先日、この枠のことで相談があったので、仕事帰りに総合ギルドへ寄ることがありました。
総合ギルドは、各ギルドに所属していても、この日報の存在以外あまり馴染みのないものでしょう。私もここで書かせてもらうまでは立ち入ったこともありませんでしたし。
総合ギルドは、多くのギルドが各々で立ち上がった後、それらのまとめ役として作られたものらしいです。建物も他のギルドに比べればこじんまりとしていて、場所も町外れ一歩手前のような土地。
それぞれのギルドはほとんど独立して運営されているため、仕事はまとめ役とは名ばかりの雑務ばかり(とある総合ギルド職員の方より)。
おや、ギルド所属の人間はもちろん、ギルドに深く関わりのない読者の方々のためにも「こんなにも大切な場所なのですよ!」とアピールするために説明し始めたはずが、いつの間にか酷い言葉ばかり……。
とは言うものの、実際、総合ギルドがなければ各ギルド間の関係はもっと険悪だったのかもしれません。そうなれば、私は魔術師兼冒険者なんてできず、この枠の稿料も頂けず、何処ぞで野垂れ死んでいたのかも……。
いやはや、総合ギルド様、いつも誠にありがとうございます。
そんな総合ギルドの2階、廊下の1番奥にあるドアの向こうに、総合ギルド日報編集部があります。
窓から光はろくに入らず、日当たり最悪。部屋は狭い上に机やら何やらで溢れており、酷いときなど床に紙が散らばっており、文字通り足の踏み場もない様相です(「床の紙は踏んでいい」と言われてはいるのですが、踏めば滑ります)。
さて、そのような場所なので、用もなければ行きたくはないのですが、残念ながら今回は用があります。締切を考えると、やはりこの日のうちに聞いておかねばならない。無愛想な1階の受付を通って、2階の奥へ向かいました。
すると、部屋の中はすっからかんで、棚以外は机や椅子から散らかっていた紙まで、何もかもなくなっていました。
これはとうとう、総合ギルド日報編集部が取り潰されてしまったのだろうか。思い返せば、総合ギルドの変な人たち寄せ集めみたいな場所だったし、部署ごとまとめて潰されたのかもしれない。
これから収入がまた減るなあ、などと考えながら廊下を引き返していると、なんと向こう側から馴染みのある顔が近づいてきました。日報の編集長です。
あらあら、編集部唯一の常識人である編集長を残すとは、総合ギルドもそこまで悪魔ではなかったのですね。
そのようなことを思いながら、軽く会釈をしつつ通り過ぎようとしたら、元編集長から、どこへ行く気かと聞かれました。続けて、編集部を訪ねに来たんじゃなかったのか、と。
わけも分からず、とりあえず元編集長の後ろをついて行くと、前よりも随分広い部屋に、見知った編集部の面々が揃っていました。
私はここでようやく、編集部の部屋が移動しただけだったことに気がついたというわけです。編集長は私がそれを知らないだろうと、わざわざ案内に来てくれたのだそう。
あのとき「編集部潰れちゃったの?」などと聞いていようものなら、頭の悪さが露呈していたのかもしれません。いやあ、黙っていてよかった、よかった。
(エスメラ)