この話から原作主人公も出てきますよ~♪
イッセーSide
俺、兵藤一誠はモテたい。
女の子に囲まれたい。エッチなことを一杯したい。ぶっちゃけると、ハーレム王になるのが夢の男だ!
その為に一生懸命頑張った。足りない偏差値を死に物狂いで揚げて、元女子校なのでいまだに女子比率の多いこの駒王学園の後頭部に進学したんだ。
同じ想いを抱く悪友の松田や元浜と共に、俺達はモテたいという一念で日々頑張っている。
……そして、俺達は今―
「「「耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろぉおおおおおおおおおおっ!!!」」」
―一生懸命頭突きをしあって、煩悩を抑え込んでいる!!
「おーい! また変態三人衆が暴発しかけてるぞー!」
「分かった分かった。保健室には前もって伝えとくから」
「えっと、とりあえず購買部で保冷剤もらってくるわ」
―周りの連中は当たり前のように流すけど、そりゃそうだ。
高校入学から一年。俺達はこうしてないと我慢が追い付かない。
可愛い女の子達が下着姿になる着替えを見たくてたまらない。エロ本は好きあらばいつでも見たいから学校でも持ち込みたい。ためらうことなく気の合う仲間と共に、エロ談議に花を咲かせたい。
だけど、そんな欲望を速攻で止める人がいた。
その人は、俺達がエロ本を広げている時に近づけると机をバンと叩いたうえでたしなめてきた。
俺達も最初はマジ切れした。あと周りから俺達の方が白い目で見られた。
だけど、その人は―
『―告白しよう。俺は五年ほど前、かなり最低に近い童貞卒業をしたことがある』
―真っ直ぐに俺達の目を見てそう言った。
思わぬ展開にクラス中が静まり返った。そして俺達は五秒ぐらいしてからブチギレた。
『自慢かこの野郎!』
『おねショタか、おねショタなのか!?』
『ただれすぎてるじゃねえかこの野郎!!』
正直囲んでタコ殴りにしたかったけど、その人は静かに首を横に振っていた。
その上で、その人は俺達がたまたま持ってきていたエロ漫画を指さした。
ちなみにそのエロ漫画、「好意を寄せていた女の子とヤれると言われ、目隠し耳当てをつけた裸のその子とエッチするもの満足されず、そのあとの誘いをかけた男とのエロい姿にトラウマを刻まれる」といった感じのNTRじみた内容だ。
『ちなみにまさにこう言った内容だよ』
そう、その人ははっきりと言い切った。
再び沈黙が響く中、その人は自己嫌悪をはっきりと浮かべながら、首を横に振る。
『……十六歳の誕生日。俺は当時惚れていた幼馴染の片割れが映っているハ●取り映像を見せられながら、もう片方に「彼氏に許可取ってサプライズでヤってみないか」と言われ、欲望を抑えきれず了承してしまったんだ』
渋い表情を浮かべながら、その人は俺達を見回して告げる。
『細かい内容は彼女の名誉の為に伏せる。だけど若気の至りで欲望のままに振舞うことは、周りの子に思いもしないほど深い傷をつけるという事だけは知ってほしい。……それに、あとになって思い返せばどうしようもないほどつらい気分になる』
『……えっと、その、アンタ何歳?』
俺は思わずそんな頓珍漢なことを返すけど、その人は別の意味で苦笑していた。
『四年ほど放浪した後、たまたまこの学園と縁のある人に世話になってね。きちんと試験を受けたうえで、ここに通いながら人生をやり直せって言われたんだよ。ちなみに今は21歳』
その人はそう言うと、俺達を真っ直ぐと見つめる。
『いいかい? 勢い任せで人の迷惑を考えない生き方はダメだ。俺はそれを後悔する者として、人生の後輩が同じ轍を踏むことは認められない』
……その時、俺達はその人に気圧されていた。
話している内容が事実なら、そいつは悪党のはずだ。
だけど同時に、俺達のことを心から止めようとしているその人はまるで聖人のようで―
『……だからとりあえず我慢しなさい。高校生活でエロを抑え込めてたら、知り合いのエロいお姉さん達に頼んでエッチなことさせてあげるから』
―そんなことが全て吹っ飛ぶぐらい、俺達は歓喜に満ち溢れた。
だから頑張って我慢している。我慢できない時は殴り合って抑えている。
その所為で、駒王学園では俺達のこれが名物になりかけている。あと時々失神したり骨が折れたりしても繰り返しているのを見て、「そんなにしないと押さえられない衝動を我慢している連中」として、なんか評価されている。バレンタインは女子合同で義理チョコならぬ憐憫チョコを貰ったし。
解せない。男にとって女の子とは、欲してやまない財宝だ。そんな女子達の花園を見ないよう我慢するなんて、ちょっとやそっとの苦労でできることじゃないだろうに。
ま、それはそれとしてその人も今では駒王学園の名物だ。
やったことがやったことだから距離を置く人もいるけど、本人の人柄がいいからか人気も少しはある。総じて「更生してやり直そうとしている人」といった感じで知られている感じだ。
で、俺達が殴り合っているとその人が来た。
「……とりあえず、我慢しているようで何よりだね」
「あ、才司さん!」
「お疲れ様です!」
「頑張ってます!」
俺も松田も元浜も、慌てて我に返ると挨拶する。
学外ならエロ談議にも付き合ってくれるし、エロビデオを見る為に部屋を貸してくれるいい人だ。俺達も気を使って差し入れを持って来るぐらいには仲が良くなっている。
「そういや才司さん。最近なんか機嫌が良いですけど、どうしたんですか?」
俺はちょっとふと思ってたんで、それを聞いてみる。
最近なんか機嫌が良いんだよな。なんていうか、気が楽になったとかそんな感じか?
一年生の頃は、時々妙に警戒心があったっていうか、誰かの視線を気にしている雰囲気があったからなぁ。なんでだろ。
でも、最近軟化そういうのがないっていうか、肩の力が抜けてる気がする。悩み事でもなくなったとか、そんな感じだ。
「ちょっと身内関係で色々あってね。ま、その辺りはおいおい説明するよ。……いや、違うね」
と、才司さんはそう前置きすると、小さく微笑んだ。
「ちょうどいいや。三人とも、週末の放課後は空けといてよ」
「「「へ?」」」
俺達が首を傾げると、才司さんはちょっと外の方を見る。
つられて視線を向けると、校門の方で美少女が美女と話している。
あの美少女は、この学園における二大お姉さまの一角。名前はリアス・グレモリー先輩じゃねえか。
俺が目を奪われていると、才司さんは俺の肩に手を置くと肩をすくめる。
「君達には紹介したい人がいるんだ。別の機会でもいいけど、今週の金曜が一番手っ取り早いからね」
その言葉に、俺達は戦慄を覚えた。
これはつまり、そういう事なのか。
記憶が曖昧だけどたぶん了承した後、俺はそんな妄想を覚えていた。
かつて才司さんは、高校生活でエロいことで迷惑をかけなければ、知り合いにエロいことを体験させるように頼むと言っていた。
そんな才司さんが思わせぶりなことを行ってしまえば、そう思うのも無理はない。
いやいやないだろ、とは思う。まだ高校二年生だから気が早いだろうしな。そもそもリアス先輩が頼めばエロいことをしてくれる人だとは……だとするともの凄く興奮するけど。
ただ彼氏がいるとも聞いたことがないし、男を侍らせている雰囲気もない。どこかの部活に属していると聞いているけど、確かオカルト研究部だったかな?
でも、ならいったいどういう事なんだ?
そんなことを想いながら、俺は週末の放課後、松田や元浜と一緒に才司さんに連れられて―
「……人が多いなぁ」
元浜がそう呟くけど、本当にな。
連れられたのは、後者の裏にある林の中。そこに在る、かつて使われていたという旧校舎だった。
しかもその一室に連れられるけど、人数が結構多い。
三十人ぐらいいるな。学園や性別を問わずいるけど、なんなんだよこの人数は。
「どういうことなんだろうな? 才司さんのことだから、意味もなく集めたってわけじゃないんだろうけどよ」
「だよなぁ。なんていうかさ、共通点が見えないよな?」
松田にそう返しながら、俺はちょっと首を傾げる。
イヤホンと、共通点が見えないから困惑する。
学年や性別もそうだけど、海外からの留学生も何人かいるから、尚更共通点が分からない。
「……お、変態三人衆は遅刻してないようね」
と、そんな風に声をかけてくる女の子の声が聞こえてきた。
そして振り返れば、そこにはにやにや笑いながら眼鏡を光らせるクラスメイトの少女が。
「「「うげ、桐生」」」
思わず三人揃って声を出しちまうのは、同じクラスの桐生藍華。
俺達のエロ談議にもあっさりついて行けるうえ、妙に含蓄深いことから巧と称される女子だ。
当たり前のように女子が話してくれるのはありがたいけど、こっちをからかってくることも多いから微妙に勘弁してほしい。
「くそ、何の用だ! 変なことをするようなら、元浜の眼鏡がスリーサイズを測るぞ!」
「元浜の眼鏡を舐めるなよ! ただの眼鏡じゃないんだからな!!」
ちょっと警戒した俺と松田がそう返すと、周囲の女子がちょっと一歩引いた。
しまった。才司さんに怒られるか!?
待ってくれ、まだ測ってないんだ。だから才司さんには―
「……ふっ。そのスキルがあんただけのものだとでも?」
―その瞬間、桐生の言葉に教室が沈黙した。
……え?
俺達も思わず気圧されていると、桐生は眼鏡をかけ直してきらりと光らせる。
その視線が股間に向けられていると悟り、男子は全員が股間を隠した。
「ふふっ。男のアレはデカけりゃいい物じゃないけど、それなりにあった方がいいとは言われているわ。よかったわね三人衆、アンタらは及第点はいくんじゃない?」
「「「……ひぃっ!?」」」
なんてことだぁああああああ!
一番知られたくない女子に、お、俺達の波動砲の詳細データが知られたというのか!?
……はっ! まさかこれが女子がスリーサイズを図られた時の気持ちなのか!
な、なるほど。これはひんしゅくを買うかもしれん。割と真剣にきついかもしれん。
「ま、この場の男に限れば平均以上はあるでしょ。よかったわね、肝心な時に笑われないで」
にっこり笑ってマウントをとる桐生だけど、その後ろで何人かの男子が崩れ落ちている。
……これ、謝った方がいいんだろうか。
そんなことを思っていると、教室のドアが開いた。
「あら、思ったより静かね?」
そこにいたのはリアス先輩。
……っていうかちょっと待て。続いて入ってくる人達、全員ちょっと待って。
学園の有名人が結構いるんだけど? あと見たこと無いけど綺麗な女の子とかも結構いるんだけど?
「お、とりあえず全員集まってるね。じゃ、始めよっかリアスちゃん」
最後に才司さんが入ってきながら、リアス先輩に来やすくそう促してくる。
俺達がちょっと困惑している中、リアス先輩は綺麗な笑顔を浮かべた。
「ごきげんよう。知っていると思うけれど、私は三年生でオカルト研究部部長をしているリアス・グレモリーよ」
そう告げるリアス部長はとっても綺麗だ。
思わず男女問わず見惚れる中、リアス先輩はその豊満なお胸を揺らしながらはる。
「今日は私達の誰かから呼ばれて来てくれたことに感謝するわ。歓迎するわね―」
「―悪魔として」
今なんて言いましたぁあああああっ!?
といった感じです。いかがでしょうか?
この作品はタグにあるように完全オリジナル展開の予定です。その決意表明もかねて、原作開始時点で三大勢力が和平を結んでいるという流れにしました。
ただ対を成す難敵たる禍の団が表舞台に出てきていないので、数か月たってますが三大勢力の和平が結ばれているだけで、根回しを進めている段階です。
そしてその一環として、イッセー達は人間のまま悪魔の存在を知ることになりました。細かい事情関連は、また一時間後に。