修正内容は先生が女になった事です。だって……そっちの方がいいかなって
ちなみにイフ君の体が脆い設定は『これでいつでも手足もげるね♡』ってだけの設定です
「それで、何かわかった事は?」
「……わかってて聞いてるのかナギサ。それどころじゃなかったっての」
「……えぇ、まさかここまでとは」
セイアの件に加え、連邦生徒会長の失踪、先生の事もあり、正直言ってもうかなり疲れた。徹夜明けだし速攻寝たい気分だが、そうもいかない
「いかんせん情報不足だ、推理になるけど良いか?」
「構いません」
「目的はまず間違いなくエデン条約締結の阻止。セイアの死の原因は間違いなく例の爆発音だ。ここで使われた爆弾……間違いなく普通の爆弾ではないだろう。生徒が即死する程の火力ならトリニティの建物は吹っ飛んでる筈だからな」
「ええ」
「そこで、仮説を立てた」
「仮説、ですか?」
「あぁ、アリウスだ」
アリウス分校。諸派の統合を目的とした『第一回公会議』において、唯一最後まで反対の立場を取り続けた結果、トリニティから弾圧を受け、キヴォトスの表舞台から姿を消した
「アリウスにはそういう……"殺す為"の武器が揃ってる。『ヘイローを壊す爆弾』ってのが、もしかしたらあるのかもな」
「何故それを?」
「……風の噂だよ、顔が広いからな。それよりも重要なのは、何でそんな物がここに持ち込まれたかだ。アリウスはここの地理を知らない、なら──手引きした誰かが居るんじゃないのか?」
「……これを」
「……?」
ナギサが机の上に並べたのは、生徒に関する情報が書かれた四枚の書類だった
「これは?」
「私もおおよそ同じ結論に至りました。アリウスまでは考えませんでしたが。この四人は成績不振です。それを利用して特殊な部活……補習授業部を作ります」
「………それで?」
「恐らくこの中にいるスパイを炙り出します。それができなければ……全員を退学に追い込みましょう」
「ナギサ、お前──!」
「ではどうすれば良いんですか!?このままではエデン条約すら締結を阻まれる!その前に……私か、イフさんか、ミカさんが殺されるかもしれない」
「っ……!」
……否定、できない
ナギサの気持ちはわかる。このままではエデン条約どころか俺たちの命まで危うい。……疑心暗鬼になるのも、理解できる
「シャーレの先生に、補習授業部の顧問を依頼します」
「……あれを介入させるのか?信用できない」
「そこで貴方の出番ですよ、イフさん。先生が条約締結の障害になると判断した場合、排除してください。元々、そうするつもりだったのでしょう?」
「……怖い奴だな」
四枚の書類を持ち、席を立つ
「裏切り者を探し出して、先生が邪魔になったら殺す。それでいいな?」
「はい」
──────────────────
ナギサが纏めた補習授業部の部員達の情報を見ていく。経歴に、疑われた理由まで事細かに書かれている
一人目、阿慈谷ヒフミ
これには少し驚いた。ナギサはヒフミとも親しいし、彼女が裏切り者だとは到底思えない。成績不振になる程頭が悪い訳でも無さそうだし
と思っていたが、どうやら試験をすっぽかしたり、ブラックマーケットに出入りしたり、犯罪組織のボスがヒフミと思わしき人物だったりするらしい。まぁ……うん
ヒフミは違う
二人目、下江コハル
ツルギの所の一年生だ。確かに成績は良くないが、何故……
……反ゲヘナかつ強大な戦力を持つ正義実現委員会を牽制するための人質、ハスミがゲヘナを憎んでる──?
コハルはそもそも疑われてすらいない、純粋にとばっちりという訳だ。これは……必ず裏切り者を見つけないといけない
三人目、浦和ハナコ
ハナコは元々生徒会長候補でもあった程の優秀な生徒だ。成績不振はまずあり得な───
……水着でシスターフッドの礼拝堂に侵入したらしい。成績云々以前の問題だ
まぁ、ハナコは無いだろう。彼女はそういう人じゃ無い
「さて、四人目は──!?」
一瞬、目を疑った。少なくとも六年以上、見聞きしなかった名前。そして──俺の、家族みたいな存在
「白洲、アズサ──?」
俺と同じ、アリウス出身の生徒
なら、裏切り者の正体も、セイア殺害の犯人もアズサで決まりだ
……でも、アズサは、そんな事───
「……二年生、転校生か」
アズサが疑われた理由は、トリニティでは珍しい転校生だったからだ。言ってしまえば、それだけ。
「……話してみないとな」
アズサの真意を、確かめよう
──────────────────
そう思い立って数日。ナギサの方では処理しきれなかったセイア事件の後処理に追われ、補習授業部と先生の監視に移れるようになる頃には、既に彼女達に与えられた三度のチャンスのうち一つは終わっていた
勉強の為の合宿、という名目でトリニティの辺境にある建物に集められた彼女達は、あらかじめ設置しておいた監視カメラ越しに見る限り特に怪しい行動は取っていなかった
「覗き?男の子なのはわかるけど、それは流石にダメじゃない?」
「……わかってて言ってるだろ、ミカ。あとどっから湧いてきたんだよ」
気がつけばそこにはミカが居た。気配も無く、いつの間にか背後から現れたのだ
「まぁ、ちょうどいい。アズサを転校させたのお前だろ?」
「あれれ?おかしいな、バレてるの?ナギちゃんにもバレてないと思ってたんだけど」
「ナギサは知らないよ、アズサがアリウス出身なのは、俺とお前しか知らないからな。目的はアリウスとの和解か?」
「……色々言いたい事はあるけど、そんな所。きっと、アリウス分校はまだ、私達の事を憎んでると思う」
「正解だ。あいつら、俺たちの事死ぬほど憎んでるぞ」
「……私達はこうして豊かな環境を謳歌してる。でも、彼女達は違う。劣悪な環境の中で、学ぶことすら許されてない」
その落差が──聖園ミカには許せなかった
「──私は、アリウスと和解したい」
「……持つ者の傲慢、そう取られるかもしれないぞ」
「それでも──諦められないんだ」
覚悟の籠もった声で、夢想に満ちた思いを吐き出した
前に一度、ミカが同じ事を口にした事がある。ナギサとセイアは反対した。当然の事だ、ティーパーティーが、個人の思想云々で学校全体を危険に晒すような真似はできない
「不器用だし、頭も良くないし、政治も得意じゃないけど……もう一回手を取り合うって、そんなに難しい事なのかな?」
以前ミカがそう言った時、俺は答えなかった
答えられなかったんだ。その無垢で、理想的で、夢のような話に
「そんな事無いよ」
「……そう言ってくれると思ってた」
「だって──もうできてる」
「え?」
「要は、アズサに象徴になって欲しかったんだろ?アリウスから来たアズサが、トリニティで誰かと笑って過ごせたら、きっと和解の象徴になれる」
「この際言っちゃうけどさ、俺、アリウス出身なんだ」
「え───」
鳩が豆鉄砲を食らったような顔、とはこういう顔の事を差すんだろうか
「俺はさ、言ってしまえば……裏切り者なんだ、アリウスの」
「どういう事?」
「逃げてきたんだ、何もかも嫌になって。アズサみたいな──大事な人を置き去りにして」
「それでも──こうして俺たちは笑い合えてる。アズサにその気があれば、きっとアズサも笑い合える。でも──」
その為には、エデン条約は邪魔だった
「アリウスはゲヘナを嫌ってる。条約が締結されれば本当に和解は絶望的になる。だからエデン条約に反対だった。お前がゲヘナ嫌いなのは本当なんだろうけどな」
「……うん」
「それじゃあ、探そう」
「何を?」
「アリウスとも、ゲヘナとも和解してさ、本当の意味で皆が笑い合える、御伽話みたいなハッピーエンドをさ」
「……できると、思う?」
「できるよ、絶対」
そう言うと、ミカは小さく笑った
「ミカ、大丈夫?」
「え?ハッピーエンドを目指すって事なら、全然問題無いけど」
「いや、そうじゃなくてさ、ミカの心配をしてるんだ」
「何で?」
「何でって───」
「泣いてるぞ、ミカ」
……救いを求めるミカの気持ちに、ここで──あるいは、もっと早くに気付いてあげられたなら──
───あんなに、捻れて狂う事は無かったのかな
バカみたいな量の感想貰って宇宙猫になってる