一般警察官の日常   作:名無しの権左衛門

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in 緑台警察病院 産地直送

「脇腹が痛むと思いますが、経緯をお願いします」

「はい。来年、建築基準法が改正されます。その時、保全や安全基準を満たしているかを、全ての建築物に実施します。バレると思ったんでしょうね。

施工や事故の責任を下請けになすりつけるため、書類資料の改ざんや破棄修正を行ってました」

 

 修正前の用紙はゴミ箱に捨てられていた。

そこで翌日早朝ゴミ捨てのおばさんに話を通して、その修正案件を回収。

実家の納屋にしまって保管。

 その間結局破壊して責任を取るなら、徹底的にやろうと画策。

ダイナマイトの入手は不可だったので、管理が甘かった花火製作所から作成途中のマグネシウム等の練火薬を奪取。

 

 これを今まで中抜して作ったであろうインフラを破壊。

火薬も少ないので、下水道やマンホールの蓋周辺を破損させて取り替え工事をさせる。

実際にマンホールやそれをはめている管が破損すると、その周辺全てを再工事しないと

ガス圧や水圧等でふっとぶらしい。

 マンホール等を人が通らない時間帯である、平日の真っ昼間や深夜に爆破。

水に反応する無機物が発生させる高温で、機材を破損させる。

 

 下水の方はメタンガスと水素の合せ技で、路面がめくれ上がった。

それでも、本来は事故で終わるつもりだった。

しかし、警察にけが人が出てしまった。

 このままだとマンホールを破壊するだけで、彼らの役割が終わってしまう。

そこで、急ピッチで首都高の補修・保全、幅員減少から通行止めにしてさっさと爆破した。

 

 結果的に死傷者はでなかった。しかし破壊が中途半端で、決定的な証拠である

異様に錆びた鉄筋を地上に落とせなかったんだ。

 黒羽くんはひび割れ等から火薬とわかっていた。

しかし、それは地上に落ちたり落ちていなかった場所と比較したときに出てきた情報だ。

鉄筋・鉄骨が錆びていたとか……明らかに、阪神・淡路大震災の再来になるぞ。

 

 また火薬は規格変更前のマンホールでも、ひしゃげるほどの火力・熱量にするのに

結構使ったようで首都高も破壊するには全て使うしかなかった。

これで事件は終わり。

あとは公正取引委員会や警察に、佐伯を通して書類を渡せば終わり。

 後は独禁法などで強制立ち入りを行い、資料押収から中抜きがわかるという寸法だ。

だが、ここで一つ誤算が発生。

 

「結局誰だったんだ?」

「わからない。英語? でしゃべっていたから、傭兵や始末屋をやとったか、

半グレかヤクザか。わからないけれど、きっとろくでもない奴らだろうな」

 

 そうやって話していると、コナン君が疑問を投げかける。

 

「他に狙ってたところはあるの?」

「そうだね。徐々に規模を拡大して、ニュースの目に留まるようにしたんだ。

そこで、今日はもう定時で上がった一部の建設現場を、破壊しようとしてたんだ。

リース先に申し訳ないけれど、大規模に崩すため最初に組み上げたものさ」

「大規模に組み上げた?」

 

 僕は西日が傾きつつある窓から、外を見る。

そこには、建設物はないのに、妙に足場が組み上がっている工事現場が見える。

 

「そうだ。緑台病院に一番近くて、人が近寄りにくい角地にマンションを立てるんだ」

 

 そう説明しているとき、視線が────殺気!!!

 

 すぐに大江戸さんを抱えて、ベッドの奥へ飛び込む。

点滴は今朝外したばかりであるため、簡単に退避できた!

それとほぼ同時に銃弾を5発もらう。

佐伯さんやコナン君は、窓から隠れる位置にいたため何もなかった。

 窓ガラスが割れて、大江戸さんがスナイパーと叫ぶ。

それと同時に、外にある組み立て現場が軽い音が数発聞こえたら破断音が複数回聞こえ、

組み立て足場が崩れていく音が聞こえるんだ。

 

「コナン君! 僕と大江戸さんが囮になる。

君は裏口から警視庁に向かって! 警部には僕から電話するから!」

「っうん!」

 

 資料を見ていたコナン君は、書類をスーツの上着の裏に隠した。

伸縮サスペンダーを持っているのか、そこに挟んでドアを出ていく。

 

「佐伯さん、大江戸さんを頼みます」

「河野さんは!?」

「ドアからグラップリングがないかをクリアリングしつつ、ドアで待ち伏せます」

 

 佐伯さんにはナースコールで、応援と厳戒態勢をお願いしてもらった。

僕はというと、勘で察知できる殺気をもとに、窓際から離れベッド等でバリケードを作る。窓側はある程度大丈夫だ。

 

<こちら南交番>

「杉方さん、河野です! 緑台警察病院から、私の協力者が警視庁へ向かいました。

毛利探偵の助手であるコナン君を、パトカーで護衛してください」

<何を言って>

「傭兵が被疑者を狙撃してきました。目的はコナン君が持つ資料です!」

<了解した! 護衛に関しては任せてくれ! 警視庁は別途で頼むな!>

「ありがとうございます!」

 

<こちら、目暮だ>

「米花南交番の河野です!」

<おお、河野くん。どうしたのかね?>

「緑台警察病院で、狙撃事件です! 被疑者──」

 

 言おうとしたとき、大量の銃弾が窓ガラスや壁を貫通してきた。

すぐに無線を持って、佐伯さんや大江戸さんに退避してもらう。

が。

 

「脚いってえ!?」

<どうしたのかね!?>

「撃たれただけです! とにかく、警部申し訳ありません、公正取引委員会の調査員を

警視庁に呼んで頂けませんか!? 毛利探偵の助手であるコナン君が、

そっちに機密文書をもって退避中です!

南交番から護衛の電話が来てると思うのですが!?」

<わかった応対しよう!>

 

 警部の電話から、南交番から応援願いが発令されてた。

おっと、こっちも警察・消防の音が聞こえる。

救急? ここ、病院だけど。

 

 急患製造機というか産地直送というか。

まったく……勘弁してほしいね。

 

 




警官なら冷静になれって?
河野巡査よりもコナンくんのほうが危ないんですよね。

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