TS転生ドM強制逆転オレっ子魔法少女の日々   作:メガネズミ

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いよいよアイツが変身します!誰かって?誰でしょう!
読む前に予想してみてくださいね!


純白の魔法少女、戴冠‼︎

 

sideこころ

 

今日は作戦の決行日だ。博士のステルス装備も完成、調整も完璧に行われた。まぁ装備と言っても髪飾り型にしてくれたけど。しかもオレに合わせてハート型になっている。着けても違和感は無いし、当然動きの邪魔になるような感覚はない。さすが博士だ。

 

リズも順調に回復し、言っていた秘策とやらの準備も出来たらしい。秘策について伏せているのは、「策が分かっているとオレが意識しすぎて失敗する」からだそう。まぁ確かに?折角の秘策だしバレたら良くないのだろう。後はまだ『謎の多いマスコット妖精』枠を諦めていないかららしい。こっちが割と本音な気がしないでもないが、いつも通りのリズを見たおかげで気が少し楽になった。

 

「じゃあ…行ってくるよ博士!リズ!」

 

「えぇ、待っていますぞ!」

 

「こころ!秘策、楽しみにしといてね?」

 

「おう!」

 

博士達に背を向けたオレは変身、そのままステルスを起動して全速力でアジトを目指す。リズが探知したポイントに到着すれば、やけに薄暗くて洞窟みたいな入り口が見えた。最大限に警戒しながら入ってみると、それまでとは景色が一変する。

 

岩だらけで人の気配が無さそうな洞窟から、近未来的な機械が立ち並ぶ研究所のような場所へ。前にアジトで見た機械…その原型だろうか?明らかに以前見た物よりも巨大なソレが中央に存在感を示す部屋には、大小様々な機械がところ狭しと置かれ、配線も複雑に地面を張っている。

 

複数の部屋に繋がっているようで、気配がないことを確認しつつ慎重に進んでいく。誰かに見られないよ物陰に隠れたまま移動していると、先ほどよりも規模は小さいが資料室と研究所と製造場のような場所を見つけた。

 

その部屋にあったのは、巨大なビーカーのようなタンク。謎の管が何本も繋がれており、中ではボコボコと気泡が立っている。ガラスのようなもの越しに見えるのは…何かの液体に入れられて浮かべられてる4人の姿だ。見つけた。すみか、なぎの、よつは、それとスターレットだ。全員目立った外傷はなく、服を着た状態で入っている。

 

「……!」

 

思わず声が出そうになるが、両手で口を押さえて我慢する。さてどうするか。このままぶち破ってしまっても良いが、それだとバレてしまいそうだし、何より無理やり出したら悪影響があるかもしれない。せめてカードキーのようなものがあれば。タンクの横にはモニターのようなものがあり、カードキーを挿せばタンクから4人を解放出来そうだ。事前に博士から教えてもらっていた情報通り。流石博士、やるぅ!

 

これまで歩いてきた場所にカードキーは無かったし、探索し直しか…と考えていると、とても嫌な空気を感じた。思わず振り返れば、そこにはⅥの姿が。

 

「…Ⅵっ⁉︎」

 

「マサカ潜入トハ思ワナカッタゾ?」

 

「悪いが…すみか達は返してもらうぞ!」

 

「ン?出来ルノカ?麻痺ガスニ手モ足モデネェオ前ガ!」

 

当然のように麻痺ガスを放ったⅥ。まぁオレからは見えてないけど。アイツもそう言ったし、多分麻痺ガスだろう。オレはそのまま麻痺ガスを喰らい…

 

「カハッ…!ナ…ナゼ効カネェ…⁉︎」

 

…そのままⅥの胴をぶち抜き、大きな音を立てないように地面に押し付けた。思ったより脆いなこいつ。まぁこっちとしてはありがたいが。しかもカードキーまで持ってる…これは当たりだったな?

 

「悪いなⅥ!こっちもそれなりの対策は取ったからな!」

 

「麻痺耐性カ…!ダガ!コチラガ麻痺ガスデハ無ク毒ガスヲ使ウ可能性ダッテアッタ筈…ナゼ突ッ込ンダ!」

 

本当に何故か分からない、という顔だ。何、簡単なことだ。Ⅵが腰につけたカードキーをスルッと取りつつ、自慢げに言い放つ。

 

「ダメージを受けるだけの毒ガスだったら、ただ受けとめれば良いんだろ?動きが止まらないならノーダメと同じだ!」

 

「…ハ!イカレテイルナ!トンダ大馬鹿野郎ダッタゼ!」

 

そう言い残してⅥは爆散…されると大きな音が出るので、不死鳥の衣で爆発を閉じ込めた。

 

「がふっ…!ごほっ!げほっ!」

 

当然ダメージはでかいが、まぁ回復するしノーダメだノーダメ。それよりも4人だ。急いでカードキーを差し込めば、甲高い警報音が鳴って液体が引いていく。ゆっくりとビーカー部分に亀裂が入り、支えを失った事で4人が倒れそうになる。

 

「なぎの!よつは!スターレット!すみかぁ!!!!」

 

なぎのとよつは、スターレットは不死鳥の衣で受け止め、すみかだけはオレの身体で受け止める。良かった。ちゃんと生きている。不死鳥の力で回復させようかとも思ったが、確かボロボロのリズに効かなかった事を思い出した。瀕死の人にはほとんど意味が無いのだろう。とにかく目的も果たしたし、今は脱出だ。

 

「早くしないと…!ラスボスにバレたらヤバい…!」

 

4人を抱えて研究所を逆戻りし、脱出しようとする…が。運の悪いことに、新たな乱入者に止められてしまう。

 

「貴殿ガプリズムハート…Ⅵハヤラレテシマイマシタカ…!」

 

女騎士のような服を纏った怪人、おそらくこいつは…

 

「私ハⅤ。アノ御方ノ命ヲ受ケ、貴殿ヲ排除シニ来タ!」

 

…だろうな。Ⅵの次はⅤ。実に分かりやすい。

 

「悪いがオレはお前の相手してる暇は無い!逃げさせてもらうぜ…っ⁉︎ごほっ!」

 

なんだ今の。動きが見えなかった。気がついたら攻撃を喰らって、胴体に風穴が空いていた。狙われたのは…肺か。呼吸が一瞬苦しくなるが、すぐに再生する。

 

「ソノ様子ダト…私ノ剣ガ早過ギテ見エナカッタノデショウ?当然デス、比較対象ノⅥハ直接ノ戦闘能力ガ低イ代ワリニ特殊ナガスヲ、ソレモ魔法少女デスラ一呼吸デ昏倒サセル程ノ代物ヲ生ミ出セル…トテモ有用ナ…パートナーデシタ。

 

…話ガソレマシタネ!

彼ハ特殊能力ニ特化シタ結果、戦闘能力ガ低下シテ居マシタ。シカシ私ハソノ真逆!特殊能力ヲ一切持タヌ代ワリニ…コレダケノ戦闘能力ヲ手ニシタノデス!」

 

「へぇ…長々解説ありがとな!お陰で逃げる隙が…ごぼっ⁉︎」

 

話を聞き流しつつ逃げようとするが、今度は手足を含めた身体中を穴だらけにされる。ギリギリで剣が見えたことですみか達は庇えたが、オレ自身の防御は間に合わなかった。

 

「仲間ヲ守ルノハ良イデスガ…コノママデハ逃ゲ切レマセンヨ?」

 

「ぐっ…!うる…さい…!」

 

回復は間に合ってはいるものの、このままではこいつを突破するのは不可能だ。4人を守る分のリソースを戦闘に回せれば戦えなくもないが…かと言って誰かを置いていくなんてことはしたくない。だが、このままではオレが庇いきれなくなってしまう時がくるかもしれない。そうなれば結局4人が犠牲になってしまう。

 

「諦メテ1人ヲ犠牲ニシテハ?ソレナラ…」

 

「いや…だ…!オレは!誰も失いたくない!そのためなら命だって…!」

 

「フム…デハ全テノ同胞ヲ失ウ苦シミヲ教エテアゲマショウ!私ノ味ッタ苦シミヲ知リナサイ!」

 

まずい。先ほどよりも苛烈になった連撃がオレの体をまるで紙のようにズタズタに引き裂いていく。守るので精一杯…どころじゃない。再生が追いつかない。オレ自身は大丈夫だが…みんなが!

 

一際大きな風穴が胸に空き、そこから覗く無防備なすみかに攻撃が当たろうとしている。時間がゆっくりに感じる。身体は鉛のように重く、この攻撃を防げそうにない。やめろ。やめてくれ。やめてください。お願いです。すみかを殺さないでくれ。

 

だが、無情にも剣先から出た斬撃はオレの風穴目掛けて飛んできている。ダメかもしれない。けど…諦めたくない。動け、動け。けれど、無限にも思える時間の遅い流れでは、身体は言う事を聞かない。う…ああああ!!!!

 

…斬撃がオレに接近する数センチ前。どこからともなく放たれた純白の光が、すみかに迫り来る死神の鎌を跡形もなく消し飛ばした。これはレイスターレットのものじゃない。どこか暖かく、柔らかい。全てを包み込むかのような、この白い光は…

 

「今ノハ⁉︎一体何ガ…!」

 

「やぁこころ、僕の秘策は中々のものだったろう?」

 

「…あぁ!最高だ!」

 

目の前の初めて見た(・・・・・)白い少女と、いつも通り(・・・・・)の会話をする。見たことはないはずなのに、オレはこいつを知っている。気配、表情、態度、口調、雰囲気。ソレらがオレに確信を齎している。

 

「それにしても…ちょっと来るのが遅かったんじゃないか?リズ!」

 

「まぁそう言わないでよ…これでも中々制御が難しかったんだからね?何せヒトの体は久しぶりだし!」

 

「ナンダ…ナンダ貴殿ハ!データベースニ無イ魔法少女ダ!ソレニ私ノ斬撃ヲイトモ容易ク…!」

 

Ⅴが大きく動揺している。そりゃまぁそうか。何せ、オレだってリズがなれるなんて思ってなかったし。ただでさえ強いこいつが変身したら…そりゃあ最強だろう?オレも、スターレットを含めたとしてもだ。

 

「ふむ…ではその疑問にお答えしよう!

 

僕はリズ!我が盟友(とも)、プリズムハートのパートナー妖精にして、次代の妖精王なり!王としての自覚を持ち、臣民の力を束ね、人間の王たり得る者と共に歩み、王冠の()を戴く者!

 

絵札(トランプ)記号(スート)に隠されし、番外のそのまた番外!故に王冠(イクリール)

 

名を、プリズムイクリール!

純白(ピュア)』の魔法少女だ!」

 

格好良く見栄を切ったリズことプリズムイクリールの姿は、一言で言えば「妖精王」に相応しいものだった。長く伸びた神秘的な純白の髪は、ストレートでサラサラと風に靡いている。服はオレの通常フォーム…を強化したような見た目で、これまた透き通るような白さ。確かに妖精の王を思わせるような綺麗さだ。所々あしらわれいるのは、王冠のマーク。オレでいうハートのようなものか。そして1番目を引くのが、頭上にある煌びやかな冠。決してゴテゴテとしたものではなく、息を呑むような美しさを持っている。

 

「リズの新たな姿…それがプリズムイクリール…!」

 

「イクリール…!貴殿ハ危険ダ!即刻排除…ス…ル…?」

 

一瞬だった。急加速したリズがⅤの真後ろに立ったと思えば。瞬きの間に数十発の攻撃を受けたであろうⅤが後方に吹き飛び、崩れ落ちていた。倒れたⅤの甲冑が凹んだ跡を数えるのが精一杯だったせいで、正直合ってるかは分からない。

 

「硬いなぁ…300発打ち込んでもこれか…」

 

「強過ぎだろリズ…!あの一瞬でそんなに⁉︎」

 

想像以上だった。せめて100発くらいかと思ってたわ。それでやられないⅤも凄いが…レベルが違い過ぎる。

 

「マダダ…私ハ…!」

 

「悪いけど、早くみんなを治療したいからさ?

…邪魔、するなよ」

 

リズが掌をⅤに向け、純白の光を放つ。放射状に広がったソレは、容赦なく一瞬のうちにⅤを消し飛ばした。自爆させる猶予も与えず、一瞬のうちに。

 

「…すげぇ」

 

思わず声に出てしまった。いや…本当にすげぇ。確かに変身前から初期フォームのオレより圧倒的に強かったけど…それにしてもだ。

 

「さぁこころ、4人を連れて帰るよ!

今回は僕達の大金星だ!だろう?」

 

「あぁ!そうだな…オレ達の勝ちだ!」

 

良いところを持って行かれたような気がしないでもないが、ひとまず大勝利だ。この後の顛末としては、何事もなく連れて帰ることができ、博士の治療とリズの回復で全員健康体へと戻ることに成功した。文字通り完全勝利だ。

 

まだラスボスを倒せた訳じゃない。でも、リズことプリズムイクリールが仲間に加わったことで、前より希望が見えてきた。新たな魔法少女の誕生と仲間の…特にすみかの無事に喜びつつ、決意を新たにするオレなのだった。





…という訳で変身したのはリズでした!
トランプのスート、実は番外の星以外にも王冠があったんですねぇ〜!

ちなみにコレをサプライズするために、この話が更新されるまでは前話は①にしてました。

モチベup&番外編用?人気度アンケート  どの魔法少女が好き⁉︎

  • 桃井こころ/プリズムハート
  • 青木すみか/ブライトダイヤ
  • 藤原なぎの/グリッドスペード
  • 緑谷よつは/シャイニークローバー
  • 白銀あかり/レイスターレット
  • リズ/プリズムイクリール
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