私、魔術師です   作:みえふぁ

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よろしくお願いします

 馴染みある総合ギルド日報に突如現れたこの枠について、戸惑っている方も多いでしょう。私も話を持ってこられたときは大いに困惑しましたし、断ろうとすら考えました。職員の方から稿料を聞いた瞬間、その選択肢は消え失せましたが。

 

 私は魔術師ギルド所属、第一級魔術師のエスメラという者です。ろくな研究成果もあげていないので、当然、「そんな名前初めて聞いた」という方が大半でしょう。

 では、まだ名が売れていないだけの、隠れた凄腕魔術師かと言われれば、そういうわけでもなく。本当の本当に、大した立場の人間ではないのです。

 そんな私がこのような場で文章を書かかせてもらっている理由ですが、私もイマイチ分かっていません。私より優れた魔術師など幾らでもいるわけだし。

 かと言ってそれを職員さんにそのまま伝えれば、「ではどこそこの高名な魔術師先生にお願いします」と言われかねません。余計なことを口にして、せっかくの機会をふいにするのももったいない。そんなわけで私は、こうして黙ってペンを握らせてもらっています。

 

 ともかく、私にこの話が舞い込んだ時点で、魔術的に高度な話を要求されているわけではないでしょう。ましてや、多くの人々の目に触れる総合ギルド日報です。

 お世辞にも綺麗とは言えない文章がだらだらと続くことになるでしょうが、どうかご容赦ください。

 

 身の上話も交えますが、そもそも私は大した生まれでもありません。魔術師と聞いて皆が思い浮かべるような、あの上品な方々とはまるで別者のはずです。

 合格点ギリギリでギルドに加入した、田舎生まれの小娘。そもそも、本来ならば冒険者ギルドに本登録したかった人間なのだし。

 

 とまあ、予防線はこのぐらいにしておきます。何せこのぐらい言い訳をしておかないと、またまたお偉い魔術師の方々から「一級の品格が~」などとご注意を頂くことになるのです。

 かといって冒険者ギルドへ逃げるように入り浸ると、ますます冷ややかな目が向けられるわけで。困ったものです。

 

 総合ギルド日報に載る文章ですから、ギルドのことや、適当な魔術の話に触れていくことになると思います。

 私は冒険者ギルドにも準登録をしているので、魔術師と冒険者のギルドの話が主になりそうです。

 そういえば、準登録はあまり使われないシステムですし、聞きなれない言葉だと思います。ですがその仕組みは実にややこしいので、説明はまたの機会に。そのうちネタに困ったら書くかもしれません。

 

 もし続きに期待してもらえるようでしたら、アンケートの「好感」の欄に、是非ともこの枠の名前をご記入ください。

 今後の紙面と私の生活が、ちょっとだけ豊かになるかもしれません。

 (エスメラ)

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