HUNTER×HUNTER 血濡れた少女〜ブラッディガール〜 作:NKY
リオンはいつもより早めに起きていた。その理由は…
それは昨日の夜のことだった。ヒソカがそろそろゴンと戦おうかな、と言い出したのだった。
サダソが逃げたあと、ゴン達はリールベルトとギドと戦って勝利していた。ゴンが約束していただけ勝利していたのでヒソカの方から勝負を持ちかけたのだ。
それを聞いてあれからさらに2勝していたリオンはヒソカとの試合も近い、と思い特訓に来ていたのだった。
まず、部屋の中でストレッチ。それから下に降りて天空闘技場の周りを軽く10周する。いつもならそのまま部屋でトレーニングを続けるが、今日は天空闘技場から少し離れた森に来ていた。
森の中の開けたところに出ると、リオンはその場所の中心に立った。森を円で覆うようにして人がいないことを確認してから木刀をだした。
すっと木刀を構え、体を覆う念をより一層整ったものにしていく。そして周りの音、匂いなどを敏感に感じられるまで集中を高めてから一振り。始めはその感覚を確かめるようにゆっくりと。徐々にスピードを上げていく。丁寧に、しかし素早く。その動きは一ヶ月や半年で身につくものではない。何年も何年も繰り返してきたからこそできる自然な動きだった。
素振りを始めてから15分。一般人がすでに木刀は目視するのが難しい速度まで来ていた。しかし、さらにスピードを上げていく。遂には集中を高めるのから一振りまで、0.2秒にも満たなくなっていた。一振りごとに周囲の葉が舞う。木刀の先の木の葉はすでに落ちていた。
普通の木刀では開始から10分ほどでその速度に木刀自身が追いつかなくなり真っ二つになっていただろう。しかし、この木刀はリオンが自身の念能力で創り出し、念を込めたもの。そう簡単には折れるはずがなかった。
そして、遂にその一振りは音を超える。シュッ、シュッと振る度、リズムよくなっていた音がその一振りから1テンポ遅れて聞こえた。次の瞬間、目の前の木は真っ二つになり、その場に崩れ落ちた。それは目の前の木に限らず、その軌道上にあった木は例外なく真っ二つになっていた。
(ふぅ…久しぶりにこの速さまでやったわね…流石に部屋の中でこの速さでするのはちょっとね…さて、試しいたこともあるし、続けましょう。)
切り落とした木の切り株に座って数分。息を整えるとまたすぐに立ち上がった。そして木刀を消し、両手に銃を換装する。
バンバンバンバンバンバンバン…!!!
次の瞬間、木についていた葉が全て取れていた。
(しばらく練習していなかったけど、腕は落ちていないようね…よかったわ。)
続いて短剣の投合の練習を終えると、リオンはすべての武器を消した。深呼吸をして、乱れた呼吸をただす。そして、リオンを覆うオーラが増えたと思った直後、リオンの周りに大量の武器が出てきた。すごい勢いでどんどん数が増えていく。しばらくして200個ぐらいの武器が出た所でその勢いは止まった。
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…
(やっぱり…200個ぐらいが…限界ね…この状態で何分ぐらい持つかしら…)
その状態で約1分後、ついにリオンは座り込んでしまった。そして、少しずつ出していた武器を消していった。
(1分…か…短いけど…まぁ、実際にはこの量は出すつもりないし大丈夫よね…それよりもどうやってあいつと戦おうかしら…)
そんなことを考えている間も練は忘れていなかった。
(うーん…あのバンジーガムはほんとめんどくさいわね…当たったら終わり、って考えとかなくちゃね…うーん…でもなぁ…避けるのも難しそうだし…今回は武器はあまり役に立たないかもしれないわね…)
リオンは前回ヒソカと戦った時のことを思い出していた。前回はことごとく武器での攻撃をバンジーガムで無効化されていた。数で打てば当たるが、それではリオンのオーラが持たなかった。前回の主な敗因はそれだった。
(とりあえず戦いの間はずっと凝をして…いつバンジーガムが来てもよけられるような距離はとっておかなくちゃいけないわね…後はバンジーガムでもかばいきれないほどの威力のダメージを与える、もしくは隙をつく、か…)
リオンはゴロンとさっき散らした葉の上に寝っ転がった。
(天空闘技場のルール的には当たらなかったらとりあえずはいいのよね…ということはヒットアンドアウェイは有効ね。…すんごく悔しいけど。そして、どうやってダメージを与えるか、よね…きっと剣や刀なら簡単にバンジーガムで止められちゃうわよね…銃もよけられるだろうし…素手で戦うしかないわね…でも素手じゃ受け止められて終わっちゃうし、バンジーガムで捕まっちゃったら終わりよね…はぁぁぁ…本当にたちが悪いわね、あの技…)
その状態でずっとリオンはヒソカ対策を立てていた。
そんなことをしているうちにお昼を過ぎてしまった。
(攻撃力は足りない、捕まったら終わり…あーっもうっ!なんとかあいつのバンジーガムをすり抜ける方法はないのかしら!?…ん?)
何かを思いついたのかリオンはガバッと起き上がった。
(そっか!こんな簡単なことだったのね!そうと決まればさっそく調達してきましょ!ちょうどいいのがあればいいわね…)
そして、そのまま武器屋へいき、ご機嫌で出てきた。
(ちょうどいいのがあったわ!これなら…勝てるかも!)
そして、ルンルンで自分の部屋へと戻って行った。その夜、リオンの部屋は夜明けになるまで電気がついていたらしい…