ホロメンとの高校生活 作:主義
今日はついに…体育祭。天気は本当に体育祭日和と言ってもいいぐらいの晴天。そして周りの人たちはとっても盛り上がっているけど、僕としては何事もなく終わることの祈るだけ。大きな失敗をせず、無事に体育祭を乗り切ることだけ。
自分の出場する競技が来るまで多くの人は自由。どこかで暇を潰したり、端末をいじっていたりと本当に人それぞれ。
「あ、先輩」
「不知火さん」
この金髪を結んでいる子は不知火フレアさん。少し前に宝鐘さん繋がりで紹介されたんですよね。
「先輩は紅組なんですね」
「はいって不知火さんは白組ですか」
「はい。今日は敵同士ですね」
少し不知火さんの圧に押される形で後ずさりをしてしまった。
「は、はい」
今回は高等部も中等部も同じ日に違う場所で体育祭を行っている。そして高等部から中等部の全校生徒が紅組と白組の二つに分かれて競う。だから高等部は紅組が買ったとしても、中等部では白組が勝つと総得点で勝者が決まる。
「先輩は何の競技に出るんですか?」
「二人三脚と借り物競争とクラスリレーですかね」
「先輩が出るところはしっかりと見るので頑張ってくださいね!」
「い、いや、別にそんな見ないでいいですよ」
それに誰かに見られていると思っちゃうと余計に緊張しちゃいますし。
「先輩の雄姿を目に焼き付けるので頑張ってください!」
そしてそう言うと同時に…次の競技の人の呼び出しが掛かって不知火さんは入場ゲートの方へと向かっていった。不知火さんの後ろ姿を眺めていると…誰かが後ろにいる気配がして振り返るとそこにはーーーーー
「うわ、み、みなとさん!!」
驚いて後ろに後ずさってしまい、転びそうになっちゃった。音もたてずに後ろに立たれていてそれに気付いた人の反応としては普通だと思う。
「…う、うん」
「ど、どうしたんですか!?」
「は、はなせないかなぁ…って」
「別に大丈夫ですよ」
湊さんと話すことも慣れてきましたね。正直、体育祭の影響で一番話すようになったのが湊さんの気がする。今まで二人で話すことはそんなに多くなかったし。
「き、きょうって…いいてんきだよね」
「あ、そうですね。いい天気ですね」
え…もしかして距離が縮まっていると思っていたのは僕だけ。今の会話だけ聞いたら本当にぎこちない二人の会話。
「き、きんちょうしちゃって…」
確かに湊さんの手は小刻みに震えていて…緊張しているのが目に見えて分かる。
「大丈夫ですよ。湊さんがたくさん練習しているのを僕は見ていましたので。絶対に湊さんは大丈夫なので安心してください。それに全てが終わったら…お寿司が待っていますから」
「……う、うん…」
僕は湊さんの手を握って「大丈夫」と言い聞かせる。こういうのは暗示でどうにかなっちゃったりする。やっぱり心の持ちようなので。
「だから頑張ってください。僕も精一杯頑張るので!」
「がんばる」
「はい!」
そしてお互いに「怪我無く終えること」を目標に頑張ろうと約束した。
時間はどんどん進んでいってプログラムは三分一ぐらいにまで来た。そして僕の出場する予定の二人三脚は次と迫っている。隣の癒月さんは楽しそうで全然緊張している様子が見えない。僕なんて…湊さんにあんなことを言っておきながら腕が震えちゃっているもん。やっぱり迫ってくると緊張も増してくる。
「癒月さんって緊張しないんですか?」
「緊張?」
「はい、あんまりしているように見えないので」
「しない訳じゃないわよ。しっかりとするけど…でも、今はキミと一緒に居られることの方が楽しい!」
「そ、そうですか?」
「うん!だから大丈夫!」
そして一つ前の競技が終わって僕たちの入場が始まった。
それでもまだ緊張が止まらないなぁって考えていると…急に僕のことを呼ぶ声が聞こえてきた。声の方に視線を向けた。
「ちょこせんも〇〇くんも頑張ってくれ~~」
「がんばって~余も二人三脚にエントリーすればよかった余」
「それは…シオンも思った!シオンもエントリーすれば……で、でも…今は頑張って~」
「が、がんばって~」
大空さんに百鬼さん、紫咲さんに湊さんまで応援してくれている。こんなに誰かに応援されるとさすがに弱気になれない。応援してくれている人たちの分まで頑張らないと。
それにあんなに大声を出すのが苦手な湊さんまで応援してくれているし。ここで頑張らなかったら男としてすたる。
「頑張りましょう、癒月さん!」
「そうね」
そして気合を入れて…挑んだ結果はなんと2位。さすがに1位は取れなかったものの、練習よりもかなりスムーズに行けた。何よりも一回も転ばなかったのはよかった。
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