スキル【夢オチ】でお金を稼いで美味しい物を食べたかっただけなのに…   作:粗だらけ

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二度寝
1話


あれから2年が経った。あんな事(隕石、夢魔の王とか)があっても日常は劇的に変化する事は無い。人々の暮らしは劇的に変わる事は無いし…

 

鳥カゴの中の鳥は依然として変わらず結局カゴの中で飼育中だ。

 

 

 

 

「さあお前ら夢魔の王が消えたからって油断するなよ?前だって封印したと思ったらいつの間にか復活したからな…二度あることは三度ある。今日もミッチリ鍛えるからな!」

 

体育の教師ははそう張り切っている…。朝からよくそんな元気が出せる。僕にも分けて欲しいなぁって思いながら体育座りで話を聞く。

 

僕の事を知らない人もいるだろうし一応名乗っておこうと思う。初心に戻ろう。なんか初めてな気がするから…。

 

僕の名前は白夢真昼(シラユメマヒル)。現代で珍しいスキル持ちでスキル名は【夢オチ】だ。このスキルは…『ねえまーくん』…。このスキルはかけた相手に夢を見させる事ができるスキルで『ねえぇぇぇ聞いてるぅ?聞こえてるよね?』

 

首にかけているネックレスからそう声が聞こえてくる。正確に言うとネックレスについてる石からしているんだけど…。細かい事はどうでも良い。

 

はいはい。どうしたの?()()()。この石は母さん(夢魔の王)の核だ。2年前に母さんがヤンチャしてイキって僕の体を奪って人類滅亡させようとしたせいで元々鶏の卵ぐらいのサイズだった核はお仕置きでダイヤ並みに小さく加工された。

 

それを今は僕が預かっている。その方が良いらしい。まあ本当はこれから体を動かすから取りたいんだけど取ろうとすると首締め付けてくるんだよ。呪いの装備だよ本当に

 

『聞いてよ。はぁ…どうせボクの話なんて誰も聞かないんだ。良いよ1人でずっと喋ってるから』

 

こうして僕は母親の話を聞きながら先生の話を聞かなきゃいけない日本書紀の5等分の聖徳太子みたいになりながら相槌を打っていた。

 

朝から疲れるなぁ…

 

 

 

 

 

 

 

《朝から疲れるなぁ…。ったく何でお前と》8:45既読

 

「しょうがないでしょ?毎日まひるに会いに行くのは迷惑がかかるし人の目が気になるし申し訳ないじゃない」8:45既読

 

《おかしいなぁその理論じゃ俺には迷惑が掛かっても良いみたいに聞こえるぞ》8:46既読

 

「ええそうよ」《このやろう!!》「だって私達は()()なんでしょ?それともあの時のアレは嘘だったのかしら?」8:46既読

 

《…。な訳ないだろ。ああ分かった幾らでも迷惑かけろ頼りにしろ。そんな大人になれるように俺も頑張るから》8:47既読

 

2年前に言った言葉をよくまだ覚えているなと思いながら背広の袖に手を通す。ネクタイを締め鏡で自分の仕事を確認する。髭も剃った。髪も短くした。履歴書も書いた。漏れは無い。

 

俺はドアを開けて見えはしないが確かにそこにいる人物にいってきますと伝える。するとすぐさま来るメッセージの通知に確認せずとも笑う。ドアを閉めて俺は足取り重く良い結果が出る様に願いながら面接に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「平和だな…」「ですねぇ。」買ったコーヒーを飲む。美味い。やっぱり朝はこの一口から始まる。そんな小さな幸せがこの平穏な日常を送る大切な…「おいおい寛ぎすぎじゃないか?しっかり仕事しろよ?」

 

「大丈夫ですよ。ちゃんとやってます。私はブフッ…。」

 

突然入ってきた親父を見て秘書が途中で吹いた。俺は気になって見ていた書類から親父の方に目線を向けるとそこには学生服を着た親父の姿があった。

 

「若づくり?」「違うわ!学園の警備員だから学生服の方が紛れ込めるんじゃないかって…真昼に言われてな」

 

「それ真昼じゃないと思うぞ。」「何?」「はっきり言って…ブフッ…似合って無いです。プフッ…」

 

「ま、まさかあの石っころか!」怒って部屋を出ていった親父を見届けてまたコーヒーを口に運ぶ。そろそろ仕事をするか

 

 

……。此処はどこ?見回すと知らない場所だった。と言うか霧がかかってよく見えないから知ってるも知らないも無かった。でも此処へは自分で来た記憶がある…見えないから全く見当もつかない。『おはよう。まーくん』…おはよう母さん一体何処?此処は。

 

『此処?此処はね夢魔界(ムマかい)。君が産まれた故郷だよ』

 

懐かしいねと言葉を続けて何か言っているが僕の耳には届かなかった。いやどう言う事?僕は寝ていた筈だ。何でいつの間に夢魔界?にいるんだ?

 

『ちょっと寝てる体を拝借してね…。ゲートで移動しただけだよ?』

 

いや移動しただけだよじゃなくて…。『何をそんなに焦ってるの?まー君は学校から脱出したかったんでしょ?なら目標達成したじゃんハッピーエンドじゃん』

 

いやそんなじゃんじゃん言われても困るし。何もハッピーじゃないよ…。帰らしてよ。

 

『これからは此処で一緒に生きよう?あんな煩い学生服のジジイとかツインテの子やおじさんの事は忘れてさ。ね?全部忘れちゃおうよ。ほらどうせ今まで楽しく無かったでしょ?これからを楽しくする為にも…『"悪夢は終わったしこれからは楽しい夢を見よう?"』』

 

…そっか。これからは…。僕の過去の記憶が走馬灯のように流れる。頭がふわふわする…、母さんの言葉を聞いてその通りだと思った。本当に?それに肯定しようとして気づく。

 

?何言ってんだ僕は。母さんの言葉がその通り?今まであった事が悪い事?確かに嫌な事もあった。嫌すぎて何度も逃げ出した。でもその中で…《坊ちゃん》「まひる」「みかん美味えだろ?ほらもっと食え」

 

悪夢なんかじゃない…。夢だとしたら最高に良い夢だ。忘れるのが勿体無い程…。だから…僕は母さんに反抗するよ。

 

【"って言う夢を見たのさ"】

 

母さんから教わったこの言葉で。

 

『はぁ…やっぱり駄目か。分かったよ…もう。ごめんね!』顔や姿が見えなくても明らかに不貞腐れていた。

 

僕を操ろうとしたでしょ?何で?『操る訳じゃないよ。ちょっと体を借りたかっただけってて言ったでしょ?。集まりに出席する為にね』

 

もしかしてその集まりとやらと僕が女体化してるのは同じ理由?

 

『それは気にしなくても良いよ。別に』

 

いや気にするんですけど。ぶっちゃけ場所とかよりも一番大事な事だよ。報連相してよ…王様。

 

『まあまあ…そんな怒んないでよきっと集まりには美味しい物がきっといっぱいあるよ蟹とかお寿司とかシャトーブリアンとかね』

 

じゃあ行く『チョロッ…知らない人についていっちゃいそう…。』

 

石は溜息をつき…咳払いのような物をした後に…『じゃあ説明するよ。まずはその体からだね…』と言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「理事長!お昼寝してる場合じゃないですって…。起きて下さいっ!」

 

いつもマイペースで能天気な秘書が焦っている。どうせくだらない事で焦っているんだろうなって思って無視をする事にした。

 

それが一つ目のミスだった。

 

 

 

 

 

「俺が悪かったって…。マジでマジで俺が悪かったから他の事なら何でもするから…金か?金が欲しいのか?ほらやるから…それだけは…。」

 

「息子の超成長日記だけは捨てないでくれ…生きがいなんだよ!」

 

「全ては貴方が悪いんですよ。そして間違ってます。別に捨てませんよ」

 

「え?」「燃やすだけです」「悪化した…」

 

 

 

 

 

「で…何だっけ…。」この学園のトップは涙で顔をグチャグチャにしながら写真の亡骸を集めながらそう聞く。それを見て秘書はイライラを解消させる。ちなみに燃やしたのはコピーで本物はちゃんと懐にしまっている。全部カラコピしたので金がかかった嫌がらせだが楽しかったので構わない。お金は理事長のお金で+になるし。

 

「ああ…ちょっと大変な事になったので急いで来て欲しかったんですが…もう大丈夫です」

 

「おっ何だ…用事が済んだのか。」

 

「ええ…手遅れです」「またそれかよ!で何が起きた?」

 

「学生服を着た理事長のお父さんがいたじゃないですか?」

 

「ああ…それがどうした。」「実は白夢真昼が今日の朝から姿を見せていません。部屋をマスターキーで開けた所いませんでした。」

 

「はぁ…またか…。電話はどうした?PHSを持たせた筈だ」

 

「繋がりません」「と言うか何で真昼の話と親父の話は関係無いだろ。どっちかにしてくれ」

 

「それが関係あるんですよ。何故なら白夢真昼の代わりに理事長のお父さんが勝手に授業に出席してるので…お陰様で学校内は生徒も教員も皆パニックですよ。中には白夢真昼が竜宮城行って玉手箱開けたからああなったとか言う噂まで出てますからね…。」

 

「親爺。何してんだ…それいつ…起きた?」秘書は時計を確認して答えた。「1時間前ですね」「早く言ってくれよ…」

 

そんな理事長に一つの電話が掛かってきた。「はい…。あー?トーカス君悪いが息子は今いないんだ。それにそれどころじゃ…。面会は…。ん?仕事を紹介して欲しい?何でもやるって?」

 

俺は秘書と目を合わせた。秘書が頷いたのを合図に俺は電話の方に意識を戻し言葉を続けた。

 

「なら実践試験をやろう。出来るだけ早く学園の理事長室まで来てくれ。そこで試験内容を説明しよう。」

 

こうして一つの厄介事は何も知らない男に丸投げされた。

 

 




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