一般警察官の日常   作:名無しの権左衛門

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原作にない事件です


家屋強襲事件

 今日も快晴だなあ。こんな日が続けば良いんだけど。

交番で事務仕事をしていると、中村巡査長が警察署から帰ってきた。

そして何を取り出したのかと見ると、不審者情報と指名手配犯のポスターだ。

 

 指名手配犯の方は、隣の県のものでこっちにあんまり関係がないらしいが、念の為だそう。そして不審者情報の方は、先週空き巣に入られた事件が連続して4件発生。

一応発生する区画は、直径4キロ圏内であるらしい。

 この交番の担当区域にも食い込んでいるから、こっちにも注意喚起のおはこが回ってきたようだね。

更に学校の方や周辺の地域住民への注意喚起も行なうようだ。

 

「河野ー」

「なんですか?」

「それが終わったら、地区を巡回してくれ」

「わかりました」

 

 さて。昨日発生した銀行員と襲撃者が共犯している事件の報告書も済ませて、

チャリに乗り込み周辺をめぐろうか。

 

 米花市は東都と言われても、ベッドタウン・商業施設と十分に都市計画に基づいて区画を分けられている。とてもメリハリがあるから、巡回も行いやすい。

この踏切より向こう。つまり、先週発生したお使い事件の時、わたる君がさらわれた場所になる。実はここらへんでも、1件空き巣に入られているんだ。

 現場へ赴くが、すでに家主は転居しているようで今は改修中なのかな?

しばらく周辺を巡っていると、閑静な住宅街に老夫婦が昼間から散歩していた。

 

 別に不自然じゃないけど。なんか……。

まあいいか。自転車で通り抜けて、次の現場へ遠回りで赴いたんだ。

近くに交番があることを思い出したので、そっち方面へ行こうとすると

主幹道路を走るパトカーが目に付く。

 方向は商業施設ではない。

どう考えても、中流層が住まうベッドタウンの方角だ。

 

 米花市米花町は上流階級が住まうマンションが少しと地価に負けない中流層が、

この区画に多く住んでいる。以前自殺したアパートの住民は、巡回区画の端っこだったりする。

ぶっちゃけ管理区域じゃない。

 

<河野!>

「なんだい、篠谷」

 

 無線機で交番から通信が入る。

一体なんだろう? そう思って話を聞いていくと、事件が発生したらしい。

しかも担当区域内だとさ。はた迷惑なやっちゃ。

自転車を漕ぎ出そうとすると、散歩中のおじさんに声をかけられた。

 

「警官さん!」

「はい、いかがしました?」

「さっきパトカーが行ってましたけど、最近の空き巣に関係するやつなんですかね?」

「さあそれはなんとも」

「でもさっき空き巣って聞こえて」

「不安なのはわかりますが、守秘義務ですので」

「やっぱりそうなのか!? またかよぉ!」

「取り乱さないで下さい。とにかく、小官は巡回がありますので」

「現場に連れて行って下さい!」

「ええ!?」

 

 押しに押され載せることになった。

始末書コワイ始末書コワイ始末書コワイ始末書コワイ--------

と意外と誰にも見られることはなく、現場に向かった。

なんで教えたんだよって? 巡回中に立ち寄ったでごまかす!

 

「鬱だ」

「どうしたんですか、佐伯さん」

 

 名前は教えてもらったぞ。

 

「俺の友達とかしりあいの家なんです」

「なんてこった。何か共通することはありますか?」

「俺が関係すること以外に……?」

 

 わからないらしいが、ふと鼻腔を擽る匂いを感じた。

一体なんだろうと思い周囲を見渡すと、空き巣が入った家ではないところから漂ったようだ。

 

「あ、そうだ。あれが関係しているのかも」

「教えて頂けませんか?」

「考えている時間が惜しいので、まずはこの家にお願いします」

 

 事件現場が騒然としているので、すぐに自転車に乗って去る。

次に向かうところを言ってもらって、その場所へ急ぐ。

 さて行く途中に、彼から共通性を聞くことになった。

 

「今回はきっと、『花の都』案件だと思われます」

「『花の都』?」

「はい。都市計画の一つに、住みやすく彩りがある街として立ち上げられました」

 

 なんでもおじさんの友人の一人に、市議会議員がいるらしい。

その人が請け負っているのが、都市の景観にちからを入れているんだと。

西多摩地区のニュータウン計画が、左右対称シンメトリーにおける形の美学であれば、

こちらは花を使った彩りの美学でいこうとなったわけだ。

 あっちもこっちも、東都のベッドタウンなので予算的な意味でも移住の意味でも、

奪い合いになるため良し悪しをはっきりさせようという魂胆らしかった。

 

 そこで、左右対称シンメトリーは森谷帝二に、彩りは唯一の青と緑の薔薇を持っている黒羽家に頼んだという。

漢字じゃないとわからないが、ここで出てきやがった重要人物!

モリアーティ教授じゃないか! なーんでこんなところで接点を持つのかなー?

 

「きっと次に狙われるのはここだ!」

 

 そうして訪れたのは、なーんか見覚えがある一軒家だ。

塀に囲まれているが、こういう場所ほど空き巣案件になりやすいんだよなあ。

そんな感じにものふけっていると、佐伯さんがインターホンを押しに行った。

呼び鈴もあるみたいだけど、それじゃ聞こえないだろうよ。

 しばらくすると男の子が出てきた。

なんだかだるそうな表情だ。

 

「黒羽くん!」

「佐伯のおっさんどうしたんですか?」

「昨今の空き巣の事件についてなんだがね」

「そういやそんなの発生してたなあ」

「次はキミの家が狙われる可能性がある!」

「はあ!?」

 

 突拍子のない言葉に驚く。そもそも緑と青の薔薇について言えば、別の家の人に移った。そもそも彼は『花の都』に関係がない。

つまり、黒羽君の父親に関係があるという。なぜそんな根拠があるのかというと、

佐伯さんの知り合いであることがミソらしい。

 必然的に都市計画の関係者であるため、強襲をかけられる可能性があるというわけだ。

 

「そういうわけで、河野さんが見張ってくれるから!」

「はい!? まあ、要人警護で」

「いやいやいや! それは俺が困るんですけど!?」

「張り込みってことでいいですか?」

「だからですね」

 

 佐伯さんは、市議会議員に用事があるらしいので、今日は帰ることにしたようだ。

そこで今晩は僕だけが張り込みしていいということで、部長に無線で話して監視することになったぞ。さらに言えば黒羽くんは、今夜アルバイトでどこかへ行くらしい。

 そういえば犯行予告みたいなのを出していたような気がしないでもない。

管轄が違うので、噂話程度で話すために履修している。

だから詳細な話はできないんだよなあ。

 

 ガチャン

 

 ガチャンだあ!?

すぐに行動する。

黒羽くんから貸してもらっている合鍵を使って、豪快にくり抜いたであろうドアから入ってきた犯人を追いかける。

 ニオイでわかった。ガソリン臭と制汗剤。これは覚えておくべきニオイだ。

身長は187センチ。体重は72キロ。筋肉質ではないが、身軽に逃げられる程度にすばやい。

 

「待て!」

 

 そういって犯人が入り込んだのは、黒羽君の自室っぽいところ。

袋小路で逃げられないと思ったのか、カッコつけのために絵にもたれかかりやがった。

ふざけんなよお前!? 絵っていうのはなあ!

 と逮捕術で捕まえるために駆け寄ったが、何故か奴は絵に取り込まれた。

いや、違う。まじっく快斗は未履修だから知らないけれど、この回転扉関係は

秘密厳守の場所のハズ!

 

 すぐに秘密扉に飛び込んで、下の方へ落ちた。

 

「ぐえ」

 

 忍び込んだ犯人は、飛び降りたときにちょうどクッションになったため

気絶と同時にお縄にできたぞ。

ついでに意味深なカセットテープも再生されて、アッハイとなってしまった。

すぐに地上へ連れていき、クソ泥棒が踏み込んだ証拠の一部を消すことに尽力した。

 流石に私室を調べられるのは困る。

快斗くんがいないと、灰原どころかみんなが終わる!

貴重な航空戦力だ。

 

 証拠を消して、ばったり出会った通路で倒したことにできるよう証拠とかベタベタつけた。で、よこした応援……まあ、日吉なんだけど。

彼に連行させた。

なお連行した人物は、拘置所内で口腔に含んでいた毒薬で死んだらしい。

 はえークソかな?

すぐに連絡入ってきたからびっくりしたね。

 

 深夜であるのにもかかわらず、証拠を色々と鑑識さんが調べていた。

さて帰ってきた黒羽くんに、一階の部分が荒らされたことを伝えることに。

本人がだいぶ焦っていたけれど、私室の絵には触っていないから安心してもらった。

 

「な!? お、親父の絵に触ったのか!?」

「触ってない触ってない! いや、本当は犯人が背中を預けて、そのまま落ちていったんだ。で、色々と証拠を消したし、鑑識さんや捜査三課にもストーリーを話しているから大丈夫」

「み、見たのか?」

「ボクハナニモミナカッタ。はい、血判状」

「……共犯者だからな」

「はいそうですね」

 

 このことは墓まで持っていくので、それを胸にしまい込んで報告書を書くために

交番へ舞い戻った。

なお権限がどう考えても捜査三課の方がいいんだけど、情報とかもろもろ動きやすいのが

僕しかいないようだ。

 何故かと言うと、例の空き巣事件が同時に2件発生したらしい。

手が足りないので、捜査協力することになったぞ。




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