「ふわ~あ」
「でけぇ欠伸だなぁ、オイ」
「すみません、中村部長」
「遅くまでご苦労だったな」
「いえいえ」
先日発生した事件だけど、途中で公安が出てきたし人身事故を装った指定殺人となって、捜査一課案件になってしまった。
あのまま森谷帝二や黒羽くん・佐伯さんと一緒に、事件を解決に導きたかったがやむを得ない。事の顛末を報告書に書いて、そのまま寝入った。
そして今日の午前は、逮捕術のクラブがあるので、そこで稽古を行い
なまった心身を磨いていた。
ようやっと午後になって開放されたが、この後巡回をしなくちゃならない。
事務作業と交番で現場を知った後、警邏隊として巡回のしごとを請け負うようになるんだ。ここで聞き込みを含めた職務質問に慣れていき、1年かけてやっとのこさ一人前になれるぞ。
「おい、篠谷、河野! 新店舗のドーナッツ屋のアップルパイがうんめえぞ!」
「白川。また立ち食いか」
「へっへっへ。いいだろ? 警察官が立ち寄ってくから、万引きがぐっと減ったって、
喜んでんだぜ?」
「はぁ……」
米花市は大きな警察署があって、そこが管轄する米花町等の交番を纏めて管轄している。
少数人数なのは、凶悪犯罪が一日に何件も発生するため、それに対応できるように
各所人員を配置しているんだ。
かくいう僕も、将来は捜査一課になれるよう努力している。
一日一日を一歩一歩だな!
ただ不安があってだね。
名探偵コナンって技術の進歩がものすごいのに、一年も進級していないんだ。
つまりコナン君が新一に戻らなければ、体感20年以上交番で巡査でやっていかなきゃならんってわけだ。
早く適性試験と現場実績を挙げて、刑事課に所属したいな。
そうすれば、少しでもコナン君の力になれるというのに。
「そうだ、河野」
「はい、どうしました?」
「異動だとよ」
「へ?」
明日から米花町南交番だとさ。
ここはまだ人当たりがいい人がいるから、色んなところで色んな人と
会うことで耐性をつけさせるんだろう。
実際に怖い人はとことんまで怖くて、犯罪をやらかしたりする。
いやはやこの交番も長かったね。
やっと出世への道が見えてきたってもんよ!
「では、外回り行ってきます」
「いってら~」
篠谷? オリジナルの交通安全ポスターを、作成してた。
一体何があったんだろうなー。
僕が使っているロードバイクに乗って、周辺を走り回る。
すると夕方の若干涼しいときに、ベランダで素っ裸の男が身を乗り出して手を振っている。曲がり角で偶然見えたんだけど、まさかと思うが誘拐のやつかな?
となると、警察はよろしくないな。
たしか犯人の居場所は、TOTOOTIREの風下にあるマンションの屋上!
潤滑油を差しているが、少し音が聞こえる。この時代、ゴムベルトなんて
自転車に使っているところは少ない。
だから音が聞こえる可能性がある。
仕方がないので、近くのコンビニに置いてホシへ向かう!
時刻としてそろそろマズイ。
ヘルメットなんて脱ぐひまもなく、猛ダッシュして影を縫い気取られないように走り抜ける。本当ならば合鍵を挿さなければならない。
しかし、この時代だからこそ、セキュリティがガバガバなんだ。
「河野巡査!?」
「コナン君、行くぞ!」
「うん!」
コナン君を抱えて、二段飛ばしで屋上へ向かう。
そして屋上についてコナン君を降ろして、ヘルメットを脱ぎ預けた。
「突入するよ!」
「お願い!」
ドアを勢いよく開けて、警察手帳を見せつけることにする。
少なくとも凶器はなかったはずだし、凶行なれど一般市民であるから
拳銃による威嚇は不要。
警察の権威で、少しだけ動揺させることができるだろう。
「警察だ!」
「な!? なんで」
「くらえ!」
ヘルメットが脅迫犯の富所の顎に命中! 失神した事を確認し、携帯電話の方へ向かう。女の子の方は、コナン君が救助した。
いやーよかったよかった。おっと、去る前に言わなきゃならないことがあるんだった。
「コナン君、今回もお手柄だったね」
「まあね。ところで、河野巡査はなんでこんなところに?」
「裸の男がベランダで奇行を繰り返してるって、電話がかかってきたんだ」
そんな事実はない。
「そうなんだね!」
「そうそう。あとね、僕、異動することになったんだ」
「異動!? また急だね」
「ほんとにね。次は、南交番に異動さ」
「またどこかで会おうね、河野巡査!」
こうしてコナン君とお話をしたり、所轄の刑事に現場を移管して
交番に帰ってきた。
もちろん今回も、少年探偵団として評価するように根回しをしておいたぞ。
なにせ、コナン君自身を評価すれば、今後良からぬことが置きかねないし?
今後、どうなっていくのかねえ。
不安もそうだけど、現場仕事がなくなるのは辛いよ。