例のデカい悪魔討伐隊の募集が来ていたので、その日のうちに志願してきました。
出発予定日が予想していたより早いですね。国も、それだけの脅威と認識しているということでしょうか。
悪魔なんて人間にとってはほとんど害しかありませんから、早く動くに越したことはないでしょう。
過去には、人里に近づいていたドラゴンが、途中で悪魔と衝突して、そのまま追い返されてしまった、なんて話もありますが。まあ稀な例ですしね。
しかしそう思うと、国境付近に強力な悪魔を誘導できれば、他国からの侵攻を防げたりするのかもしれませんね。完全に机上の空論ですが。
「防衛のために悪魔を配置したけど、その悪魔に滅ぼされました」なんて、後世でいい笑いものですよ。
それに、どれだけ強力な悪魔を確保できたとしても、それが永遠に手元にあるわけではありません。
悪魔は、時間が経てば消滅するものです。魔術師でも、それを知らない人はたまに見かけますが、そうなんです。
だって、悪魔はそれこそ何百年も前から存在していたわけですから。人類が発展する前に、悪魔でこの世が溢れてしまいますよ。そうなっていないのは、放っておいたら勝手に消えるからです。
しかし、魔術革命以来、人類がバンバン魔術を使いまくったものだから、悪魔の発生数が一気に増加。
それと同時に、人間も悪魔の退治法を編み出していた。その結果として、現在のような「湧いてくる悪魔を討伐しなければ」という意識が生まれたのでしょう。
私の先生は「魔術は人間の手に余るものである」と常々言っていましたが、その最たる理由が悪魔の発生でした。人間が魔術に手を出していなければ、今回のような巨大な悪魔は出現しなかったでしょうし。
ですが、魔術革命以前の人間が、悪魔に対抗する手段を持たず、ただ耐え忍ぶしかなかったというのも事実。こればかりはどちらが良いとも言い切れませんねえ。
まあ、それを言った私の師だって、魔術研究の第一人者でしたから、説得力ないですしね。
それに、今回の大型悪魔が自然消滅するのなんて、一体何年かかるんだって話ですよ。
人類が今さら魔術を放棄できるともおもえませんしねえ。そういう活動があるとは聞いていますが、現実的ではないでしょう。
魔術使いまくったり悪魔ぶっ飛ばしまくったりしながら、少しづつ良い方法を模索していけばいいんじゃないかな、と考えています。
そのためにも、今回のデカ悪魔は早急にぶっ飛ばさねばなりません。
さっさと討伐して、また魔術に溢れた生活に戻りたいものです。
(エスメラ)