私、魔術師です   作:みえふぁ

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お話しです

 最近、天気が落ち着かないですね。遠出する類の依頼を受けるのを躊躇ってしまいがちです。転移使えるんだから、やれる範囲で私がやっておくべきなのでしょうがねえ。

 今日は、魔術師ギルドの方で魔術の講習会があり、講師として呼ばれたので行ってきました。

 

 これは自慢ですが、いくら研究成果を上げていなかろうと、私は第一級魔術師なのです。その上、魔物との実戦経験も多い。

 戦う術を知る一級は結構貴重なので、こんな私でも需要があるのです。特に簡易魔術などは、実際の戦闘を知らなければ良いものは開発できませんからね。

 もっとも、この手の仕事のだいたいはトミダ君に声がかかるのですが。簡易魔術の開発とか彼の十八番ですし、話が上手いんですよねえ彼。私に話が回って来るのは、だいたいトミダ君に断られたときなのです。

 

 そんなわけで、こういう仕事はたまに入るのですが、呼ばれるたびに、やっぱり若い子たちはいいなあと思います。多少傲慢で調子に乗っていても「若くて元気で、いいわねえ」と微笑ましく思えますから。

 これが歳を重ねても変わらずそのまま大人になると、もう目も当てられないタイプの人間が出来上がります。少しでもそんな大人の発生を抑えるために、今日も教育を施してきました。少しは発生率が下がっているといいなあ。

 

 一応説明しておくと、第一級魔術師とは、国の魔術機関から最上位の資格を与えられた者のことです。最上位ですよ最上位。私、エスメラ、最上位。

 現在は第五級から第一級までの五段階あります。少し前までは第三級からの三段階だったので、年上の人と話していると、この辺たまに食い違うことがあります。

 

 第一級の試験は、それはもう滅茶苦茶に難しいです。私もあの頃は、魔術書を床に叩きつけたくなるくらいには、勉強が嫌になりました。

 魔術師ギルドの広場では、試験の合格を目指して勉強する魔術師の姿がよく見られます。試験の時期になるとそんな人たちで溢れかえって、「勉強の邪魔にならないよう静かにしましょう」みたいな空気になります。家でやれ。

 

 さて、冒険者志望の私が何故、一級なんて面倒くさい試験を目指したかと言うと、使用できる魔術が増えるからです。

 「級別使用許可魔術表」というものが、毎年更新されては魔術師ギルドに張り出されます。これを見れば一目瞭然なのですが、第一級魔術師になると、使える魔術の幅がめっちゃ広がるんですよ。お暇なときに魔術師ギルドへ見に来てください。掲示板の隣です。

 

 実は今日の講習も、この第一級魔術師試験をある程度意識した話をしてくれ、ということでした。

 あの頃はひたすら勉強しただけで合格のコツとか何も分からないのですが、できる限り精一杯話してきました。少しは彼らの役に立てていると良いのですが。

 (エスメラ)

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