side こころ
今日はすみかと二人で水族館に来ている。正直魚を見るだけだしそこまでなぁ…?珍しい魚って言ったって怪人とかの方が珍しいと思うんだけどなぁ…
「すみか!すみか!こいつすごいぞ!餌をもらったら色がぶわーって!」
「そうね…モンツキハギって言うらしいわ。」
「こっちもすごいぞ!背中がキラキラ〜って!」
「セナスジベラ…面白い名前ね。
それにしても、出発前に『水族館なんて絶対楽しくないって!もし楽しかったら1回だけ言う事なんでも聞いてやるよ!』なんて言ってたのはどこの誰だったかしらね?」
「いや別に?すごいとは言ったけど楽しいとまではまだ言ってないし?」
そう。まだ言ってない!楽しいってな!まだ言ってないし思っても無い!『思ってたよりもめちゃくちゃ楽しい』なんてこれっぽっちも思ってないもんな‼︎
「ふふっ、そうね。顔には面白いって書いてあるけど…私の気のせいね。」
「そ…そうだぞ!すみかのみ…見間違いだからな!」
さて、なんでオレ達が水族館にいるかと言うと。
この前の背骨の事があって、結局勘違いを正せなかったので諦めて折れた事にしてたんだが…あの時オレが怖がってたと思われてたらしく、オレの心を少しでも癒そうとすみかが計画してくれたのだ。水族館はそこまで好きじゃなかったが、折角だしすみかの好意に甘える形になったと言うわけだ。
「すごいぞすみか!こいつずっとオレの事を見てるんだ!気のせいじゃないって!ほら!」
「本当ね。警戒心が薄いのか…こころが特別なのか…
あっ!そろそろイルカショーの時間ね!行くわよ?」
「おお!じゃあなウナギ!また後で〜‼︎」
「…………僕は電気ウナギなんだけどな……」
何か水槽から声がしたような気がしたが、ウナギが喋るわけがない。気のせいだろ。さて!イルカショー見に行くぞ〜!
「これで良いのか?ちゃんと防水になってるんだよな?」
「えぇ、それを羽織れば大丈夫よ。」
「ってはじまるぞ‼︎うおおお!!!すっげぇ水しぶき‼︎」
「すごい量ね…いえ、これは…‼︎」
「ぶはぁ!こんなに水被るって聞いてないぞ⁉︎」
「気をつけてこころ!これは…怪人よ‼︎」
マジかよ。姿は見えないが、明らかに水しぶきの量が多い上にこっちを狙っている。ってこれじゃもはや大波だろ‼︎あっという間にオレ達二人は波に攫われ、水槽の中に引き摺り込まれる。ギリギリ変身が間に合って大丈夫だったが、それでも肺活量には限界がある。水中での戦闘は初だから正直どうなるか…‼︎姿を現した怪人に、オレは見覚えがあった。怪人が喋り出すのも無視して、ついつい叫んでしまう。
「僕は…でん」
「お前‼︎さっきのウナギじゃないか‼︎
でっかくなってるけどそうだよな⁉︎怪人にしてはウナギ過ぎないか⁉︎色が前よりカラフルになってでっかくなって…後まんまるい目がデカくなった!だよな?」
「そ…そうなんで」
「よくも…よくもこころの療養を台無しにしてくれたわね‼︎許さない…覚悟しなさい‼︎」
またしても怪人の言葉を遮るように、今度はすみかが怒鳴りつけた。邪魔をされてものすごく怒っている。いつもはオレが先に牽制したりするが、今日はそう言うのを無しですみかが突っ込んだ。おそらく
怪人の方に動きはない。光弾を受け、怯んだ瞬間にすみかに頭を掴まれ、引き摺られている。すみかは鎧を纏ったまま、息継ぎのために水面に顔を出して…一瞬痙攣したかと思うと動かなくなった。
「なっ…!?すみか‼︎しっかりしろすみか‼︎何された⁉︎あいつは一方的にやられてただけのはず…‼︎」
まずい!急いで怪人に接近すると、すみかから離れるように光弾を連射して吹き飛ばす。多少応えた様子だったが、あれではすぐに起き上がってくるだろう。動けないでいるすみかに肩を貸し、水槽の端にあった岩の飾りに寝かせる。一旦はこれで良いだろう。すみかだって弱くはない。少ししたら復帰してくるはずだ。
「こ…こ…ろ…」
「喋らなくて良い!一旦休んで!」
再び水中に戻ると、さっきまでいたはずの敵が居ない。光弾を撒きながら探すも、中々見つからない。
ふと急に肌がピリピリし始めた。異変に気づいた時には、もう遅かった。オレの前に姿を現した怪人はその長い身体を使ってオレに巻き付いた。
締め付けかと思ったが、そこまででもなかったので不思議に思っていれば…大きな衝撃が身体を突き抜けた。
「かはっ…⁉︎ごぼっ!ごぼぼぼぼ‼︎」
思わず大きく開いた口から空気が漏れていく。意図的な会話であれば、魔法少女の力のおかげで空気をほとんど逃さず喋れてはいたが、こういった不慮のタイミングで口を開いてしまうとダメだ。どんどん息が苦しくなっていく。
その間あの衝撃が消える訳ではなく、むしろどんどん強まっていく。身体が勝手に跳ねる。痙攣し始めたのだ。すみかがやられたのはこれで間違いない。おそらく、息継ぎの際に一時的に口周辺の鎧を解除した結果喰らってしまったのだろう。
であれば、こいつの攻撃の正体は…「電気」‼︎こいつはただのウナギじゃない。電気ウナギだったのだ。消えていたのも、電気を活用したものだったのだろう。攻撃手段が電気なので近づかなければ危険はないが、いざ近づいてしまえば終わりだ。
「が…ぁ…!う゛ああああああ!!!!!」
こいつの放つ電撃が更に強くなった。それまでは見えなかった電撃の光が見える。喰らってみてわかるのは、結構電気もアリという事だ。身体を突き抜ける衝撃に、勝手に身体が動く感覚。極め付けは肉が焦げるような熱さと、視界がチカチカとする感じだ。頭もクラクラしてきた。外傷がそこまでなく、血も流していないのにこうなるのは意外と良いかもしれない。
「ぐ…ぅ…う゛う゛う゛う゛!!!!!…ぁ…‼︎
やばい。今一瞬トびかけた。あまりの衝撃に脳までおかしくされそうだ。身体の方はと言うと締め付けが弱いのはマイナスかに思えるが、電撃でろくに身体を動かせない分そこまで影響はない。むしろ簡単な拘束も解けないという事実が良い。
「…っ!ああああああああ!!!!!」
電撃…最高!!!!!
side すみか
失敗した。まさかあいつが電気ウナギだとは。息継ぎの瞬間に発していた電気を浴びてしまい、簡単に麻痺してしまった。それまで鎧のおかげで防御出来ていた分、いざという時の耐久力が下がっていたのかもしれない。
ようやく意識を戻した私が見たのは、こころが怪人に巻きつかれて身動き出来ずに電撃を喰らって痙攣する姿だった。
「こころ…‼︎」
怪人を止めに行こうとするも、痺れが取れ切れていない上に近づくだけで電撃が来てそれ以上進もうとしても進めない。鎧を使って接近しても良いが、ただでさえ動きが遅いのだ。息継ぎの隙はさっきの比ではない事を考えると、とてもではないが足手纏いにしかならないだろう。
一際大きく輝く電撃が起こると、こころが口から大きな気泡を吐き出して、ガクガクとしていた痙攣が止まった。気絶したのか思えば、こころの手はガッチリと怪人の頭を掴むと、顎の部分にステッキを思い切り叩きつけながら必殺技を放った。
なるほど。さっきまで無抵抗で喰らっていたのは、電撃が発生している器官を特定していたためか。そこを狙って一撃。反動で水面にまで吹き飛ぶほどの一撃を放ったこころは、荒い息を吐きながらも私に向かって叫んだ。
「すみか!後は任せた‼︎」
「任せて、こころ‼︎」
発電器官を破壊されて電気の使えなくなった電気ウナギなんて、もはやただのウナギだ。全力を込めた一撃で、決着をつける。
「ブライトダイヤ・スプラッシュ‼︎」
あれだけ猛威を振るった怪人の最後は実にあっけないものだった。それよりも…
「ごめんなさい…こころ。
私が水族館に行こうなんて言わなければ…」
「そんなこと言うなって!確かに怪人は出たけど…結果的には被害が出る前に退治できたしな!水族館だって楽しかったし!それで良いだろ?」
「…そうね!ありがとう、こころ。」
そういえば…何か忘れていたような。まぁ良いか。療養にはならなかったけど、こころが楽しそうならそれで。
「危ねぇ…つい『楽しかった』って言っちゃった…‼︎」
小声でそう呟く彼女の言葉は、私には届いていなかった。
電気責め良いですよね。水中戦特有のダメージ表現も好きです。今回は無かったですが、いつか触手はやります。絶対。
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