ピンクの魔人と共に   作:クー(無課金勢)

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 前回の話の続きは一旦飛ばします。今回の話が前回のラストと繋がっていませんが安心してください。ミスではありません。
 時系列的には前回のラストで気絶した仁君が目覚めて数時間後の話です。
 仁君が気絶している間に何があったのかは次の話で明らかにする予定です。
あ! 話を飛ばしたことに特に深い理由はありませんよ。強いて言うなら、そっちの方が区切りを付けやすいからです。


王都での休暇 後編

 時刻は深夜。漆黒に染まる暗い空に雲の中から姿を見せる煌びやかな月。月光は眩しいほどに明るく、ハイリヒ王国の全てを照らしていた。突如王都を襲撃した魔人族。彼らが残した被害は大きく、多くの人々や建物が犠牲となった。しかし、王都で暮らす人々の顔に絶望の色はない。明日に希望を抱いてこんな夜中だというのに町の復興作業を進めている。

 

 そんな活気に溢れた王都の姿を王宮の頂点……先細りし、尖った先端の上からオレは見下ろしていた。

 

「案外……悪くはないもんだな」

 

 アニメとか漫画でよく見かけるカッコいいキャラはこういう高い所に登りがちだ。だからオレもそんな先人達を見習って試してみたのだが……意外にも悪くない。ここから見える景色は中々良いものだし、肌に触れる風も心地よい。そして何より静かだ。

 

 なにかと突っかかってくる天之河(馬鹿)はいないし、いつ見ても女といちゃついているハジメ(ハーレム野郎)もいない。目が合えばストーキングしてくるランデル(ショタ)に見つかることもなければ、王宮で暮らす奴らに余計な気を使う必要もない。

 

 そりゃあ、数々のアニメキャラ達がこの場所を陣取っていたわけだ。もうここがオレの定位置でいい。そんなアホなことを考えていると、突然、下の……地上の方からオレを呼ぶ声が聞こえた。

 

「……八重樫?」

 

 声の聞こえた方に視線を向けてみれば、そこには腕を組んでこちらを見つめている八重樫がいる。そこそこ距離はあるがオレには分かった。八重樫は今、とてつもなく呆れた表情をしていると。何かオレはやらかしただろうか? まったく心当たりがない。

 

 謎に不機嫌な八重樫の様子に違和感を感じはするものの、ひとまずオレは飛び降りて地上に着地する。

 

「馬鹿と煙は高いところが好きって言うけれど、事実みたいね」

「八重樫、おまえは今数々のアニメファンを敵に回したぞ。というか何故いきなり罵倒? もしかしてそれ言うためだけにオレ呼んだの? 泣くよ。メンヘラ女みたいに面倒な泣き方するよ」

「やめなさい。はぁ……その性格は相変わらず変わってないのね。むしろ安心してきたわ。……その、少し話したいことがあるの」

 

 八重樫は冷たい水の入った水筒っぽい筒をこちらに差し出しながら、近くにあるベンチっぽい椅子を指差す。あそこで座りながら話そうということだろう。別に拒絶する理由もない。天之河なら兎も角、八重樫なら大歓迎だ。オレ達は静かにベンチに向かうと、そこに腰を降ろした。

 

「……」

「……」

 

 え……何故に無言?

 

 ベンチに座ってから数秒、どうしてか八重樫が口を開くことはない。話がしたいと誘われたにも関わらず続く無音の時間に、オレは内心かなり焦っていた。具体的に言えば、中学生時代に友達の友達と二人っきりにされた時ぐらい気まずい。こういう時は男のオレから声をかけるべき……とも思ったが、よく考えてみれば用件があるのは八重樫の方だ。オレから声をかけるというのもおかしい。

 

 それからしばらくの間、お互いに言葉を発さない時間が数分程続いた。そしてようやく、八重樫は覚悟を決めたかのように顔つきを変えると、オレの目をまっすぐと見つめて重々しい雰囲気で口を開く。

 

「こうして二人で話すのは……あの日以来ね」

「ああ、懐かしいな。八重樫がギャン泣きしてたあの日のことだろ?」

「……」

「無言で刀に手をかけるのはやめなさい」

 

 何故だろう。オレが腕の一本や二本くらいなら再生できることを知ってから、心なしか八重樫の剣に容赦がない気がする。王宮にいる間も計二十三回は黒刀でぶった切られたし。オレ達一応幼馴染だよな? もうちょっと躊躇いというものを持って欲しい。恐らくオレ限定ではあるが、その躊躇のなさはハジメにすら匹敵している。

 

 それはそれとして、確かにオレと八重樫が二人きりで話すのは初めて【オルクス大迷宮】に挑む前日のホルアド以来だ。今思えば懐かしい。あの日からどれだけの時間が経ったのかは長い間大迷宮で過ごしていたオレにはよく分からないが、相当の時が経過していることは間違いない。

 

「仁は……私が大迷宮に挑むのに反対なの?」

「……そりゃあな。ハジメがオーケーしたんだからその方針には従ってやるけど、オレはまだ八重樫達が一緒に来ることに納得はしてない」

「それはやっぱり、私が弱いから? 私が役立たずだから一緒に来て欲しくないの?」

「それは…………ああ、そうだよ。今のおまえは弱すぎる。とてもじゃないが、大迷宮で生き残れるとは思えない。見合わない試練に挑んで死ぬくらいなら最初から命を賭ける必要なんてない。そういうのはオレやハジメみたいに暴力慣れしてる奴に任せればいいんだよ」

「そう……それが仁の答えなのね」

 

 オレは天之河のように縋りつきたくなる希望を語るつもりはないが、ハジメのように八重樫達を使い勝手の良い駒として扱う程非情にもなりきれない。どこまで行っても中途半端。それがオレだ。

 

 だから正直に答えるしかない。それに、どうせ八重樫にオレの嘘は通じないんだ。嘘偽りのない本音をぶつけて後のことは運に任せよう。

 

 たった今、オレは八重樫が大迷宮に挑むことに対して反対と告げたが、これは別に八重樫に限った話じゃない。オレ達についていくと言ったメンバー全員に当てはまることだ。未だに【オルクス大迷宮】の表層すら攻略できていないメンバーが、真の大迷宮を自分達の力だけで突破できるはずがない。せいぜい、試練に苦戦してオレとかハジメに助けられるのがオチだ。

 

 しかもオレが一緒にいることで大迷宮の難易度は跳ね上がる。万が一、ミレディクラスの敵が現れでもすれば、もうハジメですら足手纏いだ。清水の時は一人だったからなんとかなったが、今度は四人。全員を無傷で生かせられる保証なんてない。だからオレは八重樫達には一緒に来てほしくなかった。

 

「……私は、あの日……自分の弱さを憎んだわ」

 

 そんなオレの気持ちを知ってか知らずか、八重樫はポツリポツリと語り始める。彼女の言う『あの日』とは、オレとハジメが奈落へと落ちたあの日のことだろう。

 

「もっと強ければ、ハジメ君が一人で足止めすることもなかった。もっと強ければ、檜山君を止められることもできた。もっと強ければ、仁に手を差し伸べられた。そう考えるだけで、私は私の弱さが許せないの。あの日から何度も何度も何度も、私は自分を責め続けてた」

「いや、あれはどう考えても八重樫のせいじゃないだろ。ほぼほぼ檜山が悪い」

「……そんなこと分かってるわ。でも、それを分かってるはずなのに、そう思わずにはいられないの。あの時、私が少しでも違う行動を取ってれば誰も失わずに済んだんじゃないのかって……」

 

 己の手をグーパーと開いたり閉じたりして、悔やむように歯を食いしばる八重樫の姿をオレは何も言わずただじっと見つめていた。あの日、オレとハジメが奈落に落とされたことに関して、八重樫にはマジのマジでなんの責任もない。むしろ八重樫に責任があるとするなら、あの場にいた全員に責任があるはずだ。

 

 あの時の戦犯は忠告を無視してトラップに自分から引っかかったにも関わらず、オレとハジメを殺そうとした檜山だ。冗談でもなんでもなく、九割はあいつのせいと言い切れる。

 

 だから八重樫が自分を責める必要は何一つない、だというのに、この責任感が人一倍強い女は無罪の己を責めてしまう。本当に面倒な性格だ。その性格は確実に欠点といえるだろうが、同時に八重樫らしさでもある。オレが軽はずみに否定していいものでもない。

 

「だから『強さ』が欲しかったのよ。本気で鍛錬して、今よりももっと強くなって、それで今度こそ……私が仁を助けたかった。でも結果はこの様よ。恵理に騙されて皆を危険に晒して、助けたかった貴方は私の助けもいらないくらいに強くなった。笑っちゃうわよね。助ける側だと思ってたのに、気づいたら助けられる側になってただなんて……」

 

 自嘲気味に八重樫は笑う。

 

 笑わない。笑えるわけがない。だってオレは知っている。己を憎むほどの未熟さを、誰かのために強さを求める渇望を、全て……全て知っている。その気持ちが痛い程分かってしまう。

 

 だって、それは昔のオレと同じだから。

 

()()()の仁はこういう気持ちだったのね」

「……はあ、ここまで共感されて嬉しくない気持ちってのもあるもんだな。なんでよりにもよってそこを分かっちまうかな」

「あら、私は少し嬉しいわよ。また新しい仁のことを知れたんだから」

「お、おう……いや、おまえな。そういうのはもうちょい恥ずかしがって言え」

 

 『あの時』……明言しなくとも分かる。それはオレ達の間では話題に出すことすらタブーになりかけている黒歴史とも呼べる過去のこと。

 

 以前清水には話したが、オレがガキの頃に八重樫のイジメを終わらせようとして失敗し、理想を捨てて最低な手段で無理矢理解決したあの事件のことだ。八重樫の言うように、あの時のオレは自分の弱さと無力さを憎み、誰にも奪われることのない強さを望んだ。忘れるはずがない。その時の感情は今もオレの中で燃え続けているのだから。

 

「私はあの時、仁が何をしたのか知らないし詳しく聞くつもりもないわ。もしそれが私が認めたくないやり方だったとしても、文句を言う権利は私にはないもの」

「別に文句ぐらいいつでも受け入れるぞ。実際、オレは文句を言われても仕方ないことをやったわけだしな。でも後悔はしてない。結局のところ、あの行動の動機はどこまで行ってもオレの為だ。八重樫が気に負う必要はない」

「それでもよ。私がそれを許せないの」

「……そうかよ」

 

 きっと、オレのやったことを知れば八重樫はよく思わない。それを八重樫自身も分かっているのだろう。だからこそ、知ることを拒む。こいつはそういう女だ。どうせオレがガキの頃と比べて性格が変わったことにさえ、罪悪感を感じてるに決まっている。

 

 個人的には、オレは今のオレをそこそこ気に入ってる。だから特に困ってるわけでもないんだが……八重樫の方はそう簡単に割り切ることはできないらしい。

 

「でも、私も諦めるつもりはないわよ」

「そうか…………ん? 何を?」

 

 流れで思わず返事をしてしまったが、疑問を感じオレは待ったをかける。諦めるつもりはないというが、もしかして大迷宮への挑戦を諦めないってことだろうか? その問題ならもう確定してしまってオレがいくら反発しようと無駄なのだが?

 

 そんな疑問を脳裏に抱くオレの目を、八重樫はまっすぐと見つめて宣言した。

 

「私は強くなるわ。貴方の弱いって言葉を訂正させるくらいに強くなって、今度こそ私が仁を助けてみせる」

「……ほ、ほう?」

 

 その宣言を耳にして、オレは多少驚いた。強くなりたいという熱がまだ冷めていないことにはそれほど衝撃はない。オレでさえその欲望をまだ捨てきれていないのだ。八重樫に生まれたばかりのその感情がそう簡単に消えるはずがない。

 

 しかし、まさか……『オレを助ける』と来たか。そんなこと今のハジメですら考えないだろう。この実力主義の世界で自分より強い奴を助けたいだなんて、思い上がりにも程がある。だが八重樫の瞳を見れば、ふざけた様子は一切なく至って真剣だというのはすぐに伝わった。

 

「なるほどな。それが神代魔法を求める理由か。こりゃあ完全に想定外だな……でも悪くはない。理想論ばかり語る天之河なんかよりも全然いい。だが八重樫、おまえに出来るか? オレを助けるってことは最低限でもオレより強くなってもらわなきゃ困るぞ」

「ええ、そうね。勿論覚悟の上よ。だから仁にお願いがあるわ」

 

 そう言って勢いよくベンチから立ち上がった八重樫は腰に差した黒刀を抜くと、未だベンチに腰を降ろすオレに真正面から向かい合うようにして構えた。

 

「――私を強くして」

「ははっ、そうきたか……」

 

 そこで、オレは全てを理解する。

 

 つまり八重樫はこう言いたいのだ。強くなってオレを助けたいから、オレに修行をつけて欲しいと。

 

 一見矛盾しているような考えだが、それが八重樫が考える最善だったのだろう。確かに、現状八重樫が知る者の中で最も強いのは間違いなくオレだ。手っ取り早く強くなるためには、オレから師事を受けることが一番の近道であることは疑いようもない事実。

 

 そしてオレの方も、少しでも八重樫の生存率を引き上げるためには、本人に強くなってもらうのが最善だということは分かっていた。それに大迷宮についてくることが確定しているならば、なにかしらの手段で八重樫を強くしようとも考えていたオレにとって、この提案は渡りに舟だった。ならば、断る理由はない。

 

「いいぜ、面白い。オレを超えるっていうなら、相当厳しくいくぞ。いくら相手が八重樫とはいえ容赦はしない。それでもいいか?」

「望むところよ。いつまでも仁に置いていかれるわけにはいかないわ」

 

 八重樫から渡された水を一気に飲み干し、オレはベンチから立ち上がると八重樫に向かい合ってから腕に"サクラソード"を纏わせる。まさに今から衝突が始まる。そんな雰囲気を今のオレ達は醸し出していただろう。

 

 ただ……

 

「さて……じゃあ早速実践形式でやろうか?」

「……いえ、やめときましょう。流石にこの時間は近所迷惑よ」

「んんっ……お、おう」

 

 やっぱり八重樫は常識人だった。

 

 ここで近所迷惑を理由に断ってくるあたり、なんとも八重樫らしい。なんというか、肩透かしを食らった気分になったオレは黒刀を収めて王宮の中へ戻ろうとする八重樫に大人しくついていった。

 

 こうして、ここにオレと八重樫の師弟関係が結ばれた。

 

 

 

 

 

 

「そういえば……香織に『仁君は……そのー……雫ちゃんのことを……アレみたいだよ! おめでとう!』って言われたんだけど。どういう意味か分かる?」

「………………とりあえず、八重樫はもうハジメと白崎に対して鈍感扱いしない方がいい。特大のブーメランが返ってくるぞ」

「どういうこと?」

 

 ついでに、白崎が"変化ビーム"で一日限定の男になることが確定した日でもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 早朝。

 

 澄み渡る青空が広がり、王都に朝を知らせる太陽の光が昇り始める頃。王宮の西北側にある山脈の岸壁を利用して作られた巨大な石碑の前には小さな人影が佇んでいた。

 

「ごめんなさい……」

 

 その人物の名は畑山愛子。ハジメや仁の頼れる担任教師だ。

 

 彼女の前にそびえ立つ石碑――いいや、慰霊碑には国のために忠義を尽くした戦死者や殉死者の名が例外なく刻まれている。そして、石碑の前に置かれた今回の騒動で亡くなった多くの人々の遺品や献花。

 

 そんな遺品の中に、愛子にとって見覚えのある武具があった。それはどこにでもあるような西洋剣。これは、逝ってしまった愛子の生徒――檜山大介のアーティファクトである。死体すら残さずお菓子となってその生涯を終えた檜山であるが、あの戦場に持ってきておらず部屋に残されていたこの西洋剣だけが唯一の遺品となった。

 

 誰に聞こえるわけでもない愛子の懺悔。それが誰に対するもので、何に対するものなのかは愛子にしか分からない。悄然とした雰囲気で俯きながら、彼女は何かを堪えるように立ち尽くしていた。

 

 すると、ザッザッと足音が響いた。

 

 愛子が、ハッとしたように俯いていた顔を上げ視線をそちらへ向ける。

 

「清水君……」

「先生……」

 

 愛子の視線の先にいたのは、清水だった。濁った瞳と愛子の純粋な瞳が交わり、すぐさま視線を逸らされる。その手には一つの花束。見るからに献花しに来たとのだと分かった。清水のその姿に愛子は少し意外そうな反応を見せる。花束を持つ清水の姿が驚く程似合わなかったからだ。

 

 そんな愛子の思考を清水はすぐさま察し、不服そうに石碑前に花束を置く。

 

「……俺がここに行くって言ったらメルド団長に持たされたんだよ。『俺はしばらく忙しくていけねぇからあいつらに渡しといてくれ』ってな」

「そうですか……メルドさんに」

 

 花束を持つ自分の姿が気持ち悪いくらいに似合わないというのはここに向かう前、王宮で仁に大爆笑された清水はよく理解している。それでも、己の手で部下達を終わらせたメルドの頼みを断ることは出来なかった。そのまま清水は不機嫌そうに、無言で愛子の傍らに佇む。

 

 チラリチラリと愛子が見るたびに、巨大な石碑を見上げる清水はビクビクと怯えたような反応を見せる。しかし清水が口を開くことはない。代わり映えの無い無言の時間に何となく焦りを感じ、愛子は仕方なく自分から声をかけた。

 

「え~と、そのお花は……やっぱり檜山君達に……ですか?」

「少し違うな。檜山以外にだ」

 

 絶対にそれだけはないと言うように、嫌悪感を隠すこともなく清水は断言する。その発言から、愛子は仁に伝えられた『清水が檜山を嫌悪している』ことが真実だと思い知らされる。

 

 そして再度始まる、無言の時間。

 

「何も……言わないのかよ……」

「え?」

 

 お互いにとって気まずい時間が続き、今度は限界に達した清水の方から声をかけた。だが愛子は清水の疑問をまったく理解できず、コテンと首を傾げるだけ。

 

 察しの悪い愛子に清水はため息を吐き、目を逸らしながら補足説明を加える。

 

「……ウルでのことだよ。俺は先生も含めて大勢の奴らを殺そうとした。それに、先生に何度も酷い言葉を浴びせたんだぞ。文句の一つや二つ、普通あるだろ」

「え、覚えてるんですか……?」

「まだ何を言ったか鮮明には思い出せてない。でも、自分勝手なことばかり口走ったのだけは覚えてる。あんなふざけたことを言ったんだ。いくら先生でもとうとう俺を見限ったんじゃないのか?」

 

 愛子は既に、仁からウルで清水が洗脳されていたという事実を伝えられている。他のクラスメイトがどう思ったかは不明だが、少なくとも愛子はその事実を知って安堵した。やはり、あの行動が自分の生徒が心から望んで行った行動ではなかったと知れたからだ。

 

 誰よりも生徒のことを考える愛子にとって、重要なのは結果ではなく過程だ。清水がどんな悪行をしようとも、そこに納得できる、または同情できる余地があるならば愛子は必ず生徒を信じる。彼女はそういう女性である。

 

 そして今も、その在り方は変わっていない。

 

「そんな風に自分を悪く言わないでください。あれは、清水君のせいではないですよ。貴方は魔物に操られた被害者です。どうか自分を責めないで。自分自身を悪者のように扱うのは辛いだけですから、そんなことはもう言わないで」

「……そうかよ」

「はい」

 

 愛子らしい。生徒を思いやった言葉だ。清水も少なからずウルの件では罪悪感を抱いてはいる。だからこそ、わざと自分に悪意を向けさせるような言い方をした。それを愛子は分かった上で、優しく、そして甘い言葉で返した。

 

 実際のところ、清水が檜山の件で単独で動いていたことには愛子もまだ納得できていない。どんな事情があったにせよ、まずは自分に相談して欲しかった。しかしそれももう手遅れ。これ以上、終わったことを蒸し返してもお互いに辛くなるだけと判断し、愛子は清水に優しい言葉をかけた。

 

 だが愛子は分かっていない。その言葉と今の自分の状況が明らかに矛盾しているということを。そして、清水はその矛盾に気づいていた。

 

「――だったら、なんで先生は自分を責めてんだよ」

「っ……」

 

 無言のまま、愛子は清水から視線を逸らす。ここでようやく彼女自身も己の発言の矛盾に気が付いたのだ。そして、清水も愛子が本調子ではないことぐらい最初から分かっていた。いいや、清水だけではない。厚い化粧でも隠しきれていない隈を見れば誰だって分かる。

 

 愛子がハジメを助けるために聖教教会総本山をティオと協力して根こそぎ崩壊させたことはクラスメイト全員が知っていることだ。勿論、清水も例外ではない。しかし、クラスメイト達は仁の凄惨な戦闘の印象が強すぎて、愛子が殺人に加担したということに余り実感が持てず、むしろ愛子が自分達のために矢面に立って戦ってくれたという好印象すら抱いている。

 

 王都民達も、愛子の行動は結果的に王国のメリットとして働いているため、『気にすることはない』と言う者はあれど、責める者は誰一人としていなかった。

 

 ……愛子本人を除いて。

 

「俺も……ウルのことで似たような罪悪感は味わったし、何度も悪夢に魘されたこともある。今の先生もそんな感じだろ? その気持ちは俺もよく分かる」

「清水君……貴方も……」

「でも、俺と先生だと状況が違うだろ。罪のない人達を自分の都合で殺そうとした俺と教会の行動を見過ごせなかった先生だと、どっちか正しいかなんて明らかだ」

 

 誰も自分を責める者がおらず、自分で自分を責め続ける。清水はそんな愛子の現状に気がついていた。それは、事情を詳しく知らなくとも似たような状況に陥った清水だからこそ気づけたのだ。他の者達……例えばハジメのような者でも、理解こそ出来ても共感は出来なかったに違いない。

 

 罪なき人々を殺そうとした清水と救いようのない悪人達を全滅させる手伝いをした愛子。どちらも直接的に殺人という罪を犯したわけではない。だが見知らぬ他人に悪意を向けたという罪悪感はどちらにもあった。しかし、清水からしてみれば愛子はどう見ても背負い込みすぎていた。

 

 そんなある意味同類ともいえる清水の言葉でも、今の愛子の心にはそう簡単には響かない。

 

「そんなの関係ありませんっ! 私は、確かに……教会の行いを見過ごすことが出来ませんでした。……それに、きっと、放っておけば生徒達が酷い目に遭うと……でも、私が彼等を殺めたことには変わりありませんっ!」

 

 思いのほか強く返ってきた愛子の反論。彼女自身も、らしくもなく声を荒らげた事を恥じたのか申し訳なさそうに体を縮こまらせた。そんな愛子の反応に清水は唖然とする。

 

 きっと、生徒を守るための行動に愛子は後悔していない。それは清水も分かっていた。しかし、感じる苦しみは人を殺した者が背負う業であり、理屈でどうにか出来るものではない。それも分かっていた。

 

 だが愛子の罪の意識は、清水が想定していたもの以上だった。

 

 苦悩する愛子を見て、清水は内心慌てふたむく。『こういうのは俺じゃなくて風磨の役割だろ……』と、心の中で嘆いた。

 

 クラスメイト達と再会を果たしてから、清水は愛子を含めた異世界人組から距離を置いていた。人目のない場所から基本動かず、声をかけられても極力無視。理由は明らかだろう。ウルの町で自分が何をしたのか。それをクラスメイト達と愛子は知っている。清水はどんな顔して話せばいいか分からなかったのだ。

 

 だから今日も話すつもりはなかった。この場で愛子を見つけた時でさえも、最初は無視するつもりでいた。しかしそんな清水でも、『なんかヤバそう』と感じてしまうくらいには、今の愛子は酷かったのだ。

 

 こういう時、清水にはハジメのような教師相手でも受け入れる男気はなく、仁のように相手に発破をかけてやる気を出させることもできない。それでも、今この場で愛子に声をかけられるのは清水だけ。ならば自分がやるしかないと、清水は覚悟を決める。

 

「俺は……あの日に檜山が風磨と南雲を奈落に落とした瞬間を見た」

「えっ?」

 

 突然告げられた真実に愛子は思わずキョトンとした表情になる。清水が檜山の悪意に気づき、一人で色々悩んでいたことまでは仁から聞いていたが、その原因となった理由までは教えられていなかったからだ。

 

「だから許せなかった。あいつのせいでトラップが発動してベヒモスに襲われたのに、あいつは自分勝手に逃げようとして、しかも危険を承知で南雲を助けにいった風磨を……俺の友達(だち)を殺そうとしやがった。その上罪も償わないで、自分だけ幸福に生きようとするあいつが憎かった。だから……殺したい。そう思ったんだ」

「くっ……それは……」

「もし風磨が見逃してれば俺が檜山を殺すつもりだった。先生と一緒にウルに行った時だってそうだ。檜山を殺すための魔物を手に入れるのが目的だったんだ。……分かるか? 俺はクラスメイトを殺すために先生を利用したんだよ。どうだ、少しは腹が立っただろ?」

 

 自虐するような笑みを浮かべる清水に、愛子は微笑みを消して再び俯く。それからどれくらい無言の時間が続いただろう。やがて、愛子は僅かに聞こえる程度の小さな声で話し出した。

 

「……私には清水君を責める資格はありません。私も生徒のためという理由を付けて大勢の人の命を奪いました。そんな私が、復讐に利用されたからといって怒りをぶつけるなんて勝手な真似は出来ません」

「やっぱり、先生はそう言うんだな……」

「……」

 

 最初から、そんな感じの答えが返ってくると分かっていた清水は大きくため息を吐く。

 

「似たようなことを……風磨にも聞いたことがある。復讐のために関係ない人を利用した俺に何か思うことはないのかって」

「そうですか……風磨君はなんと?」

 

 質問しておきながら、愛子はなんとなく答えを察していた。あの優しい()ならば、自分よりも清水君を思いやった言葉をかけたのだろうと。

 

 だが実際の答えは、愛子が予想だにしないものだった。

 

「『え、そういう重いのめんどいからパスで』って軽く流された……」

「はい?」

「あー……そりゃそうなるよな。あの時の俺もそんな感じだったし」

 

 内容から考えるに、清水はかなりの覚悟を持ってその質問をしたのだろう。誰にも言えない悩みを、最も信頼できる友人だからこそ話した。少なくとも、その時の清水はそういう気持ちだったはずだ。

 

 そんな大切な相談を、面倒くさいからと受け流すのは多くの生徒と接してきた愛子をもってしても予測できなかった。

 

 ただ仁も、本当に心の底から面倒くさくて流したわけじゃない。

 

 清水はウルの町でのことに人並には罪悪感を感じていた。しかし、罪の意識はあるが罰は受けたくない。悪い事をしたという認識はしているが怒られたくはない。それでも誰かに責められて、少しでも精神の重りを外したい。

 

 そんな清水の非常にめんどくさい性格を分かっていたからこそ、仁は適当にあしらったのだ。

 

「でも、しつこく聞き続けたら十何回目ぐらいでやっと答えてくれた。『そんなに罪悪感やばいんだったら死ねば?』ってな」

「……ぇ」

 

 仁は何人もの魔人族を殺しているが、それに罪悪感を抱きはすれ、生活に支障をきたすレベルで悩んだりはしない。それをしたところで、自分も含めて得する奴がいないとよく分かっているからだ。

 

 殺された者が己を殺した者に望むこと。そんなものは一つしかない。それは絶望に満ちた死。それを分かっているからこそ、罪悪感を自分の中に当然あるものとして受け入れた上で、罪を償おうなどとは思わない。そんな考えから、仁は清水にそう告げた。

 

 罪の意識が消えないのなら、清水が傷つけた人々が望んでいるであろう『死』を罰として受け入れればいいと。

 

「あいつは本当にイカれてる。最近はちょっと怖いとすら思ってる。それでも、あいつの言葉に間違いはなかった。本当に罪の意識があるなら、俺は死ぬべきだった」

「そんなこと!」

「いや、先生。俺は勿論死ぬつもりはないし、これから死ぬ予定もない。でも風磨のおかげで分かったんだ……」

 

 愛子の否定に被せるように清水は話を続ける。

 

「――俺は、救われたいから苦しみたいんだ」

 

 その言葉は、愛子の胸に驚く程違和感なくスッと入り込んだ。

 

 呆然とする愛子に、清水は石碑に向けていた視線を外して体ごと愛子の方を向いて真っ直ぐと目を合わせる。その瞳には、今の自分によく似たぐちゃぐちゃな感情が宿っている気がして、愛子はまるで吸い寄せられるかのように見つめ返す。

 

「先生もそうなんだろ?」

「ぁ…………ええ、きっとそうだと思います」

 

 核心を突くようなその言葉に愛子は一瞬目を大きく見開くも、すぐにその通りだと分かってしまい肯定の言葉を返す。救われるために苦しむ。矛盾しているとしか思えないその言葉に、愛子は心の暗雲を払われたかのような衝撃を受けた。

 

 己が決断し、行動した上で成り立った辛い結末を受け入れるのは非常に困難だ。ましてや、それが痛みや恐怖を伴うものならば尚更。それから逃げてしまった者が檜山で、見て見ぬふりをし続けた者が清水に当てはまる。しかし、それを許さない性格、あるいは決意と覚悟を持ち苦しみ続けた者こそが愛子だ。

 

 愛子はきっとこれから先も罪悪感に苛まれ続ける。だがそれを乗り越えた後には必ず救いが待っている。その救いを求めるため、自分以外の誰かのためではなく自分を救うために苦しむ。それが今の愛子だった。清水は本当になんとなくであるがその事実に気づいていたからこそ、この話をしたのだ。

 

「……ああ、そういうことだったんですね」

 

 そんな簡単な真実に気づき、愛子は自己嫌悪に陥る。酷く自分勝手な考えだ。自分を救うために、自分が殺した人々のことを想うなど。死者を愚弄するような行為としか思えない。そして、それに気づいた今、少しスッキリとした気分になっている自分自身もまた許すことができない。

 

「もし、先生がウルの件に関して許してくれるっていうなら、ちょっと生徒の我が儘を聞いてくれないか?」

「我が儘……ですか?」

 

 思考の沼に引きずり込まれ、顔色も悪く今にも折れそうな様子の愛子は、清水の口から飛び出した言葉に困惑する。彼女は教師として生徒である清水を許す。それは当然のことだ。だが清水が愛子に我が儘を言いたいというこの状況には少し違和感があった。

 

 だが次に放たれた清水の言葉に、愛子は先程以上の衝撃を受けた。

 

「俺はもう風磨の戦いにはついていけない。だから、この国に残るつもりだ。でも俺は俺の中にあるこの感情に決着(けり)を付けたい。でも俺一人だと絶対に途中で折れちまう。だから頼む、先生。俺と一緒に苦しんでくれ!」

 

 それは、自分一人で苦しむのが怖いから一緒に苦しんで欲しいという頼みだった。あまりにも身勝手で、他人に頼むにはとても自分優先の要求。常人ならば、怒り狂う所だろう。

 

 しかし愛子の心境は真逆だった。

 

『ああ、本当に何て我が儘。何て、優しい我が儘だろう』

 

 愛子の頬を透明な雫がするりと零れ落ちた。今まで、自分の意志で他人の命を奪ったというのに、泣くなんておこがましいと耐えてきたものがあっさり決壊してしまった。

 

 だって、一緒に苦しんで欲しいということは……同時に一緒に救われて欲しいということでもあるのだから。

 

 言葉の裏に隠された真意にすぐに気づいた愛子はホロリホロリと涙を流す。それに対して、教師で年上とはいえ、目の前で女性に泣かれるという慣れない経験に清水はどうすればよいか分からずあからさまに慌て始める。

 

 そんなあたふたとした様子の清水を見て、思わず笑みを浮かべてしまった愛子は、涙を流したままの笑顔で言った。

 

「ええ、いいですよ。一緒に救われ(苦しみ)ましょう」

 

 溜め込んだものを吐き出すように涙を流しながら、笑顔で誓いを立てる愛子。彼女は目の前で未だにおどおどとしている教え子を見て……これからも頑張れそうな気がした。

 

 

 

 そんな時、遠くから愛子を呼ぶ声が届く。二人が視線をそちらに向けると、一人の少女がこちらに向かって息を荒げて走ってきているのが見えた。

 

「愛ちゃん先生! こんな所にいたんですかっ……て、清水!? アンタ一体何しっ……え、愛ちゃん先生泣いてるの! アンタまたなんかやったわね!!」

「お、おい待て! 誤解だ誤解、俺は何もやって……なくはないけど」

「やっぱり元凶はアンタね! 仁君に言いつけるわよ!」

「うぉおおい!? それだけは絶対にやめろよ! あいつ機嫌損ねたらマジで殺しにくるんだぞ!」

 

 少女はクラスメイトの一人であり、愛ちゃん親衛隊である園部優花だった。

 

 まず愛子と一緒にいる清水に驚き、愛子の泣き顔を見て二度目の驚愕をし、すぐさまその犯人を清水と断定して胸倉を両手で掴んで迫った。清水も必死に弁明しようとするも、愛子を泣かせたのは事実であり、それを最初から説明するのは途轍もなく恥ずかしいことであると自覚しているため口を閉じる。実質、手詰まりだった。

 

 そんな二人の様子を見た愛子は「フフッ」と笑みを浮かべてから仲裁に入る。

 

「大丈夫ですよ、園部さん。清水君は悪くありません。むしろ、勇気づけられちゃったくらいです。離してあげてください」

「むっ……愛ちゃん先生がそう言うなら」

 

 清水は解放された途端、園部から一気に距離を取って愛子の背後に隠れる。なんとも情けない男だ。

 

「それで、何かあったのですか? 随分と急いでいた様子ですけど?」

「そ、そうだ! 愛ちゃん先生、落ち着いて聞いてください……」

「は、はい……」

 

 真剣な表情で顔をグイッと寄せる園部に愛子は息を呑む。それから、園部は衝撃の事実を告げた。

 

「香織ちゃんが……男の子になっちゃいました……」

「んん?」

 

 愛子が首を傾げる。まあ当然の反応だろう。情報が少なすぎるし意味が分からない。

 

「私達だってよく分からないんです! なんか朝起きたらいきなり香織ちゃんが長髪イケメンになってて。でも性格はそのままだし。南雲君も何が何だか分からないって言ってて。雫ちゃんなんて現実逃避して寝込んじゃいました! お願い愛ちゃん先生、助けてください!」

「はいいっ!? なんですかそれ!?」

 

 突如告げられた香織の性転換情報に今までの暗い気持ちから救われたような気分が吹き飛んで愛子は混乱する。そんな愛子に釣られるように園部も早口でどんどん追加の情報を捲し立てる。

 

 そんな二人の会話に、犯人らしき……というか絶対に犯人であろう男に心当たりがあったのは清水だった。

 

「あー……多分それ、風磨の仕業だな。時間経過か風磨の意思で戻れるって言ってた……」

「はあ!? それ本当! よし分かったわ。すぐに皆に知らせてあのピンク美少女をとっ捕まえてやるわ! ついでにあのサラサラした髪も触らせてもらう!」

 

 そして、園部はまるで嵐のように去っていった。

 

 後にその場には、顔を見合わせて呆然としたのちに、苦笑い浮かべる先生と生徒の姿だけが残っていた。

 

 

 

 

 

 

 後日、清水が愛ちゃん親衛隊に入隊した。




メンタルつよつよ 雫
精神面と剣術がヤバいヒロイン。
とある三刀流の剣士と同様に、越えたい人間がいるためその人間に鍛えてもらおうとする。結局一番成長率が高いのは修行。重力が増して時間間隔が狂ってたらなお良し。
原作では多少は強くはなったものの、まだ強者の部類には入っていなかったため強化イベントを用意。最終的にはユエとタイマンできるくらいにはしたい。さて、それじゃあまずは舞空術から始めてみよう!
属性 隠れ鈍感。

罪悪感マシマシ教師愛子
原作同様罪悪感で潰されそうになった先生。
ハジメに救われるはずだったが、似たように罪悪感を感じ、共感もできる清水によって救われた。ハジメとのキスシーンも消滅したため、フラグは完全に折れた。ちなみに清水とのフラグも立ってない。流石にロリ教師と陰キャ生徒の恋愛は流石の清水でも……大丈夫かな?

まさかの活躍回! 清水
想定以上に出番の多い男。
愛ちゃん親衛隊に入隊したことによって、仁との旅は終わり王宮に残ることになった。仁についていく光輝達を見て、『あ~あ、あいつら可哀想に。風磨強すぎてすぐ心折れるだろうな~』という愉悦めいた感情を抱いている。
元々、清水はこれからの旅についていく予定はなかったのだが、都合よく愛子が苦しんでいたため、残る理由を作った。というか、これ以上旅に同行させても活躍の場面はなさそう。エリセン辺りからちょっと活躍回作るのが普通に面倒だったし。
ちなみに、強化イベントはまだ一つ残ってる。

男性化 香織
仁が雫に好意を寄せていることを良かれと思って本人に告げたのだが、それが仁の怒りを買って睡眠中にTSビームを撃たれた。後日戻っている模様
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