これからも執筆を続けていけるよう頑張りますね‼︎
side こころ
今日の相手はヘビ怪人だ。
ただ、今までの人型と違ってこの怪人は野生の完全なヘビに近い見た目をしている。手足は付いてはいるものの、非常に小さい。ティラノサウルスの前脚くらいのサイズ感と言えば、その小ささが分かるだろうか?
「吾輩の名はヘビル‼︎魔法少女よ!貴様は吾輩の餌だ!確実に仕留め、丸呑みにしてやるのである!」
『丸呑み』という癖を提示してくるこいつに、思わず身体が身震いする。なんて魅力的な提案なんだ…‼︎
今日はオレ1人だ。すみかとなぎのの二人は一緒に出掛けるらしく、恐らく助けには来ないだろう。これは…
イケるんじゃないか…?
まぁだからと言ってわざとやられる訳にもいかない。どう考えても避けられる攻撃を理由なく避けないのと同じだ。誰かを庇うわけでもなく、ダメージで隙が出来る訳でもなく攻撃を喰らっていれば不審に思われてしまうかもしれない。長く魔法少女を続けるためには、不審感を抱かれてはいけないのだ。
そんな事を考えていたからだろうか。桁違いのスピードで接近してきていたヘビ怪人に、オレは気づけなかった。
「速…っ!?」
「終わりである。魔法少女よ。」
ゆっくりと、世界がスローモーションに見える。オレの肩付近に頭を近づけたこいつは、大きく口を開いて牙を見せつけるようにすると。「がぶり」…と、オレの肌に牙を突き立てた。ぷつりという音と共に、焼けるような痛みが肩口から広がっていく。
「痛ぅ…!この!放せぇ…!」
噛みついて離れない顎を外そうとするも、外せない。力が足りないのもあるが、徐々に体が痺れていっている気がする。これは…!
「毒…か!」
「ご名答である。吾輩の毒は強力。一度噛みつけば外れる事はないのであるよ。」
「あれ…?喋るために自分から外してないか?」
「…わざとである!貴様に打ち込んだ毒は麻痺毒!既に抵抗出来ぬようにした以上、外しても問題ないのである‼︎」
「今一瞬返答遅れたな…?」
冗談を言い合ってはいるが、状況は少々まずい。麻痺毒でオレの身体はいうことを聞かない。喋る事は出来ているが、試しに一歩でも進もうとしても身体はピクリとも反応しない。
「さて魔法少女よ!このままでも貴様を丸呑みに出来るのだが…吾輩はグルメである!」
「は?」
「しっかりと肉をほぐし、より強力な神経毒で味付けをして頂くつもりだ!」
思ってたよりこいつやばいかもしれない。いや丸呑み良いかもとか思ってたオレほどでは無いけど。
にしてもそっち系か…!グルメ系とは思わなかった。小さな手にフォークとナイフを持って、ナプキンを首にかけたこいつを幻視したが、振り払う。
「自分で出した毒って美味しいのか…?」
「確かに自分の毒だけでは旨くはならぬ!だが、獲物の血と混ざり合う事でより血の旨みを引き立てるのだ‼︎」
なんか凄い。人間も側から見ればおかしな食文化はしているからなぁ。実際こんな感じで見られているのだろうなと思う。さて、現実逃避はこの辺で良いだろう。
ヘビ怪人はゆっくりとこちらに近づき、オレの身体を締め付けるようにまとわりついてくる。全身がすっぽりと包み込まれてしまい、麻痺毒がなくとも動けなくなってしまう。
「さて、次に打ち込む毒は神経毒!常人であればあまりの痛みにショック死してしまうが…貴様であれば問題ないであろう!」
来た来た痛いやつ!しかも常人なら死ぬ痛みと来た。果たして一体それはどこまで痛いんだ…?
「そういえば麻痺毒を先に打ち込んで味は変わっちゃわないのか?」
「問題ないのである。一度に効く毒は一種類。先の毒を上書きする形で効果を発揮するため、味にも影響はないのだ。」
なるほどな…だから動けないはずのオレを改めて拘束したのか…確かに納得だ。ってか隙がないな⁉︎普通こういうのって上書きが原因で負けるとかなのに…
「さて、この痛みに正気を保てるか?魔法少女よ‼︎」
「ぐっ…!おぉ?痺れが取れて…ぅあ゛っ⁉︎」
痺れが取れたと思った直後、肩が焼けるように熱くなった。
「ぐ…!確かに…あつ…っあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛⁉︎」
熱い。あつい。なんだこの痛み。焼けるなんてもんじゃない。肩が火になったかと思うほどに熱い。これまで大抵の痛みであればすぐに慣れたオレだが、この毒は桁違いだ。
「ぐぅ…あ゛……あ゛あ゛あ゛あ゛‼︎」
どれだけ経っても慣れることが出来ない。余裕が出来ないのだ。みっともなく涙を流し、痛みに呻く。
「こらこら、そんな暴れられては困る。暴れられたのであれば…抑えなければならないではないか。」
「か…はっ…!ぅ゛う゛う゛う゛う゛!!!」
ただでさえ焼けて熱いのに、ヘビ怪人はさらに追い打ちをかけてくる。全身を使った強力な締め付け。ミシミシと骨が軋み、身体中が悲鳴を上げる。必死に身をよじって抜け出そうとするも、痛みが強すぎて力を入れ切れない。
「そして気づいているか?魔法少女よ!貴様は毒を喰らった上で締め付けを喰らい、もがき苦しんだ!そんな事をすれば…毒は一気に全身に駆け巡るぞ?」
挙句、トドメを刺すかのようにそんな事を言ってくる。肩だけで今までとは桁違いの痛みだ。それが全身ともなれば…それこそオレですらショック死してしまうほどの…?
「そぉらくるぞ?痛みが。3、2、1」
カウントダウン。この数字が0になった時に、
「ぜ…ぜ…ろ…っ!?」
「む?反応が無いな?まさか不発…?」
「…ぁ…!」
これは…やばい。痛みのあまり、声を出す余裕はない。オレじゃなかったら確かにショック死してもおかしくない痛みではある。これだけ痛みに耐性のあるオレでこれなのはマジでやばい。下手すれば自害してでも助かろうとするやつがいるんじゃないかと思わせるほど。確か昔話の英雄の中にもヒュドラの毒に耐えられなくなって自害したりする人が居たとかなんとか。
「そうか!とうとう声も出せなくなったか!では良い。そろそろ、最終準備に取り掛かるとしようか。」
いよいよ飲み込むつもりなのだろう。最初は飲み込まれる感触を楽しみにしていたオレだが、正直痛すぎて何も分からないかもしれない。今だってあいつの声が頭の中をぐわんぐわんと反響している。視界はチカチカとしていてよくわからない。
顔に大量の脂汗を浮かべて必死に痛みに耐えている上、身体中を締め付けられて身動きの取れないオレはなんの抵抗もできずに飲み込まれた。
「ふぅ。実に美味であった!警戒はしていたがなんという事はなかったな。初見殺しであれば簡単に奴らに通用するという事、これは良い情報だ。」
「………ぅ…?なに…が…?」
飲み込まれた感触を味わう事も出来ずに痛みに呻き続けるかと思っていたが、飲み込まれた瞬間に痛みが引いていった。腹の中の感触は、蛇の体で締め付けられた時よりも良い感じに柔らかくてぬるぬるとしている。痛すぎない感じも心地よく、マッサージのようだった。
いきなりの落差に混乱していると、「ジュウゥ‼︎」と音がする。まずい!ぬるぬるしていたのは消化液か!幸いステッキは手元にあるが、ヘビ怪人が動いているせいでうまく動けない。
どんどん服が溶けていき、髪を結んでいた髪飾りまで溶けてしまった。流石にR18はダメだ‼︎恥ずかしいし、何より記録に残しにくい‼︎後やっぱりめちゃくちゃ恥ずかしい‼︎こんなやつには絶対見せたくない‼︎
だが、壁を押しても肉壁に腕が飲み込まれるだけで効果が無い。かくなる上は…ぶち破って外に出る‼︎
「さて、吾輩は帰るか…腹も満たしたし、満足である!」
「そこまでよ!ヘビ怪人‼︎」
「わたくし達が相手になりますわ‼︎」
この声は…すみかになぎの!助けてくれるのはありがたいけど、このままだとあいつらも毒にやられちまう‼︎一体どうすれば…!
「そういえば…なんで毒の痛みが引いたんだ?…まさか‼︎」
side すみか
二人で出掛けていた時に怪人の情報が入り、駆けつけてみればお腹の膨れたヘビ怪人がいた。
「ふむ、また魔法少女か…吾輩はもう腹八分目だというのにな。」
「やっぱり…もう誰か食べていたのね。」
「お待ちください!今、『また』魔法少女…と?」
「ああ。貴様らの前に桃色の魔法少女と戦ったのだ。アレは弱かった。だが、中々美味そうだったのでこの通り丸呑みにしてやったのだ。」
「嘘よ!こころが負ける訳…‼︎」
「そうですわ‼︎どんな時でも諦めずに勝利する、それがこころですわ‼︎」
「では見るか?…ぐ…むぅ…がぁ‼︎」
ヘビ怪人が何かを吐き出しかける。頭だけが見える、その姿は…変身が解除された状態のこころだった。
「そんな…‼︎嘘…‼︎」
「ですが…あの顔は見間違えようもありませんわ…‼︎」
「安心すると良い。貴様らもこやつと同じようにしてやるのだからな!」
信じられない。あのこころが。カギムーの時は仕方ないにしても、恐らく正面から戦ってああなるのは初めて見る。と言う事は…この怪人はとんでもない強敵という事だ。それよりも。あのままでは怪人に消化されてこころが死んでしまう。どうにかしないと…‼︎
焦る私となぎの。しかし、怪人の体を見るとなにやら違和感がある。一部分がやけに光っている。この桃色の光は…‼︎
「一か八かだ‼︎プリズムハート・スプラッシュ‼︎」
「ぐおおおおおお!!!!貴様…吾輩の身体を突き破って…‼︎」
「こころぉ‼︎良かったぁ…‼︎」
こころだ。髪飾りが溶けたせいで髪はおろされている。ぬるぬるでてかてかした消化液はローションのように体にまとわりついており、服は殆どが溶けて凄くキワどい事になっている。なにあれやばい、すっごい色気。ぜひ写真を…じゃなくて‼︎
まさかとは思ったけど、変身は解けてなかった。髪飾りがなかったせいで勘違いしたんだ。
「はぁ…!はぁ…!一旦出れたか…‼︎」
「こころ‼︎良かったですわ‼︎」
「貴様…もう喰らう必要もない‼︎吾輩の猛毒で殺してやろう!知っているか…?ヘビは毒液を飛ばせるのだ‼︎」
「ここはオレに任せろ!はっ‼︎」
飛来する毒液を、こころは身を挺して庇う。今までであれば効果のあったであろう毒液は、なんの効果も示さない。困惑するヘビ怪人に、彼女は自慢げにタネを明かす。
「お前に丸呑みにされた時、一瞬で痛みが引いていったんだ。理由は簡単。お前の毒の解毒薬が消化液だからだ‼︎
あの毒は本来、お前の身体をも傷つけるほどの猛毒。それを中和していたのは他でもないお前自身!ヘビは唾液にすら消化液が含まれているほどに消化力が強い‼︎身の安全を守るのであれば、強力な毒はより強力な消化液で中和出来るように設計される‼︎
なら…身体中が消化液で塗れた今のオレに毒液は通用しない‼︎」
「さて、ヘビ怪人さん…覚悟は良い?こころをこんな目に合わせてくれて…!」
「えぇ、一思いにやってしまいますわ‼︎」
「じゃあまたアレやるか!プリズムハート!」
「ブライトォ…ダイヤァ!!!!!」
「グリッドスペード!」
「「「トリニティ・スプラッシュ‼︎」」」
「吾輩は…勝っていたのに…‼︎」
戯言をほざいたヘビ怪人は、ひとかけらも残さずに消し飛んだ。当然だ。私のこころに手を出したのだ。色気を引き出したのはプラスだったが、それ以外がマイナスすぎて話にならない。
「なぁすみか?さっき凄く張り切って無かったか?」
「そう?きっと気のせいね。それよりこれ、上に羽織っておかないと変態扱いされるわよ?」
「うぉっ⁉︎そういえばそうだった…ありがとな!すみか!」
こころが私の服の持ってきたオーバーサイズの服を羽織っている。可愛い。色気のある姿も好きではあるが、やっぱりこっちの方が私は好きだ。太陽のような笑顔をこちらに向けてくるこころが眩しくて、私は目を逸らす。そこにはものすごいジト目をしたなぎのがいた。口パクで「後でリズ経由で写真」と言うと、何事も無かったかのような表情になっている。現金だ。そんな私達のことを知らない、純粋なこころは今日も不思議そうにこちらを眺めていた。
なお今日の写真はリズ経由でこころにも渡る模様
純粋…?どこが…?
モチベup&番外編用?人気度アンケート どの魔法少女が好き⁉︎
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桃井こころ/プリズムハート
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青木すみか/ブライトダイヤ
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藤原なぎの/グリッドスペード
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緑谷よつは/シャイニークローバー
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白銀あかり/レイスターレット
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リズ/プリズムイクリール