一般警察官の日常   作:名無しの権左衛門

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in 緑台警察病院 独白

「美堂巡査長? いらっしゃいますか?」

「お~いるぞ~」

「……何してらっしゃるんです?」

「何って、コルセットの着脱だが?」

「……捜査協力兼見舞いに行っていいですか?」

「よぅしわかった。後は任せて、いってこい」

「りょうかーいです」

「河野、気を付けてな~」

「気をつけます~」

 

 美堂巡査長と杉方さんに後は任せて、病院へお見舞いにいく。

大江戸さんは緑台の警察病院にいるらしいので、このまま隣町へ移動するだけだ。

また佐伯さんから交番に電話がかかってきて、そこからコナン君へ経由した。

黒羽くんは通院から療養中、と巡回中に中森青子さんから聞いた。

 結局怪我じゃなくて、崩壊したときの粉塵が肺に入ったことが原因らしい。

ちゃんと養生してくれよお?

 

 ちょうどコナン君がソーラー動力付スケートボードに乗って登場したので、

坂を降りて安全運転を心がけて病院へ到着する。

 

「ところで河野巡査」

「なんだい、コナン君」

「いつ都市計画責任者の人と知り合ったの?」

「えーとね。知り合いの知り合いだよ。まだ会ったことないんだ」

「すっごい偶然だね!」

「ほんとにねー」

 

 佐伯さんが凄いだけなんだよなぁ。お家はそれほど大きくないけれど、

友人?後援者?としてちゃんとした人だったんだろう。

本来の付き合いは、『花の都』から始まったんだと思われる。

 駐輪場へ自転車を安置して、警帽を外してジャケットの内側へしまい込む。

内ポケットが大きいジャケットなんて、普通はないんだよなあ。

デザインの迷走が著しい百貨店があってよかったーって思うわけ。

 

 こうやってサイズが大きいジャケットで、装備もろとも包み隠すことで威圧感を減らすことに一役買っているわけだ。

コナン君も交番勤務の巡査として、この威圧感を消す方法をみて感心してた。

流石にね?

 

「おーい」

 

 ロビーへ入ると、佐伯さんが手を振ってよってきた。

待ち合わせをしていたけど、ジャストタイミングでよかったよ。

目が覚めたときが16時で、僕は報告書・コナン君は晩ごはん+宿題で外に出られなくなりそうだったんだから。

 

「佐伯おじさん。どこでしりあったの?」

「大昔に、酒場で飲んだくれてるところを介抱して、翌日に二日酔いで顔をしかめてる責任者がいたんだ。

で、確認したところ大江戸くんだったんだなぁ、これが」

「すっごい出会いだね」

 

 コナン君は早速佐伯さんと仲良くなった。さすがだよ。

警戒心を抱かないように行動しているのは、あの女優(母親)に色々仕込まれただけあるね。

 

「はいるよ」

[おー、入ってくれー]

 

 扉越しでくぐもっているけれど、比較的元気そうだ。

 

「おじゃまします」

「失礼します」

 

 佐伯さんの後ろをついて行って、軽症(報道基準)である大江戸さんと面会を開始する。いい感じに苦労してる表情をしてる。

目の隈半端ないんだけど、大丈夫なのかい?

 

「大江戸くん、言った通りだけど。名探偵毛利小五郎の助手であるコナン君と、捜査中の警官さんだ」

「江戸川コナンです」

「河野正です」

「私は……あー、仕事じゃないから……俺は、大江戸 高政。都庁の都市計画責任者だよ」

「うわぁ、すごい重役ですね」

「はっはっは。そう言ってもらえると嬉しいよ」

 

 和やかな雰囲気で雑談を交わす。首都高がどうだとか、死傷者が出ていないか。

最近は暗い話ばっかりだとか、でかい事件が発生してやばいとか。

 

「いや~、今回はひやひやしたね」

「刺された場所がだいぶまずかったってことかな?」

「それもあるんだけど、首都高の検査をするために幅員減少から徐々に封鎖していって調整。爆破するまで絶対に、死者を出してはいけないことが目標だったから」

「「「……?」」」

 

 何……言ってるんだ……?

大江戸さんの微笑みは、徐々に深い笑みになっていく。

 

「ちゃんと事件になったよね?」

「え……っとぉ、過労でしたらもう少し寝てもらっても?」

「事件じゃなくて、事故になったよ?」

 

 僕とコナン君が動揺するなか、彼は非常に残念そうな表情をする。

そして佐伯さんに荷物を探らせて、中から書類を出してほしいと伝えるんだ。

カミングアウトといえば良いのかわからない。

ちゃんと安全にしたのに、爆破崩壊したのが自分のせいだと

感じて、責任問題から自暴自棄になっているのか?

 西日が窓から入ってくる。

あまりに眩しくて、大江戸さんの表情がわからない。

 

「佐伯。その書類を警官さんに」

 

 たくさんの書類が入った封筒を手渡される。

佐伯さんも怪訝な表情で、目的が不明な分意味不明さがまさっているようだ。

 残念ながら大江戸さんは、脇腹に痛みを覚えながらも支離滅裂な言動ではない

ことがわかる。呂律もはっきりしているし、何となく見える輪郭も

一定の方向を見続けている。

 

 僕は書類を受け取った後、コナン君にわたす。

対応は僕らで行うから、コナン君には書類の精査を頼んだ。

速読なら彼のほうが良いだろう。さあ、大人の話し合いといこうか。

 

 




4000時を越えたので分けますね。
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