side こころ
オレの固有魔法は『
「逆転ってなんなんだ…?」
「なんだろう…?負けてても勝てるとか?」
「それだと強すぎじゃないか?他の魔法少女の固有魔法を考えたらそんなに強い事なんてあるか⁉︎」
「だよねぇ…!じゃあ一体…?」
「おい貴様ら‼︎良い加減に俺様と戦え‼︎」
どうする…?固有魔法が分からないままに戦うのは危険だ。だが…‼︎
「待たせて悪かったな!オレが相手だ‼︎」
「ダメだよこころ!自分の能力も分からないままに戦うなんて…!」
「でも!このままじゃどうしようもない…!」
確かに固有魔法はその魔法少女の戦闘の要と言っても過言では無いものだ。固有魔法が炎の魔法少女は炎を扱う事で戦闘を優位に進める。炎での攻撃はもちろん、防御に移動、果ては地面を溶かす事で足場を自在に操るなど。
その魔法少女がどう戦うかを大きく左右するのが固有魔法なのだ。それが分からない状況では、あまりにも危険だ。だが、戦うしかない。
怪人に意識を向ければ、やつの脚が大きく膨らんだ。
瞬間、奴の足元に大きな亀裂が走ったかと思えば、急に腹に違和感を感じた。視界の端で建物が流れていく。蹴り飛ばされたのだと気付いたのは、転がるだけ地面を転がって身体中に擦り傷が刻まれた後だった。
「がはっ…‼︎」
「こころ!」
痛みで頭が真っ白になる。痛い。痛い痛い痛いいたいいたいいたい!!!!!ただ蹴られただけでこの痛み。信じられない。
「痛い…!お腹が苦しい…!」
「しっかりしろこころ!気を強く持つんだ!
じゃないと変身が解けてしまう‼︎」
…そうだ。オレは魔法少女だった!折れるわけにはいかない‼︎でも痛い。きつい。
「う…げぼっ…‼︎」
「こころ…!血が!」
マジか。一発の蹴りだけでここまでダメージがあるなんて。しかもあの蹴りは全く見えなかった。こんなオレに勝ち目なんて…‼︎
「やっぱり僕が戦うよ!こころが戦うのは固有魔法が分かってから!それで良いだろう⁉︎」
そうだ。今ここで戦うのは間違っている。今の固有魔法を使えないオレじゃ、あいつに勝ち目なんてない。逆転だかなんだか知らないが、そんな都合の良い能力なんてあるはずがない。きっとリスクがあるはずなんだ。じゃなきゃ今頃、もっと強力な魔法少女が怪人を全滅させているだろう。実際、概念系みたいな強力な固有魔法には制限や条件があるらしい。噂でしか聞かないレベルだが。とにかく、今はリズに任せて逃げるべきだ。
そう。諦めるべきなんだ。すぐにでも背を向けるべき。こんな奴の相手をしていては、命が幾つあっても足りない。だからここで逃げ出すのが正解なんだ。けど…‼︎
「なぁ、リズ…!」
「どうしたんだいこころ!お腹が痛むなら治してあげようか?今のままの君じゃ戦うのは無謀だ‼︎」
「オレさ、何も分かってなかったよ。」
「何がだい?」
「魔法少女になったら強くなれるからってイキがってさ!目の前で倒されてる魔法少女が居るのに現実を見ずに、自分はどうせ特別だからって。戦いの事も碌に知らずに、全部の痛みを引き受けるなんて。」
まだ自分の中で、魔法少女がフィクションの一部でしかなかったのだ。だからあんな事を言えてしまった。覚悟の伴ってない、中身のない言葉だった。
「現実を知った今、本当なら逃げるべきなんだろうな。ここはリズに任せて逃げるのが正解かもしれない。」
「なら…!」
「けど!それじゃきっとダメなんだ‼︎
ここで退いたら、オレは二度と立ち向かえない‼︎
確かに最初はカッコつけだったかもしれない!でも、確かにオレは本気でそう思って魔法少女になる事を決めた‼︎例え負けたとしても、その思いだけは貫きたい‼︎
それに、今はリズがいるからいいけどさ?もしリズが居ない時に負けそうになってみろ!今みたいに背を向けて逃げるのか?そんなんで皆んなを守れると思うか⁉︎
敵が怖いからって逃げたんじゃ…誰が戦うんだ‼︎
あいつらと戦えるのは、皆んなを守れるのは魔法少女だけだろ⁉︎ならここでオレは立ち向かわなきゃいけない‼︎だって…だってオレは!魔法少女だ‼︎」
「こころ…‼︎」
「『逆転』がなんなのかは分からないままだけどさ?固有魔法が使えようが使えなかろうが立ち向かって見せる‼︎オレは魔法少女・プリズムハートだ‼︎」
「くだらんな。ただの蹴りでこれだけ苦しむ貴様に何が出来る?」
「何が出来るか…?分からん!けど…
お前と戦える‼︎今この間はお前を抑えて居られる!それで十分だ‼︎」
「ならお望み通り…蹴り殺してやろう‼︎」
「…っ!かっは…!ごぼぉ‼︎」
痛い。苦しい。けど、こうしている間はこいつを止めていられる。それに、こいつの戦い方も分かってきた。こいつの攻撃手段は脚しかない。強力だが、蹴る直前に大きく踏み込み、脚が膨らむ。
最初は何も考えられないほどに痛かったけど、慣れてきた。むしろ良い刺激かもしれない。頭が回る。こいつの攻撃はもう見切った。が、体が動かない。あれだけ蹴られたんじゃ仕方がない。せっかくこいつに勝つ方法が分かったのに、このままじゃ負けてしまう。
「ぐ…ぁ…‼︎」
「これで終わりだ!魔法少女よ‼︎」
怪人の蹴りが迫る。軌道も読めるのに、避けきれない。怪人の脚がオレの体に吸い込まれるように近づいてきて…外れた。
「なっ…!?貴様まだ動けて…‼︎」
違う。オレが避けたんだ。体が動く。あれだけ動かなかったはずの体が嘘のように。まるで別人のようだ。何が起こっているのかは分からないが、とにかくこれなら勝てるかもしれない。
相手の蹴りに合わせて体を動かし、足に光弾を当てていく。初めて撃ったが、意外と上手く出せる。体が覚えているかのようだ。
「動きが急に変わった…⁉︎いや…これは…まさか‼︎
そういう事か‼︎『
「リズ‼︎何かわかったのか?」
「今は知らなくて良い!後で伝えるから、このまま押し切っちゃえ‼︎」
「了解…!さて!今度はこっちの番だ‼︎覚悟しろ怪人‼︎」
リズが何かに気づいたみたいだが、今はそんなことはどうでも良い。今は目の前の怪人を倒すだけで良い。
「バカな…!あれだけ優勢だったのに…何故⁉︎」
「さぁな?オレでもびっくりしてるよ。こんな逆転劇。じゃあな‼︎これが…オレの必殺技だ‼︎」
「このオレ様がこんなガキに…‼︎」
「プリズムハート・スプラッシュ!!!!!」
桃色の光を受けて爆散する怪人。なんとか倒せたようだ。遠くの方で魔法少女が救助されているのが見えたから、今回は一件落着と見て良さそうだ。
「よくやったこころ‼︎初戦でここまでやるなんて凄いじゃないか‼︎」
「へへ!まぁな?オレは全ての痛みを背負う魔法少女になるつもりだからな‼︎」
「ふふっ!そうだったね。」
「そう言えばリズ、さっき言ってた事なんだが…」
話した内容は、『逆転』について。リズの見立てでは負けた状態から覆す能力ではあるのだろうが、それ以上におかしい部分があったらしい。初めてとは言え、あんな簡単に魔法少女が不利になるとは思えないそうだ。固有魔法の相性が悪すぎる場合は有り得なくは無いらしいが、オレの固有魔法じゃそういう事も無さそうという事だ。
ここからリズが導き出した推測は、『逆転』とは敗北直前からじょうきょうを覆す能力であり、その条件を満たすために敗北寸前までいきやすくなる効果があるかもしれない、との事だ。
「ならちょうど良いんじゃないか?
ほら、言ってたろ?ヒロインピンチについて。ピンチになりやすいけど逆転出来るなら、ピッタリだろ?」
「良いのかい?勝てるとは言え、それまでに受けるダメージも痛みも本物だ。今回以上のダメージを受けるのが当たり前になるかもしれないんだよ?」
「そこは…気合いで耐える!それに、さっきの蹴りだって慣れれば結構…」
痛めつけられて分かった。意外とアリかもしれない…!慣れればではあるが、この痛みも含めてのヒロピンなのだから…‼︎
「まぁ君が良いならそれで良いよ…」
「じゃあ三度目だけど…もう一度改めて‼︎よろしく‼︎リズ‼︎」
「こっちこそ‼︎この先君をサポートしていくとするよ!目的も一致してるし、見てないと危なっかしいからね。よろしく!こころ‼」
…とまぁそんな感じで。オレとリズはこうして出会って、色々とあって今に至るというわけだ。
思ったより真面目になってしまった…!
そういえば「ここすき」機能って皆さん使ってますか?
もし良ければ使って頂けると凄く助かります…どんな部分が良かったのかが分かれば改善に繋げられるので…‼︎
既に「ここすき」してくださってる方々、ありがたく参考にさせて頂いてます‼︎
モチベup&番外編用?人気度アンケート どの魔法少女が好き⁉︎
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桃井こころ/プリズムハート
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青木すみか/ブライトダイヤ
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リズ/プリズムイクリール