今回は前回の感想を受けて、なるべく復活のMを意識しました。
期間が開くと書き方忘れちゃって大変ですね…
side こころ
現在、オレは博士に呼ばれて基地に来ている。もう普通に呼ばれるのが当たり前になっているせいで違和感は感じられないが、多分側から見るとおかしくはあると思う。敵の基地に入り浸る魔法少女とか正気には見えないかも知れない。
それはさておき、今日は散々はぐらかされてきた「怪人」を生み出す過程について聞きに来ている。良い加減知っておきたいのと、そろそろ答えてくれるだろうという直感があったからだ。いつものように通された客間でお茶を飲みながらテレビを見ていると、準備が出来たようで博士が資料を持ってやってきた。
「これが例の資料ですぞ!
まさかこの資料を見せる日が来ようとは…世の中どう転ぶかなんて分からないものですなぁ…」
「確かにオレも直接説明される日が来るとは思ってなかったな…」
最初は完全に敵対していたのにも関わらず、紆余曲折あって協力関係になるとは夢にも思わなかったろう。ただし、多分まだオレの本性はバレてない。はず。
さて、資料に目を通すとしよう。…ふむふむ、なるほど?あー…そう言う感じで…
……マジか。思っていた以上に人道的だった。まだギリッギリセーフぐらいには止まれると思う。怪人の誕生について、オレなりに噛み砕いた説明はこうだ。
怪人が作られる際に必要な材料は、『怪人のモチーフとでも呼べる動物の因子』、『人間のイメージ』、『人間の欲望』、『魔力』だそうだ。これらを用いて生成装置にて怪人を生み出すそうだ。
とりあえず1番安心した事として、生身の人間が素体に使われていない、ということだ。怪人に攫われた人間がどうなっているかがかなり心配だったので、そこは良かった。
材料について一つ一つ見ていくとしよう。まずは『因子』。これは、実際に生きている動物から魔法の吸引機的なものを使って吸い取る…と言うか分けてもらうもののようだ。現代の科学では分からない何かなのだろう。
次に『人間のイメージ』。これは人間がその動物に対して持つイメージを具現化したようなものらしい。怪人が攫った人達は特に何かをされるわけではなく、決められた部屋で衣食住に娯楽といったなるべく不自由の無いような生活を送っている。ただし、何日かに一回、写真や映像で動物の生態を簡単にまとめた資料を特殊な部屋で見る事を命じられているようだ。この時に発生した、人間がその動物に対して持ったイメージ。これが『人間のイメージ』と言う事らしい。
つまり今まで戦ってきた怪人の能力というのは、言ってしまえば人間の持つパブリックイメージとかそう言うものが元になっていたと言う事だ。『多分こいつはこういう攻撃をしそう』みたいな考え方が多種多様な能力を生み出していたのだろう。
次に、『人間の欲望』。正直これに関しては嫌な予感しかしていなかったのだが…割と的中してしまった。これは先ほどのイメージとは違い、基地内で生活している間は常に集められているものだそうだ。端的にいえば、生活している人間の趣味嗜好や精神性が混ざったもの。これは怪人の人格形成や多少能力に影響してくるらしい。しかも、深層心理から引っ張ってくる事もあるらしいため、その人が隠してる癖なんかにも影響される事もあるそうだ。
…そりゃそうだよな‼︎カミキリムシの怪人が普通ムキムキのガチムチなヤツになるわけ無いもんな‼︎馬鹿げた筋力で魔法少女をボコボコにして暴れたいとか、痛ぶりたいとかそういう意思が影響したのだろう。
隠せない以上はどうしようも無いからその人を責める訳にもいかない。それはそうと似た癖を持つ者としてちょっとお話ししたく…ダメ?そう…
出来ればその人と小一時間くらい語りたかったが、オレの本性を知らない博士からすればその人を責めようとしている風にしか見えなかったのだろうか。止められてしまった。…まぁこっちも本性をカミングアウトするわけにもいかないからどっちにせよ喋れないか。
さて、最後に『魔力』。これは、攫われた魔法少女から手に入れているらしい。方法はイメージの時と同じだそうだ。なんなら普通の人より待遇は良いそうだ。
一応捕えられてる人達は事情を知っているらしいが、ボスにバレるわけにもいかないため、告発をする人も居ないらしい。確かにバレてたらとっくにこの世界は終わってそうだ。
とりあえず一通り説明に納得した上で、割と気になっていた事について聞いてみた。それは…未だに分かっていない博士以外の博士(?)達についてだ。すみか達を獣化させた人達がどうしているのか。その答えは…博士も知らないそうだ。
というのも、基本的に皆が皆自由人なせいでスケジュールとかを互いに把握していないらしい。なので、今どこで何をしているかは分からないそうだ。一応『この世界を守る』と言う考えは一致しているらしいからそこは安心だが…
…とりあえず、怪人を倒していても人間は犠牲になっていないと言う事が分かっただけでもかなりの収穫だ。本体は犠牲にするのが普通らしいが、博士達の努力によってそれを回避出来ているようだ。
「それにしても…なぁ博士?」
「なんですかな?」
「ボス対策ってどうする?正直今のままじゃ勝てない気がするんだよな…」
そう。目下倒すべき敵である組織のボスだが、簡単に作った程度の怪人であの強さなら、本体の強さは言うまでも無いだろう。間違いなく今のままでは勝てないはずだ。
「そうですなぁ…これ以上の強化ともなると…ふむ…」
「やっぱり難しいか?」
「それもありますが…いえ、ここで言うのはやめておきましょう。
ただ一つだけ。貴方は『逆転』の魔法少女ですぞ?
それをお忘れなく…‼︎」
……分からない。どう考えても今のままでは戦力が足りない。『逆転』と言ったって、相手がオレ以外を狙ってきたら意味がないだろう。だが、博士を信じないわけにはいかない。ああやって言い切っている以上は何か秘策があるのだろう。多分。
「そろそろ帰らないとな…じゃあな!」
「えぇ、帰りに気をつけるのですぞ!」
基地を出て、ゆっくりと歩き出す。どうしたら良いのだろうか?戦力不足なのは間違いないが、どう対策したら良いのだろう。対策が分からないままとぼとぼ歩いていると、何か違和感を感じる。
空を見上げると、何かが一瞬キラリと光った。次の瞬間、耳をつんざくような轟音と共に、その何かがこちらに飛来するのが見えた。
豆粒のような大きさから一瞬で至近距離まで接近してきた何か。通常であればソニックブームで辺り一体が吹き飛びそうなもんだが、どうやら魔法か何かで軽減したらしい。
その姿は、あの時基地で戦った怪人とそっくりだ。黒いモヤで構成された、成人男性のシルエットのような姿。だが、あの時の怪人とは少し違う。背中や肘、膝の部分にブースターのような形の白と灰色の鎧?みたいなものが付いている。ブースターや鎧とは言ったが、生物的な見た目だ。機械っぽさはなく、正直かなり気味が悪い。
「ワタシノ名ハ『Ⅸ』。『Ⅹ』ガヤラレタ事デアノオ方ヨリ遣ワサレタモノ…貴方ガ魔法少女トヤラデ間違イ無イデスカ?」
「そうだと言ったら?」
「デハ…死ンデ下サイ‼︎」
「なっ⁉︎」
危ない。後一瞬変身が遅れていたら間違いなくやられていた。咄嗟に変身して受けられたのは良いが、ブースターで加速した手刀はしっかりと心臓の位置を貫いている。防いだつもりだったが…どうやらガードをすり抜けていたらしい。
「ごふっ…‼︎」
心臓をやられた事で一瞬力が入らなくなり、腕を引き抜かれると共にその場に崩れ落ちる。久しぶりの良い痛みに感動を覚えた。欲しかったのはこういう痛みだ。自分ではなんとか防いだつもりでも、どうしても受けきれずに喰らってしまう不可抗力な状況。
「ぁ…がぁ…‼︎」
「任務完了…随分ト呆気無イ最期デスネ!」
あまりの痛みと感動で動けずにいると、何を勘違いしたのか敵が立ち去ろうとしていた。違うからな?別にこの程度でやられたわけじゃ無いからな⁉︎痛みと快楽でガクガクと震える足を押さえ込み、なんとか立ち上がって戦闘体制をとる。
「オ…オレはまだ…やれるぞ…‼︎」
「『マダヤレル』…ソノ産マレタテノ子鹿ノヨウナ脚デ良クイエタモノデスネ?」
「こんなの…どうってことない‼︎今度はこっちから行くぜ‼︎」
なんか側から見ると恐怖を抑え込んで立ってるみたいになってるけど実際はそうじゃない。普通に痛みが引いただけだ。せっかくの痛みだったが、リジェネのある今ではすぐに消えてしまう。その分何度でも味わえると思えばまぁ採算はとれてるが…
適度に攻撃を喰らいつつ勝てば良いだろう。そんなことを考えて繰り出した拳はあっさりと躱され、クロスカウンターのように繰り出された手刀で今度は腹を貫かれた。
「遅イデスネ…欠伸ガ出ソウデスヨ」
「ぐっ…ごぼっ‼︎」
…これは真面目にやらないとダメな相手だ。拳自体の重さはこの前の奴には劣るが、手刀である事とブースターによる加速で桁違いの速度と貫通力を実現しているようで中々手強い。あと地味に手刀なせいで傷口が荒く、痛みが増している点もグッドだ。
距離をとって躱そうとしても避けることが出来ず、痛ぶるように身体を貫かれる。本音としてはすごくありがたい。中々こんな抵抗出来ずに痛みを得られる機会なんて無いので、今のうちに存分に堪能しておこう。その間も倒す策を練り続けるのは当然だが、痛みと快楽で思考がまとまらない。周囲がオレから吹き出た血で赤く染まっていくが、オレ自身の体積はほとんど変化していない。さすが魔法。ここまでの流血でも問題ないのは、不死鳥に喩えられるだけはある。
刺されまくってから既に30分が経過した。オレから出た血で当たり一面とんでもない事になっている。瓦礫から地面に至るまで、真っ赤なペンキで塗られたかのようだ。途中でただ刺す事に飽きたこいつが空中でアクロバティックな動きをしながら貫きまくった事もあり、ムラのない一面の赤が広がっている。
「…ぁ…う…」
オレ?もう痛みと快楽でぐちゃぐちゃだ。最初の方に考えてた作戦は一応実行可能だが、もし引き伸ばせるならこの時間を続けていたいと思うほどだ。まぁそのうちこいつが飽きるだろうからずっとは無理だし、倒さなきゃいけない以上はいつかは終わらせないと。コイツが逃げに徹したらとてもじゃないが追いつけない。だからこそ、今の状況に飽きて一瞬気を抜いた瞬間を待っているのだ。
それはそうとめちゃくちゃ良い…シチュエーション的にも凄くいい…スプラッタではあるものの、ステレオタイプな敵で良かった。そういえばこいつについて聞いていなかったな…よし!
「ソロソロ飽キテキマシタネ。良イ加減トドメヲ…オヤ?」
「最期に…一つ…聞かせろ…!」
「マダ喋ル元気ガアリマシタカ。良イデショウ!答エテアゲヨウデハアリマセンカ‼︎」
「Ⅸって事は…まだ上が居るのか…?」
「マダ造ラレテハイマセンガ、ナンバリングハ増ヤス予定ダソウデスヨ?」
マジか。あれきりだと思っていたんだが、そうじゃ無いらしい。あいつやこいつレベルに強い奴がバンバン出てくるとなると、正直厳しいが…どうにかするしか無いだろう。
「そうか…他に聞きたい事もあるけど…今しか無いよな‼︎」
「ナニッ⁉︎」
こいつに刺されていて気づいた事。それは、ブースターが塞がれないように立ち回っていた事だった。明らかに血がブースターに掛かりそうなタイミングで振り払ったりと兆候はあった。つまり、それがこいつの弱点。
ブースターさえ封じれば、こいつはさほど脅威じゃない!そして、この血の海を作り上げたのも、ブースターを封じるためのもの‼︎一度オレの身体を離れた血だったとしても、オレの一部だ。そして、今のオレは不死鳥。当たり一面の血を変化させ、不死鳥の翼を作り上げてこいつを捉える。もちろん、ブースター部分に羽を突っ込む事も忘れない。
「貴方ハ…コレヲ狙ッテ…‼︎」
「ああ!オレの速さじゃ全速力のお前には敵わない。逃げられないようにしてからじゃなきゃ、攻勢には転じられなかったからな‼︎」
嘘だ。普通に羽でブースターを塞げなかったら勝ち目は無かった。でもあえてやられてたみたいに言う事で、相手の動揺を誘う。我ながら完璧だ。
「随分とやられたからな!全部…お返しだ‼︎」
「ワタシガヤラレテモ…イズレ『Ⅷ』ガ‼︎」
「安心しろ‼︎そいつも、お前らのボスも…オレが全部倒してやる‼︎ プリズムハート・フェニックスバースト‼︎」
「申シ訳…ゴザイマセ…‼︎」
Ⅸが言い終わる隙も与えず、一気に消し飛ばす。周囲の炎で感知し、奴が逃げていない事を確認して変身を解除したオレは、その場に倒れ込んだ。強敵の撃破で気が抜けたのだ。
完全に気を抜いたオレは、とある事を失念していた。不死鳥の力が切れれば、その場にあった血はただの血に戻る。しかも結構新鮮な。つまりどう言うことかと言うと…
「こころ…?ねぇ!しっかりしなさいよ!こころ‼︎」
身体中血塗れな上、血の海でぶっ倒れていると言うどうやっても覆せないやばめな状況を、急いでかっ飛んできたすみかに見られてしまったのだ。
「…………」
何がやばいって、疲れ切っちゃって身体が動かないのだ。前だったら大丈夫とか言い訳出来てたが…今回はそうもいかない。これは当分外出禁止√か…?と呑気な事を考えながら、オレは重くなる瞼を閉じたのだった。オヤスミ‼︎
1ヶ月に1話投稿とかいう超ノロマ投稿になってるので改善したいですね…ブランクが出来るとクオリティも落ちるのでどうにかしなければ…‼︎
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