜したが、無かった。
サテライトスキャンで見つからない場所に居るのか?
そういえばキリトさんも見つからなかったな。
「動くな」
後頭部に銃口が突きつけられた。
考え事に集中し過ぎて背後の警戒がおろそかになってやがったか。
「両手を頭に付けろ」
俺は言う通り、手を後ろに伸ばし、素早く振り返る。
相手の手を掴んでひねり、逆に銃を奪おうとする。
奪われる前に、襲撃者は足をあげ、俺の手ごと銃を蹴る。
銃は高く舞い上がり、襲撃者は銃を手にしようと手を上げる。
俺は背中に手を伸ばし、背中に仕込んだホルスターからククリナイフを取り出す。
そして、襲撃者が銃を手に取り、俺に向けるより早くククリナイフを首に当てる。
本来ならすぐに掻っ切るのだが、襲撃者を見て俺は驚いた。
「あ、アヤメさん!」
「悪い、悪い。ちょっとしたジョークだよ」
「止めて下さいよ。こっちは死ぬかもって思ったんですよ」
「悪い悪い、それよりこっち来い」
アヤメさんを先頭に俺たち二人は森林の中を進む。
「アヤメさん、一体どこに向かってるんですか?」
「さっき、マップで確認したところ鉄橋付近でおそらくダインとペイルライダーが闘う」
そう言えば、ペイルライダーも今回初参加のプレイヤーだったな。
「お前がステルベンを気にしてるのは知ってる。だが、意味が死って理由だけで死銃か死剣と判断するのは早い。なら、他に可能性のあるペイルライダー、銃士X、J・B、プレアデスも確認し解くべきだ」
アヤメさんの言う通り、一応全員確認しとくべきだ。
アヤメさんと鉄橋近くの茂みに隠れ様子を見る。
山岳側の鉄橋には俺が予選の決勝で闘ったダインさんが伏射姿勢で銃を構えていた。
暫くすると森林側の鉄橋から青白い柄の迷彩スーツを着たプレイヤーが現れた。
あれがペイルライダーか。
武器はショットガン。
本来なら弾が当たらないように、掩体から掩体へとダッシュして行くはずなのに、ペイルライダーはゆっくりとした足取りで、鉄橋に踏み入る。
ダインさんのアサルトライフルが火を噴くが、ペイルライダーは鉄橋を支えるワイヤーに左手のみでしがみつき、左手一本で昇り始めた。
ダインさんも後を追って撃つが、伏撃姿勢では狙いづらいのか、二度目の射撃が大きくズレた。
その隙にペイルライダーは、ワイヤーの反動を利用して、ロングジャンプをし、ダインさんとの距離をかなり詰めた。
「STR型なのに装備を軽量にしたのは三次元機動力をブーストさせるためか」
「それに軽業スキルも高そうですね」
ダインさんは三度銃を撃つがその攻撃もペイルライダーは、前転をするようにして躱す。
「なろっ!」
ダインさんの声が聞こえ、ダインさんは空のマガジンを交換しようとする。
だが、その前にペイルライダーの持つショットガンが発砲される。
撃たれたダインさんは大きく仰け反る。
だが、仰け反りながらもマガジンの交換を終わらせる。
そして、頬付けして撃とうする。
しかし、その前にペイルライダーは再び引き金を引く。
また、ダインさんは大きく仰け反り、体勢を崩した。
ペイルライダーは、もう目と鼻の先のダインさんに向かって、もう一度引き金を引き、残りのHPを全て奪った。
「バカな奴だ。頬付けせずに腰溜めで撃てばチャンスがあったかもしれないのにな」
アヤメさんがそう呟くと、死体となったダインさんの体の上に、【Dead】の文字が浮かび上がる。
「ペイルライダー、強いな」
「はい」
これは死銃もしくは死剣候補として考えるべきかもしれない。
そう思った時、ペイルライダーの右肩に着弾エフェクトが閃く。
それと同時に、ペイルライダーはその場に倒れた。
「な!?レイン、今発砲音聞こえたか?」
「い、いえ、全く聞こえませんでした」
「……なら、作動音の小さい光学ライフルかサプレッサ―を付けたライフルのどちらかが」
「………あれ?アヤメさん、あの人の体に妙なライトエフェクトが」
「あん?……あれは電磁スタン弾か」
「何ですか、それ?」
「当たった瞬間、電流を生み出し、対象を麻痺させる弾だ。まぁ大口径のライフルでしか使えないし、おまけに一発一発が高い。対人向けより、大型Mob狩りに使われる。ま、この分なら後、数十秒で効果は消える」
「なら、なんのために撃ったんですか?」
「………そういえばどうしてだ?」
疑問に思ってると、鉄橋の鉄柱の陰から別のプレイヤーが現れた。
全身を覆う、濃い灰色のフードマント、ギリーマントという奴だ。
「いつからあそこに居た?」
アヤメさんが声を上げた。
俺も覚えてる限り、いつからあそこにプレイヤーがいたのか覚えてない。
まるで行き成り現れた感じだ。
そのプレイヤーの手には、かなりの大きさのライフルがあった
「あれは、《サイレント・アサシン》!」
「知ってるんですか?」
「まぁな、正式名称は覚えてないが、あれは人を狙撃するために作られたライフルだ。最大射程距離二千メートル以上で、専用のサプレッサー付き。撃たれた奴は狙撃手の姿を見ることも無く、そして、音もなく殺される。故に《サイレント・アサシン》だ」
プレイヤーはなめらかな足取りで、ペイルライダーに近づく。
そして、マントの中から一丁の銃を取り出した。
見た目がしょぼく、攻撃力が低そうに見える。
明らかにライフルの方が高そうな気がする。
そう思ってる間に、そのプレイヤーは十字を切り、左手を握りに添える。
そして、引き金を引こうとした瞬間、俺はとてつもなく嫌な予感がした。
腰のツェリスカに手が伸び、素早く抜く。
アヤメさんが俺を静止する声が聞こえるが、無視した。
引き金が引かれる。
そう思った瞬間、プレイヤーは体を大きく後ろに仰け反らせた。
その後、一発の弾丸がプレイヤーの胸元を僅かに掠め、後ろの地面に大穴を作った。
隙が出来た。
今がチャンスと思い、ツェリスカを向ける。
引き金に指を掛け、撃つ。
銃身から放たれ600NE弾は体勢の崩れたプレイヤーに吸い込まれるように飛ぶ。
だが600NE弾は突如現れた者によって阻まれた。
そのプレイヤーは手にした武器で、俺の弾丸を斬った。
そして、その武器はガンブレードがあった。
真っ赤な刀身と、柄には引き金と、弾を装填するリボルバーが付いている。
どうやら、弾丸を斬る際、弾丸と刀身が当たる瞬間に、引き金を引き、弾を爆発させ、斬撃の威力を上げたのだろう。
まさか600NE弾が切られるとはな。
そのプレイヤーはガンブレードを手に俺に斬り掛かってくる。
ツェリスカを右手に持ち、左手は背中に仕込んだククリナイフを抜く。
反撃しようとした瞬間、何かが、腕に刺さる感覚に襲われた。
それと同時に、体が崩れ落ちる。
この感覚は、麻痺毒!?
「ワ~ン、ダ~ウン!」
またしても突如現れたプレイヤーは、俺の腕からナイフを抜く。
こいつ、まさか!?
「気分はどうだ?」
ガンブレード持った男が声を掛けてくる。
「今、この場で殺してもいいんだが、まだ、お前の番じゃない。その目で、人が死に逝くさまでも眺めてろ」
そして、最初のプレイヤーは手にした拳銃でペイルライダーを撃ち抜いた。
だが、HPはあまり減らずに、まだ9割残ってる。
麻痺が解けたペイルライダーはバネのように飛び上がり、ショットガンを構える。
だが引き金を引く前に、ペイルライダーは、両ひざが崩れ落ち、体を右に傾け倒れた。
弱々しい動作で左手で胸を掴む。
その時、ヘルメット越しに見えたかの表情は死に逝く者達が感じる死への恐怖そのものだった。
そして、体がノイズを思わせる不規則な光に包まれ消滅した。
【DISCONNECTION】が浮かび上がり、消えた。
「俺と、この銃の名は死銃……デス・ガン」
「俺と、この剣の名は死剣……デス・ソード」
「俺らはいつか、テメェーらの前に現れる!」
「そして、この銃と」
「この剣で、本物の死をもたらす」
「俺らにゃ、それだけの力がある!」
「忘れるな」
「まだ、終わってない」
「何も、終わってねぇ!」
「「「 I t ` s s h o w t i m e ! 」」」