「トレーナーさんはいつになったら結婚してくれるんでしょうか?モグモグ…」
「そうねえ…夢の監禁ライフが待ってるのだから今すぐでもいいのにねえ…モグモグ…」
いつもの爛れた愛の巣で住人二名がおやつとガールズトークに勤しんでいた。緑の耳カバーで脚にギプスを巻いている方はサイレンススズカ。トレーナーが好き過ぎて監禁ライフを夢見る乙女一号。今日のおやつはバナナだ。片や青い耳カバーで先日の菊花賞二着のアドマイヤベガ。トレーナーが好き過ぎて監禁ライフを夢見る乙女二号。今日のおやつはバナナだ。
「やっぱりポニテが足りてないんでしょうか?モグモグ…ここまでアピールしてるのに一向に心中してくれようとしないなんておかしいですよモグモグ…やっぱり心中するのが速くていいですよねモグモグ…」
「落ち着いてスズカさんモグモグ…心中したら夢の監禁ライフを楽しめないわモグモグ…まずはお葬式と火葬場の予約をしないとモグモグ…」
高校生らしい健全なトークがすすむ。二人とも担当トレーナーが好きなうえに将来を誓い合った仲だ。将来的には三人で結婚してアヤベとスズカはトレーナーに監禁されときどきペットの様に扱われたいと願っているし、死ぬときは三人で心中すると一方的に約束した極めて健全な関係である。もっともトレーナーはなかなか二人と結婚してくれようとしない。困ったモノだ、どうやって攻略しようかあの手この手を尽くしている二人である。
「やっぱりこの前ホテルで押し倒されるべきでしたねモグモグ…か弱い女子高生二人がポニテで誘っているというのにトレーナーさんの鋼の意志が硬すぎますよねモグモグ…」
「そうねモグモグ…疲れていたからついついそのまま寝てしまったけどあんなチャンス滅多にないわモグモグ…なんて惜しい事をしたのかしらモグモグ…」
先日の菊花賞で京都のホテル。三人同室。ベッドは別。ポニテが二人…何も起こらないはずがあってしまった事を悔いる二人だった。その間もバナナを食べる手は止まらない。なにせバナナなのだ。
「それにしてもこのバナナ美味しいですねモグモグ…トレーナーさん早く戻らないと無くなっちゃいますよモグモグ…」
「早くトレーナーさんに会いたいという思いをバナナにぶつけるしかないなんてモグモグ…なんという悲劇かしらモグモグ…」
どんどんバナナの皮が積み上がっていく。お互いよく食べるなあと思いながらもバナナなら仕方ないとも思う二人だった。その時ふと閃いてしまう。
「「そうだ!監禁されながらトレーナーさんにバナナを食べさせてもらうの!どうかしら!?」」
「ダメだよね?」
ようやく爛れた愛の巣の主人が帰ってきた。
「「トレーナーさん!会いたかったわ!さあバナナを食べましょう!!私たちを食べてもいいのよ??」」
「ダメだよね?え、この量を今食べたの??何本食べたんだ?」
「三房からは覚えてないわ?」
「いつの間にこんなに皮が、トレーナーさん散らかしたらダメですよ?」
「いや一本も食べてないからな?その前になんでバナナがこんなにあるんだ?」
もっともな疑問である。するとアヤベがスズカのギプス足を指差して言う。
「スズカさんのお見舞いよ?」
「ファンの方が贈ってくれたんです。いつだったかのバナナが好きだって言ったインタビューを覚えていてくれたみたいで」
二人は皮を剥きながら説明する。
「ええ…だからって箱単位で…?いくらなんでも多いだろ…というかそれをこんなに今食べたのか?」
若干どころかかなり混乱しながら状況判断するトレーナー。どう控えめに見ても食べ過ぎである。
「二人共いくらバナナが好きだからって食べ過ぎだろう…」
「大丈夫よ。その点は心配ないわ。」
「そうです!任せてください!」
「何が大丈夫なのか一応聞いておこうか…」
「バナナは健康にいいのよ。栄養豊富なの。」
「そして美味しいんです。つまり…」
「「実質0カロリーだからお得なの!!」」
「オーケー真面目に聞いた俺がバカだった…」
「あ、そうだ。トレーナーさん。写真を撮ってもらってもいいですか?」
「写真?なんでまた?」
「バナナと一緒に手紙が入ってたのよ。『バナナを咥えてるところの写真をください』って」
「は?」
「『目をつぶって両手でバナナを包みながら美味しそうに咥えてる写真』という手紙が…」
「却下!絶対にダメだ!!」
「髪を耳にかける仕草をできれば動画で…」
「もしもしポリスメン??」
「でもトレーナーさんも見たいでしょ?」
「すごくすごい見たい!ハッ!?いやいやそんな事ないぞ!」
「私たちと結婚してくれればすぐにでも見れるんですよ?」
「よしすぐに…いや!ダメだ!二人はまだ学生なんだからそれは…」
ここで二人の目が光る。
「「ということは学生じゃなければ結婚してくれるのね!?心中もしてくれるのよね!?」」
「お、落ち着け落ち着け…今のは言葉のアヤでだな?」
「アヤベさん!結婚式とお葬式どっちを先にやりましょうか!?」
「落ち着いてスズカさん!まずは宗派の確認よ!トレーナーさんはどこのお墓を予約してるの??」
「まだ墓の予約はしてないぞ…バナナ食べていいから落ち着きなさい…」
「そうでした!まずはバナナです!」
「そうね!バナナが腐ってしまうわ!」
バナナの箱に突撃する二人を見ながら一瞬の安全を確保するトレーナー。走る事とトレーナーと心中する事以外に二人が執着するなんて珍しいなと思うのだった…
「トレーナーさんと結婚できそうで危うく我を忘れるところだったわねモグモグ…」
「そうですねモグモグ…クールビューティーが売りのおせいその塊の私たちが危ないところでしたモグモグ…」
「バナナを食べながらおせいそと言う言葉を聞くとは思わなかったな美味いなこれモグモグ…」
結局3人でソファに座りながらバナナを食べることになってしまった。
「しかし二人がここまでバナナが好きだとは知らなかったな。」
「この部屋に唯一足りないものはバナナだと前から思ってたわ。今思いついたけど」
「そうですね。トレーナーさんとバナナを食べ合うなんて走ることの次くらいに素敵ですよね。今思いつきました。」
「それならたまにはバナナを仕入れてこよう。実際栄養補給にもなるし…ただ…」
一応一箇所にまとまってるバナナの皮を見ながら一旦冷静になるトレーナー。
「ただこれは一気に食べ過ぎだよなあ…」
「「大丈夫よ!トレーナーさん、これを見て」」
二人が息を合わせて言うときは大抵ろくなことじゃないんだよなあと思う部屋の主。一方の二人はバナナを一本ずつ上下を逆さにしてテーブルに置く。ちょうど0の形に見える。
「トレーナーさん、この形をよ~く見てください」
「はい」
「数字のいくつに見えるかしら?」
「0です。」
「そうですね。0です。」
「ここから導き出される答えは…」
「「バナナは栄養豊富で健康的で甘くて美味しいうえに実質0カロリーなのよ!!」」
ドヤア…と音が聞こえるかのごとくドヤ顔で力説するアヤベとスズカの二人。そしてトレーナーの結論は…
「違うよね?」
「「???」」
ドヤ顔のまま固まる二人。
「0カロリーのはず無いよね?」
トレーナーは続ける。
「トレーナーさん…何を言ってるの…?」
「そうですよ…バナナは0カロリーですよ…?」
「違うよね?二人はわかってるよね?」
「ち…違う…違うのよ…」
「そうです…トレーナーさん…冗談ですよね…?」
「違わない。バナナは0カロリーじゃないんだ。」
「そ…それじゃあ…このバナナの皮の量は…」
「私達が食べたこのバナナ達は…」
「それは…エネルギー(脂肪)になるんだよ…」
二人は顔を青ざめながら…
「あ、あ…そんな…」
「そんなことって…嘘でしょ…」
「「そんなバナナ…」」
実はアヤベさんとスズカさんとバナナが大好きなんですよね。これは新年明けて一発目のおやつなのでまだ誰も知らなかったと思うんですけどこたつでみかんも好きです。アイスでもいいよ?それはともかく今日のおやつのレシピはバナナです。実馬のアヤスズがどちらもバナナ大好きだったという噂を聞いたのでこれはアヤスズせにゃなるまいと意気込んでおやつにしました。通常のおやつシリーズは時系列をぼかしてるんですけど今回はアヤベさん菊花賞の後あたりです。というかどうやってバナナを大量に部屋に持ち込むか考えたところファンの差入れというかお見舞いということになりました。そのためスズカさんが怪我してるところでちょうどいいなということでこうなりました。なので時系列もスズカさんの怪我も特に意味はないです。要するにここから読んでも全く問題なく病んでる二人とおやつを食べられるということです。
さて前回のおやつからだいぶ期間が空きました。早い話がネタがないからです。冬で寒いせいか全く脳内が凍ったようにネタがないのです。およそ一月おやつがありませんでした。読者の皆様におかれましては餓死とか冬眠してなんとかやり過ごしていたことでしょう。しかしなんとかおやつを提供していきたい。もちろん共依存アヤベさんシリーズも。そうですこっちが問題なのです。共依存アヤベさんシリーズこそネタが無いのです。クリスマスも正月も盆もひな祭りも過ぎてしまったのにそういうネタが湧かないのです。これは困った。非常に困ったことなのです。どうもこの前の菊花賞編で約30おやつ分も書いたあたりから今ひとつ片手指一本タイポが捗らないのです。そもそもネタが無いのでタイポしようがないのですがね?ということでアヤベさんと共依存してえなあという思いを胸にしばらくはおやつを食べようかと思います。