TS転生ドM強制逆転オレっ子魔法少女の日々   作:メガネズミ

28 / 62
犬です。今回は色々犬です。


逆転の魔法少女、獣人⁉︎

 

side こころ

 

この前は本当に怖かった。もしあの時助けが入らなかったら、今頃すみかはこの世に居なかったかもしれない。固有魔法の能力上必ず負けそうになるせいで、敵を倒し切ったとしてもその時点で怪我を負っていて動けない場合、今回のような事が起こってしまう。

 

かといって固有魔法を使わないでいるとピンチにはなりにくくはなるだろうが、即死レベルの攻撃が来れば対処しきれずに死んでしまうかもしれない。ただでさえ固有魔法無しで戦うのは危険だというのに、諦めさえしなければ確実に勝てる保証が消えてしまえばどうなるかは分からない。

 

能力の解釈を変えようにも、そもそも発動条件すらなんとなくでしか分かっていない以上はどうしようもない。強いて言うなら融合だが…リズも正直不安らしい。ただでさえ得体の知れない能力なのに、融合でパワーアップしてしまえばどうなってしまうのか。そういう事もあって、あまり融合には頼りたくないそうだ。

 

そう言えば、この前助けてくれた魔法少女は一体誰だったんだろう?見たことも無い魔法少女だった。ただ、顔はどこかで見たような…気がする。まぁ気がする程度でしかないが。あの時に怪人を撃ち抜いた光は相当な威力だった。一撃でとどめを差しつつも周囲にほとんど影響を与えずに倒していたのを見るに、相当鍛え上げているらしい。

 

「なぁリズ?この前オレ達を助けてくれた魔法少女について何か知ってないか?」

 

「知ってるよ?ただ本人たっての希望で伝えないようにしてるのさ。もし会いたかったら直接探す事だね!」

 

「ふーん…まぁ戦ってればいつかは会えるか…」

 

直接会いたくない…か。あれだろうか?恥ずかしいとか?それとも…いや、やめておこう。あり得ない。クールそうに見えたあの魔法少女が、壁になりたいタイプのオタクだなんてあるはずがない。オレにもファンは多少居るようで、認可が降りたグッズとかも販売されては居るものの、多分そんな事は無いだろう。流石に自意識過剰過ぎたな。羽織っていた白いローブの端に見えたキーホルダーがどこかで見覚えがあったのは、多分気のせいだ。

 

さて、そうなるととりあえずは戦っていれば良いだろう。いつも通り、出現した怪人の元へ向かう。今日の怪人はどんなやつだろう?現場に近づくと、巨大な影が見えてくる。

 

今日の怪人はどうやら相当でかいようだ。サイズが今までの怪人と明らかに違う。だが、見た目はなんというか…犬だ。犬種はゴールデンレトリバーだろう。大体5階建のビルくらいの大きさだろうか?今までよりも圧倒的なサイズに気圧される。

 

「ウ゛ァ゛オ゛オ゛オ゛ン‼︎」

 

「うぉっ!?」

 

こちらを見つけたようで、大きく吠えた。思ってたよりも野太い声に少し驚く。通常の犬で言うところの「ハッ!ハッ!」と言った呼吸音も、ここまででかいともはや威嚇にしか聞こえない。

 

初めての巨大な相手だ。果たしてどう戦えば良いのか…悩む暇もないままに犬怪人が攻撃してくる。あまりにもでかい一撃に距離感が掴めず、ギリギリで躱すものの、服が破けた。見ればしっかりとした爪が生えており、これも喰らったらやばそうだ。

 

次の一撃が来る前に離れようとして、足が動かないことに気がつく。先ほどの一撃で地面が陥没しており、足が埋まってしまっている。引き抜くのにほんの少し時間がかかる。まずい。犬怪人の一撃は思ったよりも早く、逃げきれない。

 

せめて抵抗をと光弾を放つが、ぱすんという軽い音とともに消えてしまう。どうやらあの毛皮は相当な防御力を誇るらしい。光弾が効かないとなれば、肉弾戦と必殺技しかないが…今からでは間に合わない。

 

「ヴァヴ‼︎」

 

「…っ⁉︎…ぁ…‼︎」

 

巨大な前足による一撃は相当なものだった。たった一撃で、骨が数本やられた。その上、オレの身体に足をを乗せたまま押しつぶそうとしてくる。

 

ただでさえ桁違いの体重差があるというのに、パワーまであるのだ。押し返そうとしてもびくともせず、逆にこちらが押されてしまい、骨が軋んでいく。

 

「…ぅ…ぐ…!…や…め…!」

 

「ヴォヴ‼︎」

 

「…ぁ…!か…は…!」

 

息苦しいなんてもんじゃない。この前の亀怪人の時は内臓をやられる感覚を味わったが、これは違う。身体全体が潰される感覚。骨をさらにやられたようで、身体が動かせない。なんとか脱出しようとして…何を思ったか犬怪人が足を引いた。

 

「…ぁ…ぅ…?」

 

分からない。このままオレを殺す気だったら、足を離す必要はない。不思議に思っていると、犬怪人が口を近づけてきた。どうやらこいつはオレを食べる気らしい。既に全身の骨をやられて動けない上に、光弾もほとんど効果のないこいつ相手にどう戦うか。ワンチャンあるなら体の内側から攻撃だろう。あえて食われてから反撃しようとして…ある程度近づいたところでこいつの口が止まった。

 

「ヴァオ゛ン‼︎」

 

「…うひゃ⁉︎…こ…こいつ…!舐めてるのか…!」

 

馬鹿でかい舌で全身を舐め取られる。ベロベロと舐められるたびに、鋭い舌で服が削られてボロボロになり、涎でベトベトになっていく。

 

…まさか。まさかとは思うが…こいつは初めから戦っていなかったのかも知れない。ただ戯れていただけのつもりなのだ。何度もお手をした上でペロペロと舐めているだけだ。だが、あの大きさとパワーでそれをされてしまえば、とてもではないが体が保たない。

 

とりあえずなんとかしようと、巨大な光球を作って空に飛ばす。ボール代わりにふよふよと浮かせていれば、そっちに意識を向けたようでピョンピョン跳ねて遊んでいる。まぁ実際はズシンズシンと地鳴りが鳴っているが。

 

しかし参った。この怪人をどうするか。知能が犬並みなら保護も出来るかも…と思ったところで、オレに声が掛けられる。

 

「無様だな、魔法少女!私のペット、ポチの実力は桁違いだろう?」

 

声の主は男だ。かなり怪しげなオーラを放っている。白衣にメガネと、いかにもな『研究者』と言ったところだ。

 

「おまえ…は…?」

 

「私は人間だ。だが…組織の人間といえば分かってもらえるか?」

 

「なっ…‼︎」

 

最悪だ。この犬怪人、ポチを操る敵が居る場合は保護も出来ない。下手に保護しようとしても、指示を出す者がいればどうにも出来ないからだ。

 

「ほう…貴様はプリズムハートか。

確か諦めない事が取り柄だったか?ならちょうど良い。今からとある実験をしようと思っていてな?

被験者が居なくて困っていたのだが…ピッタリの被験者がいるじゃないか‼︎」

 

「お前…なんで人間なのに組織に…?」

 

「知れた事だ。私は社会から爪弾きにされた…それだけの事よ。さて、実験を始めるとするか。」

 

非常にまずい。ただの人間相手のせいで光弾は使えないし、目眩しをしても動けなければ意味がない。なすすべもなく、服をまさぐられる。ボロボロになっているものの、頑丈なため人間に破られる事は無い。だが、知りもしない男に好きなようにされるのは良い気分はしない。

 

いくら頑丈でも、服は服。あっという間に半分ほど脱がされてしまい、腹部が外気に晒される。

 

「私の同僚であればこの先襲ったのだろうが…生憎私は少ししかそういう趣味は無いのでな。手短にすませるとしよう。」

 

「…その液体…毒でも入れようってのか?」

 

「いや、違う。これは現在開発中の薬だ。作り出した怪人のエキスを抽出したもので…常人がそのまま接種すれば一定時間犬になる。馬鹿な同僚がこれを自分に試さなければ私は家でゲームをしていたというのに…‼︎

大体なんだあのバカは⁉︎何が魔法少女に試してこいだ⁉︎そう簡単に出来たら苦労しない‼︎ただの針が皮膚に刺さるわけ無いだろうが‼︎あぁもうイライラする‼︎さっさとやるぞ‼︎」

 

一瞬不憫だとは思ったが、これから薬を試されるのだ。果たしてどうなるか…‼︎瓶から垂らされた液体は桃色。垂らされた位置から、手袋をした白衣の男の手でじんわりと広げられ、塗り込まれていく。

 

「うひゃあっ⁉︎…ん…っ‼︎やぁ…‼︎」

 

「…改めて見るとかなりアレな光景だな。まぁこれも仕事。落ち着け私…そんな趣味はない…はず。」

 

「…せめて…否定しきれよ…‼︎」

 

身体がじわじわと熱くなってくる。薬の効果が出始めたらしい。頭とちょうどお尻のあたりがムズムズしてきた。…嫌な予感がする。

 

「おぉ!変化が始まったか‼︎これで魔法少女も無力化出来る‼︎」

 

「…ぅ…!うわぁあああああ!!!!!」

 

「良いぞ‼︎耳と尻尾が生えてきたか‼︎そのまま変化して…変化して…は?」

 

「…ん?なんか変な感覚が…」

 

「変化が止まった…だと…?まさか‼︎謀ったなクソ野郎‼︎」

 

頭に手を置くと、触られている感覚。お尻の方も触ると、モフッとした。これは…まさか‼︎

 

「もしかして…犬耳と尻尾が生えただけ?」

 

「…そのようだな。畜生‼︎あのクソ野郎…自分の趣味のためだけに作ったってのか⁉︎ふざけんじゃねぇ‼︎」

 

どうやら人で試すと犬になるが、魔法少女に試すと犬耳が生えるらしい。にしてもこの男…なんというか不憫だ。敵ではあるが、騙されて働かされた挙句の果てに効果がこれっぽっちとは。

 

「あー…なんというか…ドンマイ?」

 

「慰めるな!余計惨めになる‼︎」

 

それにしても…何か違和感があるような…あれ?

 

「傷が…治ってる⁉︎」

 

「おいおい嘘だろう⁉︎終わってるな本当‼︎」

 

さっきの薬の効果だろうか?おそらく身体を一時的に作り変える際に元の肉体に復元したのだろう。

 

「こうなったら…ポチ‼︎こいつをやってしまえ‼︎」

 

「しまっ…⁉︎」

 

完全に気を抜いていた。このままじゃせっかく治ったのにまたやられてしまう。それに近くにこいつがいるせいで下手に必殺技で相殺も出来ない。なんとか直撃は防ごうとして…銀色の光が怪人の足を貫く。

 

「ギャウン‼︎」

 

「なんだと⁉︎ポチにダメージを…誰だ‼︎」

 

見覚えがある。あの白いローブ姿は…この前の。亀怪人の時に助けてくれた、あの魔法少女だ。

 

「…ボクが誰か?…秘密だ」

 

「あの時の魔法少女…‼︎ありがとな‼︎この前も今回も助けてくれて‼︎」

 

「…礼は良い」

 

「そっか‼︎でもありがとな‼︎」

 

「なんだ貴様は⁉︎おいポチ‼︎私は今から逃げる…後はお前がなんとかしろ‼︎」

 

「ギャウ⁉︎」

 

逃げると言った男が懐から薬品を取り出すと、地面に叩きつけた。瞬間、煙が発生する。男を追いたい気持ちも山々だが、まずはこの犬怪人をどうにかしないといけない。

 

だが、オレでは火力が足りない。どうしようかと頭を悩ませていると、銀の魔法少女が動き出す。

 

 

「…ボクが追い詰めたら、トドメを刺して」

 

そう言った瞬間、一瞬で目の前から掻き消えた魔法少女が再び現れたのは、犬怪人の頭上。掲げたステッキから無数の光が放たれ、犬怪人の身体を撃ち抜いていく。なんて威力。一撃一撃が確実に怪人の体力を削っていく。

 

「おっと、呆けてる場合じゃないな‼︎こっちも準備するか‼︎」

 

ステッキに魔力を貯めて、必殺技の準備をする。放てる体制になったことを伝えようとする直前、怪人に向かって放たれた光の一条がこちらに向かってくる。

 

光はオレの後ろにつくと、オレを連れていくかのように動き出した。当たっているのに、全く痛くもない。むしろ暖かくて心地良い。身体から力が湧いてくる。

 

光に動かされたオレが着いたのは、怪人の真正面。トドメを刺せ、という事なのだろう。じゃあやりますか‼︎

 

「これで終わりだ‼︎プリズムハート・スプラッシュ‼︎」

 

放たれた桃色の光は、いつもと違い銀色が混ざっている。キラキラと輝くそれは、怪人の体を全て飲み込み、消し飛ばした。

 

 

「ふぅ…ってうわぁあああああ!!!!!」

 

しまった。気を抜いて、光が消えたことで落下する事を忘れていた。思わず目を瞑るが、衝撃は来ない。

ゆっくりと目を開けると…そこには。

 

「…大丈夫?」

 

「…ぉ…おう…!」

 

銀色の魔法少女が、オレを抱き止めていた。光の上に器用に乗って、お姫様抱っこをしている。なんだろう?変な気分だ。側から見れば絵になる状態だが、何か違和感が…あ。

 

そうか。耳と尻尾か。このシチュエーションを理解したのか、耳はゆらゆらと、尻尾はブンブンと揺れている。なんか恥ずかしい。思わず顔を覆うと、耳に手がポンと置かれる。

 

「…かわいい」

 

恥ずかしい…‼︎元男としての尊厳なんてものは今更無いが、いわゆるクールな王子様属性のこの魔法少女にそうされるのはシチュエーション的にクる物がある。後で見返すのが楽しみではあるが、今はちょっと恥ずかしい。犬耳と尻尾は思ったより感情がバレやすい。改めてそれを確認したオレだった。

 

side あかり

 

やばそうな男に襲われるているプリズムハートちゃんを助けたと思ったら、犬耳と尻尾が生えた件について。

 

ただでさえ今までもあった小動物感が増していてとてもかわいい。思わず口に出してしまった。その上、知らず知らずのうちにお姫様抱っこと頭ポンポンをしてしまっている。オタクとして恥ずべき行為だ。万死に値するが…これから助けられなくなるのでハラキリはダメだ。

 

それにしてもかわいい。フリフリと揺れ動くそれは、薄い桃色をしている。しかも、どうやら変身を解いても解除されないらしい。一定時間で戻るとあの男が言っていたから大丈夫ではあるのだろう。

 

それにしても…あの白衣の男は絶対に許せない。いくら事情があれど、あんなふうに服を脱がして肌に直接触れて薬を塗り込むなど、神をも恐れぬ蛮行だ。まぁ犬耳尻尾が付いたのは少しプラスだが…それでもマイナスだ。今度会ったら容赦はしない。

 

 

side 白衣の男

 

本当にふざけている。なんだあの薬は。まさかあのクソ野郎に利用されるとは。確かに犬耳尻尾の魔法少女は可愛かったが…いやそうじゃ無い‼︎

 

「おい貴様‼︎よくも騙したな‼︎」

 

「デュフフフフフ‼︎何を言うかと思えば‼︎拙者は貴殿にオタクになってもらいたくこの薬を作ったというのに…顔を見れば分かりますぞ?好きになってしまったんでしょう?プリズムハートちゃんを‼︎」

 

「…違う!」

 

「またまた!せっかくですし、このDVDBOXを。戦闘の研究には丁度いいですぞ?ぜひ受け取って頂きたく…」

 

「………頂こう。研究には必要そうだ。」

 

そう。あくまで研究のためだ。ポチを失った今、研究は必須だろう。間違ってもやつが気になっているわけでは無い。それでは私はロリコンになってしまう!挙句…このクソ野郎と同類になってしまうのだ‼︎

 

「デュフフフフフ‼︎それにしても…直に見れなかったのは残念ですな…‼︎まぁ、まだあの薬には仕込みがあるので問題ないですがな!デュフフフフフ!!!!!」

 

「そういえば…あの銀色の魔法少女について何か知らないか?」

 

あのポチを相手にあれだけ圧倒できるとは、とても信じがたい。あそこまで強いのは普通では無いが…

 

「知りませんな!強いていうなら…追加戦士枠でしょうな!スートがモチーフの彼女ら4人組に加わる新戦士‼︎あの銀色の髪に碧眼とクールな態度は間違いなく王子様キャラでしょう‼︎お姫様抱っこに頭ポンポンをしているところからそれは確実‼︎他にも根拠はあるのです‼︎貴殿は消された幻の5番目のスートがある事をご存知か?おそらくそれがあの魔法少女に関係しているのでしょう!攻撃手段が光である事を見るにおそらく固有魔法は光関係でしょうが確実とはいえませんしそれに」

 

「もう良い‼︎貴様が何を言ってるのか分からん‼︎とにかく、よく分かっていないという事だな!?」

 

「…えぇ、それで良いですぞ…」

 

全く…こんな頭のおかしいクソ野郎が仲間とは世も末だ…しかし、私達にはなさねばならぬ事がある。それを成すまでは…止まるわけにはいかんのだ‼︎

 

ひとまず研究のためにDVDを見るとしよう。この後通販で大量に魔法少女のグッズが届いたが、誰が注文したのかは謎だ。謎ったら謎だ。




はい。そういうわけで時間も若干犬です。

モチベup&番外編用?人気度アンケート  どの魔法少女が好き⁉︎

  • 桃井こころ/プリズムハート
  • 青木すみか/ブライトダイヤ
  • 藤原なぎの/グリッドスペード
  • 緑谷よつは/シャイニークローバー
  • 白銀あかり/レイスターレット
  • リズ/プリズムイクリール
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。