HUNTER×HUNTER 血濡れた少女〜ブラッディガール〜   作:NKY

10 / 28
9話 過去×ト×今

 

 

リオンが発した思いがけぬ言葉にヒソカは驚いていた。

 

「ある日、私は両親と街にでかけたの。あれを両親というなら、ね。

 

 

私の家は山の奥にあったわ。だから滅多に街にいくことなんてなくて…誕生日だからってことで街でプレゼントを買ってもらう約束だったの。私が選んだのは屋台に売っていたナイフ。なぜか一目みて惹かれてしまったの。後から調べたらどうやらベンズナイフだったみたい。

 

『お父さん達はちょっと用事があるからいい子でまってるんだよ?』

 

そういって両親は何処かへいってしまった。私は何時間も何時間もまったわ。なのにいつまでたっても帰ってこなかった。そんなときだったわ。

 

『おい、こいつか?』

『おいおい、流石に小さすぎはしねぇか?』

『君、名前は?』

『リオン…』

『ほら、この子じゃねーか。』

『さっさと連れてくぞ。』

 

その瞬間、首筋に衝撃がはしって気を失ってしまったわ…。いま考えるときっと手刀をくらったのね。それからしばらくして誰かの叫び声で目が覚めたの。

 

『おっ、おきたようだな。』

『ここは…?おとうさんは…?おかあさんは…?』

『ここは人体強化研究所だ。お前はここに売られたんだよ。』

『…え?』

 

辺りを見回すと私より少し大きいぐらいの子達がたくさんいたわ…。何かの機械に繋がれて悲鳴をあげていたわ。

 

『お前はあの家の子だからな。きっと高くで売れたんだろうよ。今頃いいとこで飯でも食ってるんじゃねぇか?』

『あの家…?売られた…?』

『そうか、お前知らなかったんだな。お前、あいつらの子供じゃねーんだよ。』

 

その男の言葉はパニック状態の私にはこたえたわ…。ずっと親だと思ってた人達が赤の他人だったんですもの。

 

『どうやってあの家から盗ってきたのかはわからねぇがたいしたもんだよな。』

『う、嘘…私のおかあさんは…おとうさんは…』

『嘘じゃねぇよ。お前の本当の親は…ブーブーブー…はい、もしもし。えぇ、目を覚ましましたよ。早速始めますか?はい、わかりました。…話は後だ。さ、始めるぞ。』

『え?始めるって何を…キャァァァァァァ!!!!』

 

言葉の途中でいきなり電流を流されたわ。よく見ると私の手足にも何か機械がとりつけられていたの。

 

『はぁ…はぁ…はぁ…』

『へぇ…この年でこれを耐えきるとは流石だな。』

『なんで…こんなことを…』

『なんでってか…うーん…話してもいいのかなぁ…ま、いっか。俺たちのボスはあるマフィアのボスなんだ。なんでもこの実験に最後まで耐え切った奴らはボスのマフィアのところで使うらしい。途中で使えなくなった奴らは他のマフィアのところへ奴隷として売られるんだとよ。』

 

男は喋り好きだったのかしら…ベラベラ喋ってくれたわ。ほんと、あいつのおかげでここまで来れたんだもの。ある意味感謝しなきゃね。

 

それから4ヶ月。私はその研究所でいろんな実験をうけたわ。いろんな環境や、敵に捕まってどんな拷問をうけても耐えられるようにするため、とか言って電気をながされたり、灼熱の金属の部屋に宙吊りにされたり…水の中にもぐらされて気を失うまで出してもらえなかったり…捕まって最初は辛くて辛くてたまらなかったわ。なんで私が…って思ったこともあったわ。逃げようとしたこともあったけど、逃げようとすると腕につけられた機械から電流が流れて気絶させられたから逃げることもできなかった…

でも3ヶ月もすればどんな実験も辛いだけで耐えられるようになったの。電気を流されてもちょっと痛いけど耐えられたし、暑いのだって我慢してればすぐ終わるし、水の中だって30分は潜れるようになったわ。研究所の奴らも驚いてたわ。こんな子、はじめてだって…

 

実験に慣れ始めると同時に同じように実験を受けている人とも仲良くなっていったわ。特にいまの私ぐらいのお姉さん…その人は辛い実験のあとでも優しく他の人達を元気付けてくれたわ。私はその人が大好きだった。始めて本当に信じられた人だった…

食事も毒入りだけど三食でるし、睡眠時間ももらえる。実験時間外なら基本的に自由だし徐々に楽しくなっていったの…

 

そんな順調な日々だった。あの日までは。…お姉さんが死んでしまったのよ。

死因はショック死。お姉さんの担当だった研究員の一人がいつもより電圧を高くしてしまったらしいわ。お姉さんの死を聞いてその日は一日中泣いた。あそこでは事故死は良くあることだったから仕方ないって思っていたのに…!その日の夜、研究員達が話しているのを聞いてしまったのよ…あれは事故じゃなくて、故意的な殺しだったってね…!

 

それを聞いた瞬間、私の中で何かが弾けるような気がしたわ。きっと、いままで貯めてきた不満がその言葉で爆発したのね…体の中から力が溢れてきて、気がつくと目の前には血まみれになった研究員がいたわ。そして、腕につけられていたどんなに頑張っても外れなかった機械はこわれ、手には誕生日に買ってもらったナイフがあった。これが私の念能力、ザ・ウォーリアが生まれた瞬間。

 

(今なら…ここから逃げられる!)

 

そう思ったらもう夢中で駆け出した。もちろん、研究員達はお姉さんの復讐もかねて皆殺しにしてね。とらわれていた子達も多分逃げたと思うわ。

 

それから、どうにかして暮らしていくうちに私が潰したところはあるマフィアがやっている研究所の一つで他にもいくつもあること、その中でも私のいたところは最大規模の場所だったこと、どのマフィアがやっているのかはわからないことがわかったわ。だから、奴隷売買をしているマフィアを片っ端から潰して回ってるのよ。他の研究所もいくつかは潰したわ。でもまだどのマフィアがやっているのかはわからない。中にはマフィアがやっている、と知らないでやっているところもあったわ。そんなことをしていくうちに強い敵ともであって、強い人を倒していくのが楽しくなってきてしまったのよ。私と貴方ってそういうところがにてるのよね。

 

そして、ハンター試験のことを知って受けに行き2回目で合格。そこでであった人に念能力について詳しく教えてもらったわ。その時に作ったのがブラッディエンチェントよ。それからもなんやかんやとあって私はここにいるってわけ。」

 

信じられない…というような顔でだまって聞いていたヒソカは初めて口をひらいた。

 

「…その君がしたっていた人はなぜ殺されたんだい?」

「なんでも、次の日から新しい子が来る予定だったみたい。お姉さんはいた子達の中でも最年長で、でもあまりいい実験体じゃなかったみたい。買い手もつかなくて困っているところに一人空きを作れって言われて殺したみたい。いま思うと何回か起きていた事故も似たような理由だったのかもね。」

「…君も大変だったんだね♠︎」

 

そんな言葉じゃなんの慰めにもならないのはわかっていたがそれ以外の言葉はでてこなかった。

 

「でも、今は楽しいわよ?貴方という倒したい存在が増えたもの。」

 

そう言って含み笑いをしてその話は終わった。ヒソカはまだまだ聞きたいことはあったようだがあえて口を開かなかった。

そして、事件から24時間後…無事リオンは元にもどったらしい。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。