やっぱり一人称視点より三人称視点の方が描きやすいのかもしれぬな。今回は違うけど。
場所は変わって百貨店。
ここから今回のデート...お買い物の目的を果たそうという訳です。
間違っていなければスーツケースを購入するんだったね。
とはいえ一般的なカップルとかいう訳ではなく、今回は事務所の仲間として向かう訳ですから目的地に一直線です。こういうところは見ていてつまらないですね。
お二人の間になされる会話も必要最低限で...、気のせいかもしれないが普段の二人よりも会話が少ない。気不味い雰囲気があるわけでも無いのが不思議だ。
イベントっぽいイベントも無く、着いたのはスーツケース専門店。
店を見た瞬間目を疑いましたよ。ビジネス用品店ではなく、まさかのスーツケースオンリーのお店だっていうことにね。
重曹先輩は何事もないかのように普通にお店に入っていくが、アクアの方は若干呆気にとられた感じで動きが少しの間止まっていた。
初見だとその反応が正しいよね。重曹先輩は初見の時どういった反応をしたんだろうか。今度それとなく聞いておこう。
この姿で尾行して結構な時間が経ったので、変装を変えるために化粧室へ向かう。流石に短時間で終えることはないだろうがなるべく急ぎ目に動く。
個室に入っておシャンティーなリュックを下ろして、中からもう一つの変装セットを取り出す。
ネットでそれっぽいなと思って以前購入した高校生風制服だ。
よくいかがわしい目的で使われるような安物ではなく、本物の私立高校の制服に負けないレベルで高品質な生地を使い、体のサイズを細かく指定して作るオーダーメイドだ。
私とて通信制ではあるが現役の女子高生。似合わないはずがないのだ。
白いシャツに緑系統のネクタイ。赤とワインレッドのチェック柄のボックスプリーツにストッキングの組み合わせ、そして黒いローファーを履く。最後に臙脂色のブレザーを着て完成。
つけまつげを外してナチュラルメイクはそのままに、髪型をツーサイドアップからポニーテールに変えて準備完了。
ここまでに掛かった時間は3分程。早着替えの技術を高めてこのタイムまで縮めるのに結構な期間掛かったが、無駄にならずこうして活きている。
元々着ていた着替えをリュックに詰めて背負う。
このおシャンティーなリュックは一時期ファッション雑誌で掲載されていたトレンドのリュックで、もう流行遅れではあるが、それでもこの商品自体の質がいいため今でも高頻度で街で見かける。
エレガントな見た目なのにポケットが思っていたよりも多く、限界まで入れても型くずれしないという優れもの。
容量も見た目より多く入るので当時の見出しには『魔法のリュック』と出ていたのが印象深い。
最後にスマホカバーを付け替えて化粧室から出て先程のスーツケース専門店に向かう。
合計で5分ロスしてしまったが、現場の様子は変わっていなかった。
ここからは姿が変わっているので相当近くに行くことが可能になった。なので盗み聞きしていこうと思う。
今はアタリをつけて、その中から好きな色を選ぶという場面のようだ。思ってたより状況が進んでおり、もう少し遅かったらと思うと冷や汗が背中で少し垂れるのを感じた。
アクアが少しの間悩んだ末に白いスーツケースを選んだ。
これは悩んだ上で決まらずにシンプルな白で行ったのか、それとも意図的に重曹先輩のサイリウムカラーである白を選んだのかで私の中の評価が変わる。
変わったとしてアクアとの交流でなにかが変化するかと問われればNoだ。
ただ単に内心で『よっ!色男っ!』と言うか、『つまんねー解答ですこと...』というかの違いだ。
アクアは読めない点が多いため、どっちの可能性もあり得るのがめんどくさいところ。なので重曹先輩に分析結果を伝える時は色男としての伝えておこうと思う。
結果的に違かったとしても私に直接的な害はないから大丈夫っ♪(外道)
お二人が百貨店から出る。
道を歩いている際にアクアが重曹先輩からバッグを取り上げてキャリーケースの上に乗っけた。
「うわぁ...色男じゃん...」
特になんの計算も無くやっているのだろうが、そういったところが色男なのだよ、アクアくん。
ほら重曹先輩なんてめっちゃ嬉しそうにしながら照れ隠しをぶちまけているじゃないか。
というかここまで観察していて思ったんだけど重曹先輩私の監視があること忘れていないか?
一応携帯のメモ帳にここまでの重曹先輩の行動や振る舞いの評価を書き連ねたものはしっかりできている。
これを送った際にどんな反応をするかちょっと見ものだな。今日はビデオ通話にしよっと。
そう悪巧みをしていると広場で立ち止まった。
何事かと距離をとって聞き耳をたてる。
『さて...、用事も終わったし解散するか』
『えっ!?』
えぇ...。
せっかく上げたポイントを崩すような発言はやめなよアクアくん。
まだ二人で(厳密には三人みたいなものだけど)行動し始めてまだ2時間弱だよ。せめてディナーぐらい誘ったらどうなのよ。
...あっ、今からじゃ異性を連れて行ける店ってあるのかな?ここら辺のおしゃれな店って予約制のものが多かったような...。
『でももう19時だし...お腹空いちゃったかも...』
『そうだな...』
よし、よくぞ言った重曹先輩!
アクアが考え込むそぶりを見せて少しの沈黙が流れる。
『肉でいいか?』
『肉すき!』
へぇ〜、重曹先輩肉料理好きなんだ。
ちょっと意外だな。なんか意識高い系の野菜系統をふんだんに使ったヘルシー料理とか好んでそうなイメージだったけど、案外俗なところもあるんだなぁ。
...よくよく考えたら私あんまり重曹先輩のこと知らないな。そりゃそうか、あくまで私は苺プロダクションの事務員(たまにタレント)。マネージャーってわけでもないし、当然といえば当然か。
でもこれからはもうちょっと関心を持ってみてもいいかも。
物思いに更けながら二人の尾行は続ける。
二人が向かった先にあるのは人気度の高い肉料理店で、料理の質の高さや美味しさが理由で平日でも混雑している場所だ。たまたま見つけたからここで食べようという事が出来ないお店ということだ。
それにいち早く気付いた有馬先輩はアクアに忠告する。
アクアは軽く返事をして店に入っていく。
アクア...もしかしてなんだけどさ、そこ予約済みだったりするの?
なるべく近づいて聞き耳をたてると案の定予約をしていたようですんなりと席へ案内されていた。
それと同時にこれ以上の尾行は不可能だとわかったので、ここで尾行任務は終了ってなわけだ。
その場から離れてからポニーテールを解く。そのタイミングでお腹が鳴ったので近くにある激安ファミレスに入って、一息つく。
「ふぅ...。いくら短時間とはいえ知り合いを尾行するのはやっぱり疲れるなぁ...」
メニューを開いていつも通りのものがあるのを確認すると、店員を読んでミラノ的なものとほうれん草のアレをオーダーする。
このお店は安価で結構贅沢のできるお店なのだ。
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その日の夜11時程、ルルの自宅
外から帰宅して色々な道具に手入れをして、やっと落ち着いた。
背もたれに身を預けながらパソコン版メッセージアプリを起動して重曹先輩に頼まれていた本日の行動評価を送る。
二、三分経ってから既読の表示が出たとおもったら、すぐに通話がかかってきた。
焦っているのかは不明だが、ビデオ通話でかけてきているので、少し口角が上がりそうになった。
(これは面白いものが見えそうだ)
この後私は恥ずかしさで赤くなった先輩を揶揄いまくった後、真面目に評価と改善案を伝えた。
やっぱり重曹先輩って関わっていると面白いなぁ♪
今ep07書いてる最中なんですけど、内容のキレが無くなってきました。
なのでリコリコのordinary daysでも読み直して書き方を学び直してこようかなと思いました。
キレ悪いままでも怒らないで下さいね?