TS転生ドM強制逆転オレっ子魔法少女の日々   作:メガネズミ

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久しぶりに主人公の内面描写を深くできた…
ドMの内心、お楽しみください。


斬撃の魔法少女、機転‼︎

 

 

「私の名はマキリ、カマキリの怪人にして騎士である!そこの魔法少女、名を名乗れ!」

 

「わたくしの名前はグリッドスペード!貴方を退治する者の名ですわ‼︎」

 

「グリッドスペードか!覚えておこう。

時にグリッドスペードよ!騎士として問いたいことがある!貴殿は「ノブレス・オブリージュ」についてどう考える?

私は弱者を守るものが強者であり、強者に守られるものが弱者をだと解釈している。故にこそ、魔法少女の中でも強者の貴殿に戦いを挑む!」

 

「えぇ、貴方の言わんとする事も理解できます。」

 

「そうか!そうだろうとも!」

 

「ですが、今の私の見解は少し違います。そもそも、人を強者や弱者というだけの枠に納めるべきではない。人には、命にはそれぞれ得意不得意があるのだから。ただ一面を見て決めつけるのは正しくない。そう考えています。」

 

「ンだとてめぇ…ン゛ン゛‼︎

ゴホンゴホン…‼︎そうか…貴殿とは気が合いそうだったのだが…残念だ。貴殿の首を取って主君への土産とする‼︎」

 

「えぇ、一昔前前の私であれば賛同していたでしょう。しかし、今の私は違います。それに、気が合いそうな相手とは言え、一般人に危害を加えないと言い切れないあなたを野放しには出来ない!ここで退治させていただきますわ‼︎」

 

 

side なぎの

 

まずは斬撃を飛ばすも、マキリは自慢の鎌で正面から受け切ってしまう。

 

向こうの鎌を避けると、地面に亀裂が入って背後の壁が切れた。尋常ではない切れ味。実質斬撃。ただ相手の斬撃は威力が高いのに見えない。

 

よく見ると通常のカマキリの鎌と違い、鎌の先が刃物状になっている。あれがこの切れ味を生んでいるのだろう。代わりに鎌で拘束して捕食する事はできない事が伺える。

 

こちらが唯一勝っている部分は数なので、そっちで押し切るしかない。

 

ひたすら斬撃を生み出して斬りかかる。しっかりと見極めて斬撃を弾き、また斬撃で打ち返す鎌の怪人。周囲は余波で切り刻まれており、その激しさを物語っている。

 

「やりますわね!ここまで私と戦えるとは!」

 

「チッ…面倒な…ン゛ン゛‼︎

貴殿もな!このまま試合って居たいが…そうもいくまい!」

 

やがて両者共に、全く同時に膝をついた。疲労が限界まで来ているのだろう。先に動いたのはわたくしだった。ステッキを振りかぶり、特大の斬撃をお見舞いする。怪人は受ける余力もないのか、動こうともしない。

 

魔法少女は勝利を確信した。怪人に迫る斬撃は、自らの生み出せる最強の一撃。必殺技とまではいかないものの、大きなダメージが見込めるだろう。これが決まればあとは必殺技で…などと考えていた魔法少女を現実に引き摺り下ろす、無常な音があたりに響き渡る。

 

斬撃が硬いものに弾かれたような音。そう。怪人の体が斬撃を弾いたのだ。それまで受けきっていたため、効果があると思い込んでいた。弾いた部分には少量の傷はあるが、それだけだ。

 

「はっはァ‼︎残念だったな魔法少女ォ‼︎

てめぇの攻撃なんざ…全く効かねぇんだよォ!」

 

「ついに化けの皮が完璧に剥がれましたわね!

というかもう少し隠す努力をしたら如何ですか?

なんなら最初の方から剥がれかけてましたわよ⁉︎」

 

「黙れ‼︎こっちは真似したいからしてるんだよ‼︎

騎士はカッコいいし偉いからな!その上で雑魚どもを守る代わりに支配して一方的に搾取する!

こんなに便利な建前、他に無ぇだろ?」

 

「はぁ…呆れましたわ。むしろここまでくるといっそ清々しいくらいですわね!」

 

こんな馬鹿が相手だったとは思わず、初見では憧れの騎士との対決だと思って少し喜んだ自分が恥ずかしい。

 

馬鹿なやり取りをしているせいで忘れそうだが、こちらの攻撃が直撃してあのダメージなのはまずい。

必殺技を何発も当てればいけるかも知れないが現実的ではない上に今の体力では厳しい。

このままでは負けてしまうかもしれない。そう思うと、途端に体が震え始める。落ち着かないと。

 

その時、少し遠くに桃色の光が見えた。あと少し持ち応えれば来てくれる!自分を奮い立たせると、性懲りもなく斬撃を飛ばす。これは牽制だ。時間を稼げればそれで良い。幸い、あの鎌の怪人は自慢の体に傷をつけられて怒っている。騙し切れるはずだ。あと馬鹿だし。

 

「それにしてもあんな簡単に逆上してしまうのに、よく今までそれでやってこれましたわね?」

 

「あ?弱者の戯言なんぞ耳には入らなかっただけだが?」

 

「なるほど?それなら納得ですわ。無駄に図太いその性格はちょっと見習いたいくらいですわね。」

 

会話も挟みつつなんとか時間を稼いでいると、鎌の怪人に背後から桃色の影が襲いかかる。やりましたわ‼︎これでこの怪人に大きなダメージを与えられる‼︎

 

この時のわたくしは、自分の見込みが甘い事に気がついていませんでした。相手はカマキリの怪人。例え真後ろから奇襲したとしても…そこは死角ではない事が分からなかったのです。

 

「ここだ‼︎喰らえカマキリ…うわぁっ!?」

 

「そんな奇襲喰らうかよ!馬鹿が!」

 

「こころ!あぁそんな…‼︎」

 

奇襲を把握しきっていた怪人はこころを両の鎌で捕らえてしまう。こころの肌に刃が食い込み、少なくない量の血が流れていく。

 

「痛ぅ…!なんてパワーだ…剥がせねぇ…!」

 

「当たり前だろォ!振れば斬撃が出るほどの力を持ってるんだぜ?高々魔法少女一人の力で抜け出せるわけがねぇだろ‼︎それに…てめぇは固有魔法すらない弱者だ‼︎強者の俺には敵わねぇ‼︎」

 

「くそ…!助けに来てこのザマだなんて!」

 

「そういや腹減ったな…食うか。」

 

「今…なんと?」

 

「マジかよ…!やべぇ!抜け出さないと…うあ゛っ!」

 

「へぇ…軽く噛み付いただけだが…こりゃあイケる味だな!」

 

こころの肩口に顔を近づけた怪人は、大きく顎を鳴らした後に一思いに齧りついた。ずぷり、と牙が肌に食い込んでいく。

まずいですわ。変な意味じゃなく物理的にこころが食べられてしまう。この前は丸呑みだったからまだ良いけれど、流石に齧られたらどうしようもない!

 

「この…!野郎ぉ!」

 

「ぐぉっ!?てめぇ喉を!卑怯だぞ‼︎」

 

攻撃に怯んだ怪人が思わず鎌の拘束を解いた。力なく落下するこころをしっかり受け止める。傷は深いが、致命傷では無いようだ。荒く息を吐いて肩口を押さえる彼女の目は、やはり死んでいない。それどころか、先ほどよりも希望に満ち溢れている。

 

「はぁ…!はぁ…!なぎの!あいつの弱点は分かったな?」

 

「弱点…ですか?それは一体…」

 

「落ち着いて考えるんだ。さっきのシーンを思い出せば分かるはずだ‼︎」

 

「さっきのシーン…」

 

あの怪人の弱点。先ほどのシーンを思い出せば分かるとは言うけれど…?こころが噛みつかれた後に抵抗して、拘束を振り解いた…あ。

 

「分かりましたわ!ですが、そこを狙うのはかなり難しいですわよ?死角がないせいで奇襲も出来ませんし、それこそ先ほどのように近づかないと…」

 

「まぁ見てろって。おいカマキリ野郎‼︎オレが相手だ‼︎どっからでもかかって来い‼︎」

 

「てめぇ…!たまたま拘束から逃れただけの弱者が偉そうに‼︎今度は喰らいつくしてやるよォ‼︎」

 

なんて扱いやすい。怒りで目が見えなくなって…なるほど。これなら。

 

「覚悟しろ弱者ァ‼︎」

 

「覚悟するのはお前だろ?今だすみか‼︎」

 

瞬間、背後からすみかが奇襲する。怪人の鎌を上手く押さえ込んだ。

 

「任せて!こころ‼︎」

 

「何ィ⁉︎だがこの鎌で切り裂けば…斬れねぇ⁉︎」

 

確かにカマキリ怪人に死角は無い。だが、頭に血が登ってしまい、怒りで前しか見えなくなっていれば関係ない。悠々と背後についたすみかが逆に鎌を無理矢理掴んで止めた。あの鎌の切れ味も、(アルマ)の前では意味をなさない。

 

「さーて、これなら狙って当てられるよな?なぎの!」

 

「任せて下さいまし!この怪人の弱点は…喉‼︎

ここですわ‼︎グリッドスペード・エルスラッシュ‼︎」

 

「ゴボォッ⁉︎ぎざま…!よ゛ぐも゛ォ゛‼︎」

 

随分としぶとい相手だ。弱点に命中したというのに、まだ生きている。しかし、この分であればもう先は長く無いだろう。だから油断していたのだ。

 

「ぜめ゛で‼︎み゛ち゛づれ゛に゛ィ゛…‼︎」

 

「しまった!拘束が‼︎」

 

「なっ…まだ息が…がふっ…‼︎」

 

死にかけの怪人の鎌が、胸の中心にあるハートマークの宝石ごと、こころを貫いた。直後、彼女を巻き込んで大爆発を引き起こした。

 

side こころ 

ただでさえ血を流しすぎててキツい上に肩をやられているせいで、痛みと疲労が中々やばい。ちょうど良い感じにフラフラして気持ち良かったのは良いが、そこから追撃されるとは思わなかった。胸のど真ん中を貫かれた事に加え、自爆に巻き込まれた事で全身にかなりのダメージが入った。

 

貫通の痛みは腹を刺された時よりも遥かに良いものだった。傷口がでかかった上に捻るように突っ込まれたため、傷口が粗く引き裂かれたことで想像を絶する程のものだった。一瞬だけで見れば先日のヘビ毒よりも良かった。

 

自爆に巻き込まれた際は均等に体に熱と衝撃が来ていて、これも中々良かった。飛散する怪人の破片は貫通まではしないが切り傷を作るものとしては十分で、良い感じに服も破いてくれた。爆発も思ったより侮れない。

 

何より今回は、胸の中でカマキリ怪人の鎌が爆発したのだ。内側から突き破るように発生した衝撃は、文字通り弾けるようで凄かった。今までのような間接的なダメージでは無い、直に内臓に来るダメージ。衝撃波を操る系の敵でも無い限り味わえない痛みは、なんというか格別だった。

 

まぁそんなものを喰らったらどうなるかといえば、オレは死にかけていた。まぁ逆転が発動している際にギリギリで受けた傷ではあったから大丈夫ではあるが。仮に心臓が止まってもリズが転移して来てくれるからな。あいつはああ見えても相当の力を持ってる。じゃなきゃ、『逆転(リバーシ)』なんて桁違いの力を持ったオレの因子を開花させる事なんて出来ないからな。

 

その事実を知らない二人はお通夜状態なんだが…ここからどうしよう?一応変身解除はしてないし気づいてくれると良いのだが…まぁオレがボロボロなんていつもの事だしな…?なんとかなるだろ…きっと…

 

「そんな…私が拘束しきれていなかったばっかりに…‼︎」

 

「わたくしがトドメを差し切れていなかったばっかりに…‼︎」

 

あっこれダメそうだな?絶対気づいてくれないやつ‼︎

そういえば二人は敗北した魔法少女が強制解除する事を知らないとか…?まさか。いくら興味がないからって知らないなんて事…あるな。二人が憧れたのがオレのせいで敗北した瞬間を知らないんだ‼︎

 

助けてくれリズ…!念話とかそういうので良い感じに気づいてくれ‼︎身体なんてもう動かない上にオレは気を抜いたら変身解除しちゃう‼︎助けてぇ〜‼︎

 

「「死なないで‼︎こころぉ!!!!!」」

 

だから死なないからぁ‼︎




リズは実は強い。もしかしたら戦う日が来るかも…?

モチベup&番外編用?人気度アンケート  どの魔法少女が好き⁉︎

  • 桃井こころ/プリズムハート
  • 青木すみか/ブライトダイヤ
  • 藤原なぎの/グリッドスペード
  • 緑谷よつは/シャイニークローバー
  • 白銀あかり/レイスターレット
  • リズ/プリズムイクリール
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