「先生、多くの生徒たちに慕われている先生。多くの生徒を救い手を差し伸べた先生。あの『色彩』を受け入れた先生。幾つもの分岐をねじ曲げた先生。あなたは素晴らしいお方ですよ」
「……」
「先生、あなたは私にとって最高の観測対象です。あなたの言動、行動、思考、何もかもが興味深い」
「……何が言いたい」
「ここに来たのはあなたを壊しに来た訳ではありません」
そう言いながら黒服は机を離れ窓側の方へ歩みを進める。
「いやはや、あなたとの出会いも懐かしいものです。私の研究は「大人のカード」で抵抗されてしましたからねえ。あの生徒を研究できなかったことは惜しいですが、あなたとお会いできたことと比べるとよかったのかもしれませんね」
「私にとっては最悪だけどね」
寝不足によるストレスでイライラが募っているが少しずつ冷静になりつつある。ただでさえ疲れている脳をオーバーヒートさせないように怒りを抑える。
「『色彩』の件も惜しい機会でした。別世界線の大人のカードは先生の手の中。シッテムの箱に関しては消失してしまったようですし。何かしらを手に入れられれば……」
黒服は落ち込んでいるように見えるが内心はおぞましいことを考えていると思うと寒気がする。
「クックックッ……どうです?先生。ゲマトリアに加入しませんか」
「嫌だね」
「そうですか」
「彼女たちは彼女たちなりの自由がある。それを大人が縛っていいものじゃない」
部屋に数秒の静寂が訪れた後、黒服は口を開く。
「……あなたらしい意見ですね。仕方ありません。今回も諦めることにします」
「そちら側の考えは私には一生理解できない」
「次の機会に私の考えを受け入れられるようになることを願っています。それでは、失礼しました」
そう言い、黒服は地面の中に溶けていくように消えて行った。
「はぁ……。こんな早朝からなんなんだあいつは……」
黒服に対する張り詰めた緊張を和らげ机に向かい、上にあるものを確認する。ぱっと見、動いているのは触られていたベレッタM9A1のみ。
「何もいじられてないといいけど」
私はデスクチェアに腰を下ろすと同時にスマホのアラームを設定する。
「アロナ~、私いまから仮眠するから起こさなぃ……。ZZZzzz……。ZZZzzz……」
私はアロナの返事を聞くこともなく眠りについた。
「せんせぇ~?どうしましたぁ~?」
アロナの話し相手は既に就寝してしまっていた。
「……おやすみなさぁ~い」
Systems Management Report
Error found.
繧ィ繝ゥ繝シ縺ョ蠕ゥ譌ァ
Error not found.
System All Green