とある将来の通行禁止   作:るなうるむ

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無に帰せし広告料

 

 

 

 

「ゆ、行方さんのベクトル操作が通らない?!」

 

 

 

 

 

「そ。私の能力は念力の類なんだけど、それがなぜか身を守ることにしか使えないのよ。」

 

 

 

 

 

 

「で、その代わりにほぼどんな物理的魔術的な攻撃からの保護膜を作れる。ついた名称が“絶対防御”。念力だったら私が貫通できる筈なんだけど、不思議なことにベクトルを変えても体が被膜の場所で止まっちゃうんだな〜。」

 

 

 

 

 

「...で?何の用な訳?」

 

 

 

 

「そうそう、マンションの部屋を貸して欲しい。私の家が無くなっちゃったの...」

 

 

 

 

 

「え...無くなった?!何よそれ!」

 

 

 

 

(゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)コクコク

 

 

 

「......まぁ良いわ。どんなのがいいの?聞いてあげるわ。」

 

 

 

 

「最上階がいいかな。」

 

 

 

 

薄絹は自分のパーソナルを開いて言われた条件を入れて検索する。が、

 

 

 

 

 

「あと、んーとぉ。和風と洋風が混ざっててぇ、ロフトがあってぇ、ガラス張りでぇ、お風呂も広くてぇ、」

 

 

 

 

 

ブチっ!

 

 

 

「...少しでも同情した私がバカだったわ...!この部屋貸してあげるから我慢しなさい...。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーと、ここ...ここですね。行方さん...」

 

 

 

 

「KOKO!?」

 

 

 

 

行方の端末に送られてきた場所によると、目の前のボロい二階建てアパートにカーソルが合わさっている。

 

 

 

 

「203号室ってあります。」

 

 

 

 

「ええぇぇ?!ウソ!ほんとにここ?!」

 

 

 

 

 

「とりあえず入ってみましょう。」

 

 

 

 

 

何十年前くらいに建てられたのであろうか。とても学園都市の中心部とは思えないほどの建物である。

台所とあわせて6畳一間。風呂とトイレつきだ。

 

 

 

 

「.........。」

 

 

 

 

 

「......最上階ってお願いしたんだけど?!」

 

 

 

「二階建てで203号室だから、一応最上階だよ?」

 

 

 

 

 

「ガラス張りってお願いしたんだけど?!」

 

 

 

「窓あるじゃん。ちゃんと。」

 

 

 

 

 

「大きなお風呂ってお願いしたんだけど?!小さくない?!」

 

 

 

「近くにハイパー銭湯のチラシあったよ。」

 

 

 

 

 

 

 

「和風と洋風ってお願いしたんだけど?!」

 

 

 

「トイレは洋式で、畳は和式だね。」

 

 

 

 

 

「ロフト付きってお願いしたんだけど?!」

 

 

 

「窓の所、ちょっと身をのり出せるようになってる。」

 

 

 

 

「一応全部、行方さんの希望通りになってるよ?」

 

 

 

 

 

 

「そーだねー!って、全然ちがぁぁーーーう!!!」

 

 

 

 

 

ピンポーン

 

 

 

 

 

「あ、私だ。はいはーい!」

 

 

 

 

“鈴科 行方様でよろしいでしょうか?”

 

 

 

 

 

「お疲れ様〜」

 

 

 

 

「行方さん、その重そうなダンボールは?なんか買ったの?」

 

 

 

 

今は通販で頼めば学園都市内は3時間以内に届けてくれる。マンション(アパート)の住所を薄絹に教えてもらった時にでも注文したのだろう。

 

 

 

 

 

「じゃじゃーん!」

 

 

 

 

「これは?」

 

 

 

 

「見たことない?パソコン。」

 

 

 

 

「パソコン?あぁ、何十年か前にあったエアロみたいなものだっけ?」

 

 

 

 

エアロとは半透明に浮き出てくるホログラム画面で出来ている、行方たちが使う端末のことだ。個人用だけでなく、電工掲示板、街の看板などはエアロのホログラムが使われている。

 

 

 

 

 

「で、なんでそんな昔の機械を買ったの?」

 

 

 

 

「えーとぉ......」

 

 

 

 

キョロ(・ω・`三´・ω・)キョロ

 

 

 

 

 

「あ、あった!有線LANハブ。」

 

 

 

 

 

「コード使ってネット使うの?」

 

 

 

 

「ちょっと待ってね。」

 

 

 

 

行方はパーソナルを開き、プロパイダーにアクセスし部屋の有線LANを使えるように接続した。

 

 

 

 

「ねぇ、行方さぁん?なにするの?」

 

 

 

 

 

「学園都市中に広告を出すの。ホログラム電工掲示板はエアロをサーバーとしているから無理なの。だけど、デジタル掲示板とか広告テレビはまだ昔のインターネット環境を使ってるから.....ハッキングできるの...!」

 

 

 

 

 

「ハッキング?!...てかエアロは出来ないの?」

 

 

 

 

 

「エアロは“全能守護神”って呼ばれる者がいて、ハッキングしても1秒も持たないし逆にこっちが危険なの......」

 

 

 

 

 

聞いたことがある。金銭が全てエアロに移行されているため、学園都市の都市伝説ともなっているエアロの正体不明のサーバー、全能守護神。そこへたどり着くまでシステムをハッキングするのは不可能と言われている。

 

 

 

 

 

「ハッキングするって......どうやって...」

 

 

 

 

行方がパソコンのキーボードに手を伏せる

 

 

 

 

「......ネットワーク接続...」

 

「取得level3...。」

 

 

 

バチバチッ

 

 

 

行方の手とパソコンの近くに青白い静電気のようなものが発生したかと思いきや、また消息した。

 

 

 

 

 

「よし、とりあえず私のパーソナルIDと『どんな依頼もご相談ください』っていうメッセージは学園都市中のテレビ画面と電工掲示板に配信できた。」

 

 

 

 

「え、もうおわったの?」

 

 

 

 

「これでジャンジャン依頼が来る…!できれば美遥が3回くらいさらわれてくれればすぐなんだけど......」

 

 

 

 

 

「ちょっと、アタシの友達になんてこと言うのよー!」

 

 

 

ポーン

 

 

 

「あ!早速きた!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、珍しいですね。旧インターネットから学園都市の電工掲示板をハッキングするなんて。最近はエアロばかり狙ってくる人ばかりなのに。ん、電話?」

 

 

 

 

 

“今度みんなで会えないかなって思って電話したんだけど、来れる?初春?”

 

 

 




2話の最後で行方のイメージを載せました。だいたいそんな感じだと思って下さい。


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