記憶を失う前の俺、担当バに手を出す鬼畜トレーナーだったらしい 作:Gカップ大好き侍
記憶を失ってからの仕事の初日。
何とか無事に乗り切ることができた。
「すっかり遅くなっちゃったな」
トレーニングが終わった後、スケジュールの管理をしていたため遅めの帰りとなってしまった。
「ええと、トレーナー寮は確かこっちだっけ?」
たづなさんに教えてもらった住まいへと向かう。
どうやら俺はトレーナー寮で暮らしていたらしい。
今日は病院からタクシーで職場に直で向かったので、まだ自分の部屋は確認していない。
いったいどんな部屋なんだろう? あまり散らかっていないといいな。記憶喪失前の自分がしっかりと家事をやっていたことを祈る。
「部屋の番号は……おっと、ここだ」
自分の部屋であることをしっかりと確認してドアノブを握る。
記憶がないため、やはりどうも他人の部屋に上がるようで落ち着かない。
気分としてはホテルを使う感覚に近いだろうか。
まあそのうち慣れていくだろう。
「ただいま」
「お帰りなさいトレーナーさん♪」
「……」
部屋の中には制服の上にエプロンを身につけたダイヤがいた。
「ダイヤ、何でいるの?」
「そろそろお帰りになる頃かと思いまして、お夕飯をご用意させていただきました♪」
「いや、そうじゃなくて……ここ俺の部屋だよね? 鍵がかかってたと思うんだけど」
「何をおっしゃいますか! 恋人である私が合鍵を持っているなんて当たり前じゃないですか!」
「合鍵?」
「はい! 合鍵です!」
ダイヤの手には確かに鍵が握られていた。
そっかー、合鍵かー。
記憶を失う前の俺は合鍵を渡すほどダイヤを信頼していたようだ。
「いや、でもさすがにこんな夜遅く学生がトレーナー寮にいるのはさすがにマズいんじゃ……」
「警備員さんはすんなり通してくれましたよ? あと外泊届もすでに提出しておりますので心配いりません!」
いやいや、ちゃんと仕事しなさいよ警備員さん。
……って、外泊届!?
「待てダイヤ! まさか泊まる気なのか!?」
「……もちろんですとも! ダイヤとトレーナーさんは愛し合う仲なのですから二人きりの時間を作るのは当たり前ではないですか!」
「いや、しかしこんなことが学園にバレたら……」
「ご安心ください! トレーナー寮の防音はバッチリです! どんなに激しく声を上げてもバレることはありませんよ♪ それに他のウマ娘さんたちもダイヤと同じようなことをこっそりやっていますし!」
「そ、そうなのか……」
最近の若い女の子は進んでるんだなぁ……。
こうしている間にも寮のあちこちでは、担当ウマ娘と睦言を交わしているトレーナーたちがいたりするのだろうか?
「さあさあ、お疲れでしょうトレーナーさん? ご飯にします? お風呂にします? それとも……S・E・○・A?」
「……何で?」
とりあえずお腹が空いているので、ダイヤが作ってくれた夕食をありがたく頂くことにした。
「それではご用意しますのでトレーナーさんは座って待っていてください♪」
「あ、ああ……」
テーブルの椅子に座りながら、俺は自室の内装を見回す。
ここが俺の部屋か。
思っていたよりは片付いている。
さすが中央トレセンのトレーナー寮というだけあって、良い部屋だ。
ひとり暮らしをするには随分と贅沢な広さである。快適な暮らしができそうだ。
……ただ、気になるものがチラホラとある。
「お待たせしましたトレーナーさん♪ ダイヤの愛情たっぷりのシチューですよ♪ おや、どうされました? そんなにソワソワされて」
「いや、その……俺が入院してからこの部屋、誰も弄ったりしてないんだよね?」
「……もちろんですよ?」
「そっかー。じゃあこれは俺の趣味なのか」
部屋の中のあちこちには大量のぱかプチ……デフォルメされたダイヤのヌイグルミがこれでもかと置かれていた。
壁にはダイヤのピンナップ写真や、ちょっと際どい水着姿のポスターがデカデカと貼られている。
他にも『ダイヤとの愛のメモリー』と題された謎の日記やら『ダイヤのASMR安眠CD』やら『ダイヤのグラビア撮影マル秘映像DVD&ブルーレイ』などがあった。
なんというか……部屋のほぼがダイヤで埋め尽くされているのである。
……ついでに部屋に置かれているゲーム機はニ○テンドーSwitchやプレ○テではなく、ド○キャスやメ○ドライブとすべてSE○A関連だった。
「もう~トレーナーさんったら♪ いくらなんでもダイヤのこと好きすぎですよ~♪ こんなに愛されてダイヤは幸せ者です~♪」
普通ならドン引きするような部屋なのに、ダイヤは逆に嬉しそうに「きゃっきゃっ♪」と照れていた。
いや本当に記憶を失う前の俺、いくらなんでも私生活に担当バを取り入れすぎでは?
ダイヤは確かに目の保養になる国宝級の美少女だけど、さすがにここまで狂気染みてると落ち着いて生活できない。
……こっそり片付けたりしたらダイヤ怒るかな?
「まあ、とりあえず冷めないうちにシチューを召し上がってくださいな。はい、あ~ん♪」
「え? じ、自分で食べるから」
「何をおっしゃいますか! 以前はこうしてよくトレーナーさんに『あ~ん』して食べさせていたのです!」
「そ、そうなのか? じゃあ、頂くよ。あむ……」
「お口に合いますか?」
「おう! うまい! 何だか、懐かしい感じがするよ」
ミルクたっぷりの甘めのシチュー……この味付けには既視感がある。
どうやらダイヤの手料理を頻繁に食べていたのは事実らしい。
「はは、舌はダイヤの味を覚えていたってことかな?」
「っ!? いまのお言葉いいですね!」
「え?」
「『舌はダイヤの味を覚えていた』……とてもえっちです!」
「えっち!?」
「録音するのでもう一度お願いします!」
「いやだよ!?」
その後、デザートもありがたく頂いて俺は満腹となった。
何だかんだで料理上手の恋人を持てるのは幸せだ。
食後もダイヤは疲れ気味の俺を気遣ってくれ、食後においしい紅茶を淹れてくたり、マッサージをしてくれた。
……まあ、さすがにスク水姿で「お背中お流しします♪」と風呂に入ってきたときは断ったが。
そんな感じで夜も更け、そろそろ眠ることになったのだが……。
「……あのさ、ダイヤ。俺はソファーで寝るから、やっぱり一緒のベッドで寝るのは……」
「何をおっしゃいますか! ダイヤとトレーナーさんは恋人同士なのですから同衾をするのは当たり前ではないですか!」
ネグリジェ姿のダイヤは俺とベッドで寝ると言って譲らなかった。
「いや俺も男だし、さすがに女の子と一緒に寝たら理性がもたないというか……」
「理性を持つ必要がありましょうか!? 私とトレーナーさんはとっくにそういうご関係なのですから存分にお猿さんになってしまえばいいのですよ!」
「女の子がそんなこと言うんじゃないの」
繰り返し説得はしたものの、ダイヤは思っていた以上に頑固で「やーです!」とベッドの上でジタバタして駄々をこね始める。
やむをえん。ここは俺が折れるとしよう。
「わかったよ、一緒に寝るよ」
「わーい♪」
「ただし、変なことはしないからな? そういうのは今後、卒業してからって約束にしよう」
「ええ~!?」
「当たり前でしょ。君はまだ学生なんだから。以前の俺はどうだったか知らんが、ちゃんと節度は守るからな?」
「むぅ、仕方在りません……まあ、トレーナーさんの理性を奪っちゃえばいいだけの話だし」
「何か言ったか?」
「いえ! 何も! さあ! では一緒に寝ましょうトレーナーさん! さあさあさあ!」
やたらとハイテンションなダイヤと一緒に横になる。
「ふぅぅぅん! ふううううぅぅぅん! ト、トレーナーさんの体温がこんなに身近に! はうん! ダイヤなんだか興奮して眠れません!」
「寝なさい。もう遅いんだから」
鼻息を荒くして妙に興奮気味のダイヤ。
気になって眠れん。
ただでさえ、布団の中から女の子特有の甘く良い匂いが香ってきて落ち着かないというのに。
「……えへへ♪ トレーナーさ~ん♪」
「お、おい」
ダイヤがちょこん、とくっついてくる。
むむ……ネグリジェ越しから柔らかい感触が……。
「……トレーナーさん。ダイヤ、寂しかったです……。またこうしてお会いできて、一緒に居ることができて、本当に良かったです」
切なげな声色で、きゅっとしがみついてくるダイヤ。
……そうだよな。担当であり恋人であるトレーナーが事故に遭って、ダイヤもさぞ不安だったんだ。
こうすることで心を落ち着かせているのかもしれない。
俺はダイヤのほうへ向いて、そっと頭を撫でてあげた。
「……心配かけたね。大丈夫、もう危ないことはしないよ」
「約束ですからね?」
「ああ、ダイヤをひとり置いていったりしないさ」
「トレーナーさん!」
ひしっとダイヤが俺の胸元に顔を埋める。心音を確かめるように、スリスリと甘えてくる。
「……ふふふ。この雰囲気と流れなら……確実にイケル!」
んー。何か不穏な台詞が聞こえた気がするけど聞かなかったことにしよう。
「ト、トレーナーさん! お休みのキスを! どうかお休みのキスをしてください!」
「ええ?」
「してくれないとダイヤ眠れません! なのでどうか、あっつぅいキスを!」
そう言ってダイヤは「ん~」と唇を近づけてくる。
むむ、やはり恋人とは言えキスは躊躇われる。
トレーニング前のときはおデコにキスをしたから、そうなると次は……。
「ほっぺじゃダメ?」
「むぅ~、仕方在りませんね。それで妥協します」
まあ、ほっぺにキスをするのだってハードルは高いんだけどね。
恐る恐るダイヤの色白の頬に唇を落とす。
「……」
「……ダイヤ?」
「ぷはぁ!」
謎の声を上げてダイヤは枕に顔を埋めた。
「……ふへ~。ほっぺでもやっぱりダイヤには刺激的すぎます~」
そのままダイヤは意識を落としていった。
おう~、本当にキスした瞬間眠るとはダイヤは寝付きがいいんだな~。
さて、ダイヤも眠ったし俺も眠るとしよう。
と思ったが……。
「……むぅ、やはり女の子と一緒に眠るのは落ち着かないな」
こんなスタイル抜群な美少女と同じベッドで眠るのは、やはりいまの俺にはハードすぎる。
ダイヤを起こさないようこっそりベッドから抜け出し、結局俺はソファーで眠ることにしたのだった。
「また、明日よろしくなダイヤ」
トレーナーとしてしっかりとダイヤを鍛えられるように、しっかりと睡眠を取るとしよう。
「でへへ。ダメですよ~トレーナーさ~ん。いくら夜の海だからってダイヤをタオル一枚だけで歩かせるなんて~。マニアックなんですから~♪」
「……」
ベッドからダイヤの寝言が聞こえる。
何やらとんでもない夢を見ているようだ。
夢の中の俺はダイヤに何をさせてるんだか。
……というか、まさか本当にあったことじゃないだろうな?
「あっ……トレーナーさん、ダメです……んっ♪」
ベッドの上でビクンビクンと跳ねるダイヤ。
……まったく、ダイヤほどの清楚な女の子をこんな風にしてしまうだなんて。
本当に記憶を失う前の俺はどんだけ鬼畜なトレーナーだったんだ?