機動戦士ガンダム0088 ideal of Titans 作:わいるどうぃーぜる
文字通り星の数ほどあるガンダム・ストーリーの中、あなたに星の煌めきを見せられたら幸いです。
人類が、増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、すでに半世紀が過ぎていた。
地球の周りの巨大な人工都市は、人類の第二の故郷となり、それに従い人々は権利を求め、その流れはやがて総人口の半数を死に至らしめた。
人々は、自らの行いに恐怖し、争いの種を摘むべく巨人の集団を作り出した。
その名はティターンズ。
しかし、時代の流れは巨人たちをも飲みこんでいく。
時に、宇宙世紀0088、1月23日。
時代は、彼らに最終的な役割を与えようとしていた。
漆黒の宇宙空間。
星の光が砂をまいたようにまばらに光るそこを、ゆっくりと進む四つの影があった。
紺と濃紺に彩られているその人を模した巨人は、モビルスーツと呼ばれ、そして識別名として「マラサイ」と名付けられていた。
そのうちの一機が兜のしころと形容される頭部をもたげ、僚機に一つ目、モノアイを向ける。そこから発せられる指向性レーザー通信は各機体にリンクしていき、やがて全機体との接続をパイロットに知らせる。
「霧が濃いな」
「ミノフスキー粒子ですか。確かに、これはごく最近散布された濃度ですね」
壮年の男の声と、落ち着いた女性の声が交わり、そこにまだ少女といっていい声が割り込んでくる。
「隊長、見つけた! 2時の方向下40度!」
「相変わらず早いなシャロ、ミノフスキー粒子のおかげで相手も目が霞んでいる。先手を打つぞ。シャロとカイルは先行しろ。俺とトシは挟み込むように動く」
「了解です」
「りょーかい!」
若い男と少女の返答とともに、バックパックから伸びた機体機動補助システムのブームが動き、先端に増設されたスラスターが瞬き二機のマラサイが離れていく。原型機にはないその装備は、かれらの機体が特別なものであるということを示していた。
そのかすかな噴射炎をマラサイのモノアイは追いながら、同時にその進行方向にある物体を画像処理していく。
「シャトルに、ゲター、そしてザク二機か。トシさん、ザクに特別な改装は?」
「今のところは見当たりませんね。おそらくジオン残党かと。最近は乗り捨てられたゲターを再利用している奴らも多いですから」
共有された画像をさらに自機で解析しながら、女性は応えた。
「ゲターに乗っているザクのハッチは開いてます。おそらくシャトルに乗り込んでいるのでしょう」
「ゲターを使ってでも追っかけなければならず、かつ撃墜もできない用事があのシャトルにあるということか。さて、鬼が出るか蛇が出るか」
その声の主、盾に01とナンバリングされたマラサイの全周モニターの片隅にグリーンのマークが瞬いた。先行した二機のマラサイが配置についた知らせだ。
「それではみんな、行くぞ」
前方の二機が親指を上げるサインを送ってくるのと同時に、マラサイに増設されたプロペラントタンクが切り離される。そして、無線の全周波に男の大音声が響いた。
「我々はティターンズである! シャトルのそばにいる不審機は武器を捨て、投降せよ!」