一般警察官の日常   作:名無しの権左衛門

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少年探偵団と高校生と警察官の秘密会合

 青子さんの顔が真っ青になってしまっているのを、黒羽くんが介抱している。

結構ちゃらんぽらんな性格だけど、ちゃんと幼馴染として心配はしてあげているんだね。

 さて、警察がくるまでこの男は、そこにある電柱に合成樹脂で作られた縄で繋いでおいた。そしてあまりの事態に一部の子どもたちが家に帰りつつ、

少年探偵団がさっきで55件になった地図を見てアイデアを出してもらう。

 

「うーん、なんだかアレみたい」

「あれ?」

「うん! 色んなところにポツポツとあるの! 

それで、この3つがね、オリオン座みたい!」

「確かに! 歩美ちゃんの言う通りに繋げていきますと、

これが夏の大三角形になりますね!」

「お、じゃあこれはうなぎだ!」

「うさぎでしょー?」

「そうかー? わりぃわりぃ」

「ほんっとに元太くんは、いつでも食い意地はってますねー」

 

 そういえば円谷光彦くんは、けっこう毒舌だったんだ。

元太くんはきにもとめていないみたい。いつものことなのかね。

 さて、少年探偵団がそれを見つけて、コナン君たちも地図を覗き込む。

茨城や千葉の県境で発生しているのがオリオン座、そこから南西へ目線が行く。

 

「お兄さん、星座わかる?」

「今思い出してるところだ……北斗七星、北極星?」

「まだ北極星と北斗七星はないな」

「縮尺が違うのか?」

「えっとね、たしかここ(千葉美浜文化ホール)がカノープスだと思う!」

「カノープスが主星の星座は、りゅうこつ座・とも座、あとニセ十字くらいか?」

 

 あ、パトカーが来た。子どもたちの推理を見たかったけど、ここは現場対応しなきゃな。今回来た警官はしらない人だったので、懇切丁寧に対応する。

渡されたカードを含めて、証拠物証として押収されることになった。

仕方がないけど、もう少し待ってほしかったなあ。

 彼らは例の男を連行していった。

僕はというと非番続行らしい。まああっちはあっちで、組対でもなんでも機動しているだろうし、適材適所でやってほしいね。

 

「どう? なんか見つかった?」

「おう! このあんちゃんが、カタツムリみたいなこと言ってんだぜ!」

「元太くん、それはカルゴ。黒羽さんが言ってるのは、アルゴです」

「アルゴ?」

「1928年、IAUより全天88星座の境界線の策定で、

りゅうこつ・とも・ほの3つの星座の

総称をアルゴにしたことがわかっているんだ」

「へーよくそんなの知ってるね」

 

 模倣犯とかダミーとか色々削除して、この形になったらしい。

で、解決策が出たと思うから、次は対応策だ。

結局アルゴであるという話がでても、これがどう結びつくのか不明である。

よって船にまつわる何かがないと、どうしようもない!

 

「あ、そうだ。お父さんが言ってたんだけど、世界一周の豪華客船が明日くらいに到着するんだって」

「積載量が限られているのに、それをどうやったら事件に繋がるってんだ?」

「港湾に突撃したり?」

「そもそも東京湾に入ってから、大型船は小型船でエスコートを受けるんだ。

おかしな真似をすると、海上保安庁が臨検乗船するぞ?」

「少なくとも国家問題になるな」

「あ、でしたらタンカーです! 大質量なので、止まらないですよー!」

「逆かもしんねえぞ? 飯は中身が大事だしな! うな重はうなぎだからな!」

 

 僕も草案を出さないとなー。みんな、結構核心を得ていると思う。

というか、頭脳最高が出せないんじゃどうしようもない。

そもそもネットがないから、情報なんて本当に得にくいんだよ。

情報伝達の早さがネックだよなあ。

 あ、青子さんの携帯が鳴った。すぐに彼女は電話口に話し、

怪我をしながらも元気な父親を確認する。

 

「無事!? 怪我はないよね?」

<おお、青子。お前も無事みたいだな>

「うん、私は大丈夫!」

<そこに快斗くんはいるか?>

「そうだけど……どうしたの?」

<こっちの襲撃者も、マジック・ザ・ギャザリングのカードを持ってやがった>

「ほんと!? ねえ、なんて書いてあるの?」

<ああ。『スフィンクスの後見』:船乗りたちはスフィンクスの星々にかけて誓う。

それは常に故郷への道を指し示してくれる>

 

 青子が警部に言われたことを復唱する。

ほぼ答えそのものじゃないか!?

だけど船乗りか……。

 

「スフィンクス? エジプトあたりでしょうか?」

「光彦くん、スフィンクスは守護神や怪物の象徴だったりするんだよ。

ね、快斗?」

「ん? ああ、エジプト神話とギリシア神話の話な。

今回は、メソポタミア神話の”死を見守る”という意味も込められてそうだ」

「そうだね。だけど、アルゴ=オシリスという話もあるから、

一概にメソポタミアだけ注視しなくていいと思うよ?」

「なるほど……きっと犯人は、直接手を下していない可能性がありますね」

「それはどうして?」

「僕の推理なんですが、死を見守る・怪物・守護は犯人視点であると思います。

つまり、実行犯は主犯に遣われる立場だと思いますよ!」

「ああ! そういう見方もあるのか」

 

 コナン君と黒羽くんは、光彦くんの考えに賛同する。

そもそも名探偵コナンは、主犯と実行が同じ人物でやってるから

わりと推理で終わる。

 けれど、今回は違う。

闇バイトみたいに、パシらされる人がいるから主犯が隠されていて、

証拠を提示して終わりじゃない。黒の組織みたいなことになっているけど、

テロ行為に関して言えばその道のプロか人脈が異様に広い人物じゃないと

やっていけないだろう。

 

「よし、僕は一旦警部に会うよ」

「え、今日は非番じゃないの?」

「今回の犯人は、結構根が深そうなんだ。

そこで何か恨みがないか、船と東京に関する事件を洗いざらいにしてみるよ」

「よし、じゃあここでお開きだな。オレも青子と一緒に、

中森警部に色々聞かなきゃいけないんでな」

「うん、お父さんのお見舞いにもいかなきゃ」

「じゃあ、歩美たちも図書館で探そうよ!」

「えー本屋かよー」

「元太くん、図書館ですよ」

「河野さん、携帯の電話番号教えてください」

「わかった。というか、みんなに警察直通の僕の電話番号を教えるね」

 

 はい。これで、全員にコネクションができた。

事件解決に向けて、まずは目暮警部と面会して捜査資料を見せてもらうところからだ。

まずは怒られて、色々と下手にでて懲戒免職覚悟で突撃するぞ!

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