ホロメンとの高校生活   作:主義

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体育祭(準備編②)

 

体育祭まであと一週間と迫ってきた。それぞれ自分が出る競技が決まってその練習に勤しんでいる。運動が不得意な僕にも割り当てられた競技がある。それは二人三脚と借り物競争、クラスリレー。クラスリレーに関しては距離も50mと短いから大丈夫だと思うけど…それ以外の二つが問題だよね。二人三脚に関しても相手に迷惑が掛からないようにしないとだし…。借り物競争は一度もやったことないからあんまり分かってないけど、たぶん一筋縄ではいかないですよね。

 

 

周りを見渡すとそれぞれが練習を頑張っている。借り物競争は練習はほとんどない。でも、二人三脚に関してはそうもいかない。相手が存在するから。

 

「遅れちゃってごめん~~」

 

 

「大丈夫ですよ」

 

僕が待っていたのは…癒月さん。こういうのは普通男子は男子で組むものじゃないのかなぁと疑問を持っているけど…決まった以上は仕方ない。

 

「それにしても癒月さんは嫌じゃないですか?」

 

 

「…なにが?」

 

 

「いや、二人三脚を僕と組むことに関して」

 

 

「ちょこが嫌な訳ないじゃん。むしろウエルカム!」

 

 

「そ、そうですか…それならいいんですが…」

 

僕と癒月さんの身長差は10cm程度だからそこまで影響はないはず。でも、普通は同じぐらいの身長の人と組むものでしょ。

 

 

「癒月さんは二人三脚とかやったことありますか?」

 

 

「ちょこは今回が初めてかな。キミは?」

 

 

「僕もそうなんですよね…」

 

 

「ちょこたちは気楽にいこう」

 

 

「はい」

 

そしてお互いに片足をひもで縛って肩を組む。まずは掛け声と共に一歩ずつやっていく。お互いの呼吸が合わないと転ばずに進んでいくのは難しい。

 

 

「それじゃあ…まずは右から行きましょうか」

 

 

「OK」

 

 

「せ~の…」

 

それから癒月さんとの練習が始まり、最初はさすがに息が合わせるのが難しくて転びそうになったけど、少しずつ合っていく。地面には石とか砂利があるから転んだら擦りむく可能性もかなりあるからかなり慎重に練習している。

 

僕は良いけど、さすがに癒月さんが擦りむいたりするのは避けたいし。

 

 

 

でも、やっぱりまだ完全に整地されていないので躓くことが多い。そして二人のうち、どっちが躓いてもお互いにバランス感覚を崩して転ぶかもしれない。

 

「息を合わせて行きましょう」

 

 

「うん!」

 

 

「せ~の」

 

そして一歩、また一歩と着実に進んでいく。だけど順調に行っているように思った瞬間に癒月さんが石に躓いて…お互いのバランスが崩れた。簡単に立ちなれなくてこのままだと二人とも地面へと待ったなし。

僕は咄嗟に癒月さんのことを抱きしめてから地面に落ちた。

 

 

なので結果的に僕が下敷きになる感じで癒月さんは地面と接することが無かった。

 

 

「大丈夫ですか?」

 

 

「…う、うん……///」

 

 

「癒月さんに怪我がなかったらよかったです」

 

さすがにここまでしたのに癒月さんが怪我をしちゃったら意味がないもんね。

 

 

「あ、あの…」

 

 

「あ、すいません」

 

そこで僕は癒月さんを抱きしめるの止めた。今日はある程度練習出来たから解散ということになった。さすがに抱きしめちゃったのはマズかったかも。

 

これは後々考えて思ったことだけど、やっぱり高校生の男子が恋人でもない女子生徒を抱きしめるのは痴漢として訴えられてもおかしくないんじゃないだろうか。

そう考えるとかなり危ないことをしたことになる。

 

 

 

―――――――――――

 

今日の練習の予定は二人三脚しかないから今日は終わり。借り物競争に関しては段取りだけ覚えておいてと連絡だけは来ていただけ。多分、前日の予行以外は練習という練習はないんだと思う。

 

ちょっと休めるところから皆の練習を眺めていると…急に誰かが肩を叩いてきた。

 

「ねぇ」

 

 

「あ、紫咲さん」

 

たぶん、紫咲さんも練習をしていたんだと思う。だって体育着には校庭の土が付いちゃっているし。

 

 

「さっき、ちょこせんと何していたの?」

 

 

「あ、練習ですよ。二人三脚の」

 

 

「ち、ちがうよ!さっき抱きしめてたでしょ!」

 

 

「それは転びそうになったんで。さすがに癒月さんを怪我させる訳にはいきませんし。それで僕が地面との下敷きになる感じで」

 

それを聞いた、紫咲さんは明らかに不満そうな顔をしている。

 

 

「ど、どうしたんですか?」

 

 

「じゃあ、シオンが転びそうになったら同じようにしてくれる?」

 

 

「え…そ、それはしますけど、紫咲さんって二人三脚で出る予定はなかったですよね」

 

僕は念のため、休みが出た時のために二回出ることになっている。でも、紫咲さんは二人三脚のエントリー表にはいなかったと思う。

 

 

「そうだけど……だ、だったら今からやろ」

 

 

「え」

 

 

「今から二人で二人三脚しよ」

 

 

「え……別に紫咲さんは練習しなくてもいいんじゃないですか?だってエントリーしてないですし」

 

 

「それでも!!」

 

そして最終的には紫咲さんに押し切られる形で僕はもう一度二人三脚をすることになった。

 

 

 

 

「それじゃあ…せ~ので左足を踏み出してくださいね」

 

癒月さんの時はそこまで大きな身長差がなかったからかなり楽だったけど、紫咲さんと僕の身長はかなり差がある。だからお互いに腕組みをするというより僕は紫咲さんの肩に手を置く程度で紫咲さんは僕の胴体に手を回している感じ。

 

さすがにこれじゃ…バランスがうまく取れない。

 

 

「うん」

 

 

「今から止められますよ。もしかしたら怪我しちゃう可能性だってない訳じゃないですし」

 

 

「だ、だいじょうぶ!!」

 

そして僕たちは『せ~の』という掛け声で足を踏み出して進んでいく。最初は予想と反してかなり順調だったけど、中盤に入って来るとさすがにいつ転んでもおかしくない感じにバランスが崩れていく。止まるにしてもお互いに息を合わせて少しずつスピードを落としていくしかない。

 

 

「止まりましょう」

 

 

「う、うん」

 

そして少しずつスピードを落としていくところで紫咲さんが石に躓いでバランスが崩れて…転びそうになった。もちろん、僕もそれに釣られるような形で転ぶ。

 

僕は癒月さんの時と同じような感じで紫咲さんを抱きしめて…僕が下敷きのようになった。

 

 

「い、いた…。怪我はないんですか?」

 

 

「う、うん…。あ、ありがと……///」

 

そしてその場で紐をほどいて…二人三脚の練習は終わりを迎えた。紫咲さんはそそくさと帰ってしまって僕は後片付けをして…教室に戻った。

 

 




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