side こころ
やばかった。本当に死んだかと思った。喰らう直前で逆転を発動出来たは良いけど、まさか一発で変身が解除されるとは。強制解除って諦めなきゃされないと思ってたんだけど…もしかしたら違う条件もあるのだろうか?
とにかく、身体に大穴が空いた事で完全に死んだと思っていた。今までと違って、身体から大切な物が消えていくような感覚。だらだらと流れていく血と共に、身体中から力が抜けていった。
ぼやけていく思考の中で気を抜いたら死ぬなぁ…なんて思いつつ、襲いくる眠気に瞼を閉じようとして…ふと思い出す。そうだ。オレは諦めちゃダメだった。そう思った途端、頭がはっきりする。
その瞬間だろうか?身体中に力が漲ってきた。感じていた痛みも消えて、傷も塞がっていく。今までの自分とは明確に違う。例えるなら、焔。身体の内側から、燃え上がるようなエネルギーを感じる。
これなら、あの怪人相手でも戦える。怪人に意識を向ければ、こちらに突っ込んできているのが見えた。先ほどは博士を庇った瞬間に激痛が走り、気がついたら腹を貫かれていた。だが、今は違う。怪人の動きがはっきりと見える。
相手の拳に合わせて、魔力を軽く解放する。吹き飛ばされた怪人は、何をされたのかも分かっていない様子だった。まぁオレ自身も、ここまでの急激なパワーアップに関しては理解出来ていない。
よく見れば、服が変わっている。ピンクばっかりだった部分が赤くなったり、ヒラヒラでバラバラなマントが付いていたり。髪の毛も赤色が入っている。獣化とは別の強化フォームといったところか。
さて、この形態での戦い方がまだ分かっては居ないので、この怪人で試すとしようか。
「こいつは…どうだ‼︎」
「舐メルナァ‼︎」
軽く正拳突きを繰り出せば、同じく拳を繰り出してきた相手とぶつかる。ほんの一瞬拮抗した後、怪人の方が後方へぶっ飛んだ。
「ヌゥ…グォアアアアア‼︎」
軽く踏み込めば、もう相手の目の前だ。真上から思い切りステッキを叩きつける。ギリギリで防いでいたのか、両腕をクロスした体勢のまま受け止められるが、怪人が無理やり受け止めた事で周囲の地面が陥没する。
「おぉっ⁉︎」
「グゥア‼︎ダガ…受ケ止メタゾ…‼︎コノママ…‼︎」
「よっしゃ!じゃあ押し切ってやる‼︎」
受け止められたなら、そのまま押し切ってしまえばいい。背中のマントからブースターのように焔のエネルギーが噴き出し、圧力を一気にかけていく。
ステッキの一撃は耐えていた怪人だが、ブースターでは耐えられなくなったのか、ガードが緩んだところを一気に押し切る。
「ヌグァアアアア!!!!!」
押しつぶす形でステッキを振り切った後、巨大な光弾を雨あられと降らせる。ステッキの一撃で怯んでいた怪人ではなす術もなく攻撃を喰らっていく。
一旦はこれで良いだろう。後方に下がり、骨を折られた博士の元に近づく。
「プリズムハートちゃん…その姿は一体…?」
「さぁ…?オレにもよく分かってないんだよなぁ…
そうそう、『これ』やりにきたんだよ。」
「ぬ?一体何を…っ!?これは…‼︎」
オレの身体から溢れ出る焔を、博士に押し付ける。すると、スゥーっと吸い込まれるように博士の体内に溶けていく。
「一時的な痛み止めとちょっとの治癒かな?
さっき大穴が空いたのに治ったから不思議に思ってたんだけど…やっぱりこれ他人にも効くんだな‼︎」
「この力は…一体何なんでしょうなぁ…?」
理屈は分からないけど、使える物なら使えば良いだろう。さて、そろそろ怪人が復帰する頃だろうか?
「ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!
魔法少女如キニィイイイイ!!!!!
キサマハ絶対ニ許サネェカラナァ!!!!!」
爆音が響くと共に、こちらに向かってくるのが分かる。近くに博士が居るので躱すわけにもいかない。先ほどのように弾いても良いが…そうだ。
「起きたか‼︎じゃあこんなのはどうだ?」
突っ込んでくる拳を撫でるように掴み、受け流す。勢いのままにあらぬ方向へ飛んでいく怪人へ、光弾で追撃をかます。後もうちょっとだろう。
懲りずに再度突っ込んできた怪人に合わせて、拳を突き出そうとして…身体の動きが止まる。
「ごふっ⁉︎げほっげほっ‼︎」
心臓が痛い。攻撃を喰らっていないのに。口から大きな血の塊を吐いて、その場に蹲ってしまう。視界が赤く染まる。どうやら、血涙が流れているようだ。
こんな事をしていると、当然大きな隙が生まれる。気がつけば、腹に重い一撃がヒットしていた。どうやら、肉体の強度自体は上がっていなかったらしい。貫通はしなかったものの、さらに口から大量の血を吐き出す。
「がっ…⁉︎ご…ぼぉ…‼︎」
「オイオイ…ドウシタァ?魔法少女…
オレサマガ何モシナクテモ死ニソウダナァ?」
時間がない。吐いた血を利用して、目眩しに使う。必殺技名なんて考えている余裕はない。思い切りステッキに込めた魔力を、光線として発射する。
桃と紅が混じったような光は、怪人に一切の抵抗を許さずに消し飛ばした。
「グァアアアアアアア!!!!!
…様ァアアアア!!!!!
申シ訳ゴザイマセンデシタアアアア!!!!!」
「がっ…ごぼっ…‼︎」
勝ったは良いが、苦しいままだ。心臓が特に。バクバクと鼓動が聞こえる。このままだと、せっかく勝てたのに…!
「プリズムハートちゃん!
変身を解除してください‼︎おそらくそれで治るはず‼︎」
「…わ…分かっ…た…‼︎」
何とか変身を解除すれば、痛みが一気に引いていった。どうやら、あの形態限定らしい。感謝を口にしようとするが、急に襲ってきた眠気に勝てずそのまま眠ってしまった。
side 博士
命が助かったのは本当に良かった。これで一旦この世界も安泰でしょう。怪人があの御方に報告しなければ、現状のままでいられるはずですな。
それにしても。プリズムハートちゃんのあの姿は何だったでしょうかな?圧倒的なパワーアップをしていたものの、副作用か何かがありましたな。あれがあってはまともに戦えないかもしれませんし…どうにか解明しなければ…‼︎
そう考えていると、妖精が転移してくる。リズだ。
「こころ‼︎しっかりしてくれ‼︎死ぬんじゃないぞ⁉︎
君に死なれたら‼︎僕は…僕は‼︎
…ん?これは…」
「リズ殿!…彼女の状態はいかがですかな?」
どんな傷だろうと回復させてしまえるリズ殿がいれば安心ですが、今回は例外という事もあり得てしまいます。恐る恐る聞いてみれば…
「大丈夫みたいだね。回復も必要なさそうだ。」
「何と!あれだけ血を吐いていたのに…‼︎」
「…ねぇ、博士。今回起きた事について、そっちについて聞きたいことがあるんだ。交換条件という訳じゃないけど、僕の推測も混ぜた今回の事について話したいんだけど…いいかな?」
「良いですぞ?こちらとしてもこうなってしまった以上は、そちらにも理解して頂きたいところ。願ってもない事ですな!」
あの怪人が起きた以上は、これからどうなるかも分からない。今まで以上に、気を引き締めていかなければ。
「…そういえば…レイスターレット殿は?」
「彼女かい?彼女は…新発売のグッズが今日だったから並びに行ったよ…」
「…なるほど?」
通りで、プリズムハートちゃんのピンチに駆けつけて来なかった訳ですな。納得。
デメリットはしっかりあります。多分次回で説明するかなーと。
モチベup&番外編用?人気度アンケート どの魔法少女が好き⁉︎
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桃井こころ/プリズムハート
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青木すみか/ブライトダイヤ
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藤原なぎの/グリッドスペード
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緑谷よつは/シャイニークローバー
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白銀あかり/レイスターレット
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リズ/プリズムイクリール