一般警察官の日常   作:名無しの権左衛門

7 / 25
はじめてのおつかい

 今日はなかなかいい天気になっている。

こんな晴れ渡る空で行われるイベントがあり、そこへ巡回する予定だ。

 

「ん? 今からどこに行くんだ?」

「おっと、おはようございます中村部長。これから、米花町商店街に行ってまいります」

「そうか。気を付けてな」

 

 そう。今日は、はじめてのおつかい大会の日。

たしか誘拐の事件だったはず。結末に関して言えば、死人が出ない珍しい事件。

しかし解体現場特有の鉄球を使う破砕に、少年探偵団が巻き込まれてしまう。

そんな中地下水道(暗渠?)を発見し、地上へ出てくるんだ。

 この後事件解決になるんだが、無知は罪ということをまざまざと見せつけられるよ。

だからといって、犯人の罪が洗われるわけではないんだけどね。

 

 それにわかっていて声をかけたとしても、すでにときは遅くそういう借金にかんするサポートが十分じゃない時代。世知辛いね。

 

「おやおや、警官さんじゃないか」

「おはようございます。見回りに来ました」

「そうかいそうかい。まあ、影から見守ってやっておくれ」

「わかりました」

 

 さて、今日は篠谷がデスクワークしているから、独りで仕事をする。

本当はツーマンセルがいいんだけど、生憎と東都の中心部というのに人材がいない。

他の方に取られてしまって、こっちの交番に回されないんだ。

 それでも他の交番と区域が被っているから、少人数でもカバーできるんだけどね。

周辺を見回しながら、イベントが開始されるまで周囲を歩き回る。

 

 おっと、毛利小五郎や毛利蘭を発見したぞ。ということは、少年探偵団もいるんだろうね。

 

「あ、河野巡査!」

「ん? ああ、コナン君たちか。おはよう」

「「「おはようございます!」」」

「今日はどうしたんだい?」

「俺たち少年探偵団を頼ってもらうために、商店街にお願いしたんだぜ!」

「つまり、僕たちは子どもたちの後をつけても、不審に思われないって寸法です!」

「これで私たちも、お得意様ってことね!」

「そうかそうか。車とか踏切とか、色々気をつけるんだよ?」

「「「はーい!」」」

 

 元気だねえ。行事がスタートして5人の子どもたちが、お使いを開始した。

色々不安だけれど、ところどころに子どもたちへの視線を感じる。

やはり地域の人達が見守っているんだね。よかったよかった。

最低限見回りを行いつつ、少年探偵団の追跡も一緒に行う。

 彼らは全力でわたる君を追いかけて、誘拐までされるところを目撃する。

そもそもなんで誘拐されてるんだと思うかもしれない。

 

 原作の事件を知っているからと行って、地理とアニメ描写が合致することなんてあんまりないぞ。今回も同じような区割りだから、どこでさらわれたのかなんてわからなかったし。

 

 さてさて、コナン君たちが解体現場で突撃していき、店長さんが裏口から出てきた。

しっかし空きテナントできなかったのかねえ。

それか将来的にビルが立ちまくるから、資本家よりかは地上げ屋とかヤクザの標的にされたのかな?

または国家ぐるみは、犯罪にならんZOYか?

 今となってはどうしようもない。店長さんが解体現場を見ているところを静かに立ち寄って、肩をぽんと叩く。

 

「ひっ」

「店長さん。大事な物を取りに帰りましょうか?」

「い、いや」

「すみません、解体業者の方々。子どもたちが、ここに入っていったと通報を受けました。作業を止めて頂けませんか?」

「は!? 止められる訳ねェだろうが!」

「刑法第37条に基づき、作業を中断して下さい」

「刑法!? 作業中止だ!」

「停止じゃないので、安心して中止してくださいね」

 

 店長の肩に手を置きながら、にこやかに警察手帳を提示し警察官職務執行法に基づき、作業の中断をお願いした。

半ば脅しているかもしれないが、数分だけなのでお願いします!

 え、数分だけでも、施工管理へ大打撃だって? どうせ中抜きしてんだから、数分くらい作業止めてもいいだろう?

 

 ただ少し遅かったようだ。

子どもたちが出てこない。怪訝な表情の現場監督が、僕に突っかかってくるがそれを躱してマンホールの方へ歩く。少し動いたなと思ったら、すぐに蓋を持ち上げて隣へどかし

少年たちに手を貸した。

 まあ、中途半端に崩落した建物をくぐるとか、正気の沙汰じゃないしこれが最適解なのかね。それでも潰されるよりましだったからよかったな。

 

「遅かったようですね。ご協力感謝いたします」

「あ……ああ、解体再開だ!」

 

 少年たちの怪我は、少なくなっている様に感じた。

さて、独白の後に自白と現行犯逮捕を重ね、捜査一課を呼んだ。

現場保存? もう無理でしょ。緊急退避のための作業中断までが、一般警察官ができる権限だ。これ以上は無理があるね。

 

「よお河野」

「やあやあ、自ら隊の日吉じゃん。こちらの店長さんを送ってやって」

「ったく。パトカーはタクシーじゃないんだぞ?」

「わかってるよ」

 

 細々とやっていたコンビニが淘汰されたが、人の記憶に残るお店だったのは間違いない。次はちゃんと資産関係にあかるくなって、騙されないようにしてほしいね。

 

「さすがは少年探偵団だね。お手柄だ」

「もし依頼があったらお願いしますよ!」

「どんな難事件でも解決してやるぜ!」

「私達に不可能はないわ!」

「ハハハ……」

 

 今回はヒヤッとしたね。危ない橋を渡るのは、金輪際やめてほしいんだけどなー。

この後毛利さんに引き継ぎを行って、報告書を作りに交番へ戻った。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。