「二人とも手伝ってくれてありがとう。助かったよ。」
「別にいいのよ。大したことじゃないわ。」
「そうですよ。なにせ速いですから。」
俺と二人のウマ娘が話す。ウマ娘の一人はアドマイヤベガ、フワフワを追求している。もう一人はサイレンススズカ、こちらは速さを追求している。そして俺は二人のトレーナーだ。今日は重量物を運ぶ必要があり難儀していたところ、二人が手伝ってくれたおかげであっさりと終わった。
「さすがウマ娘。軽々だな。」
「そうね、鍛えてもいるし」
「そうですよ。走ってますから」
冷静なアヤベと走ることに燃えるスズカは意外かもしれないが相性がいい。
お互い深く干渉しないから居心地がいいのだろう。
「ところであなた、汗がすごいわよ。」
言われて気づく。ずっと作業していたからか額には汗が浮かんでいる。さすがに不快だ。
すぐ拭こうとハンカチを出そうとポケットに手を入れるが…
「あれ?ハンカチ忘れたかな?」
迂闊にも忘れてきたようだ。
瞬間両脇の二人が同時に動く。
「あらしょうがないわね。私のハンカチを使うといいわ。フワフワよ?なんなら拭いてあげるわ。念入りに徹底的にね?」
「トレーナーさん、私のハンカチをどうぞ緑の芝に包まれたような香りですよ?しかも素早く徹底的に拭きますね?」
二人はとても仲がいい。こんな時もタイミングがピッタリだ。
「ハンカチに芝の匂いってどうやってつけたの?逆に気になるけどトレーナーさんの汗を拭くのは私よ?」
「ハンカチをフワフワにするとかさばって邪魔じゃないですか?私なら素早く拭き取れますよ速いですから」
そのうえとても親切だ。いつも気を使ってくれる。
しかしそう言ってる間にも汗は吹き出し続けて床に落ちる。
「これはいけないわね。このままだと風邪をひくかも。そうなったら一生看病し続けてあげる。でも辛いのは嫌よね?さあ服を脱いで。このフワフワで全身拭いてあげるから安心して身を任せていいのよ?」
「そうです。早くしましょう。大切なトレーナーさんが風邪をひいたらこの世の終わりです。生きている意味がありません。絶対だめです。だから全身芝に包まりましょう?」
こんなにも心配してくれる二人がいるなんて俺は幸せものだな。
「さあ早く私を選んで。フワフワがあなたを待ってるわ。あと汗がもったいない」
「いいえ私ですよね?緑は健康にいいんですよ?ああ、汗が垂れちゃいます…」
一部違和感があるが心配してくれているのだろう。ありがたいことだ。
「このままだと埒があかないわね…ねえスズカさん?」
「そうですね。早くしたいですよねアヤベさん」
仲がいい二人はこの状況を解決するいい手段を思いついたのだろう。アイコンタクトをとる。ちなみに二人がハンカチを同時に取り出してから十数秒しか経っていない。
「トレーナーさん安心して。私が右側、スズカさんが左側だから」
「それから私が上着を、アヤベさんがズボンに決まりましたから」
何かが二人の間で決まったようだ。こちらの了承は得てないが今は緊急事態だ。多少の犠牲はやむを得まい。
「だから一言でいいの。”お願い”とだけ言ってちょうだい。」
「それで全てまるっと一瞬で解決です。」
なぜか二人はゲートインしているかのような目つきだ。ひとつ頷いたら飛びかかってきそうな勢いである。
その時
汗が一滴
顎から落ちた
ガコン!!
ゲートが開いた
実はアヤベさんとスズカさん好きなんですよね。今日は天気も良くて暑かったからアヤベさんとスズカさんに挟まれて原子分解されてえなあと思っていたら生えてきました。
今日は少し病み成分を滲ませられたかなあと思います。もっとドロドロしたいけどなかなかいい感じの病みをこのくらいでまとめられないんですよね。長ければできるのかって?ハハッご冗談を。
アヤベさんのハンカチは絶対フワフワしてるけどスズカさんどうすっかなあということで緑でせめました。あの世界おひさまの匂い的な感じで芝の匂いとか使いそうじゃないですか?だからいいんですフワフワで速いですから。