ピンクの魔人と共に   作:クー(無課金勢)

59 / 95
第五章
近づく再会


 辺りからは多くの人々がザワザワと騒ぎ立て、兵士や医療従事者は町中を走り回っている。そんな普段以上に騒がしさの増したブルックの町で、オレは清水の先導に従って医療施設のある場所にまで走っていた。体力的には全然余裕だ。戦闘の時と比べればまったくと言っていい程問題ない。しかし、心の方の余裕はそれほど多くはない。

 

「――疑うわけじゃないが、さっきの話は本当か? 清水。いくらなんでも王国の騎士団長が一人だけでこんな町に来るなんて位置的にも立場的にもおかしいだろ」

「嘘じゃねぇよ。俺だって最初は信じられなかった! でも見ちまったんだから仕方ねぇだろ!」

 

 アンカジにあるオアシスを浄化させに行ったオレがブルックに帰還した際に告げられたメルド団長の来訪報告。想定すらしていなかったその事態について清水から詳しく話を聞くと、それは早朝の時間まで遡る。

 

 オレが出かけた少し後の頃、暇を潰すために町を散策していた清水は門の近くで人だかりを見つけた。そこに野次馬精神に従って清水が興味本位で近づくと、そこには大怪我を負って意識を失っているメルド団長の姿があった。

 

 門番の説明によると、町のすぐ近くで倒れていたところを連れてきたらしいのだが。辺境にあるこの町では王国の騎士団長の知名度が低いことと、大怪我で見た目が判別しずらいことから、誰一人としてその人物の正体が分からなかった。

 

 そこで、清水が倒れている男が王国の騎士団長であると説明した。すると、住人達は慌てふためき、メルド団長をすぐさま医療施設に運んでいったらしい。流石に一国の高い地位の人間を自分達の町で死なせるわけにはいかないと、物凄い焦りようだったと清水は語っていた。

 

 そして現在、オレ達はそのメルド団長が運ばれたという医療施設に向かっていた。どうやらかなり怪我が酷いらしく、運ばれてからしばらく経つが未だに意識を取り戻していないらしい。

 

 それから走り続けること数分、オレ達はその場所に辿り着いた。

 

 そこには、医療施設と呼ぶには些か不衛生な建物があった。勿論普通の住居とかに比べれば清潔であるのだろう。だが日本の病院などと比べればその清潔感は比べ物にならない。マサカの宿の方が綺麗に思える。

 

 科学技術がそれほど発展していないトータスなのだから仕方ないかもしれないが、それを踏まえてもここが医療施設だとはどうしても思えない。

 

 やはりこの世界では技術的な医療よりも治癒魔法の方が重視されているため、あまりこういう施設に金をかけることはないのだろう。

 

 実際、魔法を使わない治療と魔法を使った治療では効率的にも効果的にも圧倒的に後者の方に利がある。しかし、あくまでそれは怪我などの外傷に限られる。再生魔法のように概念そのものに干渉するようなものを除いて、通常の治癒魔法では内面的な症状……病気や精神病の類には効果が薄い。

 

 例えるならば、ただの風邪であったとしても治癒魔法をかけ続けるより、日本で売っている風邪薬を飲んだ方が簡単に治るだろう。

 

 勿論魔法がまったく効かないというわけでもないが、時には魔法に頼らないやり方の方が効果的ということもある。それを必要のないものとして重視しないのは愚かな判断だとオレは思う。

 

 そんなトータスの医療技術の軽視に呆れに近い感情を抱きながらも、オレはその施設の扉を開けて中に入る。

 

「……で、メルド団長はどこにいるんだ?」

「こっちだ。確か一番奥の部屋に運ばれてた……」

 

 どうやら王国の騎士団長ということでVIP待遇を受けているらしい。オレは清水の案内に従って、一番奥にあるそこそこ清潔な部屋に入った。

 

 部屋の中には、四人の医者っぽい恰好をした男と中央に設置された大きな白いベットの上に横たわる大柄の男がいた。

 

「おい、その人は大丈夫なのか?」

 

 清水が医者達に声をかける。どうやら、メルド団長をこの医療施設まで運ぶのを手伝っていたようで、医者達とは顔見知りらしい。医者の一人はそんな清水の存在に気づき、一歩前に出ると悔しそうに首を横に振った。

 

「残念だが、内臓まで破壊されてしまっている。余程酷い攻撃を受けたのだろう。まだ生きているのが不思議なくらいです」

「クソッ……やっぱりそうか。あんたに一体何があったんだよ」

「……どいてろ、オレが治す」

 

 そんな暗そうな雰囲気で不穏な会話を続ける医者と清水を両手で押しのけ、オレはベットの上で横たわるメルド団長の前まで近づく。

 

 顔面は歪んで、元の形状がギリギリ判別できてはいるものの酷い状態だ。四肢は折れ、本来曲がってはいけない方向にまで曲がっている。身体の至る箇所に痣や切り傷がみられ、もはや傷のない場所を探す方が困難だ。

 

 最低限の治療は行われているものの、それは本当に最低限であり、未だに消耗を続ける気は回復の兆しすら見せていない。単純な推測ではあるが、あと数時間もすれば死に至るだろう。もし日本の科学力がこの世界にあったとしてもこのレベルの重症はもう手遅れとしか言いようがない。

 

「き、君ぃ……何をするんだ! 彼は怪我人で王国の騎士団長だぞ! 下手に近づくんじゃない!」

「そうだぞ、彼に何かあってみろ! 私達が責任を負わされることになるかもしれんのだぞ!」

「黙って見ていろ!」

「「「は、はいぃ……」」」

 

 少しうるさかったため、殺気をぶつけると清水と共にビビりながら下がっていく情けない医者達。彼らを尻目に、オレはメルド団長の胸に手を置く。怪我の状態は大体把握した。まあ、一秒あれば十分だろ。

 

 オレは"回復の術"を発動させる。

 

 この男を死なせるわけにはいかない。単に人間的に好感の持てる人物だということもあるが、満身創痍になってまでこんな所に一人で来た理由を教えてもらう必要がある。この男に何かあったとすれば、それは同時に王国に何かがあったと考えるべきだ。

 

 想定したくはない未来だが、王国にいる八重樫達に何かがあった可能性もある以上、絶対にメルド団長は救う。少なくとも死ぬのは話を聞かせてもらった後にしてもらおう。

 

 "回復の術"は問題なく発動し、メルド団長の傷が一瞬のうちに癒されていく。体中の傷や内臓の負傷が治り、顔も以前とは変わらない状態まで瞬く間に戻った。

 

 その直後のことだった。

 

「ッ……!?」

「「「「ひぃっ!!!」」」」

 

 メルド団長がいきなり目を覚まし、ガバッと上半身を起こした。

 

 もう助からないと思われていた者が当たり前のように目を覚ました現状に医者達をお互いの体を抱き合って飛び跳ねるように驚愕し、清水も腰を抜かして床に座り込む。どうでもいいが、なんで清水までそんな驚いてんだよ。おまえはこの力でで治療された側の人間だろうが。

 

 ただオレもこの状況には少し驚いた。回復した瞬間に目を覚まして起き上がるのは今までにない経験だ。普通は怪我が治ったとしても多少の体のダルさが残っているはずなのだが、身体をよく鍛えているメルド団長だからこそなのかもしれない。これは良い意味で予想を裏切られた。わざわざ起きるのを待つ必要がないのは話を聞く上で都合がいい。

 

「ここは……俺は一体……」

 

 しかし、どうやらメルド団長の方も相当混乱しているらしい。目を覚ませば見知らぬ場所で見知らぬ人物達に囲まれていればそうもなるだろう。頭を抑えて必死に何かを思い出そうとしている。

 

 数秒して、何かを思いだしたのだろう。ハッとした表情を見せると、今度はいきなりベットから飛び降りようとし始めた。

 

「そ、そうだ! 檜山のことを早くハジメに報告しなければ!」

「いや待て待て待て、少し落ち着け」

 

 当然オレはそれを止める。先程まで怪我人だったくせに立ち上がろうとするメルド団長の肩を上から押し付け、ベットに無理矢理押さえつけた。流石に今のセリフの中には聞き逃せないものがあった。

 

「貴女が俺を救ってくれたのか? 誰かは知らないが、感謝する。だが、礼は後にして欲しい。俺には急いでやらねばならないことがある。王国の存続が関わっているのだ!」

「なんかナチュラルに女扱いされてる気がする……」

 

 こちらの話を聞くつもりのない様子のメルド団長はすぐにでも部屋から飛び出そうと体に力を入れるも、オレの方も少し力を入れて押さえつける。気を使えなくとも、先程まで怪我人だった人間を抑えるなどそう難しいことではない。

 

 どれだけ力を入れても体を動かせないことに気づいたメルド団長はオレの細腕に抑えられていることに気づき、「えっ」っと目を丸くして見つめてくる。

 

「少しは落ち着けないのか。あんたにはここがどこなのかも、オレ達が何者なのかも分かってないだろ。もう少し冷静に状況を把握しろ。それでも騎士団長だろ?」

 

 ここで一番有効なのは、オレの正体が風磨仁であると告げることなのだろうが、十中八九信じてもらえない。むしろ、何故その名前を知っているのかと警戒される可能性もある。

 

 一体どうすればいいのか? オレはそこで悩んでいたのだが、案外答えはすぐに見つかった。

 

 オレは後ろで腰を抜かしていた清水に顎で指示を送る。

 

 姿が変わってしまったオレのことが分からないにしても、流石にこいつのことは分かるだろう……分かるよな? 清水はそんな意図を察し、なんとか立ち上がってオレの前に一歩出る。

 

「メルド団長、俺が分かるか? あんたに鍛えられたゆう……勇者一人の清水幸利だ」

「し、清水!? お前なんでこんなところに、愛子と一緒にウルに行ったんじゃないのか? もしかしてここはウルなのか!?」

「いや違うけど。……あーその……実は色々あって今は先生とは別行動してて……」

 

 いくらなんでもウルの町襲撃事件の話はしずらいようで、清水は目を泳がせながら言いよどむ。どうせいつかはバレることなのだから、いちいち隠すこともないだろうとは思ったが、ここは清水の判断に任せよう。

 

「そ、そんなことより、なんであんたがこの町にいるんだよ。さっき檜山がどうとか言ってたが、あいつまたなんかやらかしたのか!」

「そ、そうだ! 早くこのことをハジメ達に知らせなけれっ…………」

「だから大人しくしろっ!」

「あだぁあ!?」

 

 清水の言葉によって、思い出したかのようにまたメルド団長はベットから起き上がろうとする。学習しない馬鹿に流石にイラッときたオレはある程度加減した状態で髪を掴み、地面に叩きつけた。清水や近くにいる医者達が目を飛び出して驚いているが、一度完全に回復しているのだから問題はない。

 

 そして、地べたに仰向けになって頭を抑えているメルド団長にグイッと顔を近づけて言った。

 

「次勝手に動こうとしたらまずその両足をへし折る。それでも暴れるようなら次は腕を折る。あんたが大人しくするつもりがないなら大人しくなるまで壊す。いいな。分かったら何があったのかを簡潔に説明しろ」

「あ……はい……」

 

 目を点にし、呆気に取られたままコクコクと頷くメルド団長はハイリヒ王国で何が起こったのかを話し始めた。

 

 それは、オレの想定していた以上にヤバい状況だった。

 

 事の発端は、少し前から王宮内で今までにない異常が見られるようになったことらしい。

 

 まず国王を始めとした王宮の重鎮達が今まで以上に聖教教会に傾倒し、エヒト神への信仰を強めた。それだけならば、元から気持ち悪い程の信仰心だったため、その延長線だと思ったのだが、異常はそれだけではすまなかった。

 

 妙に覇気がない、もっと言えば生気のない騎士や兵士達が少しづつ増えていったのだ。メルド団長から見ての違和感ではあるが、声をかけても今までの快活さが感じられず、どこか機械的に言葉しか発さなかったらしい。

 

 そこに不信感を抱いたメルド団長は副団長であるホセと共に王宮内で国王にすら告げずに見回りを始めたようだ。その行為自体は騎士団の人間として間違っていない。むしろ確証すら得られない状態でここまで行動に移せたことを褒めるべきだ。

 

 だが結果としてそれは失敗に終わった。

 

 元々、清水の残した手紙によって檜山のことを警戒していたメルド団長だったが、警戒はそれでも足りなかった。王宮内を見回るメルド団長達の前に何故か複数の兵士と騎士達を引き連れた檜山が現れたのだ。

 

 それからは意味も分からないまま檜山に従う兵士と騎士達に襲われ、二人は必死に抵抗を続けたものの、最終的にはホセ副団長が自分を囮にすることでメルド団長だけが王宮から脱出したらしい。

 

 檜山が兵士や騎士達を従えていたことから、この国に味方がいる可能性が低いと判断したメルド団長は自分の知る限り最も高い戦闘力を持つ者……南雲ハジメにこの状況を伝えることを目的に、ハイリヒ王国から逃げ出したという。

 

 しかし、メルド団長を追っていたのは檜山だけではなかった。

 

 空を飛ぶ銀髪碧眼の教会修道服を着た女にハイリヒ王国から脱出した先でも襲われたのだという。うん、十中八九神の使徒だ。その少女に襲われながらも逃げ続け、全身に大怪我を負ってもがむしゃらに走り続けている内に意識を失い、今に至るという流れだ。

 

「――俺が話せるのはここまでだ。俺にも何が何だか分からん。檜山があいつらに何をしたのかも、国王陛下がおかしくなっちまったのも、あの銀髪女が何者なのかも、何も分からねぇ。でも、これだけは分かる……」

 

 そして、最後にメルド団長は清水を真正面から見つめて言った。

 

「これ以上あいつらを野放しにしてると、ハイリヒ王国は近い内に滅んじまう」

 

 まるで確信しているかのようなその言葉にオレは無意識の内に舌を鳴らしていた。

 

 檜山の目的は百パーセント白崎だ。あの天然鈍感恋愛脳女を手に入れるためなら殺人くらい余裕でする危険性があいつにはある。そうでもなきゃオレを巻き込んでまでハジメを殺そうだなんて考えてない。

 

 しかし、行動に移すにしてももう少し先の事だと思っていた。なぜなら、檜山はああ見えて姑息さと卑怯さで言えばクラス内ではナンバーワンだ。確実にいけるという確証がなければ行動に移す可能性は低い。

 

 白崎の近くにはあの独占欲マシマシ勘違い男である天之川がいる。オレの知らぬ間に檜山がどれだけ強くなったとしても、最前線で戦う天之川の目を盗んで白崎に手を出すなんてできるわけがない。

 

 つまり、このタイミングで行動に移してきたということは、少なくとも天之川相手に対抗できる手段を所持していると考えるべきだ。この短期間でその手段を手に入れられるとは思えないから協力者がいるとみるべきだが、それがあのクソ神の関係者だと考えれば辻褄は合う。

 

 それに、共犯者がまだ他にいる可能性も十分考えられる。その誰かの目的によってはもう王国は取り返しのつかない状況になっているかもしれない。

 

 だからこそ、

 

「清水、今すぐハイリヒ王国に向かうぞ」

 

 オレはすぐにそう宣言した。今までなんだかんだと引き延ばしにしていたが、あいつらの元に帰る時がようやく来たのだ。オレがオレであると信じてもらえないかもしれない。だがそれでも構わない。あいつら見捨てる理由には至らない。

 

 オレの言葉に清水は待ってましたといわんばかりに強く頷く。しかし、それを聞いたメルド団長は焦ったような表情でオレと清水を止めにかかってきた。

 

「やめてくれ。貴女の気持ちはありがたいが、あの銀髪女はとんでもない強さだ。普通の人間が勝てる相手じゃない。だから、ハジメという青年を探し――」

「その女ならさっき殺した」

「……は?」

 

 そう告げるとメルド団長は口をポカンと開けて唖然とする。

 

「……お前のことだから嘘じゃないってのは分かってるけどよ。マジ……なんだよな?」

「当然だ。さっきアンカジって砂漠の町にいる時に襲われてな。まあ、大した敵じゃなかった。でも、あれは一匹見たら百匹いるタイプの量産型だから、多分王国にいるのは別個体だろ。ああ、安心しろ。性能自体はそんな変わらないからオレの敵じゃない」

「……ゴキブリかなんかか?」

 

 きっと先程アンカジ公国で処理した神の使徒はメルドの言うシスターとは別個体だろうが、実力にそう大きな差はないはずだ。オレがその銀髪女の同類を殺したことにメルド団長は驚愕し、それをあっさり信じた清水にさらに衝撃を受ける。

 

 確かに奴らは普通の人間相手では戦いにすらならないかもしれないが、悪いがオレは普通の人間の括りには入らない。

 

「それにあんたの言うハジメってのは白髪で真っ黒な服着た。女数人連れたハーレム男のことだろ。あいつならこの前ちょっと喧嘩したから強さはよく分かってるけど、オレからしてみればまだまだ弱い。まあ、あの銀髪女を殺すくらいならできると思うが、オレが行った方が早いし確実だ」

「……なん、だと?」

「「「嘘だろっ!?」」」

 

 ハジメは確かに強いが、それでもオレからしてみればまだ弱者の部類に入る。そう告げると、メルド団長はオレを信じられないと言いたげに見つめ、何故か医者三人が声を大にして驚く。なんでおまえらの方が反応でかいんだよ。

 

「本当……なのか?」

「こんなつまらない嘘を吐くほどオレは小さい奴じゃない。約束してやる。王国の問題はオレが解決してやるよ」

 

 その問答を終えると、メルド団長は一度沈黙し、心の中で覚悟を決めたように頷くと、まっすぐオレを見つめて言った。

 

「――頼む。ハイリヒ王国を、あいつらを救ってくれ!」

 

 地面に額を着けた土下座の体勢でそう頼みこんでくるメルド団長。その頼みを断るつもりなどオレには当然なく、オレと清水はすぐさまウルの町を出る準備を始めた。

 

 

 

おまけ

 

「あ、念のため言っておくけど、オレも召喚された勇者の一人の風磨仁だ。またよろしく頼むぜ、メルド団長♪」

「……ゑゑ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は少し遡り、仁が人造人間M(ミレディ)と名乗る【ライセン大迷宮】の主、ミレディ・ライセンとの戦いに勝利した頃、ハジメ一行は七大迷宮の一つである【メルジーネ海底遺跡】の最深層付近にまで辿り着いていた。

 

 アンカジ公国にて仁の情報を手に入れたハジメはその後【グリューエン大火山】に向かったはいいものの、現魔人族のリーダーであるフリード・バグアーに同族を殺したといちゃもんをつけられた結果罠に嵌り、そのまま海に流されるはめとなった。

 

 事実、ハジメは光輝達と再会した際に魔人族の女を一人殺しているのだが、何故か仁が殺した魔人族までハジメのせいにされ、本人はただただ困惑していた。

 

 それから先も、ハジメ一行の苦労は続いた。海上に浮かべた潜水艇の上で日向ぼっこしていたら、海人族の自警団に見つかって拘束されかけ。返り討ちにしてエリセンという町に辿り着いたのだが、あまり歓迎はされず。町にいた幼子には「あっ、厨二病なの!」と指を差され、その後すぐにその姉っぽい黒ギャルが「ちょっ、見ちゃいけません!」と幼子を連れて遠くに離れていった光景にハジメは心が折れた。

 

 その後も、奴隷を連れた人間というだけで警戒してくるエリセンの住人達から冷遇的な扱いを受け、身心共に十分な休息を取ることが出来なかったハジメはそんな状態のまま【メルジーネ海底遺跡】へ挑んだ。

 

 唯一幸運だったのは、大迷宮の中ではそう困難な試練に出会わなかったことだろう。今までの大迷宮と比べ、精神的な試練がメインであった【メルジーネ海底遺跡】の攻略は魔物のレベルが軒並み低く非常に楽だった。それは、少し前に大迷宮に挑んだ仁が一番厄介となるであろうクリオネモドキを排除したからであるということを今のハジメ達は知らない。

 

 しかし、最後の最後にとんでもない"化け物"が現れた。

 

「ふぬぅっっっっぉおおおおおおおオォ!! 死ねぇええい! "拾弐の手"!!」

 

「いい加減その掛け算やめろ!」

「……守るっ」

 

 二つの吸盤が付いたゲソが至近距離で衝突することで大爆発を引き起こす。防御していなければ人体くらいならば容易く吹き飛ばすだろう。しかし、そんなことは魔法のスペシャリストであるユエが許さない。咄嗟に障壁を展開し、その衝撃を完全に防ぐ。

 

「ッ……!!」

 

 ユエの障壁は、例え即行で張られたものであっても強固極まりないものだ。だがそれでもギリギリだった。障壁には大きな罅が入り、今にも割れてしまいそうだ。

 

「どぉりゃああ!!」

「今度はこちらの番じゃ!」

 

 その攻撃をユエが何度も防げるものではないと様子を見て瞬時に判断したシアとティオがすぐさま攻撃に移る。狙いは一つ、その大きく膨らんだ頭部だ。

 

 シアが"重力魔法"で重みを増したドリュッケンを振り下ろし、ティオが直径十メートルはあるであろう巨大な火炎竜巻を放つ。日に日にパワーアップする二人の攻撃はその気になれば大迷宮にどでかい大穴をあけることすら可能だろう。

 

「甘いわぁ、"弐拾肆の手"!」

 

 しかし、それは容易く防がれる。

 

 八つ目の鉄のように変質した足がドリュッケンを正面から防ぎ、三つ目の燃え盛る足がティオの炎を絡めとるようにして無効化する。

 

「ぬるいぬるいぬるーい! ワシをその程度で倒すにはぬるすぎるぞ! まるで放置して数時間も経ったお風呂のようだ……クハハハハハ! ナイスな例え、ワシサイコー!!」

 

 更に攻撃を防いだだけでなく、八つ目の足を鞭のように振り回して攻撃もしてくる。なんとか二人は防御に成功するも、勢いよく吹き飛んで洞窟の壁に衝突する。そんな二人に少し前から詠唱を開始していた香織がハジメの背後から治癒魔法を行使する。

 

「――もの皆、その(かいな)に抱きて、ここに聖母は微笑む "聖典"!」

 

 直後、香織を中心に光の波紋が広がり、シアとティアの傷を癒す。

 

「ありがとうございます!」

「感謝するぞ!」

 

 ――"聖典"。それは、香織の扱う魔法でも最も広範囲な回復魔法で、領域内にいる者を全員まとめて回復させる効果を持つ。勿論、あらかじめハジメ達に"目印(マーク)"を持たせているので、敵まで回復させることはない。普通は数十人掛りで長時間の詠唱と巨大な魔法陣を必要とする魔法ではあるが、香織の場合はたった一、二分でしかも一人で行使できる。

 

 それは、現代の魔法詠唱者からしてみればとんでもないチート具合であるのだが、この戦いについていける程ではない。

 

「フハハハハハ! まだ粘るかぁ、よいだろう何度でもかかってこい! ワシを倒せる化け物など、あの魔人しかおるまい!!」

「チッ……厄介だな」

 

 現在、ハジメ達が対峙する敵。それは全長二十メートル以上の巨体にそれぞれ異なる魔法を発動させる八本の足と二本のヒゲのような足を持ち、言語を理解している程の知性を持つ、神代から生き続ける程の危機管理能力を持つ生ける伝説。

 

 数日前に仁にコテンパンにされ、下僕と成り果てたばかりのオケノスであった。

 

 その姿を見て、ハジメは最初に「クラーケン……」と呟いたのだが、そっちはどうやら親戚の子供らしい。お前親戚とかいたのかよ。

 

 彼らがこうして戦ってる理由はごく単純だ。

 

 仁と共に解放者の住居でメイル・メルジーネの真意を知ったオケノスはらしくもなく自分の立ち位置について改めて考えていた。

 

 元々、理由も聞かされずにこの大迷宮にスカウトされ、挑戦者を倒して欲しいと頼まれたオケノスだったが、最初の方はまだ自分の仕事を真っ当していた。ただ時が経つ内にそのやる気は次第に失われていき、ざっと三百年程が経った時点でオケノスは完全に飽きた。

 

 それからは、気分が乗れば挑戦者の前に現れるものの、基本的には大迷宮の底で寝てばかり。仁の場合は暴走したゲソを切断されたことで痛みのあまり飛び起きたに過ぎない。

 

 そんなオケノスはメイルが神を、そして魔人ブウを打倒するなどというほぼ不可能に近い目標を掲げているという事実を知って、大きな衝撃を受けた。神がどれほどの力を持つかオケノスは知らない。だがブウの強さは身をもって理解していた。

 

 例え自分が何百年何千年経とうととも勝てるとは思えない化け物を相手に、矮小な人間達が本気で倒すために未来に力を託していたのだ。それは『勝てない敵とは戦わない』という考えを持つオケノスにとっては大きな衝撃だった。

 

 だからこそオケノスは考えた。そこまでして残したメイルの神代魔法を自分に負けるような情けない相手に与えてよいものかと。そして同時に理解した。もし自分がサボっている内に性格的にどうしようもない奴が大迷宮をクリアして神代魔法を手に入れてしまったら……最悪の場合主である仁の機嫌を損ねる危険性がある。

 

 それだけは絶対に避けねばならないことであった。オケノスにとって仁の機嫌が悪くなることは死に直結する。

 

 つまり、オケノスはメイルの覚悟に感動した心三割、仁への恐怖心七割といった感じで真面目に働くことに決めたのだ。

 

 そうなれば当然、大迷宮のガーディアン(ラスボス)であるオケノスと大迷宮の挑戦者(チャレンジャー)であるハジメ一行が衝突するのは必然であり。この戦いは起こるべきものとして当然のように始まった。

 

 そして、現在の戦況は僅かにオケノス側に傾いていた。

 

 それもそのはず、この大迷宮はハジメ達が今まで攻略してきた大迷宮とは明確な違いがある。七大迷宮には単純な解放者の隠れ家と神代魔法を入手する試練の場という目的以外にも別の目的があって作られた。

 

 その一つが、魔人ブウを迎撃すること。

 

 【オルクス大迷宮】は例外として、【ライセン大迷宮】や【グリューエン大火山】、それ以外の大迷宮でも『対魔人ブウ用の戦力』が用意されている。

 

 ただそれは通常の攻略者に対しては過剰戦力であるため、他の大迷宮では通常用とブウ用の試練を使い分けている。そのため、ハジメ一行は今まで仁が挑んだような難易度鬼モードの大迷宮には挑んだことがなかったのだ。

 

 しかし、この【メルジーネ海底遺跡】は違う。

 

 『難易度なんて高ければ高いほどいいでしょ!』というかなり脳筋的な考え方をしたメイル・メルジーネのせいにより、ここではブウ対策として用意されたオケノスがそのまま一般挑戦者にも襲い掛かってくる仕組みなのだ。

 

 その難易度は今までハジメ達が突破してきた七大迷宮とは比にならない。仁はオケノスをハジメよりも少し強いくらいだと表現したが、それはあくまで仁から見てのものだ。仁とハジメでは強さの基準が違う。

 

 圧倒的な実力を持っていながら、自分より上の存在を知り、更なる力を求める仁と自分が世界で最強の実力者だと勘違いしていたハジメでは強さのハードルの高さがまったく異なる。仁にとってそう大きな差ではなくとも、ハジメにとっては命の危機に発展するほどのものなのだ。

 

 その上、【オルクス大迷宮】で戦ったヒュドラのように様々な攻撃手段を持ち、回復もできる。そんな相手にハジメ達は五人がかりとはいえ、苦戦を避けられるわけがなかった。

 

 そしてとうとう、ハジメは最大の危機に追い込まれた。

 

「フハハハハハ!! 油断したなあ人間ンン!」

「クソッ、力が出ねぇ!!」

 

 地面から生えたオケノスの左側の触腕によってハジメが捕らえられたのだ。すぐさまユエ、シア、ティオが救助に向かうも他のゲソに邪魔され妨害される。

 

 掴まれた本人であるハジメも必死に抜け出そうとするも、その触腕には対象の弱体化の魔法が発動され、技能を使うことすらできない。必死の形相を浮かべるハジメの様子に仲間の少女達も焦ったようにゲソの破壊を試みるが破壊した先から右側にある触腕で回復され、どうしてもハジメの元にまで辿り着けない。

 

「歓喜するがいい、これこそが我が奥義、"零の手"!!」

 

 そうこうしている内にオケノスは先程から何度も見せていた墨レーザーを放とうとしたところで、ついに耐えきれなくなった香織が叫んだ。

 

「ハジメ君ッ!!」

「クハハ! いいぞ、その恐怖に歪む症状を………………んん!?」

 

 次の瞬間、今まで余裕の雰囲気を崩さなかったオケノスがピシリと固まった。その一瞬の隙を見逃さずにシアがゲソの隙間を潜り抜けてハジメを救出するも、オケノスはそれに反応するような動作は見せず、だらだらと冷や汗を流しながら顔を青くする。

 

 無防備なオケノスに向かって弱体化が解かれたハジメが容赦なくドンナーを放つも、あっさりとゲソの一本に防がれる。それに舌打ちしつつ別の攻撃方法を試そうとした次の瞬間……

 

「人間、貴様もしや……"ナグモハジメ"という名か?」

「……はあ?」

 

 オケノスはいきなりそんなことを言ってきた。ハジメの名前を発した目の前の敵にその場にいる全員が困惑する。名前は先程香織が呼んだことで分かってもおかしくないが、フルネームを知っているのはどう考えてもかしい。

 

「テメェ……俺の名前をどこで知った」

 

 初手は言語を話すイカに動揺していたハジメであったが、もう慣れてしまった。当たり前のようにイカに話しかける。『イカに話しかける厨二病』……言葉にしてみるとなかなか面白いフレーズだ。

 

「やはりそうか……ふう、危なかった。危うく殺してしまうところだった……」

 

 ハジメの質問を無視し、安堵したような雰囲気を見せるオケノスにハジメのイライラゲージが上昇していく。だが先にキレたのはオケノスの方だった。

 

「貴様ッ、男なら最初から名乗らんか! 貴様を殺してしまったら死ぬのはワシなんだぞ! いい加減にしろ!」

「うるせぇ! 最初にけしかけてきたのはお前だろうが!」

 

 あまりにも理不尽な怒りを向けられたことで、とうとうハジメはキレた。元より、常時こちらを見下した発言をしながら襲い掛かってくるイカというだけで腹が立つのに、そこにふざけた戦い方も加わり、しまいには今の逆ギレだ。ハジメのイライラゲージは限界を迎えた。

 

「いいか、ワシは"ナグモハジメ"という男の命を奪ったらお前を殺すと"我が主"に脅されておるのだ! 貴様が名乗らんばかりにワシが殺されたらどう責任を取るつもりだ!」

「知るかイカ野郎! そもそもなんでお前の主人が俺のこと知ってんだよ! 俺はメイル・メルジーネと会ったことなんてねぇぞ!!」

 

 その言い合いは言葉だけを聞けばまさにヤンキー同士の口喧嘩という表現が相応しいだろう。先程までの緊迫した状況から一変し、なんか空気感が変わったことを察したハジメ以外のメンバーはどうしていいか分からず困惑する。

 

 しかし、その空気はオケノスが放った次のセリフで再度一変した。

 

「はあ? 貴様は一体何を言っておる。我が主は"フウマジン"と名乗る男だ! あの女ではない!」

「……は?」

 

 あまりにも想定外過ぎる名前が登場し、ハジメは呆然とする。それはハジメでけではなく、アンカジ公国で風磨仁の名を聞いた他の者達も同様に衝撃を受けていた。特に仁と幼馴染である香織の衝撃は大きい。

 

「はあ……もうよい。神代魔法ならあそこの穴を進めば手に入る。さっさと行け。ワシは寝る!」

「は……いやちょ、おいコラ待てや!」

「じゃ~の~」

 

 動揺するハジメ達を置いて、オケノスは湖の底に潜っていく。すぐさまハジメは追って事情を聞き出そうとしたが、既にどれだけ目を凝らそうとも見えないレベルで深くまで潜っていってしまった。

 

「あのイカ野郎逃げやがった……!!」

 

 せっかく手に入りそうな仁の手がかりをまんまと逃がしたことで、ハジメは己の失態を悔やむ。しかし、ダメだったものは仕方ない。ハジメは大人しくオケノスを追うのを諦めて、たった今判明した新事実について整理する。

 

「ふぅ……一体どうなってんだ。なんで仁があのイカの主人になってんだよ……」

 

 アンカジで得た証言から、風磨仁という人間が生きていたことは判明していた。だがそれ以上の問題も発生してしまった。

 

 アンカジの時もそうだったが、何故仁は生存報告と同時によく分からない情報がセットになっているんだ。ハジメは親友の相変わらずの意味不明さに頭を抱える。今の彼の心境はとても複雑なものになっているに違いない。

 

 リーダーであるハジメが混乱している中で、この場で最年長であるティオが発言する。

 

「ふむ、ここは一旦情報を整理するべきではないかの? ご主人様の気持ちも分からなくはないが、今は情報が混雑しすぎておる。一度、冷静に一つ一つの情報を整理してみるべきではないか?」

「そう……だな。助かるティオ」

 

 ハジメからの珍しい純粋な感謝に息を荒くして興奮するティオは周囲を引かせながらも、風磨仁に関する情報を整理し始めた。

 

「まず、現状分かっていることを大まかに纏めるならば、『風磨仁という男は生存している』『アンカジを魔人族から救った』『七大迷宮の攻略を目指している』『巨大イカの主である』といったところかのう。不確定な情報は今は伏せておくとして、ここで何か疑問がある者はおるか?」

「……やっぱり、この中だとさっきの魔物の主人になってるのかが一番謎ですよね? 他のことに関してはある程度説明もつきますけど、やっぱりこれだけ異質です」

 

 ティオが簡潔にまとめ、シアがそれに対して疑問を上げる。そんなシアの指摘にハジメを含めた全員が黙り込む。

 

 生存していること自体は可能性がゼロではなかったためまだありえる。アンカジを救った件も仁の性格とある程度の実力が揃っていればそう疑問に感じることでもない。アンカジで仁が【グリューエン大火山】の攻略を目指しているかもしれないという話を聞いた時も、【オルクス大迷宮】を突破して、世界の真実を知ったならば十分考えられる話だ。

 

 しかし、オケノスの主人になっている件に関してはそう簡単には納得できない。

 

 七大迷宮の攻略を目標としているのだから、オケノスと関わりがあったとしても何ら不思議ではない。だが大迷宮のガーディアンの主人になっているなど常識的に考えてあり得ない。そもそも、ハジメが常識を語るなとも言いたいが。

 

 ただ絶対にありえない話ではない。とある条件さえ突破していれば、誰でも思いつく簡単な手段がある。それをこの場にいる誰もが気づき、その過程まである程度想定ができてしまったからこそ、ハジメとユエ、シア、ティオは言葉を発することができない。

 

 なぜなら、そんなことは今のハジメにもできないからだ。

 

 しかし、静寂とした空気感の中、相変わらず空気を読まない香織はさも当たり前のようにその答えを口にした。

 

「じゃあ、仁君があの魔物を倒して手懐けたってことじゃないの?」

 

 その言葉と同時に再び沈黙の時間が発生する。

 

 香織の言っていることは間違っていない。むしろ、それ以外に考えられない。

 

 可能性だけで言うなら、洗脳という可能性もなくはないが、どう見てもオケノスは洗脳されているわけがなく、自分の意志で従っていると考えるべきだ。それは、実際に洗脳された経験があるティオが違うと断言できる。

 

 だとしたら香織の言う通り力でねじ伏せて従えさせたということになるのだが、そうなってくるとどうしても避けては通れない事実が浮かんでくる。

 

「アレを一人で手懐けるって……化け物ですか?」

「「「「……」」」」

 

 シアがポツリと呟いた。

 

 相手を力で従わせることは相応の実力差がなければ不可能だ。少なくとも四人がかりで苦戦していたハジメ達には絶対にできないし、アンカジでの情報から仁が一人で旅をしていたことも知ってるため、より現実味が無くなってくる。

 

「まったく、本当にどうなってんだ……女になったり化け物を手懐けたり。あいつマジで人間辞めてんじゃないだろうな」

「いくらなんでもそれは……」

 

 ハジメの言葉に全員が呆れ気味に苦笑いを浮かべる。実際にところ、ハジメの冗談は間違っていないのだが、誰もその想定を真面目に受け取るものはいない。まさか、普通の人間が魔人ブウになっているなどとは想像できるわけがないだろう。

 

「はぁ……とりあえず先を急ぐか。あのイカの気が変わってまた来るかもしれないし。次来たら殺してやるがな」

 

 結局、考えれば考えるだけ分からないことが増えるという結論に至ったハジメはこれ以上思考を回すことを止め、先程オケノスが示した穴に向かって移動することにした。ここで、ハジメがオケノスの言葉を嘘だと悩まなかった時点で、彼がどれだけ混乱しているのか分かるだろう。

 

 そして、その後数十分程度でハジメ達は【メルジーネ海底遺跡】の神代魔法である"再生魔法"を手に入れ地上に戻ることとなる。

 

 その数日後に、地上でとある顔見知りの少女と遭遇することになり、ハイリヒ王国に戻ることになるのだが、それは奇しくも仁と清水がメルドと再会した時と同じタイミングであった。

 

 二人の二度目の再会は近い。再び再会した彼らは再会の喜びに震えるのか、それとも以前のように衝突するのか、それはその時にならなければ理解できないことである。ただ一つ分かることがあるとするならば……

 

 彼らの再会場所は、またもや戦場である。




メルド
正史からずれて、生存した騎士団長。
メルドが生きている原因は、檜山を警戒していたために不意打ちを受けることなく、檜山から警戒されていることを告げられたヤンデレも迂闊には手を出せなかったため。それと、ホセが囮になったことで絶対に逃げるという気合いが生まれたことで、ノイントからも死ぬギリギリながら逃げ切ることができた。
メルドが生存してることで闇落ち系女子の光輝に対する切り札が一つ消えたが、どうせ光輝なのだから普通に負ける。
原作では気づいたら死んでた感が強かったので、どうしても助けたかった人の一人。

ホセ副団長
闇落ち系女子「ああ、彼なら僕のためにお人形さんになってくれたよ」

医者×3
ユエに告ってフラれたブルックの住人。ハジメ達の恐ろしさを身に染みて知っているため、仁がハジメを雑魚扱いして滅茶苦茶ビビってる。

珍しく仕事してるオケノス
まさかの再登場したイカ。
ちょっとはマシになったようだが、多分もう五百年もすれば飽きて食っちゃ寝の生活に戻る。この世界ではかなり実力がある方だが、本気のハジメ達と戦ってギリギリ勝てるくらいの強さ。
ちなみに親戚の子供であるクラーケン君は去年に食中毒で死んだ。

ハジメ&ハジメレディーズ
オケノスと戦い、不戦勝となったパーティー。
仁がもしかしたらめっちゃ強いかもという疑惑は発生しているが、それでも未だにハジメが最強だと思い込んでいる。愛の力とは恐ろしい。
この後王女様に出会って一緒にハイリヒ王国に帰ることになるのだが、愛子先生攫われてるわ、勇者パーティー壊滅寸前だわ、なんかピンク色の見た事ある奴いるわで大変なことに巻き込まれる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。