「もし良ければ、動物園はいかがでしょうか?」
side こころ
すみかに誘われて水族館に行ってから数日、おそらくすみか経由で情報が渡っていたのか今度はなぎのからお誘いが来た。水族館の次は動物園か。楽しみ!
「良いぞ‼︎」
「えぇ、話には聞いていましたが…背骨を折られて下半身が動かなくなったとか…!
その上昨日は電気ウナギ怪人にやられたとも聞きましたわ…!」
「あー…まぁ、そうだな…確かにそうだな。
ただここだけの話…何度言ってもすみかには分かってもらえなかったけど、別に背骨は折られてないし足も動いてたんだぜ?」
「えぇ、すみかからこころが言い訳してくるから丸め込まれないように、とも聞いておりますわ。」
「だぁー!根回しは完璧かー!じゃあもう良いよそれで!」
やっぱりすみかには勝てそうにない。こういう情報戦ではどうしても後手に回ってしまう。まぁ結果的に動物園に行けるから良いんだけどさ…
「では行きますわよ!こころ!」
「おう!」
前回の事があるせいで多少身構えていたけど、いざ園内で動物を見つけると思わずそっちの方に吸い寄せられてしまう。水族館の時と同じだ。我ながら子供っぽいような動きが正直恥ずかしいが、楽しいものは楽しいのだ。仕方がない。
side なぎの
園にいる動物よりもこころの方が仔犬みたいで可愛いとすみかから聞いていたけど、その通りだ。想像以上に可愛い。あんなに目をキラキラさせて、頭の上に犬耳と尻尾を幻視してしまう程だ。ケモ耳付きのこころ、もといプリズムハートを想像するとなかなか。
今回はあらかじめ動物園に来て、潜んでいた怪人は全て倒してある。水族館のような事は決して起こさせない…つもりでいたのだが、まさかの所に潜まれていたのだ。
「お前…あのウナギみたいに怪人だろ?」
「なぜ分かった…⁉︎私はしっかり隠れていたのに…‼︎」
「笹並べて隠れたつもりになってるのはどうなんだ…?」
この怪人は、パンダだった。それも、今日からの2日間限定公開の。それまで潜んでいた怪人は一般公開だったために見つけられたが、この怪人は無理だった。不甲斐ない自分に、思わず拳を強く握りしめる。
しかも、この怪人はすみかから聞いた熊怪人に似ている。もしかしたら…こころのトラウマを思い出させてしまうかもしれない。よりにもよってこの怪人を止められなかったのは余りにも不覚だ。
「なぁお前…もしかしてクマ怪人のマクの知り合いだったりするか?」
「いかにも!私はパンダ怪人のダンダン!我が友マクの無念を晴らすため、こうして貴様を待ち構えていたのだ!」
「見つかったとか言ってた気がするんだが…?」
「気のせいである!」
この怪人はどうやらクマ怪人の知り合いらしい。早めに斬撃で始末してしまおう。今ならこころに気を取られていて気づかないはずだ。
「私の得意技は…ぬぉおおおお!?」
「チッ…笹を盾にして躱しましたか…!」
「あっぶなぁ!?おいなぎの!今のオレに当たるとこだったぞ⁉︎」
「いえ、わたくしのコントロールが外れる訳は無いので。」
「ひぇ…!怖…!」
「同感である…!なんと恐ろしい魔法少女だ…!」
わたくしから逃げるように動いたこころとパンダ怪人は、怯えるように身を寄せ合った。許せない。こころにあんな風に近づいていることが。思わずステッキを握る手に力が入り、立っていた地面に亀裂が走る。
「なぁダンダン…ここは一時停戦で逃げないか⁉︎」
「私もだ!アレは間違いなく切断魔のソレである!」
あっ。とうとうパンダ怪人がこころの手をとって逃げ出した。どこまでもムカつく奴ですわね。斬ります。
「うわぁ!斬撃がかっ飛んできたぁ‼︎」
「曲がり角で見えていないはずなのだが⁉︎」
惜しい。もう少しだったのに、ギリギリで避けられてしまった。もう少し斬撃を増やしますわね。
「ぬあぁっ!!私の毛が‼︎ほとんど剃られていく!」
「白黒のパンダがピンク色になってく…‼︎怖い…‼︎」
恐らくパンダのせいだろう。こころが涙目になっている。ただでさえそこにいるだけでこころのトラウマを抉るのに、さらに何かやったのでしょう。許せませんわ‼︎
「おぉ…!もう私は長くないのである…!だからせめて…あの切断魔ではなく貴様に引導を渡してほしい‼︎」
「任せろ!ふかふかの毛のパンダの末路が素っ裸に剥かれた挙句みじん切りになるのはいくらなんでも可哀想だ‼︎せめてオレがこの手で…‼︎」
「止めですわ!!!!
グリッドスペード・エルスラッシュ!!!!!」
「ぐぉああああ!!!!!」
「だ…ダンダンー!!!!!」
「プリズムハートよ…最期に…!」
「…お前!ありがとうな‼︎」
「良い加減‼︎爆散しなさいな‼︎」
side こころ
気を全部剥かれた挙句細切れにされて爆散したダンダン。お前の事は忘れない…!後こいつの攻撃も喰らってみたかった…‼︎絶対痛いはずなのに!あの鋭い爪と図体なら、この前のクマ怪人のように立ち回れるはずだった。なんなら今度こそ背骨を砕かれるかと思っていた。しかし、現実はそうはいかなかった。
斬撃が通る相手ならなぎのはまず負けない。それどころか一方的に叩き潰せてしまう。あの時なぎのが天狗になってた理由が改めて分かった気がする。
それにしても。結果的に意気投合したダンダンが死ぬ前に教えてくれた、『私だけでなくもう一人居る』事について。もう一人と言っても、全然見当たらない。せいぜいさっきあった笹くらいで…ん?なんでここに笹が?
完全に油断していたオレは、まさかまさかの相手から攻撃を受ける事になる。突如飛んできた笹が腹に命中したのだ。しかも割としっかり刺さっている。笹だけに。
「こころ‼︎その傷は…‼︎」
「待てなぎの!今は近づくな‼︎」
「えぇ…!ですがどこから⁉︎」
「う゛…?あああああああ!!!!!」
痛ぇ。さっきよりも深く刺さった。齧られた笹の断面はギザギザとしており、傷口に食い込むとかなり痛む。ジクジクとした痛みと鋭い痛みのコンボは中々良いものだ。
それにしても、なぜさらに食い込んだのか。力づくで笹を引き抜くと、小さい何かが見えた。虫よのように見えたが…まさか‼︎
「名前はダーパ!赤ちゃんパンダ怪人だ‼︎」
「やっぱり虫…って!えええええ!?パンダ⁉︎」
「パンダだ‼︎ダーパは赤ちゃんパンダだ‼︎」
信じられない。赤ちゃんパンダだと⁉︎サイズちっちゃ!笹をオレに突き刺すパワーがなければ信じられない程だ。だが、このサイズであのパワーは相当なものだ。手強いだろう。
「赤ちゃんだろうとなんだろうと斬りますわ‼︎」
「そうはいかないぞ!ダーパは頭がいいからな…それ‼︎」
そう言った赤ちゃんパンダ怪人はものすごい跳躍を見せると…オレの服の中に入り込んだ。
「ひゃあ⁉︎やめろぉ…動くなぁ‼︎」
「ふん!これで手出しできないだろ!」
くすぐったい。お腹の辺りを駆けずり回られるとたまらない。思わず腰が抜けてぺたりと座り込んでしまう。座り込んだオレに、体躯に似合わないパワーのこいつはパンチを繰り出した。
「ごぼっ!?あ…が…‼︎」
腹に直撃した一撃は拳の大きさのおかげで正確に内臓を捉えており、たった一発で信じられない痛みを生み出した。やばい。思ったよりこいつは強い。ダメージがあまりにもデカい上に、こちらから攻撃が出来ないようなもんだ。圧倒的な攻撃力を持つなぎのでも、実質オレが人質に取られているような状態では手出しが出来ない。
「げほっ…おぇ…!うぁ…!こいつ…ぐぅあ‼︎」
このままではまずいが、打つ手が思いつかない。いや、手はある事にはあるが、流石にそれは…‼︎でも、やるしかない。意を決して、腹にステッキを押し当てて必殺技を放つ。
「こころ⁉︎何を…‼︎」
「プリズムハート・スプラッシュ‼︎」
瞬間、先ほどまでとは比べ物にならない痛みと熱が腹を襲う。だが、同時に叫ぶ奴がいる。
「あああああああ!!!このダーパがああああ!!!!!」
腹を殴り続けてくれて助かった。狙う場所が分かってるなら、小さかろうが見えなかろうが関係ない。自決みたいなポーズで繰り出した必殺技は、一瞬でダーパを消し飛ばした。
にしても必殺技を自分に当てるのも良いな。思ったより良い痛みと熱だ。服がボロッボロになってお腹が丸っと露出する事を除けば、だが。いつもなら普通に変身解除した後も普通に帰れたが、今日はキツイ。実質怪人2連戦だ。心地よい痛みに包まれて、オレは目を閉じた。
「こころぉ‼︎」
ギリセーフって事で良いですよね⁉︎
モチベup&番外編用?人気度アンケート どの魔法少女が好き⁉︎
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桃井こころ/プリズムハート
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青木すみか/ブライトダイヤ
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藤原なぎの/グリッドスペード
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緑谷よつは/シャイニークローバー
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白銀あかり/レイスターレット
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リズ/プリズムイクリール