(実際の額と予算の差額は……3兆!?)
コナンは毛利小五郎とともに、別の事件を解決していた。
日常を謳歌しているとき、マンホールの爆破があった。
最初はそうだったのかという情報の一つとして、スルーした。
しかし警官が被害を受けたと聞いて、なんとなく胸騒ぎがしたのだ。
実際に交番を確認すると、河野巡査は入院していると聞く。
明日、お見舞いのために行こうとした。しかし、その日阿笠博士の家
に工藤新一宛の招待状が来ていた。
そこから連続爆破事件が発生。対応に追われていた。
結局再度入院することになったので、河野巡査を見舞う暇すらなかった。
そんなときだ。首都高が落ちたと聞いた。とても驚いた。
すぐに犯人を探ろうとしたのだけれど、犯人らしい犯人は見つからない。
いつも殺人事件が発生して、情報の津波でいろんな情報が流れている米花町。
おかげで、都市計画責任者が入院しているという情報を得られなかった。
そうして探偵事務所の眼の前にあるマンホールが吹き飛び、
毛利小五郎が新聞で警官の被害も出ているということで協力しようと願い出た。
ちょうど河野巡査が捜査一課を訪れていたようで、そこに鉢合わせ事件に関わることになった。
いや、この時点で事故だという。本来なら別の部署らしいが、警官が巻き込まれたことで一課が担当する事になったのだそう。
この後、河野巡査や高木刑事に連れられて、日本道路公団や習志野コンクリートへ行き情報を集めた。
結局情報は変わらずだ。
そんなときだ。河野巡査が、都市計画責任者のお見舞いに行くと言って誘ってくれたのだ。明日か明後日と言われて、本当に二日以内に電話が来るなんて。
約束通り緑台警察病院へ訪れる。途中ロードバイクに乗った巡査に会って、そのまま一緒に病院へ赴いた。
そうして佐伯さんを紹介してくれて、都市計画責任者の大江戸さんに面会を依頼。
すぐに通してくれて、彼の病室へ。容態は悪くなく、点滴も抜いて食事を取れるようだ。
新聞では脇腹を刺されたと言っていた。本来なら重症なんだけど、何があったんだ?
疑問に思いつつ、話を聞いていくと大江戸さんが自白した。
なるべく物損から事件に移行し、独禁法で強制立ち入りから営業停止へ持ち込む手法を
披露される。
実際に死傷者は出ていなかったし、入院も河野巡査や粉塵を吸ったり瓦礫で切り傷を負った工事業者の人たちだけだった。しかも、その工事現場の人たちは、大江戸さんが指示した仲間で、絶対に死者は出さない覚悟を持って、爆破調整を行っていたらしい。
だとしても、めちゃくちゃだ。何故なら第三者からの資料提出であれば、公正取引委員会も取り合ってくれる。
それがどうしてこんなことに?
コナンくんは、自分の足で情報を集めで組み上げていくが確証がなく、
国や大企業が意図的に隠した決定的な証拠は探ることが難しい。
よって、彼ができることは────
「行ってくれ、コナンくん!」
「うん!!」
幾千の言葉よりも、確証の機密告発文書を手渡された。
5発の銃弾が部屋を荒らした中、すぐに病室を出て階段を降り
勝手口から出ていく。
すぐに内蔵バッテリー型ターボエンジン付きスケートボードを起動し、
キック力増強シューズの微弱な電流で電磁石を起動。
これのおかげで足がボードにくっつき、ちょっとやそっとの傾斜でハズレないようになってる。
警視庁までショートカットを駆使して、15分で着く予定になっている。
だがしかし、スナイパーまで用意できる組織が、この程度で終わらせるわけがない。
実際に黒塗りの車や日本の会社があまり使わないトラックの型式が、道の向かい側や後ろから追ってきている。多くの個人が携帯できる電話が開発されていない現状、
巡査の様子や警察の出迎え状況を知ることは不可能である。
そして、今上空に見えるヘリコプターやセスナ、あらゆる乗り物に警戒しなければならない。
機密文書が紙である都合上、水や油に濡れるとよくないし燃えてもダメだ。
<こちら南交番PC01。先導を開始します>
サイレンを小さくして、音声を届ける。
そのあと再度サイレンを大きくし、警察車両が先頭を進む。
警察車両が先導するため、車が回避してくれる。
だがしかし、それだけでとどまらなかった。
<護送中だぞ、近づ>
突然ノンストップで交差点に侵入してきた異様に油でドロドロな車。
パトカーの行き先を妨害するかのように登場したかと思うと、大爆発を行い
進路妨害を開始した。
「あっつ!?」
彼は爆炎から回避し、道を迂回する。
ただ道を変えるのではなく、小道に入ってショートカットだ。
夕方ということもあって、比較的渋滞している。
それでも警察のサイレンのおかげで、何か非常事態が発生していると判断できるのだ。
<こちら特車10号、護衛を開始します>
<東交番PC02現着。護衛を開始します>
続々と集結しているが、どの車両もコナン君を載せようとしない。
いやできない。速度を少しでも落とすと、遠投されたグレネードやお手製火炎瓶を投げ込まれる。すでに応援に来たパトカーは、まっ黒焦げだ。
特車も迫撃砲を受け、側面はベコボコになってしまっている。
警察ヘリも途中合流したが、RPGの攻撃を受け回避行動。
同時に今の時刻は海陸風の影響で、ビル風もかなり吹いている。
乱気流で墜落の危険性があるため、一旦離れることになった。
そして多くの警察が協力して交通整理を行い、警視庁へ安全に到着させることに成功。
第三者としての立場を保持するよう、護衛だけを徹底的に行ったのだ。
「コナン君!」
「警部さん!」
目暮警部が玄関でコナン君を待っていた。
火炎や爆発し飛散した物体により、服はボロボロ。体中すすで汚れてしまっていた。
目暮警部はすぐにコナン君を病院に運びたい思いをこらえて、
書類はあるかと確認する。
「これだよ」
「わかった。では、紹介しよう」
曲がり角。通路側から、スーツ姿の人が複数現れる。
彼らを率いている人物は、すでに何か出来上がっているようで破裂する寸前の風船みたいだ。
「こちら、公正取引委員会の審査局長、千代田正義さんだ。調査を指揮している」
「し、審査局長……!?」
「話は聞かせてもらったよ、江戸川コナンくん」
いわゆるクッソ偉い人である。
子どもに向ける笑顔をしているが、その心の中は溶岩のように煮えきっている。
いま耐えられているのがおかしいくらいだ。
「こ、これ……内部告発文書です」
「ありがとう。中身を確認させてもらうよ」
かがんで同じ目線になってから、第三者の民間人から受け取る。
そして分厚いあらゆる資料を見ているが、冷静さを失いつつあった。
「け、警部さん。病院の方はどうなってるの?」
「今対応してるよ。大丈夫だ」
「大江戸さんは?」
「まだ現場から情報は入ってきてないんだ。まずは大江戸さんの安全を確保するように伝えてある」
「よかった……告発の無効化は阻止できそうだね」
コナン君がそう言うと、目暮警部は少し動きを止めた。
すぐに携帯無線のアンテナを伸ばし、河野巡査への電話を開始する。
<はい、通信指令室です>
「もしもし、警部の目暮だ。南交番の巡査、河野正の無線にまわしてくれ」
<了解です>
<は……い>
「河野くん、そっちはどうかね?」
<どうって、RPG打ち込まれて……瓦礫に埋もれてますけど>
「瓦礫に埋もれてるだって!?」
「「何!?」」
「救護班だ! 防弾装甲車も用意し、緑台警察病院へ向かえ!」
警察が慌ただしくなる中、捜査局長は吼える。
「犯則審査部長!! 今すぐ令状を取れ!!」
「は!!」
「諸君、我々は奴ら12の財閥と18の企業にコケにされた。
確実に証拠を取るため、40秒で支度しろ!! 時間との勝負だ!!」
「あァん!? 情報がないと令状がでないだ!? 今から捜査に入るんだ、遅れは許されない!
FAXで送っから、目ン玉かっぽじってよォく見ろやア!!!」
本来なら指揮階級である審査局長が直接乗り込むことはほとんどない……はず。
だが、今回は多くの企業が徒党を組んで、公正取引委員会を出し抜いたことになる。
つまりナメた。これはメンツを大事にする国家公務員にとって、名誉にも関わるもの。
権威と名誉の失墜は、国民からの信用を落とし国そのものの評判を落とすことになる。
「奴ら……俺らのシマを穢して、生きていけると思うなよ?」
彼らは動いた。獲物に飢えた牙獣のように、一気に外へ出ていった。
「コナン君。危ないから、しばらく警視庁にいなさい。高木くんがいるから……おぅい高木ー」
「え、あ、はい。どうなさいました、警部?」
「コナン君を預かってくれたまえ。我々は警察病院へ行ってくる」
「わかりました!」
今回は大人の案件だ。推理とかそんなこじんまりなものじゃなく、直接的なもの。
子どもの出る幕はもうない。
コナン君は、未だに銃声・爆発音が聞こえる中、警視庁内で安全を確保し続けた。
原作で公正取引委員会は出てきましたっけ? ちょっと曖昧です。