超能力?そんなの(ヾノ・∀・`)ナイナえっあるの? 作:黎火
「超能力って信じるかい?」
「いや信じてない。」
ある日そんな突拍子の無い話をされた。しかもあの小鳥遊美麗さんからの話である。
小鳥遊美麗。彩花高校2年生A組に在学する女生徒だ。一応クラスメイトなんだけどあまり話したことはない。
というのもこの小鳥遊さん、めっちゃモテる。
性格はいいらしいし、コミュ力はあるし、勉強はできる。加えて美少女。
クラスの男子からモテモテなのだが、さらに所謂王子様系であり女子からもモテモテなのである。
というか教師からも慕われてるし、モテすぎである。
俺の友人達も、基本恋バナとかクラスの女子の話をするときは小鳥遊さんのことばかりである。
そんな学校の人気者である彼女が、一般クラスメイトである俺に話しかけてきただけでも驚くのに、内容が超能力とは・・・。
「えっと、小鳥遊さんは超能力信じてる感じ?」
「信じているとも。そうでないと説明がつかないことを知ってるからね。
逆に気になるのだけど、斎木くんはどうして信じていないんだい?」
いやそんなこと言われましても。
改めて考えてみると、超能力には信じる根拠がない。
たまに取り上げられる昔の人の予言とかは大概はずれてるし、空中浮遊とかもマジックだったり合成だったりだし。
「まぁ、信じる根拠がないというか。昔の人の予言は外れてるし、空中浮遊とかも大概マジックじゃないですか。」
「じゃあ、テレパシーとかは?」
「心理学云々だと思ってます。ほら目の動きとか観察して動揺を読み取ったりとか」
「なるほど、なるほど」
それで会話が終わり気まずい沈黙が流れる。
というかどうしてこんな話をしているんだろうか。会話続けろよと思うかもしれないが、
学園のアイドルみたいな存在から話しかけられたと思ったら、
超能力の話を割とマジなトーンでされた困惑の方が強いのである。
「前から少し気になっていたんだが、君は私のことをどう思ってるんだい?」
何がどうなってこんな質問をされるんだろうか。というかどう答えたらいいか分からないんですけど。
え?ナニコレ?何か試されてるの?
「皆の人気ものだと思ってますけど・・・」
「それだけかい?」
それだけってなんだよ(困惑)。俺、小鳥遊さんになにかしたっけ?
「あーえっと美人だと思いますよ。たまに見惚れちゃいますし…」
というかさっきからずっと彼女から見つめられている。こっちをのぞき込むように見てくるし、距離も心なしか近い。
というかそろそろ時間なのだが。
「あのー、ごめん。そろそろバイトだし・・・か、帰っていい?」
「え”?」
バイトの時間が迫っているのだ。確かに小鳥遊さんと話すのは楽しくない訳ではない、がそれはそれである。
彼女は唖然とした顔で「う、うん」と頷いたので行かせてもらうことにした。
◇───◇
私、小鳥遊美麗は超能力者だ。
相手の目を見れば魅了することが出来る。これで大体の相手は私の言うことを聞いてくれた。
少し強情な人間でも私がお願いすれば働いてくれる。
小鳥遊家は日本で有名企業グループに属しておりそれなりの地位もある。
幼少期から大きな不自由もなく過ごさせてもらった。この力のおかげで人間関係に悩むこともなかった。
高校に入学してもそうなる。その筈だった。
初めて彼、斎木颯真に出会ったのは2年のクラス替えの時だった。
席が隣だったから魅了をかけたが、彼の態度はたいして変わらなかった。
用があるときに話しかけ、たまに雑談をする程度だった。
そうなるとなおさら気になった。他の人間は私のご機嫌を取るのに精一杯だったり、黄色い声を上げたりばかりなのに。
もしかすると、彼にはうまく魅了が発動してなかったのかもしれない。
そう思い、彼を放課後に呼び出した。
「前から少し気になっていたんだが、君は私のことをどう思ってるんだい?」
顔を近づけ覗き込む。自身の容姿はそれなりに良い方だと思っている。胸だってそれなりにある。
至近距離これだけアプローチすれば気があるように思わせれる。
そして彼の目を見て能力を発動させた。これで彼も──
「あのー、ごめん。そろそろバイトだし・・・か、帰っていい?」
「え”?」
彼は大したことないように言い放った。
信じられなかった。私の魅了が効いていなかった。
家に帰った後もずっと彼のことを考えていた。
どうして他の人には効くのに、彼には効かなかったのか。
そしてなによりも──
その力が無ければお前はその程度なのだと、暗に言われているようだった。
そう考え続けるとイライラし始めた。
上等だ、どんな手を使ってでも、君を堕としてやる。
◇───◇
「なんかキョリ近くないです・・・?」
「どうだい、ドキドキするだろう」
なんかよく絡まれるようになったんですけど(困惑)