HUNTER×HUNTER 血濡れた少女〜ブラッディガール〜 作:NKY
リオンが特訓に出かけた次の日の朝、ヒソカはリオンの部屋へと向かっていた。なぜ向かっているかというとすでに日課となっている朝這いのためだ。リオンも初日こそは驚いたものの、2日目からは開けた瞬間念弾が襲いかかって来たり、ナイフが飛んで来たり、色々な罠をしかけていた。ちなみに一番命の危険を感じたのは絶からの顎への蹴りだった。
(昨日は出かけてたから今日はその分楽しみだね♦︎)
ちょっとワクワクしながらリオンの部屋へと向かっていた。
コンコン
「リーオン♥︎朝這いに来たよー★…?」
いつもなら何かしら飛んでくるはずなのに何も飛んでこなかった。奥に入って辺りを見回すとそこには…
「…リオン?」
床で倒れているリオンがいた。
「リオン?どうしたんだい?リオン!?」
「んっ…」
ヒソカに揺さぶられてようやく気がついたようだ。
「…びっくりしたじゃないか♣︎ある意味一番驚いたよ♦︎」
「それは…よかったわね…」
「…体調、悪いのかい?今日のデートは延期にしようか?」
そう、今日は2人で出かける約束をしていたのだ。本当に心配そうなヒソカを見てふっ、と力なく笑うとリオンはドアのほうへあるいていった。
「デートじゃなくてただのお出かけでしょ…大丈夫、ちょっと貧血と寝不足で…外の空気でも吸ってくるわ…」
そういってフラフラと外にでていってしまった。外に向かいながらリオンはなぜ自分があそこに倒れていたのは思い出していた。
(たしか…あの後つかった武器に血を供給していたのよね…ヒソカとかゼノおじいちゃんとかと戦ったり、昨日の特訓とかで思ってたよりも血を消費していたみたいね…全部やってたらいつの間にか朝になってて…そのまま気絶しちゃったんだっけ…)
外にでて空気を吸うと少し頭の中がスッキリしたようだった。しかし、次の瞬間…
(あっ…やばっ…)
バタッ
リオンは再び倒れてしまった。
リオンが目を覚ますとそこにはよく知っている顔があった。
「ん…」
「あ、気がついた!」
「ここは…ウイングさんの…」
「天空闘技場の入り口付近で倒れてたんだよ?」
「メガネ兄さんの所に行こうとしたら倒れているリオンにでくわしたんだよ。」
「そっか…ありがとね。」
「本当はリオンの部屋かヒソカの部屋に連れていくべきだったのかもしれないけど…俺たちだけじゃどうしていいかわからなかったし、ヒソカに託すのも心配だし…」
「…リオン?なんで泣いてんだ?」
「え…?」
リオンも気づかないうちにないていたようだ。
「どっか痛いの?」
「ううん…なんか…心配されて嬉しかったのかな…」
「友達なんだから当たり前じゃん!ね、キルア。」
「あぁ。」
「友達…かぁ…」
「ん?」
「友達なんていたことなかったからなぁ…」
「えっ」
「頼りになる人はいたし、尊敬できる人もいるけど、同い年の友達っていうのは…ね…」
ゴンにはちょっとかなしそうに言うリオンがキルアと重なって見えていた。
「…リオンってあの時のキルアと似てるね。」
「「えっ。」」
「ほらハンター試験の時の!」
「あぁ!ほら、俺って元殺し屋じゃん?だから俺も同い年の友達いなかったからさ…リオンはなんで居なかったんだ?あ、いいたくなかったらいわなくてもいいけどよ。」
リオンはゴンとキルアに自分は育ての親に売られたこと、本当の親はわからないことを話した。ブラッディガールであることや、売られた先でされたくわしいことを除いて。
「その…リオンを産んだ親も親だけどよ、捨てた奴は最低だな。」
「本当の親は…わからないの?」
「えぇ…」
「…よし!決めた!」
「あぁ。」
「えっ?」
「俺とキルア、リオンの親探し手伝うよ!まぁ、旅のついでに…だけど。」
「…ありがと。」
「おや、気がつきましたか。」
3人がはなしていると、ズシとウイングが入ってきた。
「色々と迷惑かけたわね。ありがとう。」
「いえ、お礼ならその2人に言ってください。…ところで、なぜリオンさんはあんなところで倒れてたんですか?」
「あぁ…貧血と寝不足で…」
「貧血?」
「んー…これは私の能力にも関係してくるんだけど…そうだ!ウイングさん、3人にはどこまで教えたの?」
「ちょうど今日から発に入るところですよ。」
「ちょうどいいわね。今日は私が私の能力も含めて色々教えてあげる。お礼も含めてね。」
「いいのか?能力教えてもらっても…普通隠すもんじゃないのか?」
「別に私のはわかったって構わないし、ヒソカだって聞いたら普通に教えてくれたもの。さ、とりあえず水見式をしましょ。」
「水見式?」
「それなら隣の部屋に用意してありますよ。」
「早速いきましょ。…あっ…」
「おい、大丈夫かよ?もう少し休んでた方が…」
「大分回復したから大丈夫。」
そして、4人はウイングに連れられて部屋を移った。
「さて、水見式やろっか。」
「いや、まず水見式ってなんだよ?ていうか、その前に発について教えてくれよ。」
「えっと…オーラの系統を見分ける方法で、あってるよね?」
「はい。発とは四体行の最後の一つで、オーラを自在に操る技術です。要するに、念能力の集大成です。これを極めて独自の念能力を作ります。そして、これは6つの系統に分けられます。」
「系統…?」
「それが強化系、変化系、放出系、操作系、具現化系、特質系よ。」
「ものの持つ力を強くする強化系。オーラの性質を変える変化系。オーラを放出する放出系。オーラを操作する操作系。オーラを具現化する具現化系。そして、このどれにも類をなさないのを特質系と呼びます。」
「それを判別するのが水見式ってわけ。」
「大切なのは自分に合った念能力を見つけること。念能力は生まれ持った才能と生活の中で身についた才能。この二つに大きく関係してきます。そして、自分の系統と近い系統ほど身につきやすのです。」
「例えば強化系のひとは強化系が100%まで習得可能なら、放出系と変化系が80%、操作系と具現化系が60%といったとこかしら?特質系は特質系以外の人には0%なの。操作系と具現化系には後天的になる可能性があるってだけでね。自分に合った能力にしないとどんなに優れていても意味がない。例えばカストロは強化系なのに、具現化系と操作系を極めた。これは失敗の一つね。燃費が悪いもの。ヒソカは変化系。ゴムとガムの性質をもつようにオーラを変えている。それにヒソカのもつテクニックが合わさってあんな常人離れした強さになっているってわけ。」
2人の説明を聞いて納得する3人。そこにウイングがコップに水をギリギリまでいれて葉を浮かしたものを持ってきた。
「これに手を近づけて練をすることで見分けることができます。」
そういってウイングが練をすると水がコップから溢れ出して来た。
「水が…増えた…」
「水が増えたのは強化系の印です。」
「次、ズシやってみる?」
「おす!」
ズシが練をすると今度は少し葉が動いた。
「おぉっ!」
「これは…なに系なんだ?」
「操作系よ。」
「へぇ…」
「次、俺がやる!」
ゴンが練をするとウイングと同じように水が溢れてきた。
「ゴンも強化系ね。」
「最後は俺だな。」
キルアが練をすると…
シーン
「…あれ?なにもおきないよ?」
「もしかして俺、才能無い?」
「そんなわけないわよ。ほら舐めて見て。」
水を舐めるとほんのり甘くなっていた。
「味が変わるのは変化系ね。」
「ちなみに放出系は水の色が変わり、具現化系は水の中に不純物ができます。特質系はどれにも属さない変化をみせます。」
「へぇー…ところでリオンは何系なの?」
「当ててみる?」
「うーん…俺強化系だと思う!だってリオンの蹴りものすごく強いじゃん!」
「自分は操作系だと思うっす!前の試合でナイフが浮いていましたし…」
「俺は具現化系かな?なんかあのナイフ突然でたように見えたんだよね。」
「私は特質系だと思います。リオンさんにはそれに恥じない才能があると思いますから。」
「さぁ、どれでしょう…?」
そう言うと悪戯な光をたたえた目で皆を見回し、ゆっくりと練をした。すると、コップの中の水は…浮いた。
「はぁ?」
「ふぇっ?」
「へぇー」
「ほぅ…」
ちなみに一番間抜けな声を出したのはズシだ。まるで無重力状態のようにふわふわと浮いている水は、リオンの手の動きに沿って動いていた。そして、リオンが一気に練を強くした途端、凍りつき、砕け散った。
窓からの光を受けてキラキラと輝きながら落ちていくその光景はどこか神秘的であった。
「これは…どの系統の反応でもないということは…特質系ですね…」
「絶対具現化系だと思ったんだけどなー」
「浮いていたと思ったんすけどねぇ…」
「…ってことは、あの蹴りは強化せずにあの威力ってこと?」
そのゴンの一言に今度は四人は凍りついたようになり、ギギギ…と音のなりそうな動きでリオンのほうを向いてきた。
「…なによ、悪かったわね…でも、キルアもズシも、ゴンもあながち間違ってないのよ?」
「でも、あの反応は特質系だろ?」
「反応はそうだけど、武器を具現化してたのも、操作してたのも事実よ。…蹴りはそこまで強化してないけど。」
「ってことは特質系なのに具現化と操作の能力作ったってことかよ?さっきそれは燃費が悪いみたいなこと言ってただろ?」
「普通の人ならね。」
何を言いたいのかわからない、というように四人は首をかしげた。そんな四人を見て、リオンは少し申しなさそうにこう言った。
「私は全ての系統が100%引き出せる特質系なのよ。」
「「「「…はぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」