邪神たちと問題児たちが異世界から来るそうですよ?(仮)   作:一瀬 宮斗

2 / 2
楽しみにしてくれてる人はお待たせしました。
感想があると作者は嬉しくて一時的発狂になります。
他の小説を書いている方々って凄いんですね………。
作者も頑張りますので、強制はしませんが応援おねがいします。
2014/8/10 台詞の前に名前を書く形式をやめました。
指摘してくださった方々ありがとうございます。その他 修正をいれました。


第壱話 ニャル子「英語で言うと、Hide and seek!!」

―――箱庭二一〇五三八〇外門居住区画、第三六〇工房。

 

「上手く呼び出せた?黒ウサギ」

「みたいですねえ、ジン坊っちゃん」

 

黒ウサギと呼ばれた十五、六歳に見えるウサ耳の少女は、肩を竦ませておどける。

その隣で小さな体躯に似合わないダボダボなローブを着た幼い少年がため息を吐いた。

黒ウサギは扇情的なミニスカートとガーターソックスで包んだ美麗な足を組み直し、人差し指を愛らしい唇に当てて付け加える。

 

「まあ、後は運任せノリ任せって奴でございますね。あまり悲観的になると良くないですよ?表面上は素敵な場所だと取り繕わないと。初対面で『実は私たちのコミュニティ、全壊末期の崖っぷちなんです!』と伝えてしまうのは簡単ですが、それではメンバーに加わるのも警戒されてしまうと黒ウサギは思います」

 

握り拳を作ったりおどけたりと、コロコロ表情を変えながら力説された少年も、それに同意するように頷いた。

 

「何から何まで任せて悪いけど……彼らの迎え、お願いできる?」

「任されました」

 

ピョン、と椅子から黒ウサギが跳ねる。

『工房』の扉に手をかけた黒ウサギに、少年は不安そうに声をかけた。

 

「彼らの来訪は……僕らのコミュニティを救ってくれるだろうか」

「……。さあ?けど"主催者(ホスト)"曰く、これだけは保証してくれました」

 

クルリとスカートを靡かせて振り返る。

おどけるように悪戯っぽく笑った黒ウサギは、

 

「彼ら四人は………人類最高クラスのギフト所持者だ、と」

 

* * * * *

 

『ぎにゃああああああ!!お、お嬢おおおおおお!!』

 

今現在、七人と一匹は上空4000mから落下している。

 

「おい!ニャル子!何とかしろよ!」

「しょうがないですねえ、他でもない真尋さんの頼みですし………シャンタッ君!君に決めた!」

 

そう言って、ニャル子は上と下、あるいは右と左の半分で色が違っている―――百円で一回レバーを回すプライズのカプセルに似た物―――を握り潰した。

そのカプセルから、ピンク色の煙が上がり、突発的な強風が巻き起こると、出てきたのは………

 

『×@○※¿*¡ゥゥゥ!!!』

 

頭部は馬の面で、羽毛ではなく鱗のようなもので身体の表面がびっしりと覆われている。蝙蝠の翼がある象ほどの大きさの巨大な生き物だった。

 

「さあ、頼みますよシャンタッ君。いま落下してる皆を助けなさい!」

『@×※*○ォォ!!』

「きゃ!」

「わっ!」

「うおっ!」

 

巨大な生き物は落下している七人と一匹をすくい上げるようにして背中に乗せる。

これで落下死なんてハメにならなくてすんだ。

ただ、やはりこのような不気味な生き物は僕やニャル子達なら慣れてるから兎も角、初対面の人には―――

 

「何だ?この生き物。何か見たことがある気がすんだよな………」

「凄い………。こんなの初めて見た………!」

「これは………なんなのかしらね」

 

………いや、あまり動じてはいなかったようだ。

僕が言うのもなんだが、これはおかしいのではないだろうか。

そうこう考えているうちにニャル子達はお先に地面に降りたようだった。

 

「真尋さーん、到着しましたよー!」

「ああ、ありがとう、ニャル子。僕は久しぶりにお前が出来る奴だと感じたよ」

「久しぶりに!?其れは酷くありませんか!!?ギャーギャー…」

 

………、そういえば。他のあの三人に大丈夫か声かけた方がいいだろうか、と三人の方へ目をやる。

 

「………大丈夫?」

『じ、じぬがぼおぼた………!』

「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺りこんだ挙句、空に放り出すなんて!」

「右に同じくだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出された方がまだ親切だ」

「………。いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」

「俺は問題ない」

「そう、身勝手ね」

 

………なんだか良く分からないがおかしいところだらけの会話をしていた。

 

「………あ、そうだ。ニャル子。シャンタク鳥(コイツ)きちんと小さくするか、仕舞うかしておけよ。」

「真尋さん!ニャル子は頑張ったんですよ!?何かご褒美を、例えば真尋さんの熱いべーゼとか………」

「……………。」

 

無言でフォークをちらつかせる。

 

「あはは、流石に冗談デスヨ(汗」

「それならいいんだ。それに頑張ったのはお前じゃなくてむしろシャンタク鳥(アイツ)の方だからな?」

 

ここで、ボーイッシュな三毛猫を抱えている少女が

 

「此処………どこだろう?」

「さあな。まあ、世界の果てっぽいのが見えたし、どこぞの大亀の背中じゃねえか?」

 

少女の呟きに不良っぽい少年が応える。

そして軽く曲がったくせっぱねの髪の毛を搔きあげ、

 

「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」

「そうだけど、まずは"オマエ"って呼び方を訂正して。―――私は久遠飛鳥よ。以後は気を付けて。それで、そこの猫を抱き抱えてる貴女は?」

「………春日部耀。以下同文」

「そう。よろしく春日部さん。次に、野蛮で凶暴そうな貴方は?」

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」

「そう。取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢様」

 

心からケラケラと笑う逆廻十六夜。

傲慢そうに顔を背ける久遠飛鳥。

我関せず無関心を装う春日部耀。

そんな三人を見て黒ウサギと八坂真尋の心は一つになった。

((うわぁ………なんか問題児ばっかりみたいですねえ(だなあ)………))

 

呼び出された仲間としてアレだが………彼らと協力する自分が、客観的に想像できそうにない。黒ウサギと八坂真尋は陰鬱そうにため息を吐くのだった。

 

「それで………貴方達は?」

「ああ、僕は八坂真尋だ」

「私は八坂ニャル子と申します♪真尋さんとは………ポッ///」

 

……………は?いや、その反応はおかしいだろう。

 

「へえぇ。なかなかやるじゃねえか真尋(ニヤニヤ」

「あらそうね。私達はお邪魔かしら?(ニヤニヤ」

「………お似合いだと思う(ニヤニヤ」

「ちょっ!違っ!………ニャル子!巫山戯すぎだ!」

「そんな!あの時私にあんなに激しくして下さったのに………!」

「ホホウ(ニヤニヤ」

「ヘエェ(ニヤニヤ」

「………詳しく」

 

……………イラッ

ブスッ、ニャル子の頭にフォークが刺さる音。

 

「ブラウ・ブロッ!!!」

「次進めるぞ、次。あと僕とニャル子の間にそんな関係は無いからな。次変なこと()かしたらまた刺すからな」

「………オマエ、躊躇ないな………」

「………次は私」

「私は八坂クー子。今のところ少年の家に居候させてもらっている。………あと、ニャル子は私の嫁///」

「私はあんたなんかとはお断りだっての!」

「………むぅ、じゃあ少年でもいい」

「いや、ここで僕にふられても困るんだが」

 

これは普通に困る。

 

「さ、最後は僕だねっ!」

「僕は八坂ハス太っていうよ!あ、あと、真尋君は僕の大切な人です!」

 

これは知らない人から見ると誤解されそうだな。

 

「えーと………。一応言っておくが、ハス太は男だからな?」

「ほう………。オマエ………、ホモだったのか?」

「頑固否定させてもらう」

 

* * * * *

 

十六夜は苛立たしげに言う。

 

「で、呼び出されたはいいけどなんで誰もいねえんだよ。この状況だと、招待状に書かれていた箱庭とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねえのか?」

「そうね。なんの説明もないままでは動きようがないもの」

「………。この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思うけど」

(全くです)

 

黒ウサギはこっそりツッコミを入れた。

もっとパニックになってくれれば飛びだしやすいのだが、場が落ち着き過ぎているので出るタイミングを計れなかったのだろう。

 

(まあ、悩んでいても仕方がないデス。これ以上不満が噴出する前にお腹を括りますか)

 

「―――仕方がねえな。こうなったら、()()()()()()()()()()()()話を聞くか?」

 

物陰に隠れていた黒ウサギは図星を突かれたように飛び跳ねた。

七人の視線が黒ウサギの隠れている茂みに集まる。

 

「なんだ、貴方も気づいていたの?」

「当然。かくれんぼじゃ負けなしだぜ?」

「はいはーい!私もかくれんぼは強いですよ!かくれんぼ、英語で言うとHide and seek!!」

「そうか。いつかかくれんぼで勝負でもするか?」

「いいでしょう!受けて立ちますよ!」

「ハイハイ。で、そっちの猫を抱いてる貴女は気づいていたの?」

「風上に立たれたら嫌でもわかる」

「………へえ?面白いなお前」

「あはは………僕もえっと…耀ちゃんって呼ぶね?耀ちゃんと同じ理由でわかったんだけどね?」

「へえぇ………人は見かけによらないんだな(ボソッ」

「聞こえてるからね?」

「………私は熱でわかる」

「僕は(主にニャル子達のせいで)こういうのには鋭くなってるからな」

 

軽薄そうに笑う逆廻十六夜の目はわらっていない。三人は理不尽な招集を受けた腹いせに殺気の籠もった冷ややかな視線を黒ウサギに向けている。ニャル子は何か思いついたかのように悪い笑顔を浮かべた。

 

「なるほど、そう簡単には出るつもりはないということですか。そうですかそうですか」

(え?今から出ようとしていましたのに?)

「こうなると、私の宇宙CQCの恐ろしさを見せなければいけないそうですね………」

(嫌ーな予感が………)

 

そうするとニャル子は学校の制服のリボンタイを抜き取り始めた。

 

「ちょっ、何やってるのニャル子さん!?」

「此処には(おとこ)が沢山いるんだよ!?」

 

そして、ワイシャツのボタンを外して制服の中に手を突っ込んで取り出したのは―――

 

「―――何かしら、ソレ………(汗」

 

―――リボンで可愛らしく飾られている()()()だった。

 

「くらえっ!私の宇宙CQC!冒涜的な手榴弾っ!!」

「CQCと言っておきながら、近接格闘術じゃあないだと!?」

 

カッ―――

激しい閃光が六人の目を焼く。遅れる事一瞬、爆音が耳を(つんざ)いた。地響きもセットだ。

六人が目を開けると何者かが隠れていた茂みのあったところにはクレーター。直径5m程の穴がぽっかりと。

 

「おい」

「何でありましょう」

「またなのか?」

「また………とは?」

「―――これ、どうすんだよ」

「………市税?」

 

随分と的外れな事を言っている。というか何この既視感(デジャビュ)

そこで上から何かの人影のようなものが降ってきた。

 

「………な、何をするんですか!!?黒ウサギが咄嗟に飛び跳ねて逃げなかったら黒ウサギは愉快な肉オブジェになるところデスヨ!!?」

 

涙目だった。

当然だった。

 

「お願いデス………、ここは一つ穏便に御話を聞いてくださいなのですヨ」

「断る」

「却下」

「お断りします」

「だが断る」

「この私達の好きな事は」

「話を聞いてくれると思ってる奴にNOと断ってやる事だ!」

 

容赦がなかった。

当然じゃない。

 

「まず、お前ら(ニャル子クー子ハス太)ネタに走るな。あーえっと、ウサ耳の人。僕は話聞くからな」

「あ、ありがとうございま―――」

「―――まあ、お咎め無しとはいかないがな」

「デスヨネ〜(泣」

 

* * * * *

 

ウサ耳騒動や学級崩壊云々は省略

 

* * * * *

 

「それではいいですか、御七人様。定例文で言いますよ?言いますよ?さあ、言います!ようこそ“箱庭の世界"へ!我々は御七人様にギフトを与えられた者達だけが参加できる『ギフトゲーム』への参加資格をプレゼンさせていただこうかと召喚いたしました。」

「ギフトゲーム?」

「そうです!既に気づいていらっしゃるでしょうが、御七人様は皆、普通の人間ではございません!その特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星をから与えられた恩恵でございます。『ギフトゲーム』はその“恩恵"を用いて競いあう為のゲーム。そしてこの箱庭の世界は強大な力を持つギフト保有者がオモシロオカシク生活できる為に造られたステージなのでございますよ!」

 

両手を拡げて箱庭をアピールしてるのだろう。

久遠さんが質問するために挙手した。

 

「まず初歩的な質問をするけど、貴女の言う“我々"とは貴女を含めた誰かなの?」

「Yes!異世界から呼び出されたギフト保有者は箱庭で生活するにあたって、数多とある“コミュニティ"に必ず属していただきます♪」

「嫌だね」

「属していただきます!そして『ギフトゲーム』の勝者はゲームの“主催者"が提示した賞品をゲットできるというとってもシンプルな構造におります」

「………“主催者"って誰?」

「様々ですね。暇を持て余した修羅神仏が人を試すための試練と称して開催するゲームもあれば、コミュニティの力を誇示するために独自開催するグループもございます。特徴として、前者は自由が多いですが“主催者"が修羅神仏なだけあって凶悪かつ難解なものが多く、命の危険もあるでしょう。しかし、見返りは大きいです。“主催者"次第ですが、新たな“恩恵"を手にすることができます。後者は参加のためにチップを用意する必要があります。参加者が敗退すればそれらはすべて“主催者"のコミュニティに寄贈されるシステムです」

「後者は結構俗物ですね………チップには何を?」

「それも様々ですね。金品 土地 利権 名誉 人間………そしてギフトを賭けあうことも可能です。新たな才能を他人から奪えばより高度なギフトゲームに挑む事も可能でしょう。ただし、ギフトを賭けた戦いに負ければ当然、ご自身の才能も失われるのであしからず」

「そう、なら最後にもう一つだけ質問させていただこうかしら」

「どうぞどうぞ♪」

「ゲームそのものはどうやったら始められるの?」

「コミュニティ同士のゲームを除けば、それぞれの期日内に登録していただければOK!商店街でも商店が小規模のゲームを開催しているのでよかったら参加していってくださいな」

「………つまり『ギフトゲーム』とはこの世界の法そのもの、と考えてもいいの?」

「ふふん?中々鋭いですね。しかしそれは八割正解の二割間違いです。我々の世界でも強盗や窃盗は禁止ですし、金品による物々交換も存在します。ギフトを用いた犯罪などもっての他!そんな不逞な輩は悉く処罰します。が、しかし!『ギフトゲーム』の本質は全く逆!一方の勝者だけが全てを手にするシステムです。店頭に置かれている商品も、店側が提示したゲームをクリアすればタダで手にすることも可能だということですね」

「そう。中々野蛮ね」

「ごもっとも。しかし“主催者"は全て自己責任でゲームを開催しております。つまり奪われるのが嫌な腰抜けは初めからゲームに参加しなけばいいだけの話でございます」

 

黒ウサギは一通りの説明を終えたのか、一枚の封書を取り出した。

 

「さて。ここから先は我らのコミュニティでお話させていただきたいのですが………よろしいです?」

「待てよ。まだ俺が質問してないだろ」

 

静聴していた逆廻が威圧的な声をあげて立つ。

 

「………どういった質問ですか?ルールですか?ゲームそのものですか?」

「そんなことはどうでもいい。腹の底からどうでもいいぜ、黒ウサギ。俺が聞きたいのは………たった一つ、手紙に書いてあったことだけだ」

 

「この世界は………()()()()?」

「――――――」

 

春日部、久遠の二人も無言で返事を待つ。

 

「―――Yes。箱庭の世界は外界よりも格段に面白いと、黒ウサギは保証いたします♪」




黒(そう言えば、喚んだのは四人の筈なのに何故七人いるのでしょうか?)
ニ・ク・ハ「~♪」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。