HUNTER×HUNTER 血濡れた少女〜ブラッディガール〜 作:NKY
ヒソカの試合から一ヶ月たち、ついにゴンの念の使用禁止期間がおわった。リオンはというと、あれから2週間以内に2勝し、さらに昨日1勝、合計3勝して7勝0敗の好成績を残していた。
(…後2勝か…ゴンの念の禁止期間もおわったし、ヒソカと戦うのも時間の問題ね…ゴン達のところへでも行ってみようかしら…)
そして、リオンはゴンの部屋を訪ねた。ゴンの部屋の中からは3人分の練のオーラが感じ取れた。
(…早速やってるわね。)
コンコン
「あ、はーい!」
「リオンじゃねーか。」
「久しぶり。その様子だともう練習してるみたいね。」
「おう。リオンもあれから3勝したんだろ?」
「えぇ。あと2勝…2人とも、私とやってみない?」
「うーん…今はリオンとやってもボロボロに負けるだけだと思うからやめておくよ。」
「あら、残念…」
「あの…この人は?」
「あ、ズシはまだ知らなかったね。リオン、この子はズシ!俺たちと一緒に特訓してるんだ!」
「リオンよ。よろしくね。」
そういって微笑むリオンをみてズシは目を見開いていた。
「リ、リオンってあの銀色の蝶のリオンすか?」
「そうだよ?」
「凄い人と知り合いなんすね…通りで纏が綺麗だと思ったっす。」
と、何かに納得したようにうんうん、と頷いた。
「で、今なんの特訓してるの?練?」
「うん!最終目標は凝だけどね!」
「へぇー…ちょっと練やってみてよ。」
「い、いや、さっきまで練習していたんで自分が休憩にしようといったところっす!」
なにやら慌てふためきながらズシが答えた。
「そう。たしかにやりすぎはいけないわよね。」
「そ、そうっす!その通りっす!」
「ところでよ、リオンも練してみてよ!」
「あ、俺もみたい!」
「いいけど…」
そうリオンが呟いた瞬間、思わず3人は後ろに飛び下がった。
「す、すげぇ…」
「レベルが…ちがう…」
「師匠よりもすごいっす…」
へくしょん!
「…風邪ですかねぇ?」
「はい、終わり。」
「す、すごいっす…どうすればあれだけのオーラが…」
「練習よ、練習。私と貴方達とはやってる年月が違うんだから仕方ないわよ。あと数年すれば貴方達もできるようになるわ。」
「…失礼ですがおいくつですか?」
「キルア達と一緒。」
「リオンは4歳で自力で念を覚えたんだとよ。おまけにこの年で一つ星ハンターだとさ。」
「「えっ。」」
驚く2人をよそにリオンは部屋のソファーに座った。つられて他の3人も座る。
「キルアから聞いてなかったの?」
「うん…やっぱりリオンは凄いや!自力で念を覚えるなんて…」
「4歳っていったらまだまだ子供じゃないっすか!なんか雰囲気も大人っぽいですし…きっとその頃から自分たちとは比べ物にならないくらい凄かったんすね!」
「今も子供じゃない。…うーん、たしかに年の割りにはしっかりしてるって言われてたような気もするけど…」
「今だってそうだよな。明らかに同い年とは思えねぇ。」
「人生経験が豊富なのよ。」
「ババァみたいなこというなよ…いてっ!」
キルアは隣にいたリオンに思いっきり足を踏まれていた。やべ、と思いながらリオンを見ると不機嫌そうな顔をしたリオンがいた。
「悪かったわね。ババァみたいで。」
「いや、その、リオンがババァなんじゃなくて言動がその…」
「「あははははは!」」
4人はしばらく話していたがそれぞれの部屋に帰って行った。
そしてその夜…リオンは昼間別れる前にキルアが言っていた言葉を思い出していた。
「なぁリオン。もしサダソ達がゴンとズシに余計なことしそうだったら俺に教えてくれねーか?」
(あいつら、またなにか企んでいるのね…念のため明日はみんなと一緒にいようかしら…)
そうしてリオンは眠りについた。そして次の日、朝一番でゴンとキルアの部屋を訪ねたが2人はいなかった。
(ウイングさんの所かしら?)
案の定2人はウイングの所にいた。
「あ、リオン!」
「早いわね。…あら、凝できるようになったのね。」
「うん!俺もキルアも試合にでてもいいって言われたんだ!ね、キルア。」
「あぁ。」
「2人とも凄すぎっすよ…ブツブツ…」
嬉しそうに話す二人とは対照的にズシは部屋の隅っこで落ち込んでいた。
「戦いたい日もきまってるんだ!俺は30日でキルアは29日!」
「…そう。」
(遅かったのね…)
そして、リオンとゴンとキルアは天空闘技場に戻っていた。
「あいつら、キルアも脅迫してたんだね。許せないよ…」
「あぁ。でも一番気がかりだった師匠の許しは得たし、よかったよ。」
「でもまたズシにおんなじようなことしてきらたと思うと…」
「…大丈夫。心配ないよ。」
(何かするつもりね…ま、私もだけど。ムカついたし。身の程ってのをわきまえさせなきゃ。)
そして、5月29日…サダソは自分の部屋でほくそ笑んでいた。
「今日キルアちゃんにかって6勝…明日ゴンちゃんにかって7勝…そして、あと3回同じような鴨を見つけて勝てば…ククッ…フロアマスターだ…これで俺の一生の富と名声が約束される…ヒヒッ」
キィー…
「!!!誰だ!?」
部屋の扉が空く音がしたがそこには誰もいなかった。
「…風か。」
「風じゃないわよ。」
「!!!」
声のした方を振り向いても誰もいなかった。
「ど、何処だ!?何処にいる!?」
「さぁ?何処かしら…ふふふ…ふふふふ…」
その声は部屋のいたるところから聞こえ、だんだんとサダソの方へと近づいてきた。
そして、次の瞬間首筋に冷たいなにかを感じた。しかし周りをみても誰もいない。嫌な気配を感じながら目の前にあった鏡をみるとそこにはー
「リ、リオンちゃん…」
「気色悪い呼び方するんじゃないわよ。」
首筋にナイフを当てているリオンがいた。リオンの目は完全に闇を帯びていた。そう、それはリオンの目ではなく、ブラッディガールの目ー
「ひっ!」
「貴方、ズシを使ってゴンとキルアを脅したそうじゃない…」
「ひぃぃぃぃぃ!」
「煩いわね…黙ることもできないの?なんなら、肺でも潰してあげましょうか?」
耳元で囁かれる悪魔の声にサダソは従うしかなかった。
「脅さなきゃ勝てないようなザコがフロアマスターになんてなれるわけないでしょ?バカじゃないの?一生の富と名声?バカらしい…自分の実力で勝ち取らずにそんなもの得たって何の意味もないわ。」
「私にとって人は5通りしかいない。殺せない人と殺したくない人、まぁ守りたい人もその中に入るかしら。あとは興味がない人と殺すべき人、そして、殺す価値すらないクズ。ゴンとかキルアは殺したくない人に入ってるのよね。…まぁ、ズシはよくわからないけど。もちろん貴方は殺す価値もないクズ。命拾いしてよかったわね。…でも、次私達の目の前に現れて余計なことするなら…死ぬより辛い目に合わせてあげる。わかったならさっさと立ち去りなさい。」
そう言い残してリオンは部屋から出て行った。サダソは恐怖のあまりの完全に気絶していた。
リオンが部屋から出るとそこにはキルアがいた。
「…俺がやりたかったのに。」
「ムカついたからやっただけ。残りの2人は譲るわよ。」
「はいはい…にしてもお前やっぱりすげぇな。殺気が半端なかった。」
「あら、そんなに漏れてた?」
「いや、俺だから気づくぐらいだけど。なんかものすごく濃密だった。動きもみえなかったし。こういうの慣れてんじゃねーの?なんてな。」
そういって笑い飛ばすキルアに軽く微笑んでボソッと呟いた。
「慣れてるのよ、本当に。」
「?」
不思議がっているキルアを残してリオンは笑いながら去って行った。
その後、サダソはもちろんリールベルトもギドも何処かへ去って行ったという。