〈Infinite Dendrogram〉管理者の思惑を越えて   作:星色 空

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書くつもりはなかったんです。だけど、思いついちゃったんです。


第1話 ゲームスタートと重大なバグ?

 

俺がこのゲーム、〈Infinite Dendrogram〉を始めるきっかけとなったのはメーカーからのこの発表。

 

 

「昨日は主要素の説明で終わってしまいましたので、本日はゲームシステムを説明させていただきます」

 

 

 

「既にプレイを始められた方はお気づきと思われますが、<Infinite Dendrogram>にはある特徴があります」

 

 

 

「それは真の意味で無限の可能性とオンリーワンを提供するというものです」

 

 

 

「数千を超えるジョブの組み合わせ、スキル構成、そしてそれらよりもなお明確なオンリーワン」

 

 

 

「<Infinite Dendrogram>では、プレイヤーの皆様それぞれに<エンブリオ>がプレゼントされます」

 

 

 

「<エンブリオ>は皆様の行動パターンや得られた経験値、バイオリズム、人格に応じ、無限のパターンに進化いたします」

 

 

 

「色違いでもパーツ違いでもなく、固有スキルも含めて真の意味で無限のパターンに」

 

 

 

「それこそが――<Infinite Dendrogram>です」

 

 

 

「そう、<Infinite Dendrogram>は新世界とあなただけの可能性(オンリーワン)を提供いたします」

 

 

 

この発表を聞いて、このゲームこそが俺の求めていたゲームなんだ、と思いすぐにハードが売られている店頭に走り買うことに成功した。

 

ちなみに、俺が買った5分後にはとんでもない量の客が押し寄せ、すぐに完売したらしい。急いで買いに行った甲斐があった。

 

 

 

そして、今から初ログインだ。一体どんな凄いゲームなんだろうか。まだ開いてすらないけど楽しみで仕方ない。

 

 どうしたらこんなゲームが作れるのだろう。今の技術水準よりかなりレベルが高いと思う。

 

 ヘルメットを頭に装着し、ベッドの上で仰向けに寝転がる。

 

 そして俺はゲームのスイッチを入れた。

 

 瞬間、視界が暗転する。

 

 

 

 

 

 

気が付くと、自室ではない場所に俺はいた。

 

 

「ん?まさか……まあいい」

 

 

何やらモンスターのような見た目をした男が何か話しているが、よく聞こえなかった。

 

 

「えーっと、ここでキャラメイクをするのか?」

 

 

ずいぶんと殺風景な空間だ。別に良いか。

 

 

「ああ、そうだな。私は管理AI4号、ジャバウォック。君を<Infinite Dendrogram>の世界に導く、いわば案内人と言ったところだ」

 

 

ふーん、管理AIね。

 

 

「そして、君に設定してほしいのは六つだ」

 

 

「一つ、描画選択。現実に近いものから選べる、これからサンプルを――」

 

 

「現実と同じでお願いします」

 

 

最初からそう決めていたので、その時間は無駄だから遮らせてもらった。時間がかかりすぎるのは嫌いだ。

 

 

「そうか。判断が早くて助かる。二つ目はプレイヤーネームだ。決まっているか?」

 

 

どうやら遮ったことに関して思うことはなかったらしい。とりあえず一安心だな。

さて、プレイたーネームもあらかじめ決めてきた。

 

「ラインハルト」

 

歴史マニアにとっては有名人物。俺もあの辺りの歴史は好きなので使わせてもらった。

 

「では次、三つ目はアバターのデザインだ。色々設定はできるがどうするかね?」

 

 

「リアル基準に変えることはできます?」

 

 

「もちろんだ」

 

 

すると、目の前に自分そのままのアバターが現れる。

 

そうだな……髪の色を少し変えるくらいで良いだろう。余計に変えすぎる必要もない。

 

 

「終わったかね?」

 

 

「ええ、次は何です?」

 

 

「次はアイテムの配布だ」

 

 

上から何か降ってきた。それは、カバンのようなものだった。

 

「それはアイテムボックス。1tまでなら自由に出し入れが可能なものだ。他者のアイテムを入れることはできず、入れられるのは君のものだけとなる」

 

 

ふむ、なかなか便利そうなものだ。

 

 

「ちなみにこれ、盗まれたりは?」

 

 

「する。アイテムボックスそのものを盗まれることはないが、ランダムドロップで中のアイテムを紛失したり、盗賊系統のジョブに盗まれたりな。また、耐久値が全損した際は中身が解放されるため、そうなった場合は買い換えると良いだろう」

 

 

ふむ、まあ今は気を付けてもどうしようもないことか。

 

「次に初心者装備だが……」

 

 

「スタンダードなもので」

 

 

「そういうと思っていた。であればこれだな。次に初期武器だがどうする?」

 

 

「とりあえず杖で」

 

 

「承知した」

 

 

武器に関しては、また選べば良いだろう。今はスピードだ。

 

 

「そして、これが初期資金となる」

 

 

また、上から降ってきた。今度は袋か。

 

 

「この世界では金銭はリルと呼ばれている。この中には5000リルが入っている。レートは1リル=10円と考えてくれれば良い」

 

 

なるほど、これが尽きる前にどうにかして金を稼げというわけか。

 

 

「最後に〈エンブリオ〉を移植する」

 

 

いつの間にか、俺の左手の甲には宝石のようなものが埋め込まれていた。

 

 

「おお、これがエンブリオか」

 

 

「これが最後だ。所属する国家を選んでくれ」

 

 

地図には7ヶ所の国が表示されている。ここから選べということか。

 

 

よし、決めた。

 

「アルター王国で」

 

 

「さて、これで君の設定は全て完了した。これは軽いアンケートのようなものだが、なぜアルター王国を選んだのかね?」

 

 

「一番はここで面白いことが起きるという直感ですが、まああえて言うなら歴史で好きなのが中世だからですかね」

 

 

「ふむ。なるほどな」

 

 

結局このアンケートの意図はよく分からないけど。

 

 

 

「この世界では、誰もが自由だ。何にも、誰にも縛られる必要などない。そのエンブリオと同じく、君にも無限の可能性があるのだ。君のような……は特にな」

 

 

最後の言葉は上手く聞き取れなかったが、これが俺が心惹かれた、求めていたものだ。

 

 

「<Infinite Dendrogram>へようこそ。“我ら”は君の来訪を歓迎する」

 

 

そう言われ、次の瞬間俺は大空に放り出されていた。

 

 

「え、待て。はあぁぁぁぁ!!?」

 

 

俺のデンドロは、パラシュートなしのスカイダイビングから始まるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

□王都アルテア

 

 

「はぁ、どんな思考に至ったらこんなことしようってなるんだよ」

 

 

着地できるようになってたから良いものの、あれは心臓に悪い。誰だよ、あんなの考えたやつ。

 

 

「……ここが王都アルテアか。」

 

周りを見渡してみると、巨大な門があり、先ほどから馬車や人の行き来が盛んに行われている。

 

 

「とりあえず、中に入ってみるか」

 

 

そういえば、俺はまだ職業に就いてないな。どこで就けるんだろうか。

 

 

 

「ここか」

 

 

まあ最初は無難に【剣士】あたりだろう?まあ、初期武器とは全く噛み合っていないような気もするが、別に良いだろう。

 

 

そうして、俺は【剣士】の職業に就いた。

 

 

 

それにしても、このゲームはあまりにもリアル過ぎる。いかにもゲームだというシステムさえなければ、異世界だと言われても……異世界、か。

 

 

 

さて、武器も買ったし早速モンスター狩りにでも行きますか。

 

 

「あ」

 

 

そういえば、エンブリオのことを完全に忘れていた。

 

 

「なんだこれ?」

 

 

エンブリオの画面を見てみると、

 

 

 

【◼️◼️◼️◼️ ◼️◼️◼️◼️◼️◼️】

TYPE:???

 

ステータス補正

 HP補正:?

 MP補正:?

 SP補正:?

 STR補正:?

 END補正:?

 DEX補正:?

 AGI補正:?

 LUC補正:?

 

 

『保有スキル』

 

《???》

 

 

え、バグってんの?何これ、意味分からん。

 

 

 

 

 

 

「やはりか、これも()()()()ハイエンドだな。とても興味深い」

 

 

管理AI4号ジャバウォックは、自らがチュートリアルを担当し、今現在異常──ジャバウォックにとっては想像通り──なエンブリオを発現した彼について興味を抱いていた。

 

 

「ふむ、これが"期待する"ということか」

 

 

ジャバウォックにとっては初めての、自らを目にかける対象を得るのだった。




実は中身は何も考えてなかったりします。考えながら書き進めて行きます。

ちなみにこのエンブリオは"まだ"ジャバウォックの想定内ですね。

何も関係ないですが私が一番好きな歴史は20世紀です。それも相まって名前はこうなりました。
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