ホロメンとの高校生活   作:主義

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バイト中に来る先輩たち

高校生は欲しい物がたくさんある。さすがにお小遣いだけじゃどうしても足りなくなってしまう。そうなるとお金を手に入れる手段として残っているのは…『バイト』。

 

 

それは僕も同じで…自分の欲しい物のためにバイトを始めることにした。そして僕が働くことになったのは学校からそれほど遠くない喫茶店。そこでウェイターとして今は働いている。

 

 

「本当にすまないね」

 

 

「大丈夫ですよ。今日は暇だったので」

 

元々、今日はシフトが入っていなかったけど、元々入る予定だった人がどうやら風邪を引いてしまったらしくて…代わりに入って欲しいと連絡があった。今日は何もなかったので二つ返事で了承した。

 

 

「ちょっと給料は弾んでおくよ」

 

 

「あ、ありがとうございます!!」

 

今は少しでもお金が欲しい所。働ける時はいつでも働いておきたいほど。

 

 

 

そして仕事を初めて…いつもと同じようにお客さん捌いていく。

 

「いらっしゃいま……って…白上先輩」

 

 

「うん、来ちゃった」

 

 

「…来ちゃった…って…」

 

 

「後輩くんがバイトをしているって聞いて来てみたかったの」

 

 

「そ、そうなんですか…」

 

僕は動揺してしまったが、今は店員とお客さんという関係性だということを思い出してすぐに接客をする。

 

 

「お好きな席に座ってください」

 

 

「うん!」

 

すると白上先輩は店内を見渡してから窓側の席に腰を下ろした。

 

 

「ご注文が決まったら呼んでください」

 

立ち去ろうと踵を返したはいいものの、足を進めようとしても進まない。その原因は僕の服の袖を掴まれているから。

 

 

「どうしたんですか?」

 

 

「もう少し、白上と話そうよ!」

 

 

「…で、でも…仕事中なので」

 

 

「ちょっとだけだから。それに今は白上以外お客さんいないしさ」

 

確かに今はちょうど、白上先輩以外のお客さんはいない。ちょうど入れ替わる形で白上先輩が来たこともあって。だけど、一応、お金を貰っている訳だしと思ってカウンターの方に視線を向けるとなぜか店長がサムズアップのポーズを取っていた。

 

 

「わかりました。お客さんが来るまでは少し話しましょうか」

 

僕は白上先輩に促されるままに相席の形で白上先輩の目の前に腰を下ろす。

 

 

「まず……後輩くん、とっても似合ってるよ!」

 

 

「そ、そうですか。そうでもないと思いますけど…」

 

 

「ううん、似合ってるよ!!」

 

白上先輩はなぜか少し食い気味に話してくるのでこっちも…ちょっと後ずさってしまう。

 

 

「…あ、ありがとうございます」

 

 

「本当に後輩くんって何を着ても絶対に似合うよね」

 

 

「…そうですかね。白上先輩の方が何でも似合いそうですよね」

 

学内でもやっぱり屈指の人気を誇っていて、スタイルも抜群。それでもって誰とも付き合っていないというのが…多くの男子生徒の心を射止めている理由なんだと思う。だから、誰のものにもなっていないというところがいいのかな。

 

「白上はそうでもないよ。キミほどじゃないし」

 

それから僕が働いた経緯などを話したりした。

 

 

「バイトくんが困っているんならちょっとぐらいお金をあげるよ」

 

 

「いや、さすがに…それはまずいですよ」

 

 

「別に白上はいいのに。それが嫌だったら白上のショッピングに一日付き合ってくれたからその対価して払ってもいいんだよ」

 

 

「それも悪いですって…」

 

さすがに一つ上の先輩からお金を借りるならまだしも…もらうなんてマズイ。白上先輩だって後輩にお金をあげたみたいな話が学内で持ち上がったりしたら、これからの学校生活に大きな影響が出かねない。

 

 

「え~~白上はそうして欲しいの!お願い!」

 

 

「…さすがにマズイですって。そんなことをしたら…」

 

 

「白上がして欲しいの!!」

 

 

「なら普通に付き合いますよ。ショッピングに付き合いますし」

 

 

「…も~~白上はいいのに…」

 

白上先輩はかなり不服そうな顔をしているけど…さすがにお金を貰っちゃったらまずいですよ。お金を貰っちゃったりすると後々、揉める可能性もありますしね。一応、白上先輩との関係はクリーンな関係でいたい。

 

 

そんな話をしていると入口のドアのベルが鳴った。入口からフードは目深に被って、うちの学校の制服を着ている人が入ってきた。

 

「いらっしゃいませ」

 

 

「あ、本当に働いていてる!!」

 

フードを脱ぐと…綺麗な青い髪が露になった。

 

 

「星街先輩」

 

 

「すいちゃん、来ちゃった!」

 

 

「…来ちゃいましたか。お好きな席にどうぞ」

 

 

「え~~すいちゃんに対して冷たくない~」

 

 

「いや、そうでもないと思いますけど」

 

 

「すいちゃんを席へ案内してよ~そうじゃないとすいちゃんは動かないよ」

 

まるで子供のように駄々をこね始めている。星街先輩のイメージはもっと大人っぽくてクールなイメージだったんですけどね。

 

 

「…分かりましたよ。じゃあ…付いて来て下さい」

 

 

「やぁだぁ~~ちゃんとすいちゃんの手を握って」

 

 

「はいはい…握るので付いて来て下さいね」

 

まるで子供を案内する時と同じように星街先輩は席まで連れていく。こんな風に案内するのは初めてで僕も困惑していて…明らかに店長の方に視線を向けると困惑していた。

 

 

「ここに座ってください」

 

 

「うん!!」

 

 

「これがメニュー表ですので…ご注文がお決まりになったら呼び鈴を鳴らしてください。ではごゆっくり」

 

そして立ち去ろうとして立ち去れないもの。白上先輩と同じで星街先輩も僕の服の袖を掴んでくる。

 

 

「…なんですか?」

 

 

「まだ一緒にいたいもん!」

 

 

「いや、仕事をしているので………って離してくれませんか?」

 

 

「やだ!チップあげるから…もうちょっとここにいてよ」

 

星街先輩はお財布からお札を取り出して僕に渡そうとしてくる。さすがにそんなことまでされたら…離れなられない。

 

 

「チップは大丈夫です。もうちょっとここにいるので」

 

 

「ほんと~?」

 

 

「本当です…」

 

すると急に後ろから誰かが近づいて来る気配を感じた。

 

 

「すいちゃん!」

 

 

「え、フブちゃんも来てたの?」

 

 

「うん!後輩くんに会うために」

 

 

「そうなんだぁ~」

 

 

「やっぱりすいちゃんも後輩くんに会うために来たの?」

 

 

「もちろん!!すいちゃんは後輩に優しいからね」

 

どうやらお二人は顔見知りのようで話をし始めた。まあ、学内では二人とも有名なので接点があったとしても驚きはない。

 

 

でも、これはチャンスかもしれない。二人が会話に夢中になっている間に戻ればと思って抜き足差し合いで…少しずつ距離を取っていく。

 

やっとこれで…と思った瞬間に両腕を誰かに掴まれた。でも、それは振り返らなくても掴んでいる人が誰なのかは分かってしまう。

 

 

念のため振り返ると…そこには笑顔の白上先輩と星街先輩がいた。

 

「だめだよ。白上たちから逃げようとしちゃ」

 

 

「そうだよ。すいちゃんたちから逃げられると思わないでね」

 

 

 

「あ、はい…」

 

それから1時間以上も僕は二人に拘束された。店長は助け舟を出すわけでもなくて…たまに店長の方に視線を送るとサムズアップをしてくる。

 

これからバイトをする時はあんまりバレないようなところでやるようにしようと心に決めた。

 

 




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