ヒーロー【セイバーオルタ】   作:なゆさん

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中々書けなかった。ごめんなさいとしか言えない。


5話

緑谷が雄英に合格した。

………色々はしょり過ぎ?何を言っている。マスターと私が鍛えたのだ。合格しない訳がないだろう。一々道のりを教えるまでもない。私は入試の一週間程前から仕事で応援要請が入り海外に行っていたが、帰ってきたら合格だったと聞かされた。あれだけマスターが手間をかけて首席じゃなかったのは気にくわなかったが、無事入学できた事を褒めてあげろとのマスターからの命令で『よくやった』とだけ言っておいた。

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

そして今日から雄英高校での教師生活が始まる。私の立場は【1年A組兼B組副担任】というもので、一週間ごとにA組、B組のどちらを担当するかを決め、担任や各授業の補佐をする。私が教師になる上で教師の枠に空きができた為、急遽作られた役職だそうだ。A組、B組の担当する日数が同じになるならば、A組を二週連続で担当したりしてもいいらしい。雄英高校は、教師の自由度も高い高校なのだ。ただ、本当はマスターと二人でヒーロー基礎学の担当がよかったのだが、贅沢は言ってられないので諦めた。

今日は1年生最初の登校日だ。通常はこれからの事の説明などをするのだが、今週私が担当するA組の担任である相澤は『そんな非合理的なことに時間を割く必要はない』と言っていた。生徒の個性の限界を把握する為に個性を使用した体力測定をするらしい。私にとっては面倒な行事に出なくていいのでありがたいが、本当にそれでいいのか相澤?

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

出勤し、職員室で準備を済ませ、ついでにマスターと少し話をしてから1-Aの教室に向かった。

……到着すると教室の前に寝袋があった。

 

「何をしている、相澤。」

 

しかもそこに寝ていたのは相澤だった。

 

「今から教室に入るところだ。」

「私は何故教室の前で寝袋に包まっていたのか聞きたいんだが?」

「合理的判断の結果だ。いいから入るぞ、生徒達も待ってる。時間の無駄だ。」

 

これは……私が悪いのか?確かに生徒達を待たせるのはよくないが、そもそも常識的な問題として教室の前で寝袋に包まれて寝ている相澤に問題があるのではないのか?

………まあいい。今は生徒達だ。

起き上がり、歩き始めた相澤の後に続く。教室に入ると、教室がざわつき、私に視線が集まる。私が教師であることに驚いているようだ。そのまま教卓の横に立ち、

 

「1年A組、1年B組兼任の副担任となった、セイバーオルタだ。よろしく頼む。」

 

簡潔に自己紹介をした。すると、

 

「おおお!!」

「マジか!!」

「あのセイバーオルタが教師とは……」

「スゲー雄英!!」

「オールマイトの次はセイバーオルタかよ!!」

 

教室を歓声が満たした。私の知名度がここまであったとは……悪い気はしない。ただ、ふと耳に入った。

 

「思ったより小さい……。」

 

あ゛?

 

「今、小さいと言ったのは、誰だ?」

 

生徒達がビクッと身震いする。どうやら私の怒気に当てられたようだが、知ったことではない。相澤が呆れているのも無視だ。

 

「いいだろう。その喧嘩買ってやる。――はっ!!」

 

個性を発動させる。私の目線が上へ上へと上がっていく。そして、

 

「これでどうだ?」

 

私はドヤ顔で腕を組む。この姿は潜入捜査や変装の際に使う姿でメディアにも一度も見せていない。だが、教師として生徒に舐められる訳にもいかないのだ。こちらの姿の方が威厳が出るのであればそうしよう。

こんな時の為に服もこの姿になっても破れない特殊素材のものを着てきた。

 

「え、」

「「「ええー!!!」」」

 

生徒達の叫び声が教室に響く。

 

「セイバーオルタが…!」

「お、大人になった!」

「スゲー!」

「これも個性…?」

「ヒャッフー!!デケー!!」

 

また教室が騒がしくなる。

 

「ゴホン。」

 

相澤が咳払いをして、少し怒気を放つ。それだけで生徒は全員静かになった。流石雄英生、切り替えが速いな。

 

「はぁ。静かになるのに時間が掛かり過ぎだ。君達は合理性に欠くね。――担任の相澤消太だ。よろしくね。」

 

自己紹介をする相澤。ヒーローネームは明かさないらしい。正直どちらでもいいと思っているんだろう。

 

「早速だが、これ来てグラウンドに出ろ。」

 

おい相澤。今お前寝袋からその体操服取り出しただろ?ずっと入れてたのか?これも合理的判断か?

 

「……何だセイバーオルタ。」

「いや、いい。」

 

相澤などどうでもいい。さっさとグラウンドに行こう。

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

打ち合わせ通り、相澤は生徒達に個性把握テストをすると告げた。生徒達はいきなりのことで驚いていたが、入試首席の爆豪に実演させると面白そうだと、皆興奮していた。だが、相澤にはそれが気に食わなかったようだ。

 

「……面白そう…か。ヒーローになるための3年間、そんな腹積もりで過ごす気でいるのかい?―――よし。トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し、除籍処分としよう。」

 

衝撃の一言を口にした。

打ち合わせでは言われていないことだ。私も混乱する。

 

「おい相澤!私は聞いてないぞそんなこと!」

「今言ったからな。校長にも許可は取ってある。」

 

平然とそう宣う相澤。

 

「私が聞いてないと……まあいい。時間の無駄だ。」

「いい判断、合理的だ。」

 

何様だ貴様!――と叫びたい気持ちを抑える。相澤はそんな私の肩に手を軽く叩いた後、不安そうな顔の生徒達に告げた。

 

「生徒の如何は先生おれたちの自由。ようこそコレが、雄英高校ヒーロー科だ。」

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

生徒達の抗議も虚しく始まってしまった個性把握テスト。(マスターも物陰から何故か見守っている。)各々、自らの個性を活かしつつ順調に結果を出していく……一部の生徒を除いて。

結果を出せない――テストに個性を活かせない生徒達の中には、緑谷もいた。身体作りの効果で平均的な高校男子よりは高い身体能力を得た緑谷だが、個性を使う他生徒達にどんどん差をつけられるばかりである。

 

 

そして、最初爆豪が実演したボール投げ。

緑谷はこの競技にかけるらしい。やってやると顔に書いてあるようだ。そんな緑谷を、相澤はじっと見ている。というか先程から、相澤の視線がよくあいつで止まる。あいつと何かあったのか?それとも……。

緑谷がボールを振りかぶる。そして、緑谷の手から放たれたボールは……()()()()()()()()()辿()()()()()()()()

 

「な…今、確かに使おうって…」

 

緑谷が混乱している。――相澤、あいつの個性を消したのか。なるほど。あいつが個性を使う度に身体を壊すことを知っているのか。そういえば入試を見ていたんだったな。どうやら思うところがあるらしい。

 

「個性を消した。」

「あっ…な!?」

「つくづくあの入試は合理性に欠くよ。お前のようなやつも入学できてしまう。」

 

首に巻いた捕縛布を漂わせ、相澤が緑谷を睨む。緑谷はそれを見て、相澤の正体が分かったようだ。

 

「見たとこ、個性が制御できないんだろ?また行動不能になって、誰かに助けてもらうつもりだったか?」

 

相澤が緑谷を問い詰める。

 

「そ、そんなつもりじゃ…がっ!」

 

口ごたえをしようとした緑谷を、相澤は捕縛布で縛り、引き寄せる。

 

「どういうつもりでも、周りはそうせざるをえなくなるって話だ。――昔、暑苦しいヒーローが大災害から一人で1000人以上を救い出すという伝説を作った。同じ蛮勇でも、お前のは一人を助けて木偶の坊になるだけ。緑谷出久、お前の力じゃヒーローになれないよ。」

 

正論、間違いなく正論だ。緑谷の中では個性の制御なんてする時間なかったという気持ちもあるだろう。

しかし、そもそもマスターと出会うまでのあの貧弱な身体は本人の普段の行いの結果だし、そのせいで入学ギリギリまで【ワン・フォー・オール】を渡せなかったのだから根本的な原因は緑谷にある。他の生徒達は雄英に合格できるレベルまで自分の個性と向かい合ってきた者達ばかり。本人がどういうつもりでも、マスターの後を継ぐということはこの生徒達を圧倒的な差をつけて引き離すくらいはしなければならない。

まだ個性を身に着けて間もないとしても、個性制御ができないからとその立場に甘んじることは許されない。というか、私が許せない。そんなものに見込みなどない。

マスターには悪いが、ここで躓くようなら、私は緑谷を見捨てる。

 

「……お前の個性は戻した。ボール投げは二回だ。とっとと済ませな。」

 

相澤が個性を解除し、緑谷に背を向ける。

相澤が私の横に戻ってきた後、緑谷はまたボールを振りかぶった。顔は必死。萎縮した様子はない。やはり玉砕覚悟で使うのか?

 

「【SMASH(スマッシュ)】!」

「!――なるほど」

 

確かに個性は使った。ただ、犠牲にしたのは人差し指のみ。最低限の犠牲で、行動不能にならずに、クラスメイト達に劣らない記録を打ち立てた。今できる全力をもって、課題を何とか乗り越えたのだ。

 

「先生…!まだ…動けます!」

「こいつ……!」

 

相澤も目を見開いている。物陰から見守るマスターも満面の笑みだ。

見学する生徒達もざわついている。

―――その中で、不穏なのが一人。

 

「くっ…どういうことだ――こら!訳を言え!デクてめえ!」

 

……はぁ

 

「うるさい。」

 

緑谷に飛びかかろうとする爆豪に追いつき、地面に押さえつける。

 

「くっ…てめえいつの間に…。見えなかった…!」

「生徒同士の喧嘩で個性を使うな。というか喧嘩をするな見苦しい。それでもヒーロー志望か?」

「ぐっ…!」

「離してやるから、もう暴れるんじゃないぞ。」

「……。」

 

まったく、こんなのでも入試首席なのだから驚きだ。爆豪の後ろでは先程の捕縛に関して生徒達がまたもやざわついて相澤に怒られている。……本当に日本トップレベルの高校なのかここは?

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

その後、結局緑谷は最下位となったが、相澤が除籍は嘘だと告げると、発狂していた。爆豪もあの後は大人しかったのでよかった。ただ、私が除籍は嘘なら私に言えと相澤に怒鳴ってしまったのは仕方がないと思う。本気で殴りそうになってしまった。

とにかく、物陰からマスターの満足そうな顔を見ることができたので私は満足である。




下乳上登場。ただ出したかっただけです。個性の一端って事で下乳上に変身できる今作のオルタちゃん。潜入捜査などに使うとか言ってますけど、色んなイミで目立ちません?
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