TS転生ドM強制逆転オレっ子魔法少女の日々   作:メガネズミ

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書けるときに書き、完成したら即投げる。良くないとは思いますが、なるべく早く皆さんに作品を届けたいので。


逆転の魔法少女、弱点⁉︎

 

 

 

「かくごしろまほーしょーじょ!

オイラはカギムー!ここでおまえをたおす!」

 

見たことのない虫だ。まるで虫じゃないみたいだ…そう呟くと、目の前のふにゃふにゃな怪人は憤慨する。

 

「むしだと!?オイラはむしじゃない!

ゆーそーどうぶつ!にくしょくじゅうなんだぞー‼︎」

 

怪人の中では特殊なようで、虫じゃないらしい。

…ってことは虫以外も怪人の元になる可能性があるのか!

 

 

…くそ。自分でもらしくない。コイツを見ていると…なんというか、そう。庇護欲をそそられるのだ。

端的に言ってコイツはかなり可愛い。ちょっとブサイクなマスコットキャラとか、幼い子供みたいで。

 

色は全体的に赤みがかったうすだいだい色ってところか?赤ちゃんの皮膚の色に近いかもしれない。

目はないものの、2本のふよふよ揺れる触覚と、少し怖く感じる口。円周上に並んだ牙は獲物をすり潰すかのように見えるが…実際はどうなんだろうか?

ちょっと怖いくらいの口が全体の可愛さとギャップになって、より可愛く見えてくる。

 

長くて柔らかそうな体に、小さく短い脚。オレに言われた言葉が相当気に障ったのか、地面を蹴って怒っているアピールをしている。ぺたん。ぷにょん。ぺしぺし。そんな音が聞こえそうなくらいの動きしかできないでいる。あんよという言葉が合いそうなくらいに、小さくて可愛い脚をバタつかせる姿は愛くるしいもの。

 

オレはどうかしてしまったのだろうか。可愛らしい見た目と舌ったらずな言葉、癇癪を起こしたかのように駄々をこねる姿に、幼い子供に対して抱く感情と似たものを感じてしまっているらしい。

 

 

「ふふーん!すごいだろ!

おまえがいまこうげきできてないのはオイラのすごいのうりょくのせいなんだからな!」

 

「なっ…!?」

 

油断していた。怪人は皆危険な存在。そういった能力を持っている奴がいることも想定していたはずなのに。いざ出会ってしまうと…これはどうしようもない。先手でそういう術を掛けられてしまえば…いくら逆転を持っていても、裏を掻かれてやられてしまうかもしれない。流石にこのままではまずいが、対処法が分からない。まずは時間稼ぎをしなければ…

 

「へぇ…それって一体どんな能力なんだ?」

 

能力を探りつつ、得た情報と時間稼ぎで対策を立てる!

 

 

「…なんだっけ?

えーと…たしか…たしか…うーん…

わすれ…ちゃった…‼︎」

 

「忘れたぁ!?さては情報を渡さないつもりか…まぁ当然っちゃ当然だな!なら良い!かかってこい‼︎」

 

「……ぅ…」

 

「どうした?早く来い!それともこっちから行こうか!?」

 

「うわぁああああ!!!

ひっぐ…ぐすっ…わすれちゃったぁあああ!!!」

 

「はぁ!?」

 

 

なんだこいつ。それがオレの下した評価だ。特に攻撃したわけでもないのに。自分の能力を忘れたからって理由で、まるで本当の子供のように泣き喚いて。

 

「おいおい落ち着けって!泣くな!な?

あーもう!ほら!よーしよし…泣き止め…泣き止め…

 

お前、性別は?というか性別なんてあるのか?」

 

「ふぐっ…ぉ…オイラおとこだもん…」

 

「男の子か…なら泣いてるとカッコ悪いだろ?

ほら!元気出せって!」

 

分かっている。こいつのペースに呑まれていることが。ついつい慰めたり頭を撫でてやるなんて。とても怪人する事ではないはずだ。けれど…くそ!こいつの能力がなんなのかは分からないが、なんとなくは分かる。このままじゃ、オレは戦えなくなる。こいつに対して敵意を向けられなくなる。そう考えていると、いきなりこちらを向いたこいつの口が、三日月型に歪むのが見えた。

 

「ひっかかったな!くらえ!」

 

「しまっ…‼︎」

 

こいつの顔の部分から2本の突起のようなものがニョキっと生えたかと思えば、超高速で粘液を浴びせてきた。やられた。こいつはこうして可愛い姿と言動で接近させて確実に獲物を仕留める狩人だったのだ。

 

「ぐ…!体が…動かせない…‼︎」

 

信じられない粘度だ。力の限り体を動かそうとするが、びくともしない。

 

「ふふーん!すごいだろ!オイラはあたまのいいかりゅーどなんだぞ!」

 

「やられた!その嘘泣きもお前の作戦だったって訳か!」

 

「ううううそなき!?

 

 

…………そそそそうだぞ!ぜんぶおまえをだますためのえんぎだったんだからなー!

                  …ぐすっ。」

 

前言撤回。こいつはそんなタイプじゃなかったらしい。というかよく考えれば目がないのに泣いてる時点でおかしいと気づくべきだった。あれは粘液を出す突起から放出していたものだったんだ。突起から出ていた粘液がサラサラの涙に変わっているのを見て、そう気づいた。にしてもまずいな…このまま身動きが取れないんじゃこいつにやられてしまうかもしれない。

 

逆転があるとはいえ、これから起こる責め苦次第でどうなるのやら。1挙動1挙動を見逃さないようにと見ていると、こいつが動き出した。

 

「んしょ、んしょ!ふっふー!かくごしろよー!

 

…ふぅ。でもちょっとやすむ…つかれた…」

 

前言撤回。すごくゆったり動き出した。

よちよちという表現が似合うくらいにのろのろと歩き出したこいつは、疲れたようでその場に座り込んでしまった。

 

「…なぁお前?なんで魔法少女なんか狙うんだ?」

 

「なんだー?オイラからじょーほーをひきだすつもりかー?むだだぞ!えらいひとからしゃべっちゃだめっていわれてるからな!」

 

「…偉い人?」

 

「あー!いまのなし!きこえてないことにして!

じゃないとオイラおやつもらえなくなっちゃう!」

 

こいつを揺さぶればもっと情報が手に入ると思う反面。これ以上虐めてやるのは可哀想という気持ちが出てきてしまう。まぁ辞めにしておくか…弱者を虐めるようで気分が悪い。虐めるのは自分だけで十分だ。

 

ぐだぐだとしながらも、動けないオレの前にとうとう来てしまったカギムー。何をするのかと思えば、こいつはおもむろに口を大きく開き出した。そこから見えるのは、ノコギリのような舌。あれで削るという事なんだろうか?いよいよこいつの口がオレの丁度腹の部分に押し当てられる。ふにょんという顔の感触が気持ちいい。じゃなくて!舌!鋭いものが触れる感覚は…無い。

 

「おいカギムー、お前の攻撃がこの舌なんだよな?

それなのに…痛くも痒くも無いぞ?」

 

「そんなはずはねぇ!オイラのひっさつわざだぞ!

これがあればかたいにんじんもじゃがいももぐっちゃぐちゃなんだぞ!」

 

「オレ達魔法少女の防御力ってのは…その野菜達なんて比較にならない硬さだぞ?」

 

「そんな…オイラのしたがつうじないなんて…!

こうなったら!やけだ!やああああああ!!!!」

 

「ぅうお!?体全体で乗っかって来た…けど気持ちいいだけだな?クッションみたいだ…

 

……っ!?これ…は…!?」

 

出来ることが無くなったと思っていたが、中々骨のある頑張り屋さんらしい。骨はないか。それより、まずいのはこっちだ。オレは痛みに耐性はある方だけど…そっちの方は耐性がない。やばい。こんなゆるキャラ相手に降参なんてしたくない…!

 

「ひゃぁっ!…やめ…!くすぐった…!やぁ…!」

 

「っぷは!どうだ!オイラのこうげきは!きいただろー?なみだめになってるぞー!」

 

「はぁ…はぁ…!こいつ…!いい気になって…‼︎」

 

「なんだとー?こいつ!オイラはカギムーだ‼︎

おまえなんか!こうしてやるー‼︎」

 

「っうあ!…まって!…ひぅっ…!むり…!おれおかしくなっちゃうからぁ!やめ…!あやまる!あやまるからぁ‼︎」

 

だからダメなのだ。くすぐりは。痛みは別になんともない。むしろピンチを喜べるほどだ。けれど、くすぐりは本当にダメだ。やられたら最後、くすぐったさで頭がチカチカしてきて。何も考えられなくなる。ピンチだなんだと言ってられなくなるほどなのだ。その上、逆転の条件にも合わない。あれは肉体や精神が傷つき、あのままだとやられるという状況にならない限り発動してくれない。こういうタイプも苦手なのだ。

 

「じゃあオイラのかちでいいな?」

 

「まだ…!オレは…!負けるわけには…!」

 

「オイラの!かちで!いいな!?」

 

「良い!良いからぁ‼︎もう…やめて…くれぇ…‼︎」

 

とうとうやってしまった。自分から、自らの意思での敗北宣言。まぁこいつに殺される事はないからそこまででもないけど。これまで一度たりともなかった敗北。その言葉が重くのしかか…らない。というか正直こいつは無害寄りだから放置でも良い気がする。

むしろ飼ってしまえばアニマルセラピーみたいに出来るのではないだろうか。

 

我ながら敗者とは思えぬ思考をしている。その上、勝った勝ったと無邪気に喜ぶこいつは、当初の目的を完全に忘れているらしい。魔法少女を狙って殺すという指令はおそらくこいつの、否、今までの怪人達の裏に誰かがいるという証拠だろう。まぁどいつもこいつも一癖も二癖もあるせいで目的を果たせた奴は誰1人として居ないが。

 

敗北をしたものの、得られた情報があまりにも大きかったせいでそこまでショックに思っていないのは頭がおかしくなった証拠なのだろうか?まぁとりあえず。

この後すべき事は…こいつから出せる情報を引き出すだけだな。勝ったと喜ぶ今なら、オレの心も痛まないしな!

 

「そういえばカギムー?お前、家はあるのか?」

 

「あるぞ?だけど…じつは…その…」

 

まさかとは思っていたが。こいつは家から、正確にいえば組織(?)か何かから追い出されたらしい。

戦えない戦士など必要がないそうだ。

戦えないと追い出された戦士が初白星を上げるのはかなり皮肉だが、そっちのことなんて知ったこっちゃない。

 

「もしお前が良ければ、なんだがな?」

 

「なんだ?」

 

もしかすると。もしかするとだが…これは大きなチャンスかもしれない。

 

 

「そういうわけで今日から我が家に居候になります、こちらカギムシのカギムー君です。

 

ほら、リズに挨拶しな?」

 

「よろしく!りず!オイラはカギムシかいじ…なんでもない!カギムシのカギムー!よろしく!」

 

「君みたいなカギムシが‼︎この世に居るかぁ!!!!」




今日のまとめです。
涙目敗北宣言‼︎
怪人達の裏に組織あり!?
桃井家に1匹加入‼︎

前話の伏線?次回以降で…

モチベup&番外編用?人気度アンケート  どの魔法少女が好き⁉︎

  • 桃井こころ/プリズムハート
  • 青木すみか/ブライトダイヤ
  • 藤原なぎの/グリッドスペード
  • 緑谷よつは/シャイニークローバー
  • 白銀あかり/レイスターレット
  • リズ/プリズムイクリール
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