やっぱりこいつら《ラフィン・コフィン》の奴等か!
だが、一体どうやってペイルライダーを殺したんだ?
まさか、本当にあの銃で殺したって言うのか?
「なぁ、こいつも殺していいよな?」
「……タイミング的には……問題ない」
タイミング?どういうことだ?
「おい、こいつは俺がやる」
死剣が俺の下に歩み寄りガンブレードを掲げる。
「お前を殺す。それだけを夢見て生きてきた。ここで、復讐を果たさせてもらうぞ」
復讐だって?
何のことだ?
そう思ってると、ガンブレードが俺に振り下ろされる。
体は麻痺してまだ動けない。
俺は死を半ば覚悟し、眼を閉じる。
だが、その攻撃は横からの襲撃者によって阻まれた。
「うおおおおらああああああああ!!」
ライフル銃に銃剣を付けたアヤメさんが、ガンブレードを弾き、俺を助けてくれた。
「チッ!仲間かよ!くらいな!」
ナイフを持った男が、アヤメさんを刺そうとする。
だが、
「うおおおおおおおお!」
光剣を持ったキリトさんが、《ウォーパル・ストライク》を放ちながら、突っ込んでくる。
「うをっ!?」
男は後ろに仰け反り攻撃を躱す。
そして死銃は遠くからの狙撃を回避していた。
きっとシノンさんだろう。
「レイン!無事か!?」
「は、はい」
キリトさんが俺を庇うように前に立つ。
「よお、久しぶりだな。ザザ」
アヤメさんは死銃に向かってそう言う。
「俺を……覚えていたか……アヤメ」
「その喋り方と、そんな趣味の悪い恰好する奴なんて貴様しかいない」
「銃の世界で……銃剣を使うとは……相変わらず……槍しか能の無い奴だ」
「はっ!そういうお前こそ、お得意のエストックじゃなくていいのか?」
「ふん……おい……こいつは……俺がやる」
死銃もといザザは、残りのメンバーに声を掛ける。
「俺もアヤメとは戦いたいが、仕方がねぇ。ここはザザに譲ってやるよ」
「なら、俺と遊べよ。ジョニー・ブラック」
「おお!なんだよ、《黒の剣士》様!オレの事覚えてたのかよ!」
「最初に会った時は誰かが分からなかったが、その喋り方と、戦い方で思い出した」
キリトさんは不敵に笑いながらも、光剣を持つ手に力を込める。
「いいぜいいぜ!遊ぼうぜぇ!」
ジョニーは子供のように笑い、ナイフを器用に回転させる。
「待て」
今にも戦いだしそうな雰囲気の中、死剣は声を上げる。
「いくら俺たちでも、元攻略組三人相手はきつい。それに遠くには優秀な狙撃手もいるようだ。下手をすれば俺たちが全滅する」
「なるほど……一理ある」
「んだよ!しらけるじゃねぇか!ま、ここでくたばるのも詰まらねぇし、今回は従ってやるよ」
ザザは銃を懐にしまい、ジョニーも持ってたナイフをホルスターに収める。
死剣もガンブレードを腰のホルスターに収め、コートで隠す。
「待て!」
俺は走り出そうとしてる死剣に向けて声を上げる。
死剣は立ち止り振り返る。
「どうして、俺を狙う?」
「……貴様が仇からだ、それだけだ」
そう言って、死剣はザザ、ジョニーと共に森の中に向かって走って行った。
「三人共、大丈夫!?」
シノンさんが大きなライフル(へカートだっけ?)を背負ってやって来た。
「ああ、問題無い」
「それにしても、アイツ等何者よ?」
「……死銃と死剣、そしてそいつらの協力者と言ったところか」
「死銃と死剣?でも、あれは噂じゃ」
「だが、見ただろ。あいつがペイルライダーを殺すのを」
「そんな………信じられない。ゲームで人を殺せるなんて。ううん、それ以前にその話が本当なら死銃は、自分の意志で殺してるってことでしょう?そんな人がGGOに……VRMMOにいるはずがない。私は認めたくない。PKじゃなくて、本当の殺しをするVRMMOプレイヤーがいるなんて」
「いるんだ。死銃、そして協力者の男は、かつてあるVRMMOで人を大勢殺した。相手が死ぬと分かっていながら剣を振り下ろした。ペイルライダーを撃った時と同じように。そして、俺たちも…………」
アヤメさんがそこで言葉を終わらせると、シノンさんは何かを察したらしい。
おそらく、俺たちがSAO生還者だって分かったんだろう。
「シノン、このまま大会が終わるまで安全な場所に隠れてくれ………って言っても無駄か」
「当たり前でしょ!そんな《立て籠もりリッチー》みたいな真似できるわけないじゃない!」
「なら、ここで別れよう」
「え?」
「俺たちはこれからあの三人を追う。もしアイツ等の力が本当なら危険だ。これ以上あの銃とあの剣でプレイヤーを殺させたらいけないんだ。だから、シノンはあの三人とあっても戦うな。頼むぞ」
アヤメさんの言葉を最後に、俺たちはあの三人を追う。
すると
「待ちなさい!」
シノンさんがへカートを背負って後を追ってくる。
「私も行くわ!」
「な!?だから、危険だから駄目だって言ってるだろ!」
「彼奴らがどこにいるのかも分からないんだから、どの道一緒に居ても同じよ。それに、アンタ、いつもの無謀な戦い方で勝てると思ってるの?あれが通用するのは最初だけよ!」
「うっ!」
「私が援護して、アンタが接近して倒す。そういう戦い方でしょ。私たちは」
シノンさんは拳を突きつけ、アヤメさんの胸を軽く叩く。
「………そうだったな。じゃ、援護は頼むぞ、シノン」
「ええ、任せて」
「なら、俺はジョニーを追う。アヤメはザザを頼んだ」
「なら自分は死剣を追います」
「よし、レイン、キリト。死ぬんじゃねぇぞ」
「お前こそな」
「シノンさんを守ってあげてくださいね」
一度全員で拳をぶつけ合い、俺たちはそれぞれの標的を目掛けて、分かれた。