私、魔術師です   作:みえふぁ

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単純な方がマシ

 魔術師や冒険者に限らず、全ギルドが大忙しの様子です。忙しくなるだろうとはこれまでも散々書いてきましたが、ここまでは正直想像していませんでした。

 私もそれなりに余裕のない状況で書いているので、文章がいつも以上に乱れるかもしれません。どうかご容赦ください。

 

 まず、思っていたほど悪魔討伐の依頼は増えていません。とはいえ、それでも十分多い。たぶん、今回の件で悪魔討伐に一度も出ていない魔術師は、本当に数えるほどでしょう。

 どうも、当事者である国々の中で、ある程度は悪魔を処理してくれているようです。放っておくと、あちらの軍にも被害が出かねないんだそう。

 紙面上で騒ぎ立てた身としては少々恥ずかしいですが、嬉しい誤算です。

 

 それとは逆に、想像以上の脅威となったのが、魔物たちでした。強力な魔物が流れてきたわけではありませんが、何せ数が多い。

 特に西の森付近の生態系は、グチャグチャになってしまったようです。人に被害が出ないよう、冒険者たちは慎重な行動が求められていました。

 

 そのような状況なので、ここ最近は冒険者ギルドと魔術師ギルドを行き来していました。

 そして、両方を比べて改めて思ったのですが、こういうとき、冒険者との仕事は、非常に気楽です。

 

 「依頼通りにやればいい」というシンプルな思考のもと、行って成し遂げて帰って来て、酒と自慢話で騒ぐだけ。「バカなことを」と言われることもありますが、分かりやすくて、私は好きです。

 これが彼の昔の武勇伝に繋がると鬱陶しいですが、その日の成果くらいならまあ、可愛いものですよ。「ええっ、すごい!」と大げさに驚いてあげるだけで、大抵は満足してくれます。

 いや、実際興味を持って聞いてますから、全く嘘の反応ってわけでもないですよ?ええ。本気で興味が失せるまで話が続けば、もう無視するか帰りますし。

 

 この点、魔術師は本当に面倒くさい。挨拶からもう面倒くさい。

 

「○○様、階級はどれほどで……」(もちろん、聞く前から階級は知っています)

「はい、一級ですよ。まあ、一昨年合格したばかりですし、××様に比べれば、私なんてとても……」

「いえいえ、この前の研究会、○○様のご意見が取り入れられたと……」

 

 と言った感じ。実際はこんなものではないですが、書くのも嫌なのでこの辺で。とにかく会話が回りくどい。

 さらにこれが女性同士だと、容姿やら恋人やらの話にまで発展します。この回りくどい会話のままですよ?私も多少は付き合えますが、中々辛い。冒険者ギルドの単純さが恋しくなります。

 「ややこしい言い回ししちゃって。言いたいことがあるのなら、ハッキリ言いなよ」とは、もちろん思います。ですがこういったときは、できるだけ胸の内に秘めておくのが、マナーというものなのでしょう。

 

 まあ、我慢できずに口に出すことも何度かありましたが。するとなんと言うことでしょう。魔術師ギルドにおける友人関係は、いつの間にか数えるばかりに。

 しかし、だからって冒険者ギルドに入り浸れるかと言うと、さすがにあそこまで単純になることもできず……。丁度いい場所、ありませんかね。

 (エスメラ)

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