スキャンで確認したJ・Bことジョニー・ブラックを追い、砂漠エリアを走り抜ける。
スキャンの通りならそろそろ姿が見えるはず。
長いこと走り、そして、とうとうジョニー・ブラックの姿を捉える。
背中を向けてる。
今ならやれる!
光剣のスイッチを親指でスライドさせ、紫かかった青いエネルギーの刃が柄から伸びる。
踏み込むと同時にダッシュのスピードを余さず乗せ、直突きを放つ。
俺がSAOで慣れ親しんだ技《ウォーパル・ストライク》だ。
放たた技は、そのまま無防備なジョニーの背中に吸い込まれる。
だが、当たる直前でジョニーは体を捻り、攻撃を回避した。
俺は舌打ちをし、体の向きをジョニーへと向け直す。
「いいスピードだったぜ!SAOの時と比べりゃ、かなり落ちてるがな!」
「黙れ。そのふざけた口ぶった斬るぞ」
「ひゅ~、怖い怖い!」
相変わらずふざけた喋り方だな。
聞いててイライラする。
「お前たちの犯行の手口は分かった。大人しく首を洗って警察に自首するんだな」
「へ~、俺たちの犯行の仕方が分かったのか。なら、お聞かせ願いたいね」
俺はジョニーに俺たちの推理を話す。
推理を聞くとジョニーは大袈裟に拍手をする。
「ヒョー!やるー!お見事だぜ!よくそこまで見抜けたな!だが、一つ間違ってるぜ」
「何?」
「確かに、ザザの実家は医者だ。だがな、そう簡単に、それも殺人を理由に薬を渡すか?」
ジョニーの言う通りだ。
薬をそう簡単に渡すはずがない。
それに、薬品なんだから保管も厳重にされてるはずだ。
「ザザはある過程で一人の医者の不正を知った。医者の息子だからな、他の病院の事情を知っても不思議じゃない」
「まさか!?」
「そうさ。その医者に金を握らせ、薬とマスターコード、注射器を貰ったのさ。でだ、その病院、何処だと思う?」
まさか……その病院って…………
「そのまさか!今、お前たち二人の現実の身体が眠ってる病院の医者さ!今頃、お前たちの傍でお前たちが死銃か死剣で攻撃されるのを待ってるぜ。注射器片手にな!」
「だが、俺たちの部屋には見張りの人もいるぞ。それはどうする?」
「くくく、その看護師、夜勤明けだろ?」
「な!?」
「夜勤明けじゃさぞかしお辛いだろうね。きっと、行き成り入って来た男に為すすべもなく、気絶させられるかもな」
くっ、そこまで計算済みか!
いや、医者の協力者がいるなら看護師に夜勤を頼むこともできる。
嵌められたか!
くそ!
「危険なのがあの女だけだと思ったか?残念だったな!危険なのはお前たちもさ!」
ナイフを手に大笑いするジョニーを俺は歯ぎしりしながら睨む。
「それにしても、レインは可哀想だな」
「……どういうことだ?」
「お前は死剣とも死銃とも戦わない。俺に殺されるからな。だが、レインは違う。死剣に斬られ、その瞬間、奴は死ぬ。くくく、とんだ貧乏くじだな、あのガキは」
「…………レインは、勝つと言った」
「……あ゛?」
「彼奴は死なない。そして、俺もお前なんかに殺されない。お前は俺が殺す!」
「はっ!やってみろよ!黒の剣士!」
ジョニーは麻痺毒を塗ったナイフを振りかざし襲い掛かってくる。
躱し、光剣で反撃する。
ジョニーは光剣を躱し、ナイフで突きを放つ。
俺は後ろに飛ぶことで、攻撃を回避する。
突きが交わされ、ジョニーの体勢が崩れる。
そこを狙い《バーチカル・スクエア》を使う。
放たれた四連撃の内、二つは躱され、一つは右腕を掠り、残りは腹を深く斬った。
ジョニーのHPは四割削れる。
これで、決める!
すかさず俺の得意技《ウォーパル・ストライク》をジョニーの心臓目掛けて放つ。
これで終わりだ!
ドンッ!
「な………に?」
身体に衝撃を感じ俺は僅かに後退する。
残念ながら光剣はジョニーの心臓には届かなかった。
代わりに、俺の脇腹には赤いダメージエフェクトがあった。
そして、ジョニーの左手には大型の銃が握られていた。
その銃は銃に詳しくない俺でも知ってる。
映画ではお馴染みの大型自動拳銃。
デザードイーグルだった。
「忘れたか?ここは銃の世界。光剣は脇役、銃が主役だ」
しまった!
俺は心の何処かでこの世界をSAOやALOと同じに思ってしまった。
だが、ここはGGO、銃の世界だ。
あくまでもこの世界が銃がメインだ
それを失念していた。
「さーて、そろそろフィナーレと行こうか」
ジョニーはナイフと銃を手に、にやっと笑った。
後味が悪いですが、キリトVSジョニー・ブラック戦はここで一旦終了です。
次回はレインVSプレアデス(死剣)戦になります。
これもこんな感じで一旦終わります。
そして、現実での病院の話になり、決着が着きます。
その後に、アヤメ&シノンVSザザ(死銃)戦になります。
では、次回もお楽しみに。