ホロメンとの高校生活   作:主義

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『大好き』と囁かれ続ける主人公

「あ、あてぃしは…だ、だいすきだよ」

 

「余も大好きだ」

 

「ちょこも大好きだよ」

 

「シオンだって大好き」

 

「す、すばるだって大好きだ!」

 

 

 

 

自分が座っている席の周りの人たちがずっとそんなことを囁いてきたら皆さんはどう思うだろうか。

 

 

 

 

 

――――

 

 

 

僕はある高校に通っている、ただのモブのような人間。別に人より秀でるような才能もなければ顔だって普通。普通の中の普通と言っても過言じゃない。

 

 

いつものように学校に行き、窓側の前から二番目の椅子に腰を下ろして読書をする。ここまでなら本当に普通の人間。

 

「お、おはよう…」

 

 

「おはようございます」

 

僕の席の後ろに腰を下ろした、この人の名前は湊あくあさん。髪色はピンクと青が混ざったような感じかな。普段はメイドをやっているらしくて一度だけメイドの恰好で学校まで来ちゃっていた時があった。ちょっとポンなところもあったりするのも湊さんの特徴だ。

 

 

 

「き、きょうは良い天気だよね…」

 

 

「はい。そうですね」

 

お互いにあんまりコミュニケーションが上手くないので会話が長続きをする訳がない。そして会話が終わり、僕は読書に戻った。

 

 

 

 

誰かに頬を突っつかれた気がして視線を向けるとそこには百鬼あやめさんがいた。

 

「余だぞ!」

 

 

 

「あ、百鬼さん」

 

 

 

「も~~余はずっとキミのことを見ていたのにさ。キミはずっと読書に夢中でこっちに気付いてくれないだもん」

 

 

 

「あ、それはすいません。僕って一つのことに夢中になると周りのことが全然気にならなくなるので」

 

 

僕の右隣の席に座った、この人の名前は百鬼あやめさん。鬼らしくて二本の角が生えている。そして背中には二本の刀。物騒なものを持っている割に中はポンなところもあったりするんです。話をしても全然聞いてなかったりとね。これも百鬼さんの特徴ですね。

 

 

「もっと余のことをみてよ~~」

 

百鬼さんにある程度構ったら僕は読書に戻った。

 

 

本を読んでいると急に視界が真っ暗になった。

 

「だ~~れだ」

 

 

 

「紫咲さんですか」

 

 

 

「正解!!それにしてもよくわかったね」

 

 

 

「それは分かりますよ。だって全然声も隠す気なかったじゃないですか」

 

さすがに僕も紫咲さんと知り合って1ヶ月が経っているから声だって覚えている。

 

 

 

 

「当ててくれたキミにはシオンが撫でてあげよう~」

 

紫咲さんは少し力を入れて雑に僕の頭を撫でた。僕の髪は鏡を見なくても分かるほどにボサボサになった。

 

 

「や、やめてくださいよ」

 

僕の右斜め後ろの席に座ったのは紫咲シオンさん。本人いわく魔法使いらしい。魔女のようなハットを被っているのも特徴の一つ。ちょっと子供のような言動が目立つけど、たぶん彼女からすれば一つのコミュニケーションなんだと思う。

 

 

 

そして本をまた読み始めて少し時間が経った頃に…急に耳元に誰かの吐息が掛かった。体がビクッとしてしまった。こんなことをするような人は見なくても分かってしまう。

 

 

「…癒月さん」

 

 

 

「あら顔を赤くしちゃって可愛い~」

 

 

 

「こういうことは止めてくださいよ」

 

 

 

「それはちょっと聞けない願いかな」

 

僕の右斜め前の席に座ったのは、癒月ちょこさん。小悪魔お姉さん的な人で僕はよくからかわれている。さっきもそれの一環。生徒というより先生の方が良く似合うような人だと思うのは僕だけではないと思う。頭から二本の角が生えているのも癒月さんの特徴の一つ。

 

 

 

そろそろHRが始まる時間が近づいてきたので本を机の中にしまう。

 

 

 

そして目線を上げると―――――——

 

 

 

 

 

 

「うわぁ!!!!!」

 

 

「おはようっす」

 

視線を上げるとそこには大空さんが満面に笑みを浮かべて頬杖をついていた。

 

 

 

「来ていたのなら言ってくださいよ。心臓が止まるところでしたから」

 

 

 

「スバルは真剣に本を読んでいる、キミが見れたので幸せっす」

 

 

「僕なんかを見ても何も楽しくないですよ」

 

僕の前の隙に座っているのは、大空スバルさん。とっても活発的な人でこの人ほど元気な人は今まで見たこともない。いつも帽子を被ってて本当に外見からも活発的なのが分かるほどだ。

 

 

 

僕はこの五人に囲まれている形なのだ。僕は窓側ということもあって左隣はない。目の前には大空さん、右斜め前には癒月さん、右隣には百鬼さん、右斜め後ろには紫咲さん、僕の後ろには湊さん。この五人は学園でも有名な五人組だがそれだけだったら別に僕は問題なかった。

 

周りの生徒は気付いていないかもしれないが、この五人は授業中でも休み時間でも暇さえあれば『大好き』と囁いて来るのだ。

 

 

 

 

「余はキミのことが大好きだよ」

 

僕にだけ聞こえるような小さな声で隣の百鬼さんは囁く。そんなことを言われて顔を赤らめないで済むほど僕には耐性がない。

 

 

 

「あ、あやめちゃんだけずるい。シオンもキミのことが大好き」

 

 

「ならちょこも。キミのことがちょこはだ~いすきだよ」

 

 

「そ、それなら…あてぃしも。あてぃしだってキミのことが…す、すき…」

 

 

「もちろん、スバルも大好きだよ」

 

本当に僕はいつになったら解放されるのかな。このままずっとこの席だったら僕が持たないよ。




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